かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

今年最後の妄言。コミケいっそのこと大阪で開催しませんか?

2007-12-31 23:38:55 | Weblog
 あと50分足らずで今年が終わり、新年を迎えます。今年のこのブログは、結局11日空白ができて354日の更新で終わりました。仕事で地方に旅立つことが今年は例年に無く多く、旅先でネット環境が無かったりしたために更新が途絶えたのがほとんどでしたが、一部、いろいろあって更新そのものを失念していたこともありました。とりあえずあと数10分に迫った来年には、空白日数をせめて一桁にすることを目指して、ブログの更新を続けていきたいと思います。

 さて、どうやら危惧していた天候はやはりここに来て大きく荒れたみたいで、こちらでも終日西風が強く、時折洗濯物が飛ばされたり空き缶が転がされたりしておりました。ちょっと所用があって昼間出かけましたら、帰路、真西に向いて坂を100mほどあがらないといけないのですが、これが突風が吹くたびに足が前に進まなくなるほどの強い風で難儀しました。もっとも雨や雪などは無かったのでまだましだったともいえます。あんな風の中傘などさそうものなら、きっとまともに歩くことは絶望的だったでしょう。
 全国的に空の便を中心に交通機関もずいぶん混乱していたようですが、コミケ最終日に参加された地方の方々は無事帰ってこられたのでしょうか? 帰路途上とか空港とかで新年を迎えるようなことになってはいないか、と少々心配しております。今年はたまたま天気が荒れたせいもあるのでしょうが、やはりあのようなイベントを年末ぎりぎりまでやるのは間違っているんじゃないか、と私は思います。いくら年末年始のお休みが形骸化し、特別な期間ではなくなりつつある、といっても、元旦くらいは落ち着いて年賀状を見たり初詣したりお餅やミカンや雑煮を食べてすごしたいというのが国民一般の姿じゃないのか、という気がいたします。それに則れば地方在住者が31日まで東京に留まるというのは難しい選択になりますし、まるで地方から来るな、といわぬばかりな日程の設定に感じられるのです。関東地方の一イベントとして規模縮小を図っていく、ということならともかく、今後もこのようなわが国を代表する一大イベントとして運営しているということなら、もっと地方在住者や勤労者でも参加しやすい形態を模索してもらいたいものです。とはいえ、どうも今の東京は、今年の秋くらいからなにやらキナくさくなってきているみたいで、巨大化したがゆえのデメリットな部分が来年は更にクローズアップされて、かつての幕張メッセみたいな事態が生じるやも知れないと心配しております。単なる憶測ですが、東京都知事はオリンピック立候補を控えて都内をいろいろと「清潔」にしたいとお望みなのではないのでしょうか? いっそコミケは有明を引き払って、インテックス大阪に越してきてはいかがでしょう? 関西は関東に比べてそのあたりの規制がゆるいみたいに感じますし、会場の大きさは十分収容可能だと思うのですけどね。
 いずれにしても、来年は公私何かにつけ色んなことが表面化して激しく動き出すような気がいたします。今年は昨年と違って何とか体調も一年通じてそう大崩れすることなく維持できましたし、来年も続けて日々つつがなく過ごす事ができれば、そんな外部の動きにも対応できるんじゃないか、と感じている次第です。
 
