かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

お湯が水より早く凍るという不思議があるというのなら、まず現象の再現を試みてはいかがでしょう?

2008-07-31 22:41:02 | CG
 今日でひたすら暑かった7月も終わり、明日からは8月ということになるわけですが、ひところは夜もひたすら暑苦しかったのが、このごろ妙に夜間は涼しく、ヘタをすると風邪でも引きかねないほど、明け方の気温が下がっているように感じます。昼間は幾ら暑くても夜さえ涼しければ案外に何とかなるもので、ひょっとして暑さの峠が越えたのか? とあらぬ期待を抱いてしまうのですが、幾らなんでもそれはまだ気が早いかもしれません。あるいは暑さにとうとう順応した、という見方も出来ますが、いずれにせよただただ消耗するばかりだった7月が終わった、というのは、少しばかり気が晴れるように感じます。そんなさなか、本日は職場で暑気払い、という名の飲み会があり、たった今帰宅したところです。少々御酒を過ごし、もう眠くて眠くてたまらないのですが、明日もう一日仕事があるので、ここはなるだけ早く寝て、明日に備えねばなりません。
 それはそれとして、今日は不思議なニュースを見ました。NHKの化学実験番組、「ためしてガッテン」で流された内容だそうですが、水よりもお湯のほうが早く氷になる、という話なのです。これに対し、人魂で有名な(などと書くと失礼かもしれませんが)大槻義彦・早稲田大名誉教授は、「馬鹿馬鹿しい」と一蹴したそうですが、一方で条件次第ではありうるかも、と述べる学者もいるなど、結構侃々諤々な論争になっているのだそうです。
 私は基本的に「そんな馬鹿な」と思う方なのですが、今は酔っているせいか、ひょっとしてありうるのかも? などと思う気持ちも少し沸いてきたりもして、ではそんなことがありうる条件とは何なのか、とアルコール漬けの頭で考えたりしています。でも、基本的には水なら1cc当たり1℃の温度変化で1カロリーのエネルギーがやり取りされるわけですし、氷になるときは確か1キロ当たり80kcalの潜熱がやり取りされると記憶しているのですが、そのエネルギーの変遷はお湯だろうが水だろうが変わらないはずで、それからすると、温度の低い水の方が常識的に凍りやすいはずなのです。「ためしてガッテン」がどんな実験をしたか知りませんし、そもそもあの番組の実験なんて、悪名高い「あるある大辞典」とそう違わないレベルの、実験以前のパフォーマンスに過ぎない、と思う私としては実験内容それ自体に疑問があるのですが、はっきりさせるなら十分に洗浄した器具を最低でも5組用意し、蒸留とフィルター、それに紫外線処理して不純物を極力減らした超純水でも使って、出来れば実験直前に一度煮沸してガス抜きなども行ったうえで器具に密封し、所定の温度に調整してから、全て同一条件で冷凍装置にセットする、位のことを2回以上繰り返して、まず水そのものの性質としてそういうことがありうるのかを調べた上で、水に色々な物を溶かしてみたりして条件を変えて同じように実験を繰り返し、果たしてそのような現象が生じるのか、その再現性はあるか、を明らかにしたのち、もしありえたとしたらどのような理屈が考えられるか、に知恵を絞るのが筋な様な気がします。ありうる、と考える研究者の方々で追試されてはいかがでしょう。それではっきり白黒の付く問題のように思います。

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電車動いているのにホームと反対側のドアが突然開くなんて、とんだ悪夢です。

2008-07-30 22:23:07 | Weblog
 今日は一日部屋に閉じこもってひたすらお仕事に没頭。それなりに集中していたせいか、ここ最近よくやった、ふとした弾みにガラス器具を床に落として散華させる、というようなことは一切無く、無事一日の仕事を終えることが出来ました。ここ2,3日割と涼しげなおかげか食欲が戻ってきて体の具合も復調傾向、この間の夢はそういう点では正夢だったのかもしれません。来週には出雲、その次の週には上京の予定もありますので、このまま体調を維持してつつがなく日々過ごしたいところです。

 さて、そんな時期に東京に行くからには、様子を見て場合によっては久々にビックサイトにも足を伸ばしてみたいと考えていたのですが、ニュースを観てびっくり。りんかい線「国際展示場駅」で、10両編成の電車が発車直後、ホーム反対側のドアが全開、という事故があったそうです。当時乗車率は約500人、3割強というところだったそうですが、これがもし乗車率何百%というコミケ当日の出来事だったりしたらタダではすまない事態だった事でしょう。りんかい線の電車は時速5キロを越えるとドアの開け閉めが出来なくなるよう安全装置が働くそうですが、それも作動したかどうか不明なうえ、運転士は開閉装置を操作していない、と証言しているそうで、機械的な不具合ではないか、と調査が始まっているとの事。車両はJR東日本のものだそうですが、どうもいまいち漠とした不安を覚えさせられるのは単なる勘違いでしょうか。
 もっとも、私はりんかい線はまず使いません。駅から会場まで結構距離があることと、出入り口が狭く、何年か前にホームに下りてから出口を出て会場に向かうまでえらく時間がかかり、サークル入場時間に間に合わなくなるんじゃないか、とやきもきさせられたことがあって、以来たとえぐるぐる遠回りしてやたら時間がかかっても、駅から会場までが近いゆりかもめに乗る様にしているのです。
 それはそれとして、まだ後2週間以上ありますから、それまでに原因を究明し、取れる対策をしっかりとって、15,16,17日の3日間は無事動いて欲しいですね。 
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何十年前にも一度経験しているのに、また油が足りなくて艦が動かせないなんて。

2008-07-29 22:25:02 | 夢、易占
 久々に涼しい中でぐっすりと眠ることが出来た、と言いたかったのですが、どうも眠りが浅かったようで、期待していたほど熟睡することは出来ませんでした。それでもここ1週間あまりのうちでは一番よく眠ることが出来たのは違いなく、昼食後、しばらくして襲ってくる眠気も、今日は全く感じることなく1日過ごすことが出来ました。今夜も比較的過ごしやすい夜になりそうなので、この辺りで一度英気を養い、明日以降再び襲い来る猛暑に抗する体力を取り戻しましょう。
 そんなわけで夢も色々と観たのですが、一番印象に残ったものを一つ記録しておきましょう。なんとも尾篭な話で恐縮ですが、それは、これ以上ないほどに汚れきった便器の夢でした。和式のトイレが、もう、そのまま大量の土砂やセメントで埋めてしまいたくなるほどに汚れきっており、用を足すどころか、近づくことすらはばかられるような有様でした。それを私は、果敢にもブラシを手に掃除をし、あらかた綺麗にすることが出来た、という内容の夢です。
 汚れたトイレ、というのはよくある夢のようで、私も過去何度か見た記憶があります。その意味は「体調の悪化」を暗示するものだそうで、今回はここ数日の夏バテでせっかくの涼しい夜にも熟睡できぬほど体が衰弱している様が夢に出てきたのだろうと推察できます。一方、トイレを綺麗にする、というのは、そんな体調の回復を意味するのだそうで、ひょっとしたらこの夏バテもそろそろ峠を越え、身体が暑さに慣れて何とかなりそうになってきたことを暗示しているのかもしれません。あと、汚物のたまったトイレというのはとてつもない大吉夢なのだそうですが、さて、これが当たるかどうかはちょっと今のところ判断つきません。まあ、当たってくれたらありがたい、と言うくらいの軽い気持ちで、しばらく様子を伺おうと思います。
 
