ソ連による北からの南進と英米資本の南からの北進が、蒋介石の北伐と連動していたのです。中国の経済利権を独占したい英米の金融資本家たちは、北支が日本の影響に入ることを恐れていました。そこで彼らが考え出したウルトラCが、中国の幣制改革と称される、いわば大博打(おおばくち)であったのです。 . . . 本文を読む
平安朝に書かれた『枕草子』は著者の観察した風流談や思い出であり、教訓的要素というものがほとんどない。そのほか『源氏物語』にしても『伊勢物語』にしても『今昔物語』にしても教訓しようというところがない。これに反して鎌倉時代の『徒然草』は、社会のことがらの聞書(ききがき)であり、しかも、どのページにも教訓談が入れられている。 . . . 本文を読む
「怒りを感じられない人間はどうしようもない。世の中には悪人よりも善人のほうが多く、悪人は善人よりも大胆だという理由だけで優勢を保っているのだ。われわれは決断力の強い人間をどうしてもほめたくなる。われわれがよく悪人の味方をするのは、悪人がこの力を持っているからにすぎない。確かに私は、しゃべらなければよかったと後悔することがよくある。が、黙っているのではなかったとくやしく思ったこともけっして少なくなかった」。こうペルテスは述懐している。 . . . 本文を読む
あなたの人生の大部分は「なすべきこと」によって決められてはいないだろうか。同僚には親切に、伴侶には協力的に、子供には彼の力となり、いつも一生懸命働くべきだと思っていないだろうか。そして、こういう「なすべきこと」がうまくいかないと、自分を叱り、カレン・ホーナイが言及している緊張と破綻をこうむってはいないだろうか。 . . . 本文を読む
たとえばワシントンは、アメリカ独立戦争の総司令官として最後には勝利を得たものの、負け戦(いくさ)のほうが多かった。古代ローマ人は幾多の戦役で大勝利を収めたが、最初は必ずといっていいほど敗北を喫している。フランスの将軍モローにいたっては、同僚からいつも「おまえは太鼓みたいなやつだ」と冷やかされていた。太鼓は打たれた時しか音が聞こえないが、彼も敵に打ち負かされた時の話しか伝わってこないというのである。
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自分のしたことを、他の人びとが評価する。ほめられる場合もあろうし、けなされる場合もある。冷やかに無視されることもあろうし、過分の評価にビックリすることもあろう。さまざまの見方があって、さまざまの評価である。だから、うれしくなって心おどる時もあれば、理解の乏しさに心を暗くする時もある。一喜一憂は人の世の習い。賛否いずれも、ありがたいわが身の戒めと受け取りたい。 . . . 本文を読む
「先生のところには、どんなことがあっても、期限の悪いという人を見たことがないが、誰でもどんなことがあっても、お怒りにならんのはどういうわけです?」と言うから、「それはね、俺のところはみんなね、悪人ばかり多いからだよ」とこう言った。 . . . 本文を読む
しかし、わかったようでわからないのが「空(くう)」です。そこで、くどいようですが、もう少し空について学びつづけてまいりましょう。“奈良の大仏”さまで有名な東大寺の清水公照(しみずこうしょう)長老が、同寺を訪れた外人から「空(くう)とは何か」との問いを受けました。 . . . 本文を読む
子曰く、雍(よう)や南面(なんめん)せしむべし。仲弓(ちゅうきゅう)、子桑伯子(しそうはくし)を問う。子曰く、[可なり。簡なればなり。]可や簡なり。仲弓曰く、敬に居りて簡を行い、以て其の民に臨むは、亦た可ならずや。簡に居りて簡を行うは、乃ち大(はなは)だ簡なるなからんや。子曰く、雍の言うこと然り。 . . . 本文を読む