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12.突入! ドリームジェノミクス社 その3

2007-12-30 21:22:19 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
 助手の切迫した報告に、判った、と一言だけ返事をした高原は、壁の装置にインタホンを戻し、白衣のポケットから小さな鍵を取りだした。関係者以外立入禁止の扉の奥に納まるその部屋は、隣の実験室からもセキュリティーキーで閉ざされた、高原の専用ルームである。フロア面積は三五平米とちょっとしたワンルームマンション程度の大きさで、実験室としてはかなり手狭な部屋だが、隣室の各種測定装置群はこの部屋からも操作でき、データの収集・解析は問題なくできる。この、高原一人だけが使うことを許された空間には、研究所の幹部クラスでさえ明かしていない様々な試薬、検体、そしてデータが詰まっている。高原は、その成果の一つを開放すべく、実験室隅に設えられたガラス戸棚の鍵穴に、手にした鍵を差し込んだ。
 がちゃりと言う手応えと共に、温度と湿度が完璧に管理された保存棚の扉が開く。三段に別れた棚には、下段に五〇〇cc入りの褐色試薬ビンが納まり、中段と上段に一〇〇cc以下の小さなビンやアンプルが並ぶ。高原はそのうちの人差し指程のアンプルを取りだし、下の引き出しからガンマ線滅菌された使い捨てのプラスチック製注射器を一つつまみ出した。中央の実験台から黒いゴム管を取り上げて袖まくりした左上腕にしっかりと巻き、エタノールを染み込ませた脱脂綿を取りだして、二の腕内側に浮き上がった静脈の上に塗りつけた。ひんやりした刺激臭が鼻をくすぐる中、密封されたプラスチックフィルムを破り、取りだした注射器にアンプルの中身を吸い上げる。空気が入っていないことを確かめた高原は、その注射針を慣れた手つきで自分の左腕静脈に突き刺した。ぴりっとした痛みが皮膚を鋭く貫いたが、構わず白いピストンを器用に親指の先で引っかけて、少し吸い上げた。たちまちシリンジに満ちた透明な液体に、赤い血液がふわっと薄く広がるのが見えた。確実に静脈を捉えた証拠だ。高原は、今度は親指の腹をピストンに押し当てて、中の薬液をゆっくりと体内に送り込もうとした。
 突然ドアの外が騒々しい足音で満ちたかと思うと、重要実験区画前に張りつけて置いた警備員の怒鳴り声が届いた。が、警備員の声は、最初の「何だ! 貴様等!」だけで途絶えた。何か重いものが壁にぶつかる音が聞こえ、わずかながら室内のガラス戸が微妙な震えを見せる。急速に駆け寄る複数の足音が耳を打ち、顔を上げた高原は、扉の向こうに、さっき助手が警告を伝えてきた侵入者の姿を捉えた。憤怒の表情を刻んだ若い僧侶と、豊かに跳ねる碧の黒髪の下に厳しく目を凝らした少女だ。僧侶の方は初見だが、娘の方は良く見知っている。二人は高原の姿を目ざとく捉えると、実験室のドアを引き開け、中に踏み込んできた。
「誰かね。ここは我が社のうちでも極めて重要な実験施設だ。部外者の無断侵入は許せないな」
「貴方が高原ね! 美奈ちゃんや夢見さん、ハンスさん、アルファとベータも返して!」
 目ざとく高原の胸に下げられた写真入り名札を見て、麗夢が叫んだ。
「麗夢殿の言うとおり、皆を返して貰おうか」
 円光も手にした錫杖をずいと前に突き出し、高原に迫った。高原はふん、と鼻先で笑うと、中断していた行為に再び没頭した。親指に改めて力を込め、シリンジ内の全ての薬液を体内に打ち込んだ。続けて上腕のゴム管を解き、注射針を抜くと、メンティングテープを張って袖を戻した。
「答えて! 貴方がこの誘拐に絡んでいるのは判っているのよ!」
 高原はちらりと二人の侵入者に目を向けると、そのまま黙って奥に設置されたリクライニングシートに腰を下ろし、深くゆったりと身を沈めた。
「さて、と。私も結構長いこと先端技術研究に携わってきているが、君たちほど荒っぽい産業スパイに会うのは初めてだよ。無法にも我が社の研究員や警備員に危害を加えた上、最重要シークレットゾーンに強引に踏み込んでくるとはね。これがどれほどの罪に問われるか、判ってやっているのかね?」
「私たちは産業スパイなんかじゃない。それに罪に問われると言うなら、貴方こそとんでもない犯罪者だわ!」
 麗夢が眦決して右手人差し指をまっすぐ高原に突きつけた。
「美奈ちゃん達を返しなさい!」
「何を言っているのか、私には良く判らないな。私が誘拐犯人だと言うなら、何か証拠でもあるのかね?」
 悠然と余裕で構える高原に、円光は錫杖の石突を床にどん! と突き立てた。済んだ輪管の打ち鳴る音色が、室内にこだまする。
「いい加減にしろ! ここに上がってくるまでの間、逃亡した美奈殿やアルファ、ベータを追う者達が右往左往していたではないか!」
「そうよ! それに証拠ならあるわ! 見なさい!」
 麗夢は榊から預かった品をポケットから取りだした。
「貴方の会社に落ちていたわ! どう? これでも白を切るつもり?」
 高原は物憂げに麗夢の手の中にある品物を見た。美麗な装飾を施したカードが一枚と、小さな紫色の蝶ネクタイが載っている。
「何だね? それは」
「これは、夢見小僧の犯行予告カード! それにこっちはアルファのアクセサリーよ! 貴方の会社の玄関に落ちていたの。さあ、観念してみんなを返して頂戴!」
 高原は目をつむってにやりと口元をひねり上げた。なるほど、あの小娘、いつの間にか得意技を発揮していたらしい。この私の目を欺くとはなかなか大した腕前だ・・・。
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東京からお土産満載で無事に帰ってきました。

2007-12-30 21:20:28 | Weblog
 およそ10時間の行程を終え、ただいま、自宅に帰着しました。
 この冬一番の寒波がやってくる、というふれこみだったので、たとえば関が原あたりの豪雪地帯を無事通り抜けできるかどうか心配していたのですが、結局山の上のほうがうっすら白くなっているだけで問題なく通過できました。天候は想像していたほど崩れてもいないようで、行きと違い、東海道線はほぼ遅れなしで私を大阪まで運んでくれました。
 もう一つ心配だったのが帰省ラッシュです。不景気になって以来東海道線在来線を長距離移動するヒトが増えているようで、しばしば混み合った電車に遭遇することがあります。今回も、熱海までは快適な快速電車の旅を楽しみましたが、そこから静岡までは座席を得ることができず、ずっと立ちっぱなしでの移動になりました。この先これが続くのは厄介だな、と内心閉口していたのですが、静岡駅で途中下車して昼食休憩を取ってから改めて浜松行に乗り込みましたら、思ったほど混みあうこともなく、その後、豊橋~米原~大阪も全て比較的楽に座席につくことができました。熱海から乗ったのは島田行きで、静岡で私が降りた後もまだ大勢のお客さんが乗っておりましたが、あの人達はどこに行かれたんでしょうね。後続がそこそこの混み具合だったところから考えると、どうもたまたま乗り合わせるヒトが多かっただけのような気もしますし、島田までのどこかで何かイベントでもあって、そのお客さんが余分に乗ってたりしたのかもしれません。
 それにしても、今回の帰りは結構疲れました。熱海-静岡間が立ったままだったのもそれなりに疲れましたが、この疲労は、どうもそれだけではないような気がします。東京は相変わらず暖かだったですが、西に移動するにつれ寒さが増してくるみたいで、20分ほど時間待ちを余儀なくされた豊橋駅のホームでは、時折強く吹きすさぶ西風がやたらと冷たくて、マフラーとコートをしっかり体に巻きつけてなおそれを透いて来る冷気に震えましたし、乗り換えの米原や大阪も今朝の東京に比べればずっと寒いように感じました。
 寒さはこれから更に強くなるらしいですが、せっかく無事に帰ってきたのですから、何とか風邪など引かぬようにして年越しをしたいものです。来年は公私共にいろいろと楽しみ多い年になりそうな感じなのですから、そのスタートからつまづいたりしないよう、疲れを癒し、明日以降に備えたいと思います。
・・・それにしても、やっぱりこの田舎は寒いなぁ(苦笑)。