 スプロケとチェーンを交換したのが効いたのか、バイクの燃費がほんの少し向上して喜ぶ一方で、ふと気がつくと後輪の溝が大分浅くなり、多分このままなら余命1ヶ月くらいで交換を余儀なくされ、お金がかかることに気づいてしまって嘆いております。原油高騰はそんなささやかな泣き笑いだけでなく、漁業への補償や高速道路の収入が減った、とかいうような社会問題も顕在化してきておりました。でも、我が国の国防を担う海上自衛隊の最大規模の実働演習まで、原油高に影響されて中止が検討されている、というのはなかなかに驚きでした。確かに護衛艦などは油食いなのでしょうけれど、自衛隊の錬度を向上し、それを保つためにも訓練は欠かせないはずで、それが原油高、という伏兵のために脅かされようとは、ほぼすべてのエネルギーを海外に頼る我が国の脆弱さが浮き彫りになったみたいで、あまりにも不安を惹起させられるニュースでした。もうなりふりかまわず資金と研究者をつぎ込んでメタンハイドレードを実用化するなりして自前のエネルギーを確保していかないと、そう遠くないうちに国としてやっていけなくなるようなときが訪れるかもしれません。炭酸ガス削減も結構ですが、我が国の政府はこのエネルギー枯渇という事態をもっと真剣に考えるべきなんではないでしょうか?

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この夏初めての雷に胸躍りましたが、巷ではそんな気楽なことをいっていられる状況ではなかったみたいです。

2008-07-28 21:26:02 | Weblog
 今日はこの夏初めて雷を見ました。午後3時ごろ、配膳と振り出した雨がすぐに凄まじい降りになって地面に大粒の雨を叩きつけ、たちまちクーラーが不用になるほどに気温が降下したのですが、その雨がいったん上がった直後、東の方角、空を覆う低い雲の中を、横向きに走った一本でした。見事稲妻状にカッと一瞬真白く光ったその様子はまさに圧巻で、その数秒後にとどろいた雷鳴も、迫力十分なものでした。その後、おどろおどろしく不気味な鳴動を見せる空におびえながら、ぽつぽつ降り出した雨にこれ以上降らないでくれと祈りつつ、何とか無事帰宅しましたが、おかげで今夜は久々に涼しく熟睡できそうなのがありがたいです。
 ただ、こちらではこの程度で済みましたが、金沢では街中を流れる川が増水して床上浸水したり、神戸では川遊びしていた子供など4人が急に増水した流れに呑まれて亡くなったり、まさに大暴れの様子に慄然とさせられました。特に驚かされたのは神戸の都賀川の映像で、市が設置した河川モニタリングシステムが撮影した午後2時14分の映像には、橋の下、カラフルな衣装を着た家族連れなど十数名が膝まで歩かないかの水深の浅い川で水遊びしているのどかな様子が映っているのに、その次の14時50分すぎのには、ヒトの背丈ほどの水の高さの濁流が押し寄せる様がまざまざと映っています。ニュースによると、この濁流に子供達が呑まれたのは2時40分ごろといいますから、わずか30分足らずの間に水量が急上昇し、逃げる間もなく下流へと流されてしまったのでしょう。台風でもないのにこの豪雨ぶり。2000年に名古屋で大災害をもたらした豪雨も間接的に台風が関与してましたし、ヒトが亡くなるほどの雨が台風などと無関係に発生するというのは、私自身はあまり聞いたことがありません。
 どうやら予報では明日も雨模様の天気で雷も警戒が必要だそうですので、涼しいのは助かるとしても、通勤の行き帰りはそれなりに注意が必要となることでしょう。願わくば降るにしてもいま少し穏やかな、「濡れていこう」と微笑むことが出来るような雨であって欲しいものですが、これもよく言われる地球温暖化のせいなんだとすれば、そう簡単には収まらないのでしょうね。

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新作短編 その9

2008-07-27 19:06:50 | 麗夢小説 短編集
 今日は朝から自治会の大掃除があって草刈などに精を出しておりました。昨日は我が奈良県で、午前9時から畑仕事に出たおじいさんが熱中症で身罷られるなど、体温同様の気温に辟易していたのですが、今日は朝から結構雲が空を覆い、風もあって、想定していたほど暑くもありませんでした。とはいえ終わったときには汗でぐっしょり濡れておりましたが、まあこの程度で済んだのなら十分許容範囲です。
 というわけで、今日も連載小説のアップが出来ました。このところとある「お仕事」やら「連絡事項」やらで結構時間を費やしておりましたので、今日の連載出来るかどうか危ぶんでいたのですが、何とか上げることが出来てほっとしています。お話の方はもうすぐラスボス登場、というシーンですが、そこに至るまで、麗夢ちゃんたちともう少し青森路を行ったり来たりしていただきましょう(笑)。

