電脳筆写『 心超臨界 』

我われの人生は我われの思いがつくるもの
( マルクス・アウレリウス )

85万人のニートを活用して間伐作業――森林荒廃を防げ

2024-07-02 | 09-生物・生命・自然
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昨年(2005年)の8月に秋野不矩美術館を訪れた。美術館は、ヒノキ林に囲まれた丘の上に位置し、約百メートルほどの急坂を右に一回、左に一回カーブしながら登りつめると美術館が現れる。ヒノキは思い切り伐採され、残った一本一本の幹に陽射しが目一杯当たっている。そのかわり伐採されて木と木の間にできたスペースには広葉樹の若木が植栽されている。10年もすると針葉樹と広葉樹が理想的に組み合わされた森林に成長することだろう。

海洋を泳ぐ大きな鮪などは、海流に乗って移動して森など関係ないように思われている。ところが、鮪が食べているのは小魚。小魚が食べているのが動物性プランクトン。それが餌にしているのが植物性プランクトンで、これが森で生まれて川に乗って海まで下ってくる。そこで、宮城県気仙沼湾の漁民たちは「森は海の恋人運動」という植林活動を展開して、気仙沼の自然を守ろうとしている。海の自然を守るために、豊かな森林を育てようとする運動なのだ。

日本中の森林がこうして手入れされていけばいいと思う。しかし残念ながら、日本の森林の約21%に当たる520万㌶で間伐などの手入れが行き届いていないという。森林全体の手入れを行き届かせるには、単純計算で年間118万人が必要になる。森林整備の人手不足に悩む環境省は、現在約85万人いるとされるニートの活用を検討し始めている。


◆85万人のニートを活用して間伐作業――森林荒廃を防げ

「人手足りず 森林荒廃も」
( 2006.02.27 日経新聞(朝刊)「地球号は今」(47) )

日本の森林のうち、約21%に当たる520万㌶で間伐などの手入れが行き届いていない――。環境省は昨年12月、こんな報告書をまとめた。森林を間伐しないと、土壌に雨水をためるダムとしての機能が低くなるほか、土壌が流出して河川の水質に悪影響を及ぼす。ただ、林業に携わる人たちが高齢化したことで、人手不足が深刻な問題になっている。

「森林が水量を調節する機能を失うと、飲料や農業用の水が足りなくなる恐れもある」。森林総合研究所の清水晃・水土保全研究領域水保全研究室室長は、森林を手入れしないで放置したときのリスクを指摘する。

森林の土壌表面には葉や枝が分解してできた有機物の層があり、傾斜地では背の低い草木の茎や幹がこれを支えている。この層は雨水が直接地表に当たるのを防ぐスポンジのような役割を果たす。このため、雨水が森林の土壌にゆっくりと浸透し、表面の土が流れ出すのを防いでいる。

ところが、間伐をしなかった森林では太陽光が背の低い草木まで届かず枯れてしまう。雨が降ると有機物の層が流れ出し、雨水が地表面に直接当たって目詰まり起こす。土壌に浸透する雨の量が減り、森林から河川に流れる水量を調節できなくなる。さらに表土が流失して河川が汚される危険性も高まる。

「今、間伐すべき時期に来ているのだが…」(林野庁整備課造林間伐対策室)。日本の森林の約4割を占める人工林は植林してから20-40年経過しており。間伐しなければならない時期に来ているが、人手不足が問題になっている。

1㌶の森林整備には年に4.4人の人手が必要とされ、森林全体の手入れを行き届かせるには単純計算で118万人が必要になる。だが林業に従事する人たちのほとんどは60歳以上で、間伐はあまり進んでいない。そこで、環境省は就業も就労もしないニートと呼ばれる人に森林を整備してもらおうと考えている。ニートは現在約85万人いるとされる。

ただ、間伐作業は危険を伴うため、「ニートを実際に活用するには、きちんとした研修を行う必要がある」(林野庁整備課造林間伐対策室)という。今後、間伐対策のためにどのように人材を育成するかが大きな課題になっている。

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