司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

書面決議(取締役会編) その1

2009年10月13日 | その他会社法関連
ずいぶんと書面決議(決議の省略)をする会社さんが増えて来た、というのは以前もお話しました。
http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/dbfdde8aa45ba94fb0abd099d8e96f4d

前回は株主総会でしたので、今日は、取締役会についてです。株主総会と違うことがいくつかありますが、一つは、3ヶ月に1回以上行わなければならない業務執行の報告に関する取締役会は、書面決議できないということです。ご注意くださいマセ。

取締役会は、大きな会社の場合、すぐに開催することができません。役員の方々のスケジュール調整が難しいからのようです。人数もそれなりに多いし、社外役員がいる会社さんも多いですしね。なので、特に日本の会社の場合は(ワタシの感想ですが。。。)、取締役会の開催スケジュールに合わせて色々な手続を考えられているように思います。

会社法になって、ようやく認められた取締役会の書面決議ですが、株主総会と違う点の2つ目は、定款規定を置かないとできないことですね。
基本的には積極的に書面決議をするつもりの会社さんは少ないのですが、緊急事態の場合に備えて定款規定を置く場合がほとんどだと思います。こちらからおススメしているから。。。という事情もあるかもしれませんが、99.99%くらいかな?って気がします。

施行当初はほとんど見かけなかった書面決議ですが、やっぱり緊急かつそれほど協議を要しないような案件は書面でも良いかな~。。。という考え方が浸透しつつあるようで、ジワジワと増えて参りました。

傾向としましては、株主総会は中小企業、取締役会は大中(?)企業が行っています。
決議の方法としては、株主総会の書面決議とほぼ同じなのですが、違うのは(3つ目)、監査役の関与です。

業務執行権限を有する監査役を置いた会社の場合、書面決議に関する提案は監査役にも行わなければなりません。
書面決議の成立は、取締役の全員が同意することと、監査役の異議がないことです。
法律上は監査役の異議に関する書面などは保存(作成)する必要はありませんが、異議がないかどうかを確認しないと、決議が成立したかどうかが確定しないというモンダイが出てきます。
取締役全員の同意があった時点より後に異議を唱える監査役がいるかも知れませんし。
そうすると、決議がパアになってしまいますから、監査役から異議がないことの書面等を取り付けるのが、実務上の取扱いになっています。
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5 コメント

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マルテンサイト千年 (グローバルサムライ)
2024-05-03 14:53:15
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる
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ストライベック (フリクション)
2024-07-07 06:47:00
関数接合論ですね。
1/h^n=1/f^n+1/g^n、
第一式おもしろい着想ですね。経済学でわりとホットな話題として、財政均衡主義と現代貨幣理論(MMT)の競合モデルというものは考えられないのでしょうかね。
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EPオイル添加剤 (世界自動車販売の動向)
2024-07-08 10:02:11
やはり世界を引っ張るハイブリッド日本車の技術力の前に、EVシフトは不調をきたしていますね。特にエンジンのトライボロジー技術はほかの力学系マシンへの応用展開が期待されるところですね。いくらデジタルテクノロジーを駆使しても、つばぜり合いは力学系マシン分野がCO2排出削減技術にかかってくるのだとおもわれます。
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特殊鋼関係情報 (AI専門家)
2024-07-09 03:50:14
「材料物理数学再武装」といえばプロテリアル(旧日立金属)製高性能冷間ダイス鋼SLD-MAGICの発明者の方の大学の講義資料の名称だと思われます。同氏はマテリアルズ・インフォマティクスにも造詣が深く、AIテクノロジーに対する数学的な基礎を学ぶ上で貴重な情報だと思います。
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トランプダイス鋼 (ゲームの達人)
2024-07-31 11:18:29
最近の生成AIテキストの解析もすぐれているらしいですね。こういった会社法がらみの場合どのソフトが優れているんでしょうかね。
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