------------本文----------------

車はついさっき停車したばかりの銅像茶屋駐車場を横目に通り過ぎ、速力を増して青森市方面へと坂を下っていった。
「この辺りです」
 鬼童の合図で榊が車を左脇に寄せて停車した。すぐそこに、行きの登りでも見えた「中の森第三露営地」と書かれた看板が見える。
「あ、あそこ!」
 麗夢が目ざとく、看板の向こうに、今にも木々の間へと隠れようとしていた朝倉の姿を発見した。この暑いのに、確かに黒いマントのような外套をまとい、軍帽をかぶっている。榊は急いで車から降りると、木々の向こうに消えた朝倉のあとを追った。
「朝倉さん、待ちたまえ!」
 その後を円光、鬼童、麗夢とアルファ、ベータが追うが、生い茂る樹木や丈高い草が視界を妨げ、その奥へと消えた朝倉の姿がどうしても捉えきれない。そのうちに、鬼童があぁっと悲鳴を上げてその場に立ち尽くした。
「ど、どうしたの!」
 麗夢があわてて駆け寄ると、鬼童は片手を頭に当て、困惑した顔を麗夢に向けた。
「また消えました」
「そんな、今そこにいたのに・・・」
 程なく榊と円光が戻ってきた。
「駄目だ、すぐ手の届くところまで行ったのに、ちょっと見えなくなった途端どこに行ったか判らなくなってしまった」
 訳が判らん、とため息をつく榊の隣で、円光が言った。
「恐らくこの先1里の辺りに、再び姿を見せるはず」
「何故判るんだね、円光さん」
 榊の疑問は、麗夢や鬼童の疑問でもあった。
「そうよ。今もちょっと遅れたけれど朝倉さんの現れる場所をちゃんと当てたし、どうして判るの?」
「発信機が反応したり消えたりするのも何か関係があるのか?」
 円光はさすがに説明の必要を感じたのであろう。おもむろに口を開いて3人に言った。
「恐らく朝倉殿は、100年前の雪中行軍の跡を追っている」
「雪中行軍の跡?」
 そういえば、ここには確かに「中の森第3露営地」という立て看板がある。
「そうか! 最初に現れたのが平沢の第1露営地、次が鳴沢第2露営地か!」
「ど、どういうことだ一体?」
「こういうことですよ、榊警部」
 鬼童が円光の後をとって、簡単に説明した。
「朝倉さんが現れては消えた場所というのは、100年前に遭難した青森第5連隊の八甲田山雪中行軍隊が、道に迷った末にビバークした場所だったんです。出発初日に目的地まで後1キロちょっとというところまでたどり着きながら、夜の闇と吹雪とでこれ以上進めなくなって留まったのが平沢。翌日、迷走を重ね、散々苦労した末に迷い込んでしまったのが鳴沢、更に翌日、何度も道を間違えた挙句、最後に軍隊としてビバークしたのが、ここ中の森なんです」
「でも、どうして今更そんなところを転々としているの?」
「そうだ。第一、どうやって朝倉さんは移動しているのかね。見たところ、ここには彼の乗り物らしきものの姿は無い」
 榊が辺りを見廻したが、上下1車線ずつの狭い道で、脇に寄せたとはいえ、榊の車自体随分はた迷惑な路上駐車になっている。その他には、車やバイクといった移動に必要な足となるものの姿はどこにも無かった。
「恐らく朝倉殿は、また夢の中をさまよっているのであろう」
「なんだって?」
 榊が眉をひそめた。
「夢魔なら、退治されたんじゃないのかね」
「そう、でも円光さんの言うとおりなら、少なくとも鬼童さんの発信機が付いたり消えたりするのは判るわ。夢の中を移動しているときは、朝倉さんは現実世界にはいないのだもの」
 麗夢の言葉に、鬼童と円光が頷いた。相手の正体は判らず、何故ここまで執拗に朝倉を狙うのかも判らない。だが、なんとなく手口は見えてきた。一週間前、麗夢が見た朝倉のとらわれた悪夢でも、いちいち雪中行軍隊の再現が演じられていたではないか。今朝倉が囚われている悪夢も、恐らくそれを踏襲しているのだろう。となれば、いよいよ朝倉の身が危ない。榊もそのことを悟ると、円光に尋ねた。
「まだよくわからん部分もあるが、大体の状況は判った。で、円光さん、次に朝倉が出てくるのは1里先だと言っていたが、そこはどこなんだね?」
「多分、『大滝』だろう? 円光さん」
 鬼童が受信機の設定を操作しながら、答えを先取りした。すでに装置の照準を、大滝にセットしたのだろう。
「うむ。だが、途中から道なき藪に分け入らねばならぬ。拙僧はともかく、麗夢殿や鬼童殿について来られるだろうか?」
「行けるかどうかより、行くしかないでしょ? ね、警部」
「そ、そうですな。ま、とにかく行くとしましょう。で、ここから歩いていくのかね?」
「いえ、それならもう少し北に戻りましょう。この先の「賽の河原」というところからなら何とか降りられそうです」
「賽の河原、か。何とも意味深な名前だな」
 榊はうんざりしながらも、あらためて運転席に収まった。
「では急ぐとしよう。今度こそ先回りして、彼の身柄を押さえなければ」
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紫式部よりも重MSを想像してしまったんですが・・・。

2008-07-26 23:00:09 | Weblog
 このところ思ったよりも疲労が蓄積していたのでしょうか。これまでの一週間、仕事でもやたらと凡ミスを連発して、毎日何か一つはガラス器具を壊していましたし、昼間猛烈な眠気に耐えがたくなったりもしましたが、今日、久々にゆっくり眠ることが出来る、と思っていたら、気がついたら14時になっていました。最近食欲が戻ってきて夏ばては一応解消の傾向にあり、そろそろ暑さにも慣れてきたかな? と思っていた矢先だけに、これはちょっと驚きました。
 といっても、14時まで人事不肖に意識を失っていたわけではなく、朝8時には目を覚まし、朝ごはん食べて新聞読んでメール書いて本を読んでおりました。その読書の途中でだんだん体が横倒しになり、恐らく10時過ぎだろうと推測されるのですが、いつの間にか2度寝していたのです。それも完全に熟睡したのではなく、夢うつつなうたた寝の状態で、起きよう起きよう、と一応は思うのですが、体が妙に重くてそのまま寝転がり続けたのでした。そして、暑さがこたえてきたので今度こそ起きてみると、とうにお昼を回り、この時間になっていた、ということです。おかげで、今日やるつもりだったいくつかの事どもをすっかりできずじまいになってしまいました。明日は午前中、夏祭りを控えた自治会の町内大掃除に動員されるので、今日出来なかったことは、明日昼以降にでもなんとか努力してみるよりありません。まあ、これまでの疲れを解消するのに必要だった、と理解して、過ぎた時間のことはあきらめることにします。
 それにしても、これだけ盛大に惰眠をむさぼれば大概眠気は吹き飛びそうなものですが、今すでにまぶたが重く、早く横になりたくてならないというのは困ったものです。まあ、昼眠りすぎて夜目が冴えてしまうよりはありがたいことですが。

