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「かんぽの宿」疑惑の波紋~3

2009年02月07日 15時23分17秒 | おかしいぞ
簿価が正しいんだよ、簿価が。文句を言うな、ということなんかね。まあいい。
この簿価やろう!とか?つまらん?

えー、かんぽの宿等の資産は、きちんと第三者からなる委員会で認められた価値なのだ、だから正しい!とか言い張る連中はいるのかもしれないね。

新聞記事に「郵政民営化承継財産評価委員会」なる委員会で認められたんだ、ということらしいので、調べてみたんですよ。
すると、確かにありましたな。

郵政民営化承継財産評価委員会

でもね、不思議なことに、この委員会で「かんぽの宿」がいくらか、なんて検討された形跡はないんですよ(笑)。数字が全く出てこない。それなのに、どうやって「ラフレさいたま」の簿価が15億円、なんてことが判るんですか?(笑)
いや、ド素人の私が言うのもなんですけど、PwCの人や新日本監査法人の人もいるし、不動産鑑定事務所の人も公認会計士の人も西川も勿論入ってるし、そればかりか総務省の郵政行政局長や理財局次長まで入ってるときたもんですから、まあそういうもんなのかな、と思わないでもないんですがね。

けど、この中で言われていることは、土地建物等に関して

『原則相続税評価額(路線価)をもって評価し、相続税評価額(路線価)のないものについては鑑定評価額をもって評価

ただし、簡易生命保険加入者福祉施設等の譲渡等を予定しているものについては、他と同様の評価方法を適用した場合、譲渡等する際の価額と大幅に乖離する可能性が高いと考えられること、減損会計を適用して事業価値に見合う評価が既になされていること等から、公社の最終事業年度の期末日時点の価額をもって評価』

ということになっているんですわ。大爆笑。
ここで珍妙な但書をつけているというのも、大変笑える話ではありますな。
こんなことでいいんですか?郵政行政局長さんよ。

財務省もさ、国の資産売却で苦労に苦労を重ねてきて(あの古コイン売却とか、金属価格高騰で銅売却とか…)、理財局なんて公務員官舎の売却問題の時なんかにも散々槍玉に上げられて、抵抗勢力の急先鋒に仕立て上げられていたんじゃなかったの?土地建物等の処分にどれほど汲々とさせられていたか、判りそうなものなのに、どうしたことか郵政の資産はゴミみたいな安値で叩き売られていいですよ、ということですか。売れるものを必死にかき集めてきた苦労が、一瞬にして水の泡だわな(笑)。

よくもまあ、こんな不可思議な但書を臆面も無く付けられたもんですな。
民間同士の売買で、税務調査とかする時にどうすんの?
簿価との乖離が著しい場合には、不当な価格で譲渡されたんじゃないか、或いは簿価が極端に周辺市況とかけ離れたものである場合にそれは利益の付け替えとか何とかの手口なのではないか、そういったことを調べたりするんじゃないですか?税務調査を見たことないから、よく知らんけど。そういう時に、路線価とか一般常識的な周辺価格とか、そういうのとの違いを見るんじゃないですか?

それをですね、減損会計したから、その価格が正当なもので、その値段と乖離するのはしょうがないね、ってな、単純な話にはならんでしょう?買い手は簿価がいくらか、というよりも、「いくらで買えば事業が成り立つか、儲かるか」という視点で見るわけだから、簿価を安くしておかないと買い手が困るから、なんて話にはならんでしょうよ。どうして、かんぽ関連の譲渡予定施設だけを、特別扱いして財産価値を落とさねばならんの?その合理的理由はあると思いますか?


減損損失で処理された額は、3期遡って約3000億円以上です。これらについて、譲渡予定物件の減損処理した額を、個別に出せるはずなので、それを出すべきだろうね。1000円の不動産は、1000円の算定根拠があるはずです。1万円の不動産もしかり。それぞれについて、減損処理にあたっての根拠を明示できるはずです。これをやってるからこそ、処理したんでしょう?固定資産の評価額の数字を書き換えるというのは、そういうことなのでしょう?


回収可能価額の時価や算定方法等について、その根拠を明示しなさい。使用価値については、割引率等についても明示できるはずです。

これら情報は、注記事項として記載すべき事柄であって、会計の決まりなんですよね?素人にはよく判らないけど。
大体、立派な委員会に会計関係の専門家が大勢揃っておられるわけだから、こんなのを確認するのは朝飯前なんですよね?

例えば、「ラフレさいたま」って、どんな土地建物か知らんけど、これの評価額の算定根拠を出すのは、当たり前なんですよね?この簿価は合理的な根拠に基づいて、それまでの価格(いくらあったか知らんけど)から15億に減損されたわけだから。うん、回収可能価額がこれだ、って信じる根拠があるんだろうから、それを出せばいいわけだよ。
別に、承継財産評価委員会のメンバーが「15億円だ」と決定したわけじゃない。そう帳簿に書いてあったから、そうなってしまった、というだけだ。こんなもんに、妙な権威づけを行わなくたっていいんだよ。

別に、減損会計をするな、と言ってるわけじゃないよ。
正当な評価なのであれば、それはそれでいいでしょう。国民の金として、できるだけ多く回収してくれれば、それでいいんですよ。けれども、特定企業のヤツラに「うまい汁」を吸わせる為に利用されるというのは、断固として許しませんよ、という話だな。


つまらん小細工しやがって。



ここでひとつ、税務処理の例題を考えてみましょうか。

ここに会社甲が所有する土地Xがある。
土地の簿価はこれまで1000万円だったが、減損処理を行って1万円の簿価とした。続いて、甲の社長の親族が経営する会社乙に土地Xの売却を行って譲渡した。譲渡価格は簿価の1万円だった。さて、ここで

①減損損失999万円を認めるのは妥当か?
②甲から乙への利益供与にならないか?

という問いには何と答えるだろうか?

甲の利益が大きく、減損処理を行って損金処理ができる(?、定かでない)となれば、半ば脱税的処理に該当してしまったりはないか?(課税利益を圧縮できる、固定資産税を小さくできる?)
他には、乙への利益供与を意図して、不当に土地Xの簿価を低くすることによって、乙が将来売却益を得るであろうということが予想されるのではないか?

こうした疑問に答える為には、減損処理を認めるのであれば、例えば周辺物件や路線価との比較、算定根拠の合理性などが問題となるのではないか。その算定には合理的根拠があるのであって、それを提示できないわけがない。

税務署が果たしてこうした会計処理を認めるかどうか、専門の方々ならばきっと容易に答えを出せるのでしょうな(笑)。




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