電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが家族を選ぶのではない
家族は神からのあなたへの贈り物
あなたが家族への贈り物であるように
デズモンド・ツツ

セレンディビティの予感 《 「不易流行」―― 坪内稔典》

2024-07-20 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、
  予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探して
  いるものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、
  ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
  [ ウィキペディア ]


ふえき-りゅうこう【不易流行】
いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化
を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変
化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。蕉風俳諧(しょ
うふうはいかい)の理念の一つ。解釈には諸説ある。▽「不易」はい
つまでも変わらないこと。「流行」は時代々々に応じて変化するこ
と。[ goo辞書 ]


◆「不易流行」――「おくのほそ道」の旅が生んだ名言

「芭蕉の名言を読み解く」〈 詩歌のこだま 〉坪内稔典(俳人)
( 2005.05.01 日経新聞(朝刊))

芭蕉の「おくのほそ道」は、「月日は百代(はくたい)の過客(くわかく)にして、行(ゆき)かう年も又旅人なり」と始まる。この冒頭の文は見事な名言だ。李白の「光陰は百代の過客」云々を踏まえているのだが、覚えやすく印象の強い日本語にしたのは芭蕉の手腕であった。

実は芭蕉には名言が多い。その芭蕉の名言を手がかりにして、「おくのほそ道」を読み解いた本が現れた。歌人、佐佐木幸綱の『芭蕉の言葉』(淡交社)だ。

『芭蕉の言葉』の目次を見ると、「時々気を転じ、日々に情をあらたむ」「古人の跡をもとめず、古人の求(もとめ)たる所をもとめよ」「名人はあやふき所に遊ぶ」「きのうの我に飽(あく)べし」「松の事は松に習え」「不易流行」など、18の名言がならんでいる。その中には「夏草や兵共(つはものども)が夢の跡」もある。このよく知られた芭蕉の句も名言の扱いを受けているのだ。

「夏草や兵共が夢の跡」について、「この句の特色は明るさでしょう。『夢の跡』と言いながら暗くない。『夏草や』が全体を明るく照らしています」と幸綱は言う。そして、この句の名言としての意味を、「夢に生きた者たちの美しさをたたえています」と説く。

すぐれた句は名言にちかい、と幸綱は見ているのだ。これは俳句についてのとても的確な、しかも刺激的な見方である。幸綱の見方を私流に換言すれば、名言にならない句は駄作で終わる、というすごく冷酷なことになる。

実はこの本は、写真家、稲越功一との共著である。「おくのほそ道」を写した稲越の多くの写真は幻想的で美しく、それは彼の写真による「おくのほそ道」の読解だ。名言による読みと写真による読みは、響きあったり、やや違和感を醸したりしているが、それもまたこの本の楽しさの一つだ。

ところで、私見では日本列島には二つの巨大な旅があり、それぞれに人気を博している。西は四国八十八ヶ所の旅。東は「おくのほそ道」の旅。その旅のかたちを今に残したことも、多くの名言に匹敵する芭蕉のすごさだ。ちなみに、「おくのほそ道」の旅を通して芭蕉が得た最大の収穫、それは「不易流行」だと幸綱は断言する。つまり、「おくのほそ道」の旅は「不易流行」という名言をも生んだのである。
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1 コメント

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奥の細道むすびの地 (great-something001)
2005-05-05 20:43:01
GWはいかがお過ごしでしたか。昨4日、所要で尾張一宮市へ行きました。新幹線を使わずに、京都→米原→大垣→尾張一宮とJR在来線を乗り継いでの旅でした。大垣駅で接続待ちをしていたとき、ホームにある大垣市観光協会の広告に「俳聖松尾芭蕉 奥の細道むすびの地」と紹介されていたのに気づきました。市内各所に句碑があるとのこと、一度は訪ねてみたいなあと思っていたところです。
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