 ところで、滋賀県大津市の石山寺で、大津市在住の世界的なロボットクリエーター、高橋智隆さんなる御仁が、源氏物語千年紀を記念した新作ロボット「MURASAKI」を発表したとのことです。ロボットの大きさは高さ31センチ、重さ1.5キロ。十二単を意識したデザインに、舞を舞うように腕を動かしたり前後左右に静々と動いたりと、その説明だけを読んでいるとまるで江戸時代のからくり人形のようなのですが、中身は鯨のひげではなくて、モーターやセンサーが詰まっていたりするのでしょう。
 ところで、薄紫の袖にグレーの着物というこの色の使い方、恐らくモチーフにした「紫式部」から連想されたデザインなんでしょうけれど、私は真っ先に「これってドム?」と思っちゃいました。基調は紫でも良いから、もう少しあでやかな色合いにされた方がよかったんじゃないでしょうか。
 写真は京都新聞朝日新聞のサイトで見られますが、光の具合か使っているデジカメの性能かカメラマンの腕かうちのモニターの色温度調整のせいか、京都新聞の方が自然な色合いに見えます。
 ちなみにこのロボット、26日から石山寺にて一般にも公開されるそうなので、機会があれば実物をチラッと観てみたい気はいたしました。

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飛行機事故あり爆弾発現あり、と、好奇心的にはなかなかに忙しい一日でした。

2008-07-25 23:07:46 | Weblog
 久々に目をむくような飛行機事故がありました。オーストラリアのカンタス航空が運行しているロンドン発メルボルン行きのボーイング747-400が、経由地の香港を出発した後、高度約8800メートルの地点で爆発音とともに機体に穴が開き、マニラ国際空港に緊急着陸したとのことです。乗客乗員に犠牲者は出ませんでしたが、約370人の多くが吐き気や目まいなどの体の不調を訴えたとのこと。着陸してみると、胴体右側の翼近くに直径約3メートルの大穴が開いていたとのことでした。単に外装が引っぺがされただけではなく、内部にまで損傷している様子で、よくこれだけの穴が突然開いて、どうもなかったな、と不思議に思うほどです。原因もまだぜんぜんわかりませんが、二人で運行できるハイテク機として一世を風靡した747-400型も、誕生からそろそろ20年、長年の使用にともなう金属疲労や小さな傷があったのかもしれません。何はともあれ、機体がちゃんと無事地上に帰ってきた幸運に恵まれたのですから、是非きっちり原因を究明してもらいたいと思います。

 もう一つ、驚いたニュースは、元アポロ14号の乗組員だったドガー・ミッチェル氏とおっしゃる御仁が、アメリカ政府は宇宙人の存在を隠蔽している、と、イギリスの音楽専門ラジオ局のインタビューで答え、相次いで報道される騒ぎになっている、という話です。アポロの乗組員といえば、映画「ライトスタッフ」や「アポロ13」などでも描かれたエリート中のエリート。そんな方が、77歳という御年になって宇宙人実在を訴えるというのはなかなかに心の琴線に響くお話でした。もっとも氏は実際に見たわけではなくて「奇妙で小さな人々」と呼ばれている宇宙人の一部情報について説明を受ける幸運に浴した、と説明されており、これをもって宇宙人実在説を唱えるのは、少々鼻息が荒すぎる話といえましょう。ちょうど色々必要もあって宇宙人に関する話などをさらっとぐぐって見たりしていた矢先でしたので、余計に驚かされた次第です。


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梅干など盗んでどうするんでしょう?

2008-07-24 22:25:04 | Weblog
 世間はすっかり夏休みですね。集団登校のランドセルの列が無くなり、心なしか渋滞が少しスムーズに流れ出しているように感じられます。ということにふと気づいたのが今朝だったんですが、今にして思えば、何とも贅沢な時間だったような気がします。今もし40日も休みをもらったりしたら、一体どうなるでしょう? 多分9月1日は、子供時分よりもはるかにつらく厄介な日になったんじゃないか、と想像されるのですが、一方で、それだけの時間があれば色々やれることもあるんじゃないか、と思わないでもないです。もっとも、学生時分から長期休みは大抵のんべんだらりと過ごして、気がつけばもう8月も終わり、という繰り返しでしたから、今更長期休みなどあっても何もできはしないだろう、とも思ったりしてしまいます。やはり私のようなヒトは、強制的に規則正しい生活を送らされるのが、一番具合が良かったりするようです。

 さて、世間では以前には考えられなかった盗人がはびこっているようで、我が職場の近くの山でも、グレーチングの金網が盗まれたり、変わったところでは、果物の木が丸ごと引っこ抜かれてたのがありました。苗木と違って、いったん地について枝葉を広げ、根を張った木というものは、プロの植木屋さんだって植えつけてちゃんと育つようにするのは難しい代物なのですが、あんなもの盗んでどうしようというのか、不可解にもほどがある話でした。
 それが今回は、隣の和歌山県で天日干ししていた梅干が盗まれたのだそうです。
64センチ角のプラスチック製の網せいろ82枚、乾燥重量にして250キログラム、誰かが持って行ったのだそう。せいろだけでも結構重く、厚さは10センチ程度ですが縦横が妙にでかいので、一人では持ちにくいしろものですから、犯人は2人以上の複数犯、ということなのかもしれません。
 それにしても不可解なのは、この犯罪、収支がつりあう話なのでしょうか。和歌山の梅干は「南高梅」というブランド品で、肉厚でやわらかく、種が小さいことで評判の高級品ではありますが、それでもキロ1000円までの代物ではないかと思います。それに乾燥中のウメは表皮が弱く、すぐやぶれたりして商品価値が著しく落ちたりするのに、それを短時間に82枚も重ねて運ぶというのは、かなりのロスも覚悟しないとならないでしょう。それに干しあがった梅ならともかく、乾燥途中なら盗んだ後自分で続きの乾燥を手間ひまかけてやらねばならないはずです。こういう犯罪を犯すヒトは、あまりそういう必要経費の問題は考慮したりしないものなのでしょうか。まあいずれにしても半完成品である梅干の流通ルートというのはそう色々あるものではないですし、なるべくならすんなりつかまって大幅赤字の収支になるよう、警察にはがんばってほしいものです。

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今年の夏は何かヘンな感じがする?

