電脳筆写『 心超臨界 』

知識の泉の水を飲む者もいれば
ただうがいする者もいる
( ロバート・アンソニー )

◆「日本の平和」と「日本人の国際化」

2024-06-25 | 05-真相・背景・経緯
§5-2 WGIP——GHQが推進した精神劣化政策
   WGIP;War Guilt Information Program(戦争犯罪情報宣伝計画)
◆「日本の平和」と「日本人の国際化」


米国の狙いも「日本の平和」だったはずだが、さすがにインディアンみたいに日本人を皆殺しにするのは、現代では難しい。それなら、彼らを恐れさせた「日本人」を日本人でなくしてしまう「民族改変」をやればいい。それが日本人に日本という国を絶望させるための自虐史観の押しつけであり、日本人の「国際人化」だった。この改変の手法の理解には、70年代にあった米国の「人民寺院」事件が参考になる。教祖ジム・ジョーンズは信徒を外界から隔絶した世界に置き、その閉鎖空間で繰り返し狂気を吹き込んだ。


『日本人よ強かになれ』
( 高山正之、ワック (2020/6/27)、p131 )

すべて日本と正反対の国、米国が日本関与を決めたのは、東郷平八郎が来て米国に恥をかかせたハワイ王朝乗っ取り(1893年)の時だと思っていい。

日本はその直後の日清戦争に勝ち、清の日本化が始まると、米国は急いで北京に精華大を建てて日本に向かう支那人留学生を顎足(あごあし)つきで米国に引っ張りこみ、親米反日の支那人を育てだした。顧維均(こいきん)、胡適(こてき)、梁啓超(りょうけいちょう)の息子の梁思成(りょうしせい)などがそうだ。

そして、支那を日本にけしかける工作が始まる。米国はインディアンを滅ぼすために、たとえばモヒカン族に武器を与えてピークォーク族をやっつけさせるといった共食い手法を取った。それと同じに支那に武器を与え、日本を攻めさせた。

その間に、日清戦争では「日本軍は旅順で大虐殺をした」とか、支那事変では「日本軍は南京大虐殺をやった」とか日本を痛めつけるためのデマを飛ばす。拵(こしら)えたのは、いずれも米特派員とマギーら米宣教師たちだ。どの事件にも米国の影が蠢(うごめ)く、因みに、日支を争わせたのはコミンテルンだという人がいるが、コミンテルンはそんな金もないし、そこまでの悪知恵もない。

そして米国にとって待望の「真珠湾攻撃」が起きると、米国はすぐ原爆製造に着手し、同時に日本の戦後処理に「日本のカルタゴ化」(オーウェン・ラティモア)が公然と浮上する。米国の狙いは「日本民族滅亡」だった。

第二次ポエニ戦役に敗れた交易国家カルタゴに、ローマは植民都市の放棄、軍船軍象(ぐんぞう)の放棄、交戦権の放棄と国の形を変える農業国化を呑ませた。

台湾の放棄、軍隊の不保持、交戦権の放棄と、「鍋窯が作れるだけの工業水準に落として農業国化する」(エドウィン・ポーレー)GHQの命令とまったく相似形ではないか。

ローマはその後もカルタゴに干渉して、70年後の第三次ポエニ戦役で完全に滅ぼしてしまう。

米国の狙いも「日本の平和」だったはずだが、さすがにインディアンみたいに日本人を皆殺しにするのは、現代では難しい。それなら、彼らを恐れさせた「日本人」を日本人でなくしてしまう「民族改変」をやればいい。

それが日本人に日本という国を絶望させるための自虐史観の押しつけであり、日本人の「国際人化」だった。

この改変の手法の理解には、70年代にあった米国の「人民寺院」事件が参考になる。教祖ジム・ジョーンズは信徒を外界から隔絶した世界に置き、その閉鎖空間で繰り返し狂気を吹き込んだ。狂気は狭い空間で反響し、こだまする。結果、約1千人の信徒が粛々とドラム缶に入った青酸カリをすくい、あおって死んでいった。

それと同じで、日本を「全世界からの情報を封鎖した」空間に置けばいい。その可能性を「昭和18年6月段階で米首脳が論議した」と、江藤淳が『閉ざされた言語空間』(文藝春秋)に書いている。

その結果が、GHQの施策として登場してくる。すなわち日本人の渡航禁止、同盟通信の解体、新聞雑誌書籍の検閲など。その閉鎖空間でマッカーサーは新聞に「太平洋戦争史」を掲載させ、架空の「残虐な侵略国家日本」の情報を流し込んでいった。

その一方で、「慈悲深く紳士的な米国人」というイメージを刷り込んだ。本当は、原爆投下を行うために無傷で残しておいた京都を「ラングドン・ウォーナー博士が空襲するなと献策した」と朝日新聞に書かせた。ウォーナーの文化財リストには、京都のほか広島城も載っていたが、そっちは原爆で一瞬のうちに灰にした。日本人はそんな見え透いた嘘も、GHQの威光で信じ込まされた。

日本人がいま抱える「戦後70年問題」とは、実はこの「日本人の人民寺院化」にすべて根差している。
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