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暑いくらいの一日でした。

2007-12-29 23:29:52 | ドリームハンター麗夢
 今日は異様に暖かい1日でした。念のため持ってでたコートが全く不要で、単なる手荷物と化したのが困りものでしたが、電車の中がやたら暑かったのも弱りました。こちらは厳寒期の寒さを想定して服装を用意して来ているので、着込んでいる限りは暖房などほとんど不要なのです。そもそも電車内で暖房など必要なのでしょうか? みんな電車に乗るために外を出歩いて駅まで来ている訳で、そのために皆防寒装備はそれなりに備えているはずです。さらに、密閉された空間に大勢の人間が積み込まれる訳で、それだけでもかなりの熱源が車内に存在する事になります。それから考えれば、車内に暖房など入れる必要はないのではないか、といつも思うのです。サービスのつもりで暖房を入れているのなら、私としては直ちに停止してほしいと思います。
 
 さて、今日はできれば有明にいく時間も作りたかったのですが、朝遅かった事もありあきらめました。そのかわり、昨日から計画していた取材行脚に、まずは高尾の大正/昭和天皇陵まで出かけました。小学生のごとく中央線快速の先頭車両の一番前に陣取り、中央線の直線具合を確認しつつ高尾まで乗り、駅からおよそ1キロの御陵まで歩いて参拝しつつ、その様子を見学したのです。あちこちおまわりさんが立っていたり歩いていたりして、警戒厳重な中、杉木立に挟まれた砂利道を進む事しばらく、こつ然と広場が開けて、おのおのの御陵の前にたどり着きました。もっともおまわりさんも気さくなもので、気づいたときにはひとしきり、立ち話に花を咲かせました。今朝の霧の深さなどを身振り手振り交えて教えてもらいましたが、成る程、この御陵の森にかかる霧は見事だったのだろうと想像できました。
 ところでこの御陵の参道、私が住まいする町にある神武天皇陵の参道にそっくりです。もっとも神武領の参道を挟む杉木立はもっとうっそうと密に茂っており、武蔵野御陵の方はまだまだ木が若いように感じられました。とはいえ、神武領だってその創建はそれほど古いものではないはずで、この武蔵野御陵杉並木が大正天皇崩御の際に植樹されたものだとすると、神武領のほうとさほど大きな違いは無いはずなのです。想像するに、西日本と東日本の気象条件の違いなどで、神武領の杉の方が生育が良かった、ということなどがあるのかもしれません。
 御陵を見学した後高尾駅まで戻り、新宿を経由して、とある撮影予定現場まで足を運びました。公共施設跡なのですが、周辺の状況などを確認し、だいたいの雰囲気をつかんだうえで、最寄り駅に戻り、昨日同様中野へと移動しました。
 今日はあとの予定があるのでほんの1時間ほどでしたが一通りの打ち合わせをすませたあと、今回上京のメインイベント、監督御大との懇談会に出席するために移動しました。今回は初参加の方を含めて総勢9名、様々な話で盛り上がりましたが、来年は更に面白い楽しみな年になりそうだ、という事がわかりました。その具体的な異様は追々お披露目させていただく事になるかと思います。私自身は、早く年が明けないものか、とわくわくしております。
 というわけで、私としては、今回はいろいろと成果のあがった東京行になりました。 
 私は明日帰路につきますが、どうやら暖かいのは今日までのようで、明日から冷え込んでくるみたいです。私は道中無事うちまでたどり着ければそれで十分ですが、あさってまで有明に出かけられる方は、今度こそ防寒対策に留意する必要があるでしょう。あとは私は、途中雪で電車が止まらないよう祈るばかりです。


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東京に来ておりますが、コミケには行かないかもしれません。

2007-12-28 23:59:19 | Weblog
 今日は一日がかりで東京まで出て来ました。朝7時に家を出て近鉄で京都まで北上した後は、ひたすら東に向けて、米原-豊橋-浜松-島田-熱海-品川、と東海道線を走り抜け、山手線に乗り換えて新宿まで移動し、更に中央線で中野まで行って、さる企画の秘密基地で密談する事しばし、中央線、山手線、常磐線と乗り継いで南千住の定宿にチェックインしたのが23時15分頃。部屋で着替えてひと風呂浴びて、ようやく人心地ついたところで今日記を付けております。
 冬コミ時期の東京に青春18切符を使って快速と鈍行を乗り継いで来たのは久々なのですが、案外列車はどれも空いていて、きっちり座席を確保して東京まで10時間の旅を完遂できました。まあ世間一般はまだ仕事中でしょうし、私も今日は仕事納めで出勤日だったのですが、ほとんど取ってなかった今年の有休をここぞとばかり投入して、世間より一日早く休みに入ったおかげだったのかもしれません。でも、明日のサークル参加が必要な地方人は大抵今日のうちに上京してないと行けないはずですし、3日目参加の人だと31日中に帰る事ができるのかどうか微妙な人もいることでしょう。そう考えるとやはり冬というのは参加しずらい日程と言えます。
 私はというと、申し込んでもいないのに明日早朝から有明まで行く予定も無く、ではこの時期何しに東京まで出て来たかというと、明日の夜に一大イベントを控えているからです。従って明日の昼日中は時間があるので、有明には午後からでものんびり行ってもいいのですが、今日の密談の結果をもとに明日朝から少々取材っぽい事をしに東京を走り回ることにいたしましたので、多分コミケに行く事は無いと予想されます。よほど順調に行って時間ができたら折角の機会ですのでのぞきにいくかもしれませんが。
 ちと厄介なのは、明日の天気予報は雨と出ている事です。今日も雨のはずで、家を出るときは既に降っていたり、豊橋で昼食のため途中下車したときも、ちと傘をさしたくなるくらいに降り始めていたのですが、東京中野では夜になるまで雨はありませんでした。もし雨の始まりが遅れているのだとしたら、明日も上がるのがずれ込むやも知れません。有明に早朝から待機列に並ぶ人たちには無情の天気となりそうですが、私にとっても行動が制約されるうっとおしい一日になるやも知れません。
 まあ今から気に病んでもしょうがないので、取りあえず明日に備え、今日は英気を養うと致しましょう。

