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公取委の決断

2007年03月10日 19時01分19秒 | 社会全般
先日の国土交通省への適用が、中央省庁では初めてであったそうだ。

asahicom:水門談合で国交省に改善措置要求 公取、OB関与も重視-社会

(記事より一部引用)

国など発注の水門工事を巡る談合事件で、公正取引委員会は8日、国土交通省の現職職員が落札予定業者を指示するなどしていたとして、官製談合防止法を適用し、同省に改善措置を要求した。同法に基づく改善措置要求は中央省庁では初めて。また、同省ナンバー2の技監経験者らが公益法人などに天下りして談合に関与したことを重視し、同省などに再発防止を求める要請をした。

 談合は同省のほか農林水産省、独立行政法人の水資源機構の発注工事でも繰り返され、石川島播磨重工業、三菱重工業、日立造船など全23社が加わったとされる。公取委は独占禁止法違反(不当な取引制限)があったと認定し、このうち14社に総額16億7千万円の課徴金納付を命令。15社に再発防止などを求める排除措置命令を出した。

 公取委が官製談合防止法を適用したのは、国交省が発注した河川用の水門工事や既設のダムの水門の更新工事。本省建設施工企画課の課長補佐と近畿地方整備局(旧地方建設局)の機械施工管理官(肩書はいずれも当時)の2人を、現職当時に落札予定業者を業者側に指示していたとして、同省に実名で通知した。




公取委はそれなりに頑張ったのではないか。何故なら、末端のザコを処分するのではなく、霞ヶ関本体に対して切り込んだからだ。国土交通省への官製談合防止法適用と改善措置要求に踏み切ったことは、できれば評価してあげて欲しい。大方の新聞社にとってみれば、例の「特殊指定問題」の遺恨があるせいなのか、あまり「公取委」の肩を持ちたくないのかもしれない(笑)が、公取委を評価する論調はあまり見られていないのでは、と思った。今回の件で多くの国民が快哉を叫んだりしないだろうが、頑張ったことは認めてあげることも必要なのだ。失敗の時はバッシングが燃え盛るのだが、うまくいっても頑張っても褒めることがなく、誰も知らないのである。それも悲しい。この前の会計検査院の話もそうなのだが、国民が応援してあげないと「強くなれない」と思う。


やや話が逸れたが、今後「談合事件」に対しては、主導したのが霞ヶ関のキャリア官僚であったとしても、「公取委としてはやりますよ、踏み込みますよ」というメッセージであろうと思う。昔ならば、非公式に「オタクはちょっと目立ちすぎですから、気をつけてくださいね」くらいでお茶を濁していたのかもしれない(あくまで想像です)。業者などの末端の方は摘発されたとしても、霞ヶ関本体にまでは到達しなかったであろう。それを出されてはウチとしても困るんですよ、みたいな世界であったろう。なので、キャリア官僚が処分されるということは滅多になかったであろう。せいぜいマスメディアに尻尾を掴まれるとか、ヘマをやった連中だけが「晒された」のだろうと思う。

しかし、公取委は昔よりも踏み込むようになった。省庁の「抵抗」に遭っても、「出さないわけにはいかない」と考えるようになったし、実際それを実行できるパワーを持つようになった。これは時代の変化なのか、政治的な変革の結果なのか、それとも、官僚機構の力の衰えなのかもしれない。ひょっとすると、これまで以上に国民の目が厳しくなってきたから、ということなのかもしれない。そうした世間の風潮には逆らえないから、という理由も考えられなくはない。

だが私は、公取委の変化を信じているし、公取委なりに取り組んでいることを感じている。昔ならば不可侵領域であったものを、自らの信じる正義に基づいて、公取委の存在意義を賭けて挑んでいるのだ、と信じたい。彼らは、国の、或いは行政機構の、「失われた信頼」を回復しようと努めているのである。何よりも、自らが「信頼される存在になりたい」と願っているのである。それが、多くの公務員たちを救済する―公務員バッシングを減らし、国民の信頼を得る―ことの近道になると考えているからだろう、と思うからである。



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