2008-07-23 22:14:18 | Weblog
 今年の夏の気温をプロットしていくと、平年に比べ、どうも季節が1ヶ月くらい前倒しになっているような感のある急上昇振りを見せてくれます。その分秋が早く来るならそれはそれで我慢もしようがあると思うのですが、おそらくそうではなく、8月初めに訪れるピークが今までよりもより高い気温になり、気温の低下も遅れてやってくるという、今までよりも更に一段と高い山が裾野を広げているみたいなグラフが描けるんじゃないか、と推測しています。地球温暖化のせいなのかどうかは専門家ではないので判断がつきかねますが、確実に夏の期間が延び、秋の訪れが遅れ、冬もそれ程寒くならない、というようになれば、なるほど、地球が暖かくなってきているのかもしれない、ということにも納得がいきそうに思います。そうなると、今暑い暑い、といってる気温が、あと2週間ばかりでもっと上がってくるはずで、今年はひょっとしたら最高気温が更新されることもあるかもしれません。まだもう少し先ですが、夏コミにおける暑さ対策は、今年は例年に無く慎重に取り組んだ方がいいかもしれませんね。
 そういえば、今年はこれだけ暑いのに、まだまともにセミの鳴き声を聞いた覚えがありません。なにやらか細く「じー」と鳴いているのが聞こえるのですが、この暑さならもっとシャカシャカみんみんジージーとうるさくても不思議じゃないように思えるのです。ひょっとしたら、今年がたまたまセミの特異的に少ない年なのか、あるいはあまりの暑さにセミのコンディションが狂っているのか、いずれにしてもただ静かに熱気だけがはらんでいく変な夏になってます。あ、音といえば、まだ雷の音も聞いていませんね。梅雨明け前後によくすごいのを見たり聞いたりしたように思うのですが。どうも妙な感じですね。

ということで、気を取り直して、夏の花、向日葵です。この暑さの中もめげず、ミツバチがぶんぶん飛び回っていたのですが、よくみると偶然花の上部中央に一匹飛んでいるのが写っています。全く、ご苦労なことで頭が下がります。

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源氏物語をそろそろ読んでみたかったりするのですが、この辺の本屋さんでは見かけませんね。

2008-07-22 22:39:53 | Weblog
 今日は夜になってからミニ夕立っぽい雨が降って、少しだけ過ごしやすくなりました。昨日までは本当に寝苦しく、扇風機がタイマーで止まる度に目が覚める、という繰り返しで、どうも夏バテが止め処も無く進行している感じがしていましたが、今夜はそんな心配はあまり無くて済みそうです。もっとも、こうしてPCを点けている間は暖房入れているのと同じなので、私の部屋だけ周囲と明らかに気温が違うのですが(汗)。早く止めて、空気を入れ替えないといけません。

 さて、最近高校時代の友人の一人がよく夢に出てきます。といっても何をするでもなく、ただ一緒に商店街をそぞろ歩いたりしているだけなのですが、これまでそれ程頻繁に出てきたことも無いので、少々気になるといえば気になります。まあ虫の知らせ、というような類はあまり信じてもおりませんし、念のためこの夢について卦を立ててみても、凶兆は全く出てきません。それよりも、今、この友人が現れる心理学的な原因を追求した方が面白そうです。夢の登場人物とは、夢見るヒト本人のある一面をあらわす人格の一部で、ユングはそれを6つほどに分類していたと記憶しているのですが、この友人との付き合いを想起して、そこに付随する私の抱いているイメージを考えていけば、何か答えが見えてきそうな気もいたします。
 それとも、やはり夢占い的に何か訴えるようなことがあったりするんでしょうか?それはそれで、調べてみるのも面白そうではあります。

 ところで、大東亜戦争で一時行方がわからなくなった源氏物語の写本の一つ、大沢本というのが見つかったそうですね。54帖すべて揃い、鎌倉初期のものと考えられる部分もあるなど、その存在価値は重要文化財級なのだそうです。源氏物語の紫式部直筆原本は見つかっておらず、今我々が普通に見ることが出来るのは、それが手書きで写し取られ、誤字脱字や書き込みなどが行われていった写本だけ、中でも藤原定家のものが標準で、文庫などで容易に読むことが出来るんだとか。
 私は源氏物語は実はほとんど読んだことが無くて、一度は目を通したいと思っていたのですが、その以前に枕草子を読んで、この時代の女性の書いたものは、到底私にはついていけない、と挫折した記憶がこびりつき、それよりもはるかに大規模な大河ドラマに手をつけるのに、ずっと躊躇しておりました。でも今年は源氏物語千年紀の記念すべき年でもあることですし、そろそろそんな食わず嫌いを返上してみるいい機会かもしれません。読んでおけば、夢御前様と平智盛との同人的物語構築に役立つかもしれませんし(笑)。
 そう思って時折本屋さんを覗くのですが、さすがに棚を占領しかねない大部の本であるためか、この記念すべき年に全巻揃っているのを見たことがありません。これはamazonにでも頼らないといけないかな、と思わないでもないのですが、とりあえずどの文庫が良いか位は見比べてみたいと思うのです。これは、大阪か東京に行ったときに、大きい書店をはしごするしかないかもしれませんね。

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邸炭水化物ダイエットがよい、といわれても、詳しい情報なしでは何の役にも立ちません。

2008-07-21 22:09:50 | Weblog
 昨夜から睡眠時間も削ってとある「お仕事」にひたすら従事しておりました。ひょっとしたらいつの日かその成果のほどをお披露目できる日がやってくるかもしれませんが、今のところは守秘義務を遵守する必要のある話なので、伏せておきます。それに、今日はブログを書くのも大変なほどキーボードを叩き続け、左手など、すでに動かすのも億劫になっております。何か、久々に仕事をした、という達成感に酔いしれておりますが、東京では、私からバトンを受けた方が、これから夜を徹してがんばることでありましょう。是非よいものになってくれれば、と心から願わずにはおれません。

 さて、最近夏ばてしてきているのか、食欲が落ちてきてまして、そのせいか体重も減少傾向にある感じがします。それでも20代の頃に比べれば2割弱増体してますので、多少減少傾向にあったところで大した違いにはなりません。願わくば血圧や何かのためにも、この夏の間にその2割弱の打ち、たとえ1割分でも減少してもらえればありがたいのですが、このまま暑さがあと1ヶ月ほど続いてくれたら、ひょっとしたらひょっとするくらいのことは、ありそうな感じです。まあ体重計に乗って喜ぶ前に、ばてすぎて寝込んだりしないように気をつけないといけないのですが。
 そんなことをつらつら考えておりましたら、ニュースで、ダイエットには、低炭水化物法が低脂肪法より有効、という話が出ていました。何でもイスラエルの大学を中心とする国際研究チームが、アメリカの医学誌で発表したとのことで、322人の人をカロリー制限ありの低脂肪法、同じくカロリー制限しながら、野菜や穀類を中心にオリーブ油を多用する地中海法、カロリー制限しない低炭水化物法の3グループに分けて2年間続けて、体重などを分析した結果だそうです。
 2年後の体重減少は平均で低脂肪2.9キロ、地中海4.4キロ、低炭水化物4.7キロとなり、低炭水化物法では、善玉コレステロールも増加したとのことでした。
 4.4キロと4.7キロに十分優位な差があるかどうか、正直疑問なところもあるのですが、まあ一定の成果として見てもよいかもしれません。ただ、低炭水化物、というのが一体どういう内容なのか判りませんので、これが私自身や、日本人一般に適用可能かどうかもはっきりしたことが言えません。炭水化物、というからには、ご飯だけじゃなく、それ以外の穀類や糖類、それに芋なども食べる量を減らすということになるのでしょう。どれくらい減らせばよいか判りませんが、少なくともおやつや清涼飲料水の類は全部あきらめないといけなさそうです。いくらカロリー制限なしとは言っても、結構厳しいかもしれませんね。それに糖は脳を動かす唯一のエネルギー。摂取量ゼロでは済みませんから、いくばくかは必須として摂取する必要があります。その兼ね合いはどうなのか、ただ、低炭水化物法でダイエットに効果、というだけの報道では、いちいち報じてくれなくてもよい、というどころか、読者のとりようによってはどうも百害あって一利ない、いい加減なものだとさえ言えるかも知れません。
 まあ夏はそんなこといわれなくても、水分摂取に御茶や水など糖質0のものを選ぶようにさえ気をつけていれば、食欲が落ちて自然と低炭水化物ダイエットになると思います。

