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Cioranを読む(43)


■旧暦4月9日、水曜日、、鵜飼開き

(写真)white & pink

雨模様の朝。ブランフレークと珈琲、バナナ、深蒸。



Ma mission est de voir les choses telles qu'elles sont. Tout le contraire d'une mission...  Cioran Aveux et Anathèmes p.62

わたしの使命は、ものごとをありのままに見ることである。使命というものの正反対であるが...

■シオランの「使命」観が出ていて面白かった。こう考えると、判断=行為という次元にはなかなか、至らないのではないか。どんな認識にも、そのベースには、それ以上疑えない世界観があり、それは、一種のイデオロギーと言っていい。「使命」は、なんらかの意味で、イデオロギーと関連する。でなければ、行動には至らない。シオランは隠者(じっとしている人)を一つの生き方のモデルにしているのだろう。

考えてみると、兼好や長明などの隠者の暮らしは、シオランと同じように、環境に働きかけ環境をコントロールしようという支配の知性ではなく、環境に適応しようとする適応の知性なのかもしれない。その意味では、動物の知性に近い。隠者に共通するのは、「労働の欠如」である。ただ、労働と一口に言っても、大量消費・大量生産が前提の近代以降の労働と、自然に大きく左右され、自然の言葉に耳を澄ませていた近代以前の労働では、性格がずいぶん異なるだろう。近代以前の労働はどんなものだったのか、今では見えなくなってしまったものの中には、なにか、重要なものもあるような気がする。



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一日一句(111)






近頃はひとの名が出ず更衣





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