かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

もんじゅついに廃炉か? 実験にお金を投じるのは別に構わなのですが明細は見たいですね。

2016-09-21 22:08:20 | Weblog
 今日の最高気温は24.9℃。昨日に続いて低い気温です。台風一過、晴れていればさすがにもう少し上がったのでしょうが、残念ながらほとんど日が差さない曇り空ではいかんともしがたいでしょう。しかし、既に猛暑も遠い思い出になりつつある今日においては、毎日最高気温のみ記録するのももうあまり意味はありませんね。そろそろ手仕舞いにするのも良いかもしれません。

 さて、夢の高速増殖炉だったはずの「もんじゅ」が、ついに政府の手で、廃炉を含め抜本的な見直しをかけられることになりました。1985年建設開始、1994年臨界達成、しかし翌年12月に冷却材のナトリウムが漏れる事故が起こり停止、実に15年の歳月を経て改造の上再稼働され、再び臨界を達成、しかし45日後に炉内中継装置という部品が炉内に落下する事故があり停止、そのご、何とかこれを引き上げて再稼働を目指したものの、東日本大震災の福島事故で原発の耐震基準が色々見直され、もんじゅを三度動かすためにはその耐震工事だけで一千億円、維持費や運転費用などを入れると、再々可動には5800億円いると試算されています。しかも、ただ止めているだけでも維持管理経費が1日5千万円飛んで行くという金食い虫。これまでに1兆2千億円つぎ込んできましたが、とうとうギブアップよりなし、という判断が下されそうです。しかし、廃炉費用もまた3千億円かかり、しかも、まだ技術的に未確立のナトリウム冷却材の除去費用は入っていません。置いておいても潰そうとしても莫大なお金がかかる困った装置になってしまいました。それにしてもなんでそんなにお金がいるのか、一度ちゃんと明細を出してもらえたらいいなと思います。

 個人的に、もんじゅのような実用実験炉は、あくまでまだ実験ですし、資源に乏しい我が国としては、コストは可能な限りかけて実験を続けるべきだと思っています。熱伝導性に優れ、中性子を減速させにくい特徴を持つナトリウムを使うのも、実験炉「常陽」で連続運転してその危険性を極力廃したわけですから、巷間言われるほど危ない技術というわけでもなかったのでしょう。でも、引っかかったのは、そのナトリウムを抜く技術がないという話です。後始末をする方法が判ってないのに実験を進めるというのは、さすがにどうかと思います。それこそ常陽などの先行研究で詰めておくべきところでしょうに、なぜ方法がないまま突っ走ってしまったのか、大変疑問です。
 国はもんじゅ廃炉の後、更に研究を進めるための新もんじゅを作ることも視野に入っているそうですが、全国の原子力発電所の大半が未だ稼働ならず、本当にエネルギーを「増殖」する意義があるのか、かつてと比べると色々と怪しげな感じもしてきました。新文殊を作るのは結構なのですが、なぜもんじゅは成功しなかったのか、という点については、国民にも理解できる平易な表現で、しっかり反省して後の世に伝えて欲しいです。

コメント
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