電脳筆写『 心超臨界 』

心地よいサマーレインのように
ユーモアは一瞬にして大地と空気とあなたを洗い清める
( ラングストン・ヒューズ )

◆「敗戦利得者」が戦後の日本を牛耳った

2024-07-11 | 05-真相・背景・経緯
外交交渉で愚かな使者に花を持たせるという手法が、孫氏の兵法に出てきます。宮澤(俊義)氏が公職追放にならなかったのは、この孫氏の兵法の応用ではないかと評したくなります。こういう言い方は品がないけれど、バカな学者を東大法学部の教授に置いて置くことで、東大法学部出身の人間が中央官僚や政治家として日本政府の中枢を占めるようになり、日本国全体の知的水準の程度を下げた。これは社会を潰すときの最もいい方法です。


◆「敗戦利得者」が戦後の日本を牛耳った

『2020年 世界の真実』
( 馬淵睦夫、ワック (2019/9/6)、p40 )

なぜ、日本は今、世界の潮流に逆行しているのか。2017年に亡くなられた上智大学名誉教授の渡部昇一氏の言葉を借りれば、その大きな原因は「敗戦利得者体制」に求められると思います。

「敗戦利得者」とは、GHQ(連合国軍事最高司令官総司令部)の公職追放令によって空いたポストに座ったり、GHQの占領政策に迎合して役職を確保した人を指します。

たとえば、8月15日革命説を唱えた東京大学法学部教授の宮澤俊義氏。彼の憲法学の本を読みましたが、憲法学者として一流と言えるか疑問です。しかし、だからこそこういう人を残して、まともな学者を公職追放しました。

外交交渉で愚かな使者に花を持たせるという手法が、孫氏の兵法に出てきます。日本と中国の交渉を例に取れば、日本の国益を主張する手ごわい交渉者ではなくて、愚かな交渉者のほうを中国が重視する。そうすると、その人が、日本で重用されるようになり、日本は間違った選択をして中国が有利になるというわけです。

宮澤氏が公職追放にならなかったのは、この孫氏の兵法の応用ではないかと評したくなります。こういう言い方は品がないけれど、バカな学者を東大法学部の教授に置いて置くことで、東大法学部出身の人間が中央官僚や政治家として日本政府の中枢を占めるようになり、日本国全体の知的水準の程度を下げた。これは社会を潰すときの最もいい方法です。

ちなみに私は東大法学部出身ではなく、京都大学法学部で学びました。京都大学では憲法の授業は大石義雄氏が担当していました。この先生は占領下での憲法強制を批判し、困った憲法でも正しい解釈をし、そして改憲を強く主張していました。大石教授のような国家意識を持った先生が東大法学部教授だったら、日本も少し良くなっていたかもしれません。

ともあれ、そういう敗戦利得者たちが各界上層部に入り込んで、日本を牛耳ってきました。その体制が依然として残っているために、世界の潮流が見えなくなっているような気がします。

永久に日本を占領できると考えていなかったGHQは、占領を止めたあと、自分たちが敷いた日本弱体化路線を維持すべく、布石を打っています。たとえば、メディアに対して課したプレスコード。日本のメディアはいまだに自主規制も含めてプレスコードを守っています。それから唯物論教育もそうだし、日教組の「平和教育」もそうです。

GHQがいなくなっても、彼らの蒔(ま)いた種が芽を出し、大きく育って、日本を拘束している。その最たるものが敗戦利得者体制であり、敗戦利得者(並びにその後継者)が保守派も含めて日本の実権を握っているから、われわれはいまだにGHQが敷いた路線から抜け出せない。そこから脱して自立することは令和の時代において、最重要課題だと思います。

実は、このGHQの秘めたる戦略を今から40年も前に告白したモルデカイ・モーゼというユダヤ人がいました。彼はウクライナ生まれで、ドイツを経てアメリカに亡命し、ニューディール派のブレーントラストとして活躍しました。戦中は対日政策の立案にも参加し、戦後十数回来日しています。彼の著書『あるユダヤ人の懺悔 日本人に謝りたい』(日新報道、復刻版は沢口企画)によれば、GHQの主流は左派ニューディーラーのユダヤ人でした。彼らが作った日本国憲法はワイマール憲法の丸写しでユダヤ人の被害者意識を反映したものであると強調しています。GHQの洗脳からきっぱりと抜けだすための必読書と言えます。
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