電脳筆写『 心超臨界 』

現存する良品はすべて創造力の産物である
( ジョン・スチュアート・ミル )

空は空でもむなしい空ではない――山本周五郎

2024-07-16 | 07-宇宙・遺伝子・潜在意識
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山本周五郎は、紀野一義さんに是非会いたいと申し出る。それは、般若心経の『空即是色』にたいへん心ひかれたので、そのへんの話をきかせて頂きたいというものだった。だが、二人の邂逅は、周五郎が他界することで実現することはなかった。まるで、空は空でもむなしい空ではないことを紀野さんに託して旅立ったかのような印象が残る。


◆空は空でもむなしい空ではない――山本周五郎

「致知」2003年2月号【特集・信念の力】
「『日本婦道記』に学ぶもの」 真如会主幹/正短期大学副学長・紀野一義

私は実は、もう少しで晩年の山本周五郎さんに実際会うというところまでいっていたのに、周五郎さんが倒れてしまわれ、やがて還(かえ)らぬ人となられたので、その約束は果たされないで終わったのです。

それは周五郎さんが、遺作となった『ながい坂』を執筆しておられる頃のこと、ある夜、周五郎さんから私に電話がかかってきたのです。それはおおよそ次のようなものでした。

「実は私の友人に教わったんだが、あなたが岩波書店で出された「遍歴放浪の世界」の中に私の小説の「虚空遍歴」が紹介されていますよ、というんだ。それでね、私の使った「虚空遍歴」というのは、般若心経の中の『色即是空』につづく『空即是色』に当たると思うが、本来の『空即是色』は、空は空でもむなしい空ではなくて、仏さまの世界のことで、その中に人間の世界が生かされていく、ということなんですよね、いやあ、私ね、そのことにたいへん心ひかれてね、今度、あなたにお目にかかってそのへんのお話をきかせて頂きたいのですよ。でもね、紀野さん、実は今、私、『ながい坂』という小説を書いているんで、それが一段落したら、是非、紀野さんにあいたいのです。また私の方からお電話申しますから、今日はこれで……」

といって電話は切れた。その電話は再びつながることはなかった。周五郎さんは、仕事場に行く長い坂の途中でつまずいて転ばれ、それがもとでついに還らぬ人になられたのである。
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