荻野貴の穴を埋める最終兵器としてのネタを披露する前に、サブローが巨人に移籍をすることとなってしまいました。
チームに貢献をしてきた生え抜きがこういった形で去っていくのは悲しいですし、何ともやるせない気持ちになります。
しかし決まってしまったものは仕方がありませんから、柄にもなく前向きに考えていきたいと思います。
巨人がサブローを獲得 工藤とトレード (6/29 スポーツ報知)
ロッテの大村三郎外野手(35)と巨人の工藤隆人外野手(30)プラス金銭の交換トレードが合意に達し、29日に両球団から発表された。
大村は95年にドラフト1位でロッテに入団。
ロッテではサブローの登録名でプレーし、中心打者として05、10年の日本一に大きく貢献した。
ゴールデングラブ賞を2度受賞している。
巨人・清武球団代表兼GMは「打撃力のアップという狙いで双方の意見が一致した」とコメント。
工藤は08年オフに二岡、林との交換トレードでマイケル中村と日本ハムから巨人へ移籍。
今季は1軍出場がなかった。
工藤は「ロッテの勝利に貢献できるようにしたい」と話した。
私は人並みに、もしかしたら人並み以上に生え抜きへの思い入れがあります。
ですから昨年の堀への仕打ちには疑義を唱えましたし、基本的には生え抜きにはロッテのユニフォームを着たままで現役を終えて欲しいと思っています。
しかし選手からすれば力を尽くして最後までプレーをしたいとの思いもあるでしょうし、ファンとしても衰えた姿に苦言を呈するのは本意ではありません。
ですからそれが本人のためになるのでしたら、きれい事ではありますが気持ちよく送り出したいと考えています。
後ろ髪を引かれる思いがありながらも、橋本や清水、小林がチームを去ったときも基本的には同じように思っていました。
今回のサブローについても、タイミングがちょっと早まっただけという感覚があります。
3年契約が切れる今年のオフに球団がどういった判断を下すのか、それは今年の活躍にかかっていると見ていました。
しかしNPB全体の投高打低もありますが思ったような結果を残せず、そのためにちんたらにも見える守備や走塁が際立ってしまい、一方で昨年の荻野貴と清田に続いて今年の岡田と伊志嶺の台頭がありましたから、ロッテにサブローの居場所がなくなりつつあったことは紛れもない事実です。
便秘打線の救世主としてサブローの復帰を心待ちにはしていましたが、しかし外野手としてのサブローであれば個人的にはノーサンキューでした。
そうなれば金泰均の帰国は想定外ながらも、福浦や大松らと一塁とDHを争うにはサブローの1億3000万の年俸は高すぎたということなのでしょう。
世間の思いに愚直に応えて観客動員を大きく減らした球団としては、これまでにも増して費用対効果にシビアになっても仕方のないことです。
これはロッテだけの話ではなく、一昨年の4番打者を金銭で放出をした日本ハムなどの例もありますから、今後も増えていくことと思います。
ただ気がかりはやはり移籍先が巨人ということで、これがサブローにとって好ましいとは思えないことが引っ掛かっています。
登録名はサブローではなく大村となるようですし、ラミレスと長野が鉄板で高橋由に松本に矢野に谷に紺田がいる外野陣にサブローの入り込む余地がどれだけあるのか、原監督のコメントも小坂への手のひら返しを思い出せば虚しく聞こえてくるだけです。
引退後の人生を考えれば巨人ブランドはウエルカムかもしれませんが、しかし今となってはいかほどの価値があるかは疑問と言わざるをえません。
浦和に通っていたときに一番に贔屓にしていたサブローがここ数年でそのプレースタイルが変わってしまったことで失望をしていましたが、果たして巨人はそのことをどれだけ理解をしているのか、ゴールデングラブ賞を獲った過去を引きずりながらもここのところの長打力に期待を寄せているのであれば、両者ともに不幸なことになるような気がします。
サブロー移籍で「チームに変化を」 (6/29 日刊スポーツ)
選手会長だったサブロー外野手(35)のトレードをロッテの石川球団運営本部長は「生え抜きというのは関係ない。チームに変化を与えていかないといけない」と説明した。
限られた人件費でチームを強化するために、ここ数年のロッテは育成に重きを置いている。
昨季は清水直、今季は西岡、小林宏といったチームの顔が移籍していった。
さらに外野陣は西村監督の方針で守備力とスピードを重視。
岡田や伊志嶺らの成長でサブローの出番は減っていた。
石川本部長は「僕から(トレードを巨人に)言いました。チームは若返りを図っている」と話した。
それにしても石川球団運営本部長は徹底をしています。
こういった発言をすればファンから反発を食うことは承知の上で、意識的に悪者になろうとしているようにすら思えてきます。
立場的にファンよりも球団の上層部に顔が向いているだけかもしれませんが、しかし球団経営の観点から言えば間違ったことを言っていないだけに始末に負えません。
ファンがそういったところまで考える必要があるのかは微妙なところではありますが、しかし経営が傾いて千葉から去られても困りますし、受け入れるべきところは受け入れざるをえないと、そう自分を納得させているのが正直なところです。
結局のところ、球団は小野と清水、福浦とサブローを天秤にかけたのだと思います。
ベテランが力を落とさずに活躍をしてくれれば言うことはありませんが、しかしそうは上手くいかないのが世の常です。
ですから球団としては押さえるところは押さえて、切るところは切るという、経営者として当たり前すぎる判断をしたのでしょう。
そういう意味ではロッテ愛を口にして複数年契約を勝ち取った里崎もロッテで現役を終えるのでしょうし、逆に渡辺俊などは来季はロッテにいないと思った方がよいかもしれません。
実際問題としてこのまま渡辺俊がシーズンを終えればセントラルへの金銭トレードもありえると思っているだけに、今回の件をどうこう言えた義理でもありません。
そして金泰均の帰国に続いてサブローの今回の移籍で、第二の弁当の呪いとも言うべきバーガーの呪いの発動に頭を抱えています。
脈絡もなく書いてきましたが、とにかく言えることはサブローにも工藤にも頑張って欲しいと、ただそれだけです。
サブローはもしかしたらロッテ以上に厳しいかもしれない巨人の外野陣で生き残りを賭けて必死さを見せて欲しいですし、また工藤にもロッテで活躍をしてもらわなければ困ります。
本音を言えば支配下選手登録の枠からして金銭トレードが基本線のところへ西村監督の意向があっての工藤の獲得ではないかと見ていますので、あまり大きな期待をしていないと言ってしまうと言い過ぎですが、やや俊足好守タイプの選手に重きを置きすぎな傾向を懸念しています。
それでも言われるほど俊足ではない工藤ですが守備が期待できる左打者として考えれば補強ポイントですし、巨人では今ひとつでしたが日本ハムのときには地味にやられた記憶がありますので、その力を今度はロッテで発揮をしてもらいましょう。
工藤には何の罪もありませんし、結果的に背番号3を背負う可能性が高いことで不憫にもなりますので、より一層の応援をしたいと思います。