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芭蕉の俳句(193)

■旧暦7月18日、月曜日、

(写真)秋の海

叔母が退院しリハビリのめどが立って、やっと仕事に専念できる。一二ヶ月リハビリして、介護保険を使って夕食の配達や家事補助などの体制を整える予定。

近所に街中を流れる川がある。昔は生活物資を舟で運んだ歴史ある川らしいが、今は、生活排水も流れ込む平凡な川である。その川の近くの風呂屋の主が「坂川のおじさん」である。午後、通りかかると、たいてい、川を見ている。おじさんとぼくは友だちで、よく川について話をするのだが、今日は、面白いことを聞いた。おせいじにも清流とは言い難いこの坂川に、鰻がいると言うのである。二三日、泥を吐かせて蒲焼にすると、脂が乗っていて、伊勢丹で買ったものより旨いと言う。意外な話で驚いた。そもそも鰻は清流を好むのかどうか、わからないが、鰻について調べてみると、

「ウナギは淡水魚として知られているが、海で産卵・孵化を行い、淡水にさかのぼってくる『降河回遊(こうかかいゆう)』という生活形態をとる。従来、ウナギの産卵場所はフィリピン海溝付近の海域とされたが、外洋域の深海ということもあり長年にわたる謎であった。しかし、2006年2月、東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授などが、ニホンウナギの産卵場所がグアム島やマリアナ諸島の西側沖のマリアナ海嶺のスルガ海山付近であることを、ほぼ突き止めた。これは孵化後2日目の仔魚を多数採集することに成功し、その遺伝子を調べニホンウナギであることが確認されている[1]。冬に産卵するという従来の説は誤りとされ、現在は6~7月の新月の日に一斉に産卵するという説が有力である。」(ウィキ

養殖鰻しか知らなかったので、かなり驚いた。




撓みては雪待つ竹のけしきかな
   (真蹟自画賛)

■元禄7年作。俳句も表現の一つであるから、その俳句の何に惹かれたのかという点を具体的な表現との関わりから再考してみるのは俳句を書く上で参考になると思う。この句の中には、雪という言葉はあるが、実際に竹に雪が積もっているわけではない。眼前にはない雪の情感に惹かれた。この情感を出しているのは、この句全体の意匠だが、「撓みては」の措辞が効いているように思う。
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