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新作短編 その8

2008-07-20 22:01:29 | 麗夢小説 短編集
6月から続けてきた連載小説も、今日からはラストのクライマックスへと入って参ります。このペースなら多分8月中には最後までたどり着けるんじゃないか、という予測が何とか出来そうなところまできたようです。あと少し、最後の最後まで気を抜かず、文章を綴ろうと決意を新たに、今週の分をまずはアップいたしましょう。

-------------------------本文----------------------

「判りましたよ、麗夢さん」
 榊と二人、頭を抱えていたところへ、朗らかな笑みを浮かべた鬼童が呼びかけた。その後ろには、いつもと変わらない円光が並んでいる。
「え? どこ? どこにいるの?」
 驚く二人の目の前に、鬼童は携帯ゲーム機のような小さな機械を差し出した。
「彼には発信器をつけていたのですが、なぜか今頃になって反応がありました」
 機械の液晶画面には、細い線で描かれた略地図と、その地図上で点滅する光点が一つ、映っていた。
「一体いつの間にそんなものを・・・」
「いえ、墓地で円光さんに注意を促されましてね。それで、彼が麗夢さんに絡んできたときに、押しのけるついでにその服に貼り付けたんですよ」
 ちらりと背後の円光に視線を投げる鬼童の早業に、榊も麗夢も舌を巻いた。だがとりあえず、今はまず朝倉の確保が一番の重大事である。榊は気を取り直して鬼童に言った。
「で、彼はどこにいるんだね」
「ええ、実は先ほどから何度も確かめているんですが、どうも10キロは離れているみたいですね」
 首を傾げる鬼童に、麗夢も榊も今度こそびっくり仰天して叫んだ。
「そんな馬鹿な! 一体いつの間に?」
 榊は時計を確かめた。資料館に入ってからまだ1時間もたっていない。しかも朝倉がコスプレを借り受けたのは、ほんの20分ほど前であることが、鬼童の後改めて聞き込みを行った榊が確認している。その直後、自分達の目を盗んで資料館を出ていったとしても、たった20分で10キロも移動するには、それなりの足が必要だ。まさか! と一堂は資料館を出て駐車場に向かったが、ここまで乗ってきた車はちゃんと停めた場所にあった。
「どっちにいるんだ? 朝倉君は?」
 榊の苛立たしげな質問に、鬼童はまっすぐ目の前の県道40号線を指差した。
「八甲田山の方ですね。多分この反応からすれば、雪中行軍遭難者銅像辺りですよ」
「判った。すぐに追いましょう、麗夢さん」
「ええ。でも、一体一人で何をしに行ったのかしら?」
「捕まえれば判りますよ! さあ、早く!」
 榊が運転席に飛び乗り、円光、鬼童に、早く乗って! と声をかける。麗夢は、アルファ、ベータと共に助手席につき、シートベルトをかけながら言った。
「アルファ、ベータ、しっかり見張ってて。円光さんも、よろしくね」
「にゃン!」
「ワン、ワンワン!」
「心得た」
 三者三様の返事を合図にしたかのように、一堂を載せた車が幸畑墓苑駐車場を飛び出していった。
「タクシーかバスかは判らないが、何、すぐに追いつく」
 榊はほとんど信号がなく、交通量も少ない県道を前に、目一杯アクセルを踏み込んだ。できればいつも使う赤い回転灯を屋根にくっつけたいところだったが、残念ながらそこまでの用意はしていない。これでもし万一青森県警に咎められた時には、身分を明かして協力を仰ぐよりなかろう、と榊は腹をくくっていた。
 車は、グレーの袋が木に鈴なりにぶら下がるリンゴ園の間を抜け、田茂木野の集落を過ぎ、急な上り坂へと差し掛かった。高度がどんどん上がっていき、遠くに霞んで見えた八甲田山連峰が、急にくっきりと間近に見えてきたようだ。
「え?」
 助手席の麗夢は、目に飛び込んできた八甲田山の様子に首を傾げた。光の加減だろうか。今は生い茂る木立に覆われ、黒と呼んで差し支えないほどの深い緑に染まった山容が、その瞬間だけ真っ白に見えたのだ。しかし、目をしばたたいて改めて確かめようとしたとき、八甲田山は目の前の木立に遮られて見えなくなっていた。
 麗夢はアルファ、ベータに問いかけようとしたが、この子達が気づいていたら何も言わないはずもない。ちらりと後ろを振り返ってみると、円光は目をつぶって押し黙り、鬼童もさっきの小型装置を手にして、ぶつぶつ何やら言いながら、難しい顔をしているばかりである。
(見間違い・・・かしら?)
 再び視界に戻ってきた八甲田山は、初めて見えたときと変わらない黒々とした山容を示して、麗夢の疑問を勘違いだと主張しているようだ。麗夢はすっかり考え込んで、この一週間ばかりの不安が再び鎌首をもたげてくるのを感じていた。
 何かある。
 それが具体的になんなのかはいまだに判らない。
 麗夢はもう一度八甲田山を見据えると、改めて油断を諫め気を引き締めた。
 そのうちに、道の左右はすっかり山の中の緑の木立へと変貌し、見通しも利かなくなってきた。そんな道の脇に、点々と思い出したように長細い看板が現れる。後藤伍長発見の地、賽の河原、第三野営地、と言った文字が、その文字の示す内容の深刻さなど露も伺えぬ丸ゴシック体の青い字で記されている。
 やがて車は、その周囲では一際高い丘の上、馬立場という場所に到着した。そこに建つ銅像茶屋と称する建物の駐車場に車を止めた榊は、後ろを振り返って鬼童に言った。
「どうだ、鬼童君、朝倉さんの居場所は分かるかね?」
「ええ、それが何というか・・・」
 珍しく歯切れの悪い鬼童に、麗夢が問いかけた。
「どうしたの? まさか見失った、とか?」
 すると鬼童は、首を傾げつつも麗夢に言った。
「いえ、彼の動向は捉えています。ただ判らないのは、時々発信器の反応がとぎれるんです。しかも少しずつとぎれる時間が長くなってきていて・・・。うーん、おかしいですね」
「バッテリー切れとか?」
「いえ、それはありえません。少なくとも今日一杯は十分持つはずです」
「まあ機械の不調はまた後で検討したらいいだろう。で、朝倉さんの居場所は?」
 榊に促されて、鬼童はタッチペンで装置を操作し、朝倉を示す輝点を、地図上に落とし込んだ。
「ここから更に1.5キロほど南に下って行ったところですね。平沢、とありますよ・・・あ、また消えた」
「1.5キロか、あまり移動してないらしいな。よし、行こう!」
 榊は、何とか追いついた、と言う安堵感で、鬼童の機械の不調にも、さしたる不満を抱かなかった。ここまでくれば何とかなるだろう、と高をくくっていたこともあるが、その思いは、走り出して間もなく上がった鬼童の叫び声に、あっさりとうち砕かれた。
「何だこれは! 一体どうなって・・・?」
「どうしたんだ!」
 愕きのあまり急ブレーキを踏んだ榊が振り返ると、運転席のシートの後ろに頭から突っ込んだ鬼童が、目尻に軽く涙をためて榊を見上げていた。
「・・・急にブレーキを踏まないで下さい、警部」
「君がいきなり大声を上げるからだ。それより、何があったんだ?」
 榊の苦笑に、鬼童ははっと我に返って手元の装置の画面を榊と麗夢に見えるように振り向けた。
「見て下さい! さっきまで、確かに平沢に点いていた発信機の反応が、今点いたと思ったら西に700mもずれていたんです。まるで一足飛びにジャンプしたみたいだ」
「そんな馬鹿なことがあるかね。やっぱり、故障しているんじゃないのか?」
「そんなはずはないんですが・・・」
 さしもの鬼童も少々自信なさげに首を傾げたが、やがて、今度は麗夢があっと声を上げた。
「今、動いたわ!」
「えっ?」
 鬼童が慌てて画面を見直して操作する。固唾を呑んで見守る二人を前に、鬼童は今度こそお手上げだ、と言わぬばかりな顔で、読みとった結果を二人に告げた。
「今度は北に2キロも飛びましたよ」
「北に2キロだって? じゃあ引き返すのか?」
「ええ、発信機の反応を信じるなら、馬立場から1キロほど戻ったところですよ、警部」
「うーん、君の発信機だけが頼りだったんだが、これでは信用できんな。麗夢さん、どうしたらいいと思います?」
 榊もまた途方に暮れたように隣の麗夢に聞いたとき、鬼童の隣でただ黙然と目をつぶっていた円光が、久しぶりに目を開いて榊に言った。
「警部殿、鬼童殿の発信機の告げる通りに追って下され」
「え? 円光さん何か判ったの?」
「ええ、麗夢殿。拙僧の考えが間違っておらねば、鬼童殿の発信機は故障などしておらぬはず」
「円光さん、それは一体・・・」
 榊も半信半疑で円光に問いかけた。
「警部殿、急がれよ。拙僧が正しければ、恐らくもう一度発信機が飛ぶはず。そうなると車で追うのはちと面倒になり申す」
「わ、判った」
 榊はなおも納得しがたい思いを隠せないでいたが、円光が珍しく強い口調で促すのを聞いて、ハンドルを取り直すことにした。
「では戻るぞ!」
 榊は、自分に言い聞かせるようにして一言告げると、思い切り車の進行方向を180度転回させた。
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常温核融合ってまだ研究が続いていて、しかも成果も上がっていたんですね。何故報道されないんでしょうか?

