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詩的断章「バルザックの珈琲」







バルザックの珈琲





バルザックは
日に五十杯の珈琲飲んで
執筆にいそしんだ
嘘か真か
カップが
小さかったんだろうね

わたしは
前立腺肥大で
ひとさまの2.5倍ある
自慢じゃないが
頻尿である
おーい お茶
大きな茶碗で
日に十杯
朝は
ふとんの中で
夜は
ふとんの中で
昼は
ふとんの中で

ヲイ
寝てばっかりじゃないか
トイレへ行くぜ!
大喰いだったバルザックの一日の
糞尿の量を想像してみる
糞尿で忙しい
頻尿で忙しい わたしは
トイレで詩を書いている
その詩はさっぱり売れない
女好きの 
バルザックは五十一で死んだ
莫大な借金を残して
ひとのものはおれのもの

憲法はおれのもの
安倍さんは
奥さんにはやさしいそうだ
なんだか
アウシュヴィッツの
執務室の机の上に
家族写真を飾っていた
ナチの将校に
ますます
似て来たじゃないか
Mal banal
Mal banal


初出「浜風文庫」






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一日一句(1304)







あれこれと木の名あげたる落葉かな






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