いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

日銀に利上げの根拠を問う

2007年01月14日 17時48分07秒 | 経済関連
またしても、日銀は利上げに踏み切る算段ようだ。本物の「ヤブ」ってのがいることの証明である。同時に、専門家という人々が必ずしも正しい判断をする訳ではなく、全く当てにならないことをも示している。何故、これ程までに無能なのであろうか?基本的に、「金利の決定権限」という究極アイテムを手に入れたいだけの、冒険の目的を完全に忘れたRPGプレイヤーのようである。


喩えがヘン?・・・・ええ、そうですね。じゃ、もうちょっと、書きますか。
要するに、自分の一番好きなアイテムで、例えば「~のマント」みたいなのをどうしても手に入れたい人がいるとしますか。ゲーム本来の目的は、悪いボスを倒して人類の幸せと平和を取り戻すことなのに、オカシナ信条というかヘンな信念を持ち続けているので、最終的な目的を達成する為に行動するのではなく、「~のマント」をひたすら求めてしまって、目的を間違えたままプレイしてしまう、ということですね。日銀は、物価の安定が最終目標なのではなくて、それを通じて国民生活・経済の安定を図り、人々の幸福に寄与することだろうと思います。なのに、日銀が取り得る政策手段としての「金利(幅)」を少しでも回復しようとしているだけなのです。自分の一番大好きな”アイテム”を、何とかしてゲットしたいだけなのですよ。そういう愚かさに未だに気付いていないのです。本当に呆れてしまいます。


<ちょっと寄り道:
先日NHKの『プロフェッショナル』を観ました(ボツネタさんもちょっと書いてましたね)。再生専門の弁護士さんが登場していましたが、とても良い内容で感動しました。ウチの子の年齢が丁度同じくらいなので、弁護士さんのお気持ちはお察ししました。その弁護士さんは、「何としても護る、という気持ちが大事なんだ」というようなことをお話されていて、立派な方だな、と思いました。でも、日銀には、この「何としても護る」という考えなど、これっぽっちもないのです。国民生活を「護る」ことなど、初めから眼中にないのですよ。本当に爪の垢でも・・・>


日銀は好調な企業収益が家計にも波及して消費拡大は見込めるし、経済の拡大は続く、という楽観的な見通しを言ってる訳です。でも、現実はどうなのさ、というと、必ずしもそういった傾向が明らかになっているわけではないんですよね。家計に波及しているのであれば、昨年から継続して景気拡大期なのですから、給料は明確に上昇し、消費額も拡大し、小売も昨年よりも伸びるはずなんですね。05年末には「ボーナスはバブル期と同じ水準」とか、賃金上昇が見込めるとか、あれ程楽観的な見通しを並べていたではありませんか。インフレになってしまうんだ、だから早い時期に利上げが必要なんだとか強弁して、みんなが「待て」と言ってるのを振り切って、量的緩和解除+利上げに踏み切ったんじゃないですか。


すると、どうでしょう?日本経済はどうなった?
CPI は年率でほぼゼロ近辺(せいぜい0.2~0.3%くらい?)、経済成長率は相次ぐ下方修正、消費は停滞、CPI はマイナス寸前、という、日銀の見通しとは全く違う結果をもたらしたんじゃないですか。日銀の掲げていた実質成長率は2.4%くらいは行ける、とかいう判断はどうなった?これも未達でしょ?オイオイ、日銀は、どっからそんな強気が出てくるの?基準変更に伴うテクニカルな要因とか、そういう理由はあるとしても、それを見越して判断できなきゃ、「ヤブ」間違いなしなんじゃないの?


仮に、ある検査の指標があって、測定値に検査機器ごとに誤差範囲がある場合、事前にバイアスの存在を見越して効果判定を行うのはごく当たり前の話だろうと思うが。血圧の高い人に降圧剤を投与するとして、薬剤Aを10mg投与で安定的な状態だったが、最近血圧が高めになってきたので薬剤を増量して15mgに変更したとしよう。ところが、測定機器が最新型に変更になり、実際測ってみると、あまり高くなっていなかったということもあるわけです。「高くなってる」と思い込んでAを増量したのに、それが測定機器の誤差でしかなければ、薬剤Aの増量は逆に過量投与となって血圧を下げ過ぎる結果をもたらし、「下げ過ぎ」の弊害・副作用の方が問題になるに決まっています。こういうのをヤブと言うんですよ。Aを増量して今よりも血圧を下げることを考える時、下げないで放置した場合のリスクと、下げ過ぎによるリスクの両方を考えるに決まっているでしょ。しかも、「測定誤差がどのような形で出てくるか」ということも、当然増量する前に考えておくべきことでしょう。血圧が下がり過ぎてから、「ありゃりゃ、下げ過ぎました」じゃ、論外でしょうが。日銀というのは、たとえどのような失敗を重ねても、裁判で訴えられたり、賠償金を求められたり、罰を与えられることがないので、いいよね。失敗しても責任を負うことがないんですから。


何で1月に利上げするのか、真意が全く分らん。おまけに、民間エコノミストたちの答えってのも、アレだな。本当に、日銀との「内部的なつながり」「情報リーク」みたいなのが、常態化しているんじゃないのか?「市場が織り込んでいるから」っていうのは、予断を与えるようにインサイダー情報として流しているんじゃないのか?市場との対話云々とか言ってるが、それは総裁発言とか講演会内容とか、そういった「公表された情報」ではなくて、個別に漏れる情報を掴んでいるんじゃないの?


