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「かんぽの宿」疑惑の波紋~8

2010年03月18日 17時35分19秒 | おかしいぞ
会計検査院の検査報告が出されました。
過去の検査要請に対する検査結果の報告(平成22年報告分) | 活動内容 | 会計検査院 jbaudit.go.jp

是非とも通読してみて下さい。
大変よい検査報告となっております。分析なんかも、なるほど、と思わせる部分があります。会計の専門的な知識を持つ人たちが頑張ったんだろうな、と思います。


竹中慶大教授とか、各紙社説子とかが矢鱈と強調していた「50億の赤字垂れ流し」とか言ってましたが、中身を考えない連中ばかりだということがよく判りました。
オリックス不動産への売却は妥当、とか何とか言ってた人たちは、今すぐ名乗り出てもらえればと思いますな。

「かんぽの宿」疑惑の波紋~6

この中で、次のように書いている。
『年間50億赤字だから、来年になれば160億、更に3年だと259億円、経営立て直し費用70億を加えて329億円、とか、素人経営診断ありがとよ、って感じです(オレもか、笑)。デマもいいとこですね。

敢えて「損をしてもいいから、かんぽの宿の従業員のみなさまの雇用を守りたい、私どもは大赤字を覚悟で今後3年間でざっと220億円ものキャッシュ持ち出してでも、かんぽの宿という貴重な資産を守って参りたい」とか言うような、脳天気ビジネスなんかないとしか思えないわけで(笑)。

まず根本的に施設の数からして間違ってるんじゃないか?(爆)
「かんぽの宿」の営業している施設数はそんなにはないわな。売却された物件には遊休資産も含まれているだろうし、そこで100億回収とかできてしまうなら、他の購入価格はほぼナイに等しいですから。後はキャッシュフローがプラスになってさえいれば、大赤字になんかならないわけでして。世の中の商売なんて、そんなに甘いもんじゃないんじゃないの?特に、金貸しをしぶとくやってきたオリックスさんが、そんなに温情的であるとは思われないわけで。』

3年で330億円も持ち出しになってもいいから、オリックス不動産は購入したかった、と、今でも言いますかね?(笑)

出鱈目もいいとこ。
今回の検査報告で明らかになったことがある。例えば、アドバイザリー契約を勝ち取ったメリルさんが購入希望者に提示した数字というのは、全然違ったものであった、ということですな。

20年度  -27.7
21年度  +1.8
22年度  +2.3
23年度  +2.7
24年度  +2.9
25年度  +2.9
  (単位 億円)


こんな数字だったみたいですよ。まあ、実際この通りに来るかどうかは不明ですが、50億円も赤字とか、3年で330億円マイナスとか、そういうデマみたいな数字はなかったみたいですね。

それから、「50億円の赤字」というバカでも覚えられるフレーズの中身というものを見ると、ちょっと違った印象を持ちましたな。譲渡直前の決算数字”だけ”が特徴的なんですよ。20年度(08年度、08年4月~09年3月だから騒動の起きていた頃だ)の決算数字はなかったのに、どういうわけか竹中は知っていた、ということなんだろうか?
おかしいな。前年度の数字は約40億円の赤字だったから、50億円ではないわな。

ア)人件費が約30億円増加していた:
→これは、推測に過ぎないが退職引当金とかの一括計上をしたのではないだろうか?売却された後の、人員整理に伴うリストラ費用や退職金とかという意味だ。前年度の約61.7億円から91.6億円と1.5倍にも膨らむというのは、ちょっと想定し難いからね。まさか、人員を大幅に増やしたというわけでもあるまい?

イ)物件費が約50億円増加していた:
→検査院の記述では液晶テレビ購入等とか設備投資増加ということらしい。だが、その前の16~19年度の4年間は76~82億円くらいの物件費になっており、15年度の約92億円が過去5年間最高の額だった。
ところが、である。
オリックス不動産に売却するということが明らかになった年度に限っては、一気に133億円に増額になっているわけだ。50億円も増やしている。これは何故だと思うか?
たとえば、他人の金で修繕とか設備を新しいものに更新しておいて、直したものを譲渡してもらえば、それは嬉しい&ありがたいわな、という話だな。お土産を付けて渡す、みたいなもんか。これに類する話は、書いたことがあったでしょう?オレみたいなド素人でも思いつくもんな。やる気になれば、不可能ではないよね。その証拠さえ掴まれなければ、問題ないし。

