電脳筆写『 心超臨界 』

どんな財産も誠実にまさる富はない
( シェークスピア )

「バカの壁」を乗り越えると「めぞん一刻」――養老孟子

2024-05-08 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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「バカの壁」の養老孟司さんは、この世でいちばん会いたい女性として「めぞん一刻」の高橋留美子さんを選びました。彼女の作品の魅力は「ぎりぎり感」ではなく「トボケ」。そこが、笑いと狂気の紙一重で勝負するような作風と比べ安心して読めるからだ、といいます。また、高橋さんがつくる言葉には、「錯乱坊(チェリー)」や「揚豚(かつ=喝)」などがとび出します。養老さんは、漢字とルビの二重構造のおもしろさを評価し、絵と文字、文字の形、すべてが意味のつながりをもって読む者の脳に大いなる働きを要求するとしています。

さっそく、ブックオフに立ち寄り、「めぞん一刻」①を買ってきました。

Part3・勝手に聖夜
Part9・アルコール・ラブコール
Part12・行きがけの駄犬
Part15・複雑夜

話のタイトルを見ただけで、おトボケぶりが伝わってきます。「一刻館」の美人管理人、響子さんには「惣一郎さん」と呼ぶ飼い犬がいます。女殺しのテニスコーチが登場して、さっそうと響子さんに接近するかと思うと、犬アレルギーでぶざまな醜態を演じてしまう。登場人物同士のトボケた距離感の設定に魅力があります。


◆「マンガ家 高橋留美子――絶妙な距離感にぞっこん」養老孟司さんのヒーロー
( 2005.04.16 朝日新聞(朝刊)be on Saturday―― e-ntertainment )

「めぞん一刻」の単行本を初めて読んだときの衝撃は忘れられません。これはなんだ?!って、いままでにないものにであった驚きを感じました。それ以来、高橋さんの作品はすべて読んでいます。

どの作品も脇役がみな生き生きとしていますが、錯乱坊(チェリー)(うる星やつら)、八宝斎(はっぽうさい)(らんま1/2)、惣一郎(そういちろう)さん(めぞん一刻)たちが好きですね。ほかの登場人物を空トボケて眺めている感じがいい。「めぞん一刻」のほかに好きな作品は「人魚シリーズ」。一見シリアスな作品ですが、節々にトボケたギャグが入る。

彼女の作品の魅力は「ぎりぎり感」ではなく「トボケ」。作家が自分の作品と絶妙な距離の取り方をしているし、登場人物同士の距離感も同様。ギャグ作品の場合、笑いと狂気の紙一重ぎりぎりで勝負しているような作風を見かけます。そんな人は突然書けなくなったりすることもあるようです。高橋さんは持続性があり変な緊張感がない。だから安心して読めるんです。

最近出したムックで対談をお願いしました。編集者が、この世でいちばん会いたい女性はだれか?と聞くので、「高橋留美子さん」と答えました。本人もトボケた雰囲気で、想像通りの方でした。サイン色紙に錯乱坊を描いて下さいました。

錯乱坊といえば、作品のおもしろさのひとつに言語感覚があります。「錯乱坊」を「チェリー」と読ませ、「喝」と呪文を唱えるときは「揚豚」と書いて「かつ」と読ませる。漢字とルビの二重構造のおもしろさです。絵と文字、文字の形、すべてが意味をなしている。マンガとは、かくも多くの情報を操り、読む者の脳に大いなる働きを要求するものか。大人になってもマンガなんか読んで、とバカにする人はここまで理解しているのでしょうか。彼女の作品はものすごくシンプルなアイテムを使って日常空間の中にファンタジー世界を作り上げることに成功しています。雰囲気作りが絶妙な作家ですね。     (文・石塚知子)
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