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12.突入! ドリームジェノミクス社 その2

2007-12-27 22:23:48 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
「どうやら今度はそうやすやすとは通してくれそうにないですな」
 一旦車に戻って、榊は麗夢達に告げた。既に合流して二〇分が経っている。
「でも、どうにかしてあの門を突破しないと」
「うむ。飛び越えるのは造作ない高さではあるが、あの警備員達がちとやっかいですな」
 そう話し合ううちにも、門を固める警備員の数が増え、一〇人くらいがひとかたまりになって麗夢達を睨み付けていた。皆、ふん! と力を込めれば胸の筋肉で上着を引き裂きかねない、アメリカンフットボールかプロレスラーでも通用しそうな偉丈夫ばかりである。
「ではこうしよう。私がもう一度彼らの気を引くから、その間に門を乗り越え、中に突入して下さい」
 榊の提案に、麗夢は目を丸くして驚いた。
「でも、あんなに大勢。榊警部一人で大丈夫?」
 すると榊は、悪戯っぽくウィンクをすると麗夢に言った。
「ご心配なく。まだまだあんな若造共に遅れはとりませんよ。それよりも中の様子が気になる。どうやら一騒動持ち上がっているらしいですぞ」
 確かに榊の言う通り、目の前の建物は1階から5階まで全ての照明が煌々と照らされ、右往左往する職員の影が、その窓のそこここに映っている。およそ、研究所という落ち着いた雰囲気からはほど遠い光景である。
「美奈殿や夢見小僧に何かあったやも知れぬ。麗夢殿、この際ためらいは無用だ。急いだ方がよい」
 円光もただならぬ気配を感じ取っていた。何か目の前の騒動とは別の巨大な力が、ビルその物にわだかまっているように見える、そんな感じだ。榊、そして円光の助言に、麗夢もようやく決心を付けた。
「じゃあ、榊警部、円光さん、頼むわね」
「ええ」
「心得た」
 三人は手早く分担を再確認すると、まず榊が三度目の交渉を求めて詰め所に歩み寄った。警備員達の視線が、一斉にそのレインコートに注がれた瞬間、麗夢は榊の車をスタートさせた。あっと振り返る間もなく門前に滑り込んだ車から、円光、麗夢が相次いで飛び降り、胸ほどの高さの低い門に足をかけた。
「こら待て!」
 二人の警備員が気づくが早いか、今にも社内に侵入しようとする二人に飛びかかろうとしてつんのめった。
「まだ話が終わっていない。君らの相手は私だ」
 二人の男は、想像もしなかった力に振り回され、門から詰め所に投げ飛ばされた。
「ど、どういう積もりだ!」
「警察を呼べ!」
 突然の事態に驚き慌てる男達に向かって、肉食獣が獲物を見定めたような舌なめずりをしながら、榊が言った。
「警察ならここにいる。さあ、久しぶりに一暴れさせて貰おうか」
 警視庁一の暴れん坊、榊真一郎の右拳が、それを握りしめた左手の中で戦慄の骨鳴りを奏でた。
 
 警備員を榊に任せて建物に突入した麗夢と円光は、右往左往する職員のただ中でその存在を完全に無視された。赤いミニスカート姿の麗夢と墨染め衣の円光は、明らかに異様に目立つ存在なのだが、誰一人としてそれに注目し、とがめ立てしようとするものはいない。だが、このまま喧噪に巻き込まれてしまってはどうしようもない。二人は白衣を着た手近な若者を捉えると、強引に階段の影へと引きづり込んだ。
「さあ、夢見小僧、美奈殿、ハンス殿の行方を教えて貰おうか」
 円光の鬼をもひしぐ形相に、その若者は失神せんばかりに恐れおののいた。だが、麗夢と円光が手に出来たのは、三人に加え、アルファ、ベータが忽然と姿を消したと言う事実だけであった。
「やっぱりここにいたのね!」
 麗夢は改めてその事実が確認できて喜んだ。ここまでの苦労はどうあれ、ようやく核心に迫ったのだ。この上は何としても三人と二匹の身柄を確保し、真犯人にその罪を問わねばならない。
「どういたす麗夢殿。どうやらここの連中も美奈殿達の行方を見失っている様子。不案内な建物の中では、動くに動きづらいが」
「この建物の責任者を捕まえましょう。結局情報はそこに集まるわ。さあ、貴方達の上司はどこにいるの?」
「た、高原所長のことですか? 所長なら重要実験施設の方にさっき移動されましたが・・・」
「それはどこだ!」
 円光の凄みに、若者はまた悲鳴を上げて、4階の右奥です、と震えながら二人に告げた。
「急ごう麗夢殿!」
「ええ!」
 麗夢と円光はその若者を放置すると、目の前の階段を一足飛びに4階目指して駆け上がった。
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3日連続「夢」の話。最近どういうわけかよく夢を見るのですよ。

2007-12-27 22:22:34 | 夢、易占
 ここ三日ばかり、どういうわけかよく夢を見ます。個人的にはにぎやかな夜は割と歓迎的なのですが、内容次第ではそうのんびりもしてられないのかもしれません。
 で、今朝の夢は、誰かとどこかの駅にいます。おぼろげな記憶によれば、大阪の京阪電鉄の京橋駅です。ちなみにここは、京阪モールという京阪電鉄が経営するデパートと鉄道が一体化しており、更にJR環状線京橋駅や地下鉄鶴見緑地線とも連絡する、大阪有数のターミナルです。また、関西人にはなじみの深いCMが印象的な「グランシャトー」有する大阪きっての繁華街のひとつでもあります。私は幼少時この駅の近くに住んでいて、いわばここは私のホームグラウンドのひとつでもありました。
・・・閑話休題。
 さてその夢で私は誰か2人ほどの道連れがいます。どうやら仕事の同僚のようです。乗り換えを目指しているのですが、発車時刻が迫っているというのに、なかなか駅にたどり着けません。長い階段を上ったり降りたり、喫茶店の中を横切ったりしながらひたすら急ぐのですが、気が焦るばかりでどうしてもつかないのです。ようやく自動改札が見えたところで私は胸ポケットから切符を取り出し、すぐ目の前の進入禁止の改札機を避けて、通れる左隣を通過しました。その正面にホームへ下りる階段があり、大急ぎでそこを駆け下ります。このあたりの風景のデザインは、近鉄の奈良駅みたいです。しかし、すでに発車時刻は過ぎていました。乗る予定だった電車は目の前にありましたが、残念ながらドアがまさにしまりつつあるところで、後一歩で乗り過ごすことになりました。
 ただ、記憶がおぼろなのですが、どうも電車に乗っているのも覚えています。ぎりぎりで危うく飛び乗ったのかもしれません。何せ夢の記憶なので、そのあたりはかなりあいまいです。

