電脳筆写『 心超臨界 』

自分を励ます最良の方法、それは人を励ますこと
( マーク・トウェイン )

◆伝記を否定する戦後教育 《 子供たちの「肚(はら)」を鍛えよう! 》

2024-11-13 | 05-真相・背景・経緯
◆伝記を否定する戦後教育 《 子供たちの「肚(はら)」を鍛えよう! 》


戦後の民主主義教育では、伝記はあまり好ましくないものになってしまいました。戦前の教育では、国のために戦ったり、国のために尽くした人の伝記が多くあったために、戦後の教育はそれらを全て否定するところから始まったからです。伝記をはじめ、あらゆるものが国策に利用されたから油断がならないということでした。


『はじめての道徳教科書』
( 道徳教育をすすめる有識者の会、扶桑社 (2013/11/22)、p8 )

かつての日本においては、少なくとも小学生から中学生くらいまでは素晴らしい日本人や、見習うべき大人の話ばかりを教えていました。そのおかげで、子供たちは良いイメージができるようになったのです。このことが道徳教育において大切なのです。

伝記というのは誇張された部分があることも確かですが、大筋においては正確に書かれているものです。とくに年代や実績などについては、史実に基づいて記されています。一方で、何かを決心したときの心の動きだとか、あるいは父や母との別離の様子といった人間的な部分については、ある意味では誇張されているものもあります。逆に言えば伝記の面白さはそこにあるのです。

なにせ、読み進むうちに、このような人物になりたい、このような仕事をしてみたいと思わせてしまうのですから、その影響力たるやたいしたものです。伝記というのはそれぐらい価値があるものなのです。

伝記を読んで感奮すると、その偉人に一歩近づくことになります。さまざまな伝記を読んでいると、その中に必ず自分に合っていると思うものが出てきます。同じ感動の仕方でも、これは他のものとちょっと違うという伝記が現れるのです。そしてこれが、だんだん自分の人生の理想、生きる目標となっていくのです。

しかし、戦後の民主主義教育では、伝記はあまり好ましくないものになってしまいました。戦前の教育では、国のために戦ったり、国のために尽くした人の伝記が多くあったために、戦後の教育はそれらを全て否定するところから始まったからです。伝記をはじめ、あらゆるものが国策に利用されたから油断がならないということでした。

こうして、日本人の子供たちは生きていく目標、手本を失ってしまったのです。手本がないということは、日本人の祖先からの伝統、培ってきた文化をすべて否定してしまうことにもつながります。いろいろな偉人の業績や生き方から学び、それらを受け継いで生きていこうとするところに、伝統や文化は育っていくのです。だからこそ、いろいろ伝記が必要なのです。
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