これも日本の教訓か~銀行業で発揮された外資の威力

何て書いたか、というと、
『喩えて言うと、こんな感じかな。
経営破綻したホテルがあって、とある投資ファンドが購入した。
ファンドの要求は、こんなボロな部屋じゃ営業にならないからもっとキレイにしてくれ、じゃないと購入しないぞ、というものだった。そこで国がリフォームして、ボロなところはきちんと直した。それと、全ての部屋には、絵画や高級家具やテレビや冷蔵庫やゲーム機を備え付けにしてくれ、とも要求されたので、全額国が負担して整備した。

さて、ホテルは晴れて営業を開始して、利益が出るようになった。すると、購入したファンド側が「利益は分配するぜ」と言って、国に返す前に配当として持ち去った。更に、部屋に備え付けておいた絵画も高級家具もテレビも冷蔵庫もゲーム機も、全部売り払われて現金化され、配当に回された。そして遂には部屋の中には売れるものは何もなくなった。部屋にあったものは、切り売りされて現金化されていただけだった。ホテルが人気で営業利益が上がっていたわけではなかったのだ。そして、国がリフォームした金どころか、元からあった資産さえも失い、借金だけが残された。』

後半部分は関係ないけど。
だが、物件の購入前に郵政の金でキレイにしておけば、譲渡後の50億円分は浮かせられるわけだよ。郵政の金で設備投資しても、西川の懐が痛むわけでもなけりゃ、宮内の出費になるわけでもない。全て「他人の金」なんだよ。だが、その50億円分の投資は、譲渡された側にまるまる転がりこむという寸法なんだな。譲渡価格に上乗せされたりせずに、だ(笑)。

だから、ア)とイ)の特別な出費80億円がなければ、20年度の決算が54億円もの赤字になっていたと思うか?というと、オレはそうは思わんね。例年通りの数字であったなら、黒字だったかもしれない、とは思いますわな。

更に言えば、「かんぽの宿」事業とかの赤字が54億円かというと、そうじゃない。”現場”の方は、21.6億円の赤字だけだ。80億円もの臨時的な支出を計上してでさえ、20億ちょいの赤字額に過ぎない、ということだ。これは、当然のことながら、減損処理後の減価償却費の減少が利いているわけだよ。で、54億円の経常赤字のうち、本社が大半を占めている、ということである。32.8憶円も赤字を出しているわけだ。これも、譲渡後に本社の生み出す赤字が残り続けると思うか?否、そんなはずはないのだよ。そんな経営の仕方をするわけがない。


だから、50億円の赤字、なんてものは、数字を見なけりゃ何とも言えないはずなんだよ。もしも、人件費の30億円と物件費50億円が過年度と同程度の水準であったならば、20年度には数十億円の黒字ということになるかもしれなかったんだよ。本社の無駄を削れば、30億円以上の赤字もなくせる可能性は大とみるね。

これでもやっぱり、譲渡後には大赤字を垂れ流す、とか断言できる人がいるなら、是非とも解説してほしいものだね。


それと、減損会計処理ね。これも、大体想像通りだったろ?

「かんぽの宿」疑惑の波紋~7

ド素人のオレですら思いつくことなんだから、専門知識さえあれば、やれる、ということさ。 帳簿の数字を作るのは、不可能なんかじゃない、ということさ。簿価の百億円程度を崇め奉っていた人たちは、何でも鵜呑みにするタイプなんじゃないかと心配になるね。

09年6月>郵政利権に切り込め

偶然にも、村木局長が電撃逮捕されたという時だった。
承継財産の評価額を認めた連中は、全員出てこい、って話(「かんぽの宿」疑惑の波紋~3)だな。承継財産評価評価委員会のメンバーは当然として、郵政民営化委員会の連中でもいいし、総務省で事後的にやった第三者検討委員会の弁護士、会計士、不動産鑑定士、の連中でもいいぞ。
不動産鑑定がいかに当てにならないか、という話だわな。

国会で証人喚問でもやって、減損処理や不動産鑑定額の処理について、合理的説明を求めたらよい。全員一致している(笑)ことだろう。


言ったはずだ。オレは数字を見るまで信用しない、ってな。

「かんぽの宿」を哂う資格などない

「かんぽの宿」疑惑の波紋~5


寂しく無視されてるっぽい、クニオくんとか、存在感を出したいなら、再びチャンス到来かもしれんぞ(笑)。



ああ、ちょっと追加ね。

こういうのもあったな、と。
「結論ありきの愚」(笑)

今、彼らが何と言うのか、是非聞きたい。

まんまとハマってくれるのが、おめでたい、ということなのかな。

まさに、あっち側の連中の戦術通りに、「かんぽの宿は大赤字垂れ流しなんだから、さっさと安値で売って処分してしまえー!」みたいな意見に賛同してくれる、と。ふーん。

ま、オレみたいな場末の低俗な人間には、理解できませんわな。みなさん、大変かしこく、物事を知っておいでで、うらやましい限りですな。




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