 さて、階段の上り下りは夢占いによると「決断の時」なのだそうで、迷いを捨てる必要があるのだそうです。階段自体が運勢や将来を示すとのことなので、どうやらそういう類の切所が私の人生に横たわっているのでしょうか。一方電車に乗り遅れるのは、そういう決断をするのが遅れた、チャンスを逸したということか、そういう決断を逃れたい、変化を避けたいという願望の現われなのだそうです。とはいえ、あいまいながら電車には乗っているわけで、占いを字義通りとるならば、今はそういう何らかの決断が必要な人生の分かれ道に差し掛かっている、ということなのかもしれません。それはいつ来るのでしょう? もう数日で2008年を迎えるのですが、来年早々にも何かあるのかもしれませんね。 結構楽しみです。

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12.突入! ドリームジェノミクス社 その1

2007-12-26 22:42:29 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
「まだ発見できないのか?」
 苛立だしげに職員に問いかける高原は、無理矢理にでも一緒に連れて出るべきだったと後悔のほぞを噛んでいた。取りあえず計画の第一段階が終わり、実行に移す機会を待つばかりになったというのに、本番前の予行演習を目論んでいた検体の全てが行方不明になろうとは、高原には予想外の衝撃だった。
(何が何でも発見しなければ・・・)
全ての準備は完了している。後は最後の実証テストを残すのみなのだ。最初期の、自分の細胞を利用した効果の検証に始まり、3体の検体を利用した、人体への直接投与による効果と副作用の検討を重ね、そして新たに入手した2体の検体による動物への投与限界量の評価まで行った。それに可能な限り精密に構築したシュミレーションと誤差を極力排した各種計算結果。後は最終調整したサンプルを利用して、本当にヒトへ効果を発揮しうるかどうかを確認し、最後の仕上げを行うのみなのだ。だが、このままでは最悪延期せざるを得ないかもしれない。ここまで完璧に研究を進めてきた高原にとって、そんな結末はもはや絶対に許容できない話だった。
「まだ見つからないのか?」
 もう何度言ったか数える気も失せる科白を、高原は手近な職員に投げつけた。返ってくる答えも、聞き飽きた科白でしかない。男一人、女二人、子猫と子犬が一匹ずつ。これだけの団体がこの小さな建物の中でそう隠れていられる場所もないはずなのに。
 こうなったら最後の手段をとってあぶりだすしかないのかもしれない。この研究所その物を、夢の時空に封じ込める。そうして根気よく鍛え続けたあの3つの精神波動を掴み取ればいいのだ。高原には、自分の全力を投じればそれくらいそう無理なく出来るとの自信があった。だがこれまでそれを躊躇していたのは、他ならないその行為が、あの忌むべき存在に、自分の居場所と目的を悟らせる結果になるかも知れない、という一点だった。来るべき日のために周到に準備を重ねること一年。最大の障害を排除してから一週間。あらゆる準備が整ってから20時間あまり。ようやく機が熟してきたこの場面で、出来ればそんな危険を冒したくはなかった。
「くそっ! 何をやっているんだ! まだ見つからんのか!」
苛立ちが益々募る中、そんな高原の逆鱗を殴りつけるような報告が、警備員詰め所からもたらされた。
「何! またあの警官が? ええいもういい! こっちはそれどころじゃないんだ。追い返せ! 方法は任せる。とにかく近づけるんじゃない!」
 インタホンを本体に叩き付けた高原は、大股で立入禁止区域へと移動を開始した。
もうこうなったら、最悪の事態に備え準備を整えておかないと!
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夢世界がムシで覆い尽くされてしまいました。

2007-12-26 22:41:33 | 夢、易占
 今朝は変な夢を見ました。学生時代の下宿の部屋に、鍵をもらって初めて入るのですが、鍵を開けた途端、幾粒かのブルーベリーを入れた透明プラスチックのカップが部屋の中ほどの畳の上に置いてありました。あ、そういえばほったらかしにしていたな、とはじめて入った部屋のはずなのにいつの間にか久しぶりに開けた事になっていたのですが、そのカップの上に数匹のショウジョウバエが飛び交っているのが見えたと思った途端、突然それが雲のように増え広がり、部屋中が虫だらけになってしまいました。私は大慌てで部屋に入り、窓を開けて虫を外に追い出そうとしたのですが、虫はますます勢いを増し、いつの間にかショウジョウバエだけじゃなくていろいろな虫が部屋の壁といわず床といわず、もう隙間も無いくらいにびっしりと埋め尽くしておりました。私はG用殺虫剤を手にして、猛然とそれらの虫達に毒霧を吹き付けていきました。体にもぞもぞと虫の這う感じがしますし、空中のショウジョウバエを何匹か吸い込んでしまった気もする中、ただひたすら殺虫剤をふりまくりました。
 
 さて、虫の夢はこれまでの例からすると体調の悪化を暗示することが多いのですが、さすがにこれだけ多量かつ豪快に虫があふれかえった夢を見るのは初めてのことでした。それだけに、単純に体の調子が悪くなる前兆、という風に見てよいものかどうか、少し迷っています。確かに今ちょっと風邪を引きかけている気配が感じられるのですが、ただそれだけであのようにインパクトのある夢を見るものなのか。また、そういう場合は大抵蜘蛛とか蜂とかムカデとか、私が苦手としている連中がぞろぞろ現れるのですが、今回のはさほど疎ましくない感じの虫たちで、状況は非常に不愉快極まりないものだったにもかかわらず、割と平気に振舞っておりました。もっとも夢の中のことですので不感症っぽい状態だったのは考慮に入れる必要があるかもしれません。
 いずれにしても、体調不良なら早寝早起きとかあったかくして寝るとかそれなりに対処法もありますし、週末には一大イベントを控えていることでもありますので、無理せず警戒を厳にしてしばらく過ごそうと思います。

