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桶川飛行学校からのメッセージ




■伍井芳夫大尉の複葉式練習機、通称、”赤とんぼ”は―もう、戦闘機も燃料も陸軍にはなかったのである―、桶川上空を爆音を響かせて旋回したあと、鹿児島の知覧基地へ向かった。大尉は、桶川の将校宿舎に住む家族に最後の別れを告げたのだった。子どもはまだ1歳だった。その爆音をいまでも覚えているひとがいる。

桶川市は平和都市宣言を行い、8月6日から15日までの10日間を「平和を考える10日間」とし、駅ビルのイベントホールでコンサートやアニメ上映、紙芝居、朗読会などを通じて、戦争体験を次世代へ手渡そうとしている。その中の一環として、きょう8月12日の午後に、旧陸軍桶川飛行学校を語り継ぐ会が、「桶川飛行学校からのメッセージ」と題して、戦争遺族から見た戦争や、戦争遺跡としての桶川飛行学校の歴史とその意義などについて、お話があった。以下は、その話を要点のみでメモ書きにしたものである。多少、誤記もあるかもしれないし、不十分なメモだが、記録として残しておきたい。乱文はご容赦されたい。





桶川飛行学校からのメッセージ

旧陸軍桶川飛行学校を語り継ぐ会

<会長(伍井芳夫大尉のお嬢さん)のお話し>

・フィリピンで初めて特攻作戦があった→成功(これが失敗していれば、悲惨な特攻作戦はなかったかもしれない)
・飛行学校を残すことで、戦争があったことを建物が語る
・平成19年に住居として住んでいた人が出て、建物が残されていた
・戦争があったことを残す→1万5千名の署名
・現在、耐震工事のため立ち入り禁止
・こだま飛行場(坂戸)、越谷にも飛行場があった
・飛行機に乗れるというのは憧れだった
・教官クラスも特攻隊になった
・教官であるがゆえの苦悩
・第23振武隊隊長 伍井芳夫大尉(特進後中佐)
・最後は燃料がない、松脂を燃料にした
・食料がなくて死んだ、戦って死んだんじゃない(遺族会のひと語る)
・戦争は痛ましい→語り継ぐ必要がある
・15年、20年前までは、特攻隊の話は封印されていた
・『特攻隊長 伍井芳夫』(桶川図書館にあり)

<内藤たけしさん(語り継ぐ会理事)のお話し>

・飛行学校の歴史
・ことし2月、守衛所、車庫、便所、弾薬庫、を市が有形文化財に指定
・5月に解体調査に着手
・現在は、建物の老朽化・案内は中止、立ち入り禁止
・桶川飛行学校、昭和12年の6月3日に開校、約80年の歳月を経てそのまま残している
・全国でも数少ない戦争遺跡
・下士官操縦学生を教育
・下士官30-50人を二個班に編成、気象学、航空工学、航空力学を講義
・当時の格納庫、給水塔、吹き流しなど、コンクリート基礎は全国に残っている
・飛行機は鉄の骨組に絹の布を張った通称赤とんぼという練習機を使用
・前座席に教官、うしろに学生が乗った
・きりもみなどの特殊飛行
・九九式高等練習機を使用
・浜松・岐阜等遠方へ飛行訓練
・台湾・朝鮮での実地訓練
・学生は兵舎に寄宿
・教官は外部に住居
・昭和16年12.6太平洋戦争勃発
・陸軍少年飛行兵、受験資格満15歳以上、19歳未満
・富永やすし少尉、長崎出身、散華二階級特進
・昭和19年後半には、燃料不足、飛行機不足のため昭和20年には閉校
・1600名の飛行兵を教育訓練
・昭和20年4月5日正午、第79振武隊、練習機によるはじめての特攻出撃
・満州からの引揚者の住宅、通称若宮住宅として使用 33世帯60数名
・トーラス建築法、和洋折衷の戦争遺跡
・桶川市平和都市宣言に則った戦争資料を収集
・戦争には正義も道徳もない、こころを含めた破壊しかない
・飛行学校の存在を永久に語り継がなければならない

<桶川飛行学校の今後>

・解体が来年3月に終了予定、それから建て替え
・この二年間、行田のものつくり大学に委託して調査
・ものつくり大学の提案の中では、最低でもいまの4棟を復元、市のほうもその点は一致している
・一回解体して、使えるものは使って復元
・風呂場棟も復元したい
・財政面、政策面などで、まだ確定していない
・文化財のため、4棟は最低でも復元するだろう
・8500万の予算で4棟の解体、一つ一つの部材を調査、サイズ、どういう作り方か、調査
・来年度再来年度に設計をして、オリンピックの年に最低限の復元
・戦争遺跡は、鉄筋は残っている、かまぼこ型の兵舎、円柱などのコンクリートものは全国には残っているが、桶川飛行学校は全木造、敷地は桶川市所有
・一般民衆に近いひとが入っていた(きのうまで、大学で勉強していた)
・まとまって戦争遺跡が残っている
・木造なので解体して残すほかない

<語り継ぐ会の活動>

・中学校・高等学校へ講演
・この8年間、土曜日曜祝日に10人くらいで詰めていた
・関係者は250名、会員は180名






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一日一句(1624)







八月の狂気伊方の再稼働






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一日一句(1623)







冷素麺ひかりの中の櫟の葉






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一日一句(1622)







西国をごろりと選ぶ西瓜かな






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一日一句(1621)







大地から夜になりゆく茂りかな






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一日一句(1620)







海鳴りや茂りを洩るる世のひかり






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一日一句(1619)







秋風やけふは古木のなりをして






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