今日もイギリスに出掛ける前に書き溜めたものをタイマーでUPしています。
この前、パステルアートの生徒さんにこんな話を聞きました。
ある日ご主人とふたり、このあたりではチェーン店として有名な焼肉屋さんに入ったそうです。
ファミレスによくあるやり方で、入り口で順番の名前を書いて待つ、というパターンの店です。
しかし彼女たちは待ってまでここで食べるつもりはなかった。
それで店員の人を呼び止めて、
「どのくらい待つことになりますか?」と尋ねました。
するとその店員の人は、
「そうですね。順番としては4番目になりますが、今、出て行かれた方々がたくさんいらっしゃって、そのテーブルの後片付けが出来ていないだけなので、そこを片付ければすぐにご案内できると思います。」という返事。
あぁ、そりゃラッキーと、彼女とご主人は待つことにしました。
それから20分。
後片付けをして「すぐに」呼ばれるはずにしては待ちすぎだろーと、今一度、店員さんを呼び止めて、
「さっき、すぐだって言われたから待ってるんですけど、まだ片付けできないんですか?」と尋ねました。
すると、「あ、すみません。今やっておりますので。もう少しお待ちください。」と言う。
それからさらに10分。
もう一度、同じことを聞く。
「すみません。もう少しお待ちください。」
もうこの時点では、はらわたが煮えくり返っていても、今からほかへ行くよりはここで待っていたほうが早く食べ物にありつけるだろうと仕方がなく待つことにした。
さらに10分。
つまり、「後片付けだけですから、すぐにご案内できると思いますよ~」と最初に言われてから合計40分待ったところでようやく席に案内された。
やれやれ、と思っているとそれからがまた時間がかかった。
注文してもなかなか品物がやってこない。
ついに彼女は帰り際、レジでお勘定をすませるときに、「店長さん呼んで。」をやりました。
そこへ現れた店長さんは、なんと一番最初に彼女に「後片付けができたらすぐにご案内できますよ」と言ったあの店員さんでした。
店長でこのレベルか!とびっくりした彼女でしたが、一言どれだけ待たせるの!ということを言ってきてやった、と息巻いておりました。
「あなたは私の時間を盗んだのよ。時間泥棒ってことね。」と。
おぉ、なかなか過激なフレーズですね。
でも、これくらい言いたくなる気持ち、わかります。
これはひどすぎる。
だいたい、「すぐに」とか「もう少しお待ち下さい。」ってあの曖昧な表現がすでにイヤだ。
商品やシチュエーションにもよるかもしれないけれど、「すぐ」とか「もうしばらく」とか「もう少し」とか言われた場合、人はどのくらいの時間を想定するのでしょう?
どれだけを過ぎると、これはいくらなんでもあんまりだろう、と思うのでしょう?
私なら5分ですね。
それが限界です。
気みじか~って思います?
それは、「すぐ」とか「もう少し」というようにあぁ、ほんのちょっとのことなんだな、とこちらに期待させるからそのくらいしか待てなくなる、というのもあります。
「え~、恵津子さんって怒ることあるんですかぁ?」なんて言われましたが、私ってそんな穏やかそうに見えます?
怒るとも!
しかもワイルドだぜぇ~
ちなみにオーラソーマでは必ず授業の前にPDM(Pはポマンダー、Dはデリケーションで献灯、Mはメディテーションで瞑想)を行いますが、そのときの瞑想では「しばらくの間、静寂のなかに入っていきましょう。」というようなフレーズが必ずあり、ティーチャーの誘導ナレーションなしのまったくの静寂のなかに座っている時間帯というものがあります。
その静寂の時間というものはティーチャーの判断にまかされていますが、だいたい5分くらいが多いように思います。
この前レベル1の再受講でお世話になった「IRIDESSENCE」の岡部先生は一度マイク・ブース氏じきじきの授業のときにかなりこの静寂が長いなぁ、と思い、薄目をあけて時間を確認してみたら、そのときは20分だったそうです。
20分だとさすがに長く感じるのでしょうが、ふだん5分くらいのときは「しばらく静寂のなかに座っていましょう。」というように“しばらく”という言葉を使うせいか、全然長くは感じません。
これがもし、「ほんの少しだけ静寂のなかに座っていましょう。」と言われて5分だと長く感じるんだろうか?
その違いを確かめてみたくなりました。
なので、友人にお願いして、ブルーグローブメディテーションを読み上げてもらい、「静寂のなか・・」のところを「ほんの少しだけ」と言ってもらい、自分がその瞑想のなかでどう感じるかを実験してみました。
するとこれが不思議なことに、やはり「ほんの少し」に感じるのです。
「しばらく」と言われることが多いときの5分と実際は同じなのに。
これはどういうことでしょう?
瞑想では、自分の肉体から離れて魂だけを飛翔させるので、“その気”になるためのシチュエーションづくりを最初に行います。
ブルーグローブメディテーションの場合は、サファイヤブルーの球体を思い描き、そのなかに包まれているようなイメージをします。
ほかの瞑想では、今、自分がいる部屋を抜けて、部屋をつきやぶり、雲をつきぬけ、どんどん上に飛翔していくイメージをする場合も多いですね。
そのようにして宇宙規模の見地から見ると、5分であろうと50分であろうと、ほんのちっぽけなものに感じて大差なく思えるのかもしれません。
ということはつまり・・・
非常に大きな単位のなかにいる自分を想像すると、「少し」と言われようが「しばらく」と言われようが、「すぐに」と言われようが、そんなこたぁ、どうだっていい、と思えるように泰然自若としていられるようになるんでしょうか。
これはレストランなどで待たされるときに使えそうですね。
何と言われようが、自分はいま、宇宙単位のなかにいる、と思えば、5分だろうが10分だろうがその待たされた時間なんてたいしたことがないように思えてきそうです。
あ、でもね。
やっぱり私はクレームつけますよ(笑)
それはそれ。
自分の精神修養と相手の態度(しかもそれがサービス業というお店だったらよけいに)のこととは問題は別ですもん。
おっと、それから。
冒頭でご紹介した非常にお客さんを待たせてしまった焼肉屋さんは、帰り際に彼女に、「あの、申し訳ありませんでした。これはお詫びの気持ちです。」と次回来店時に使用できる割引券をくれたそうです。
それに対して、彼女、
「なんで、この状況で”次回”があると思うの!?」という捨て台詞を投げつけて帰ってきたそうです。
あはは。
焼肉屋さん、墓穴を掘ってしまいましたね。
マニュアルに割引券を使え、とかあるのかもしれませんが、クレーム対応の基本は迅速に、その場で、そのことについて、がモットーです。
確かに”次回”ではなく、その場で誠意を示すべきでしたね。
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