2008-07-19 23:39:52 | Weblog
 このところ、暑いせいかうちのような泡沫ローカルブログにも、虫がわくみたいにスパムコメントが時折見られます。昨日、今日と連続して一件ずつそんなのがあって、もちろん気づき次第速攻削除しておりますが、うっとおしい気持ちはいかんともしがたいものがあります。トラックバックの方はブログ設定で「事前承認」を選択し、公開前にこちらでチェックして問題なし、と判断したものだけを公開するように制限をかけております。コメントもそういう設定が可能なのではありますが、スパムが少ないことと、スパム以外の貴重なコメントを書き込んでくださった際に、こちらの都合で公開を保留するのは失礼じゃないか、と思うのとで、コメント側の設定は常時書き込みは即公開するようにしております。出来ればそんな設定はしないにこしたことはないですので、スパムの頻度も今程度で推移してくれればありがたいのですが、万一増えてくるようなら、少々考えないといけなくなるかもしれないな、と憂慮しているところです。

 さて、この間からちょっと必要もあって15年位前のブルーバックスなどを読み返したりしているのですが、そこに常温核融合の話が載っていて、懐かしく感じておりました。常温核融合とは、昔理科の実験で電気分解をしたときみたいに、重水素の液に金属電極を浸して電流を流すと、ヘリウムと大量の熱が発生するという、常温で核融合反応が生じたかのような現象が観測された、というものです。通常核融合とは超高圧超高温状態、つまり太陽の内部と同じ状態を地上で再現することでエネルギーを取り出そうというのが基本的な形ですが、この電気分解方式は常温常圧という、それこそ小学校の理科実験室でも再現可能なレベルの方法で核融合が生じた、というとんでもなく画期的なものだったため、1989年にアメリカから発表があってから数年の間、世界中で多くの研究者がこの実験にのめりこんだものでした。何せこれが本当に核融合でしたら、何とも簡単に無尽蔵のエネルギーを生み出すことが出来るわけで、世界のエネルギー問題を一挙解決する可能性だってありえた、夢の成果でした。しかし、結局は実験の再現性が悪く、また、核融合なら発生してしかるべき中性子がきわめて少量しか発生しなかったり、そのような条件で核融合が生じるというのは当時の物理理論では到底理解不能な現象だったこともあり、21世紀になる前に研究は下火に、最初に報告した研究者もほとんどペテン師呼ばわりされて第一線から退いた、というように聞いてておりました。
 そんなことを思い出し、一度現状はどうなっているのか、早速ぐぐって見ましたら、なんと、今年の5月22日に、荒田吉明大阪大学名誉教授が阪大で公開実験して現象の再現に成功、6月11日には、北海道大学大学院で水素と炭素を用い、炭素13の自然界にはありえない大量発生と、窒素と熱の発生を検出したとの記事が出てきました。北大の方は判りませんが、阪大の方は再現性の高いほぼ確実な結果だったそうで、どちらにしてもどうしてこれが私の目に入るような形で報道されなかったのか、実に不思議な話です。
 恐らくそこから無尽蔵にエネルギーを得られるようになるにはまだまだ途方も無いハードルをクリアしていかねばならないのでしょうし、そもそもこの条件で過剰に熱が生まれるということを説明できないというのでは、心霊譚やUFOとさして変わらないレベルの話とも言えなくはありません。でも、すでに「あれは間違いだった」というのが定説になっていたものを粘り強く地道に探求し続け、どうやら定説を覆しつつある研究者達の執念には頭が下がります。この手の研究には成果が期待できないと言うことでお金がつかず、研究者によっては自費でやりくりしている人もいるやに聞いていますが、この際資源小国である我が国はもう一度率先してこの研究に投資するべきではないでしょうか。何年か先には、燃料電池車ではなく、車一台一台に常温核融合炉が常備される時代が来るかもしれないですよ。