NIKKEI NET:経済 ニュース

(記事より一部引用)

内閣府の外郭団体、経済企画協会は12日、36人の民間エコノミストの経済予測を集計した1月の「ESPフォーキャスト調査」を発表した。日銀の追加利上げ時期について、1月を予想する人が昨年12月調査の12人から7人増の19人と、35人の回答者の過半数を占めた。ほかの時期では2月が7人、3月が3人、4月が2人だった。

 2006年度の経済成長率予想の平均値は昨年7―9月期の国内総生産(GDP)改定の下方修正を受け、実質で1.89%、名目1.31%と前月調査からそれぞれ0.51ポイント、0.48ポイント下方修正された。

 06年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)上昇率の予測平均は前年同月比0.2%で、前月時点の予測を0.01ポイント下回った。




それから、こちらの記事も。

〔焦点〕日銀は月内利上げ視野に最終調整、CPI動向判断がカギ Markets NewsReuterscojp

(一部引用)

ロイターの取材によると、1月利上げに踏み切ってもいいのではないかとの意見は、決定会合のメンバーである審議委員の多数を占めている。総裁・副総裁の3人が利上げの判断を固めれば、政策委員会の大半が利上げに賛成する展開が予想される。

 昨年12月の決定会合では、消費がなお弱いとして日銀は追加利上げを見送った。これについて日銀の複数の幹部は、夏場の消費落ち込みは一時的な現象と確認できたとし、「10月展望リポートで示したとおり、企業部門がエンジンとなってやや弱めの家計部門にもいずれ徐々に波及していくとの基本シナリオに狂いはないことが確認できた」という認識を示している。

 昨年10月の展望リポートで示した06年度の国内総生産(GDP)とCPIの見通しは、下振れがほぼ確実になっている。これについて日銀では、GDPの下振れは05年度からのゲタ(成長率算定の基準)が低くなったという技術的な側面が背景にあり、CPIは原油価格と家賃の低下が主な理由と判断。景気拡大とともに物価が緩やかに上昇していくという基本的なシナリオは維持されているとみている。また「市場の1月利上げへの織り込みもかなり進んでいる以上、やらないことの方が不安定要因となる」との指摘も日銀内にはある。




特に、これ→『「市場の1月利上げへの織り込みもかなり進んでいる以上、やらないことの方が不安定要因となる」との指摘も日銀内にはある。』

ハアぁ~??


やらないことが不安定要因って、日銀は3月に量的緩和解除、7月利上げ、というのを、その半年以上前から「市場に織り込ませた」結果、長・短金利の乱高下+為替変動を招いただけで終わったじゃないか。06年の年頭から、金利先高感を醸成させたが、預金金利なんかの上げ効果よりも、ローン金利の上昇とか、住宅ローン金利の度重なる変更(上げて、やっぱり戻して、みたいな)とか、長期プライムレートの変動を招いただけだろ。要するに、市場は騙されたようなもので、思ってたよりも「(長期)金利上昇速度」は遅かったし、景気のモメンタムも「鉄板」みたいな底固さはなくて、ふにゃっとイマイチだったのでしょ?「景気がいい」と言う割りには、そうでもないな、とバレたのでしょ。「やらないことの不安定要因」じゃなく、”やったから”こそ「乱高下」だったとしか思えないのですけど。


この期に及んで、まだ「1月に利上げ」とか言ってる日銀は、本当にオカシイですよ。
一体、どこを見てるのか?

☆☆福井総裁の置き土産、とか、絶対に止めてくれ。
庶民の本音を言えば、「即刻辞めてくれ」、だよ。



利上げとは関係ないですが、以前にも書いたように、人間の血液というのは、かなりの余裕があります。それは多少の変動なんかで酸素供給が追いつかなくなるということがないように、セーフティ・マージンが設定されている、ということなんですよ。赤血球は酸素分子4個と結合できることになっており、もしも赤血球が減少(たとえば出血や貧血とか)しても、ある程度までは酸素供給は行うことができます。

指標としてはHbなんかが用いられたりします。この数値が通常10~12(mg/dl )とかあるけれど(男女で結構違う)、酸素分圧だけ考えれば(浸透圧など他の影響もあるので一概には言えないが)4~5程度でも、生きていることは不可能ではありません(普通はそんなに低下する前に輸血すると思います)。正常な状態でならば、赤血球はフル回転しなくてもいいようにできているのです。酸素運搬能だけ考えた時の理論値よりも、「はるかに多い量」が正常量になっているのです。それは、緊急時の酸素需要にも対応できるように普段から準備されている、ということでもあります。日銀がやっている、マネーサプライを絞り、利上げしていくというのは、血液供給を止めて、今ある赤血球だけで酸素運搬能を発揮させよう(最大運搬能に近づけよう=赤血球1個当たりの運搬効率は上がる)、ということですが、元々が弱っていた(=デフレ、景気悪かった)体なのに、直ぐには難しいとしか思えないですけどね。真のヤブは、普通の感覚さえも持ち合わせていない為に、何もしないよりももっと悪い結果しかもたらさないのですよ。止めて欲しい、本当に。
レッセ・フェールでお願いしますっ!!(笑)




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。