 ところで、「ドリームジェノミクス」更新しましたけど、ちょっと短くなってしまいました。でもあそこで切らないと、かえって中途半端になってしまうのです。短い分は明日もう一度更新して補ってみようか、と今検討しています。

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もう銀河の流れは夢の中でしか見ることができないのかもしれません。

2007-12-25 22:31:53 | Weblog
 今朝の夢はあまり覚えていないのですが、街中で夜空を見上げると、見事な天の川の輝きが見えた、というものでした。星もたくさん見えたのですが、いざ見ようと目を凝らすとかえってぼけて見えなくなり、視線をずらしてピントを外すと逆に良く見えるという状態で、久々に眺める天の川を満喫しておりました。
 思えば天の川を見たのは一体いつが最後だったでしょう。ちと記憶も定かでないはるか昔だったような気がするのですが、場所はそれとなく覚えています。実家から自転車で1時間ばかり走った山の中のちょっと開けた小高い丘の上、だったような気がします。とするとそれはきっと中学か高校時代でしょうから、もうン十年も昔のことになります。そのときの、何か不思議で荘厳としていて怖いような不安定で漠然とした畏れの気持ちは、今でもほのかに覚えています。夜空一面が星で埋め尽くされた光景、というのは更に昔の小学生低学年時代の夏休み、父の故郷の鹿児島県の漁村にある祖父の家に遊びに行った折に見ましたが、あの時も驚きとともに恐ろしさを覚えたのを記憶しています。
 日常大阪とか今は奈良県ですが、それなりに街中に住んでいますと星空というのは残念ながら有名な星座や惑星の見分けが何とかつくぐらいにしか見えません。今仕事をしている吉野の山奥の職場でさえ、あまりはっきりと星が見えないようで、この間久方ぶりに昴を見て、ちょっと感動したくらいが関の山で、銀河などついぞ見えたためしがありません。もっとも職場では、そんなに遅くまでいるわけではないので、泊まりこみなどしたらまた違った空が見られるのかもしれませんが。
 仕事柄地方へいくこともしばしばですが、そこでもあまり星が綺麗だったという記憶がありません。してみると、ここ20年くらい今朝夢で見たような美しい星空を眺めたことがないといえます。夜空を見上げるのは割りと好きなので結構頻繁に見ているはずなのですが、今の世の中、天の川が頭上にかかっている光景、というものは、ほとんど得られないのかもしれません。
 11月末くらいから家々で電飾をきらめかせるのがはやっているのか、今年はあちこちでそれを見かけました。それはそれでカラフルでよろしかろうとは思うのですが、(個人的にはエネルギーの無駄遣い、と言う気もしないでもないです)たとえば年に1回くらい、できれば空気が綺麗に澄む冬の一日に、「天の川の日」とか「銀河の日」とか作って、可能な限り人工の光を出さないようにする夜を作ってみてもいいんじゃないでしょうか。まあ今日日防犯とか何とか難しい世の中になっていますから実現は困難を極めるとは思いますが、特定の場所だけ、とか時間とか区切ってやるとか、何か工夫して、街中でも美しい夜空を楽しむ機会があってもいいんじゃないか、と思いました。

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ちと気が早いですが、過去を振り返ってみました。

2007-12-24 22:03:57 | ドリームハンター麗夢
 昨日は天皇誕生日、今日はクリスマス・イブ、と年末はイベントも目白押しな感じがいたしますが、うちはまあせいぜい今日クリスマスケーキを食べたくらいで、特段何も普段と変わらない休日を過ごしておりました。もう少し何かあってもよさそうな感じがしないでもないのですが、あったらあったでまた大変でもありますし、これくらいでちょうどよさげなのかもしれません。
 昨年の今日を紐解いてみますと、冬コミ向け記念誌の製作がようやく完了し、ほっと息をついたのもつかの間、麗夢DVD-BOX2に関して要望アンケートの募集ととりまとめを東京から依頼されて、大慌てで各位にメール配信する、というあわただしい一日を過ごしておりました。
 なるほど、あれからちょうど1年になるんですね。
 思えば昨年夏の麗夢DVD-BOX発売発表から1年半。BOX1、BOX2が相次いで発売され、それぞれに私達ファンの声を色濃く反映するための取り組みを通じてオフィシャルな関係筋と連携を強化し、いまやただ首を突っ込むだけの状態から更にどっぷりとそっち側の世界に肩までつかる状態になっている自分の姿を省みますと、本当に隔世の感が実感されます。昨年の今日、アンケート集計を依頼されていた自分が、今年は製作側に重心を移す立場になっていようとは、想像すらできなかった状況の変化です。でもこれは、単にこの1年の変化、というわけではなく、その淵源は『麗夢同盟』というネット上のファンクラブがあり、更にその前には『Avenue REM』というファンクラブがあり、『コミックマーケット』という発表の場が得られ、それらを通じて奥田監督はじめ、さまざまな関係が少しずつつながっていって、今の自分の状況があるわけです。もちろん、その根源には『ドリームハンター麗夢』という不世出の名作との出会いがあればこそのことなので、そう思うとこの四半世紀弱の時間のうちに醸成されてきた何かが、今ついに実を結びつつある、という見方もできるでしょう。私は歴史が好きなのですが、こうして省みると一巻の歴史絵巻ができるかのように、そのときそのときのさまざまな記憶が蘇って参ります。
 きっと来年はもっと大きな変化の波が打ち寄せることでしょう。それがどのような状況をもたらすか、その中で自分の立ち位置がどう変化していくか、ほんの少しの不安とはるかに大きな期待とが交錯する気がいたします。来年のクリスマスイブの日記で果たして私は何を記す事ができるのか、願わくばより大きな実りある内容になっていることを期待してやみません。