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まずはバイクの不調を改善しました。

2008-07-18 22:52:39 | Weblog
今日、不調だったバイクを修理しました。スプロケットのうち、前のほうがすっかり磨耗し、原形をとどめていない状態になっていたので、これを交換したのです。
写真の上は交換した後の新品のスプロケ、下が交換のため取り外した古い方ですが、改めて見てみますと、まあよくこれでチェーンが回ったものだと感心させられました。



新品なら歯車の歯がきっちり立ってチェーンにしっかりと引っかかっていますが、下の方は、まるで穏やかな海の波のような突起がぽつぽつと残っているだけです。これなら力がかかったときにチェーンが滑って空回りしたのは当然だろうと納得いたしましたが、逆にどうしてこれで今まで走っていられたのか、と実に不思議でした。確かに発進時はよく「ガラガラガラ!」と不気味な音が鳴って、アクセルを吹かしたのにさっぱりエンジンの力が路面に伝わらない瞬間が多々発生したのですが、それを乗り越えると一応それなりに走り出し、数十キロで国道などの走りやすい道を疾走しても、別にチェーンが滑ったり外れたり、というようなことはありませんでした。実にわずかな摩擦で動いていたに違いなく、いずれ全く引っかからなくなるのも時間の問題だったのでしょう。そういう意味では、最悪の事態に陥る前に交換出来たのは僥倖というべきなのですが、このお金の要るときに痛んだチェーンとあわせて1万円少々修理にもっていかれたのは大変に痛い出費でした。このバイクがきちんと動いてくれないと出勤もままなりませんので、修理はせざるを得ないのですが、もう少しお財布にゆとりのあるときにおかしくなってくれていたなら、と思わずにはいられません。
まあとりあえずこれで不具合も解消されましたし、恐らくはスムーズに無駄なくエンジンの力を路面に伝えられるようになって、燃費も若干は向上したことでしょう。その成果をありがたく頂戴することにして、せっせと金策に努力することにします。
さて、おつぎはポータブルプレーヤーの入手ですね。何とかいいものが見つかればいいんですが・・・。

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MP3プレイヤーが壊れた・・・。

2008-07-17 22:41:02 | Weblog
 今日は朝から異様に蒸し暑く、照りつける日の暴力的な熱線が意識すら危うくさせかねないほどでしたが、10時過ぎくらいからだんだん雲が増え、昼過ぎにはついに大粒の雨が降ってきました。これで少しは過ごしやすくなるだろうか、と期待したのも束の間、ほんの数分で雨は止み、アスファルトがほんのちょっぴり濡れただけで、またお日様が・・・。これなら、降らない方がまだマシだったと思いました。
結局雨は夜になってからまた降って、どうやら今夜から明日にかけては、雷を伴って激しく降るところもありそうです。激しく、と形容されるくらいに降ってくれれば涼しくなるので歓迎したいところですが、雷は睡眠の邪魔になるので、出来れば夜は鳴って欲しくないです。

 さて、愛用のポータブル・プレーヤーが壊れてしまいました(泣)。



いつだったっけか、秋葉原のとあるお店の店頭の路上に並べられた机の上で山積みになっていたのを購入して以来、ずっと使い続けていたのですが、たまたまズボンのポケットに入れたままにしており、ズボンを脱いだときにすぐしまえばよかったものを油断して放置してしまい、しばらく後で、それと気づかず踏んでしまったというわけです。
 液晶パネルが破損し、バックライトはつくのですが、文字表示が全く出来ないようになってしまいました。一応それ以外の部分は無事で、内蔵メモリも問題なく読めますし、SDカードも認識しているようです。音も、以前と変わりなく聞こえてきます。しかし、表示がアウトになったために、FMラジオに切り替えることも出来ませんし、フォルダで分けておいた様々なコンテンツを選択することも出来ません。壊した直後は、「音さえ聞こえたらまあよいか」などと気楽に考えておりましたが、とんでもない認識不足でした。
 あまりに不便なのでこの際思い切って液晶を部品でどっかから入手し、自分で修理してやろうか、とも考えたのですが、さすがにこれだけコンパクトなものですと、半田ごて等道具類からそれなりのものをそろえていかないとなりませんし、液晶自体、ちゃんとしたものを廉価で入手できるとは限りません。そこで次善の策として後継機を調達しようと探し始めたのですが、今度は、満足できる機能のものがなかなか見つからないのです。
 私が望むのは、この壊れたやつで使うために増やしてきた単4エネループ電池で動くこと、同じく増やしてきたSDカードが認識されること、曲名等がちゃんと表示されること、値段も出来るだけお財布にやさしいこと、と言う辺りであり、できればこれと同じものが手に入ればそれで十分満足なのですが、すでにあの当時でさえ投売り状態のもので今更入手できる見込みもありません。アメリカのAmazonでは販売しておりましたが、海外への販売はしてくれませんし、送料等を考えると、個人輸入というのも難しい選択になります。仕方ないので別のを探しているのですが、最近のはリチウムイオンバッテリー搭載のものが多く、単4電池で満足に動いてくれるものはなかなかありません。あっても表示機能が貧弱だったり、音質があからさまに悪かったり、どうも琴線に響くものが出てきそうに無いです。
 どうやら、ここしばらくは表示不全を我慢しつつ、出物が見つかるのを忍耐強く待つよりないようです。

コメント (2)
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