今日も、イギリス出立前に書き溜めたものをタイマーでUPしております。
ある日、ダーリンが言いました。
「はぁ~、今日は気が重かったな~ 近所周りのご挨拶ばっかりで、誰もかれもがキツイことばっかり言うし。」
ダーリンの仕事は建築の塗装関係。
例えばAさん方の工事が入ったとなると、ご近所に何月何日から工事に入りますので、何時から何時は音がもれると思いますがよろしくお願いします、とかそんな挨拶まわりに行かなくてはならない。
それが今度の建築現場ではご近所の人が厳しい見解の持ち主ばかりで、
「1ミリともうちの敷地に入るようなことがあったら許さんからな。」とか、
「うちは年寄りがいるんだから、何時以降は一切物音を立ててもらったら困る。延長は1分とも勘弁願いたい。」とか、まったく譲る気配を見せないので、これでは仕事にならん、と落ち込んでいたのです。
「そういうご近所まわりって、仕事を依頼する工事関係者まかせなの? 工事に入るお宅の人は一緒には行かないの?」と聞くと、
「最近はおまかせ、って感じで全然一緒に行くような人なんていないな。こちらが『奥さんも一緒に行っていただけますか?』って言おうもんなら、『え~ なんで私が一緒に行かなくちゃならないのぉ?』ってな感じだよ。」と言います。
「行かなくちゃならない」って言うよりも、「私も行くのが筋だわねぇ。」とは言わないんだろうか。
ふつう、ご近所どうしは仲良くやっていきたいと思うものですから、もし、ご当人同士が登場となれば、先記のような「1ミリも許さん。」とか「1分の延長も困る。」などの言い方とはならず、もうちっと柔らかい言い方と譲歩がありそうなもんです。
それを業者まかせにするから、業者になんて何言ったっていいとばかりにきつく当たるんでしょう。
ダーリンは最近は仕事そのものよりも、それらの周囲を丸くおさめるのが自分の仕事になりつつあるといって嘆いています。
「なんかでもそういうのって、おかしいよねぇ。ご近所とのコミュニケーションまで丸々業者に投げるのって。」
「うん、でもそういう時代なんだよ。」
「そのうち、建築の見積もりにも『ご近所コミュニケーション \××××(トラブル解決込み)』なんていう金額が記載されるようになりそうだね。」
「ある、ある。」
なんていう会話をしました。
誰でも人に頼みごとをするとか、ひょっとするとこれを持ちかけたら相手はイヤな顔をするかもしれない、というコミュニケーションは避けたいものでしょう。
けれど、何かのテーマをもったサークルの仲間であれば、ミス・コミュニケーションが起これば、サークルのテーマに興味がなくなったふりでもして避け続けることは可能かもしれませんが、隣同士で住んでいれば、そういうコミュニケーションも時には引き受けなくてはならなくなるのは避けられるものではありません。
「1ミリたりともうちの敷地には入るな。」というような人は、今度は自分の家が何か補修をしなければいけなくなったようなときに、どうしてもお隣さんにお願いしなくてはならない場合、それでもお隣から「いや、うちがやったときにはあんたんとこは1ミリも敷地に入ることを許してくれなかったじゃないか。うちだって許せるもんか。」と言われたらどうするのでしょう。
ふんふん、そりゃあ当然だよな、で済むんでしょうか。
困るのは業者ばかりです。
最近、何かというとアナログのコミュニケーションを拒み、デジタルコミュニケーションばかりに走る、という新入社員の話などを聞いたこともありますが、ちょっと気の張るコミュニケーションを避けて、いいとこどりだけをしようとしても、それは無理だと思います。
やはり人というものは、お互いにとって都合のよい会話ばかりではなく、ときにお願いをし、ときに許しあい、ということを積まないと腹を割った関係は生まれないと思うし。
「人と会話できない。」なんて人が増えているのもそういうせいじゃないでしょうか。
都合のいいとこだけを取ろうとするから、それ以外のものは全部気ぶっせいに感じてしまうのでしょう。
「困ったときはお互い様」というコーラルのテーマですねぇ。
この“お互い”に“様”をつける、というの、いいですねぇ。
もちろん相手も尊重するけれど、自分も尊重する。
そこで折り合い地点をみつける、という感じが実によく出ているではありませんか。
どうも相手にお願いをする、ものを頼むというと100%自分がすべてを飲み込んで我慢する、というふうに思ってしまう人が多いのではないでしょうか。
それがイヤだから、今度は100%の拒否をすることになってしまう。
でも、そんな必要はないんですよね。
譲歩しあって、自分だったら・・ 自分の場合を考えたら・・と相手の身になりながらどこで折り合うかの着地点を見つけていけばいいわけです。
さきほどのダーリンの例で言えば、
「いくら養生するとはいっても、家のなかに土足で踏み込まれるのはちょっと抵抗があるけれど、ガレージまでだったらいいよ。」とか、「この場所に入られるとここからプライベートルームまで覗けてしまうからちょっと遠慮してもらいたいんだ。こっちからではダメかなぁ。」とか自分がここまでは許せるけれど、ここまではちょっと踏み入ってほしくない、ということを話してもらえばいいと思うんですけれどね。
しかし、かく言う私も、自分の親がこういうコミュニケーションが下手だったこともあって、決して上手ではありません。
100%譲ってしまって、あとで心の中だけでもやもやなんてことも多いです。
やっぱり私もコーラルのテーマなんだなぁ。
レベル1の再受講をしてからというもの、香りについてもコーラル好きになったわたし。
いま「サナトクマラ&レディヴィーナスクマラ」とワークしています。
ダーリンにそのクイントエッセンスでも持って行かせて、ご近所じゅうに振りまいたらどうかしらん、と思案中です。
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