 
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11.怪盗の賭け その5

2007-12-23 23:50:00 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
「・・・本当に、死神の仕業なのかしら・・・」
 一時間振りにぽつりとこぼした麗夢の言葉は、再びアルファ、ベータの気配をつかもうと念に入る寸前だった円光の意表を突いた。
「い、今何とおっしゃられた、麗夢殿」
「私、これが死神の仕業かどうか、判らなくなってきたの」
 すっかり日が暮れ、急速に闇へ呑み込まれていく山間地。行き交う車もなく、思い出したように立っている外灯の光に照らされながら、麗夢は円光に言った。
「だっておかしいわ。死神だとしたら一体どうしてもっと早く攻撃してこないの? 私が夢に入れなくなった今なら、いくらでも料理のしようがあるでしょうに・・・」
「それは、まだアルファやベータ、それに拙僧も控えている故、様子をうかがっているのやも知れませぬ」
「・・・でも、そのアルファとベータは行方不明よ」
「それは!」
 円光の反駁を制して、麗夢が言った。
「いえ、円光さんが強力な抑止力になっているのは判るわ。でも、死神ならいくらでもやりようがありそうじゃない。別の夢魔をおとりに使って円光さんを引き離すとか」
 確かに死神なら、さまざまな手練手管を弄して麗夢を一人にするくらいは至極あっさりやってのけるであろう。そして、夢に入り、夢の戦士になる力を失った今の麗夢なら、料理方法の選択はまさに死神の望みのままに違いない。そんな不吉な予想に円光は激しい憤りを感じたが、もし本気でそんな手で死神が襲ってきた場合、自分一人でそれを阻止して麗夢を守り通せるか、冷静に考えてみれば、それがいかに困難を極めるかは、血の上った頭でも容易に理解できた。
「だが、麗夢殿が鬼童殿の夢で見たのは、確かにきゃつだったのであろう?」
「そうなの。でも、やっぱりあれも変だわ。あのチャンスにどうして私を攻めず、鬼童さんも結局は殺さず、そのまま何もせずに消えちゃうなんて。いえ、それ以前にどうして美奈ちゃんや夢見さんやハンスさん、それに今ならアルファとベータもだけど、一体何が目的でこの人達をさらっていったのか、そして何をしているのか、犯人が死神だとしたら全然見当がつかないことばかりだわ」
 麗夢はこれまでずっと考えていたのだ。結局死神があの鬼童の夢にしか現れていないことに疑問を感じ続けていた。今まで死神が絡んだ事件で、あの闇その物と言っていい影がこれほど薄かったことがあっただろうか?
「それに、ずっと死神の気配を感じないわ。私、夢に入る力と一緒に、そんな感覚も無くしちゃったのかしら?」
「いや、確かにそう言われると拙僧にもきゃつめの気配はついぞ感じなかった。何を狙っているにせよ、あまりにその影が薄すぎる。うむ、麗夢殿の疑問は至極もっともだ」
 円光の頷きに、麗夢も首を縦に振った。
「とにかく、ずっと謎ばかりで話が全然見えてこない。そろそろ私も限界かも知れないわ」
 いつになく弱気な麗夢に、円光は慌てて言った。
「麗夢殿、確かに今は五里霧中もいいところだが、霧は必ず晴れるときが来る。それを信じて頑張るんだ。拙僧も及ばずながら力を尽くそう」
「・・・そうね。ありがとう円光さん・・・あ、電話だ・・・。榊警部からだわ」
「何、榊殿から?」
 麗夢は一旦車を左に寄せ、ハザードランプを付けて停止させた。
「榊警部! 何かあったんですか?」
『麗夢さん! 今どこに 』
「え? い、今ですか? エーと、榊警部を追って、常磐道を降りて茨城県の先端科学技術工業団地に向かっている途中ですけど・・・」
『それは良かった! どうやら手がかりを見つけましたぞ。私は団地の入り口で待っていますから、出来るだけ急いで!』
「え? 本当に! す、直ぐ行きます!」
 麗夢は電話を切ると、輝く笑顔を円光に向けた。
「円光さん! 榊警部が何か手がかりをつかんだらしいわ! これも円光さんのおかげね!」
 榊の興奮が麗夢にも伝染したのか。円光はまぶしいものを見るように目を細め、わずかに頬を赤らめて言った。
「さあ、急ぎましょう! 榊殿が待っておられる」
「ええ、しっかり掴まっててね、飛ばすわよっ!」
 見違えるように明るくなった麗夢が、サイドブレーキを解除するのももどかしいとばかりにアクセルを踏み込んだ。プジョーはそれに応えて勇ましい咆哮を奏でると、アスファルトに白煙とタイヤ跡を残しながら、全推力を振り絞って山の中へ文字通り飛び出していった。


 
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「ドリームジェノミクス」も、ようやく終盤に入ります。

2007-12-23 23:48:30 | Weblog
 今日は年賀状の仕上げをしてポストに投函、ほんの少し部屋を片付けつつPCの動作チェック。一応問題なく動いているみたいですが、Fire Foxがエラーで立ち上がらなかったりする小さなトラブルが時折生じ、完全とは行かないみたいです。まあ一昨日までの、起動時に無事立ち上がるかどうかは運次第だったのと比べれば、はるかに安定しているといえます。あとはやっぱりハードディスク交換でしょうか。日ごろの使い方からしたらせいぜい数十ギガバイトもあれば十分用が足りるのですが、最近は100GB以上が当たり前、500GBでも1万2,3千円位であるそうで、小さいのははるかに割高になってしまうようです。まあこちらは今のところそうあわてるものでもなさそうなので、適当なサイズと値段を考慮しつつ、機会を見て入手することにしようと思います。それよりも、ディスプレイを目に優しいタイプに替えたいですし、キーボードも、もう少し指が疲れないタイプのものを導入したいところです。

 さて、今日の掲載で『ドリームジェノミクス』も中盤を終え、終盤に入っていきます。圧倒的な力を秘める高原博士に対し、反旗を翻す美奈、夢見小僧、ハンスのコンビ。手がかりをつかんだ榊、力を失いつつもとらわれの3人の救出にむかう麗夢、そして付き従う円光。その後を追う鬼童と役者が揃い、麗夢の力が消えた謎、高原の目的、結局『死神』は? などを解き明かしつつ、最後の決戦に向けて突き進んでいくことになります。
 ここまで改めて読み直して思い出したのは、特に前半、本当にあんまり考えないで書き散らかしてしまったなぁ、という反省です。今回、文章構成や中身を推敲し、場合によっては大胆に書き換えもしているのですが、前半大幅にいじくっていた割りに、今はほとんどそのままコピー&ペーストで元原稿をアップしております。これは、当初作中の時間設定もあいまいなまま、ただ締め切りだけ考えて見切り発車で書き始めたせいで、話も一本調子になっていましたし、当初書いているときも、先を続けるのに四苦八苦しておりました。それが後半話の中身がだんだんあらわになってくるとそんな苦しさが抜け、かなり楽にお話を続けることができるようになりました。そんな後半でも、今考えてみて、書くべきだったのに書くことができなかった点がひとつあることが見えておりますので、その辺をしっかり見極め、直しを入れて行きたいと思います。
 とまあ終盤に差し掛かっているのは確かなのですが、実はまだ全体の三分の1残っております。最終回はまだ当分先の話になりますので、どうか気長にお付き合い願えたら幸いです。


 
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PCの電源をすげ替えました。

2007-12-22 23:39:34 | Weblog
 今日はPCの電源を入手して移植手術を実施しました。
 実は我が愛すべき田舎町にはPCショップなどないだろう、と思っていたのですが、よくよく調べて見ますと、1軒だけ存在していることを初めて知りました。Motherという名前のお店です。早速うちから車で20分ほどのところにあるお店にむかったのですが、途中通過する幹線道路がいつもにも増して異様に混み合い、泥沼状態の渋滞になっておりました。原因は、先のほうで発生した交通事故でした。道路のど真ん中で、一台の軽自動車が車体を斜めにして停止しているのです。その車の前には、脱落したフロントバンパーと、割れ砕けたプラスチックなどの部品の残骸が散らばっています。ただ、そうやって大破した車は一台あったのですが、その車を大破させた相手のほうがどこにも見当たりません。事故現場を通り過ぎてしばらくしたところで救急車が走ってきてましたから、ひょっとしたら車通しではなく、バイクの類と衝突していたりしたのかもしれませんが、いずれにしてもはた迷惑な話です。
 それはともかく、何とかお店にもたどり着きましたが、そこそこ立派な駐車場を備えたちょっとした規模のお店だったので、お店には失礼なことながら、結構驚かされました。早速中に入ってみると、確かに日本橋や秋葉原に数多あるショップと同じような雰囲気が店内に充満しております。まあ品揃えはやや少なめでお値段はやや高めではありましたが、日本橋まで出かける手間と交通費とを考慮すれば十分見合う値段です。それよりも、手軽に地元で必要なものを手に入れることができる、というのは、たとえば万一初期不良なロットで交換して欲しい場合が生じる危険性ひとつ考えてみても、計り知れない価値があると思います。
 で、結局そのお店で一番安い電源(350W 2,980円也)を購入して帰りました。棚には400、450,500Wと大容量で、静音設計とかいろいろ今風の機械用の電源端子なども搭載された、値段もそれなりにお高い電源もいくつかあったのですが、寿命を迎えたと想定される電源が300Wでしたから、これで少しばかり余力も確保できますし、そもそもずいぶん古いチップセットとCPUな機械なのですから、電源に今風なギミックは必要ありません。静音設計はちょっと魅力があったのですが、今までの音と同じ程度なら気になりませんし、・・・といろいろ自分に言い訳して、結局お値段最優先で買ってきたのでした。
 現在試運転中ですが、いまのところ、あれほど頻発した各種トラブルはなりを潜めているようです。とりあえず明日一日くらい様子を見て、もしハードディスクなどほかにも異常が生じているようなら、改めて対策を考えてみようかと考えています。できればこれで問題解決していて欲しいですけどね。
 
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今年最後の72時間フリータイムをはたしてどうすごすべきか。

2007-12-21 23:41:57 | Weblog
 今年最後の3連休が明日から始まるわけですが、とりあえず片付けないといけないのが年賀状の宛名書き。毎日少しずつ書こうと思っていたのですが、最近残業も多くて想定していたほど自由になる時間が無く、ほぼ放置状態になっておりました。書き出せばじきに出来上がるはずなので、とにかく明日のうちに仕上げてポストに投函したいです。
 次に部屋を片付けたいところ。今のままでは危なくてストーブもつけられないし、とにかく一度きっちり片付けないと、いろんなものが埋まったままになっている気がいたします。特にここしばらく姿を見せないUSBメモリは是非発掘しておきたいです。
 後は、長々だらだら細々と続けているアニメの製作。ようやくにしてほぼ9割以上お絵かきが終わりつつあるのですが、最後の部分で足踏み状態が続いています。年末上京で時間が取れないので残念ながら当初予定の今年中完成は難しくなっていますが、せめて来年早々には動かしてみたいと思うわけで、そのためにもこの3連休の間に一枚でも多く絵を描いて、完成に近づけておきたいのです。
 ほかにも、電源買ってきてPCが再生するかどうか検証したいとか正月前に散髪くらい行っときたいなとか、そういえばいくつかチェックしている新刊が出ているはずだから本屋さんにも行きたいとか、いくら3連休でもちと時間が足りなさ気味なメニューてんこ盛りなわけですが、寒さにかまけて薄ぼんやりと布団で惰眠をむさぼるばかり、という連休にだけはならないように、ちと気持ちを引き締めて年の瀬を過ごしたいと思います。

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