司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

簡易合併できますか? その3

2011年01月31日 | その他会社法関連

おはようございます。

簡易合併については、昨年、金子先生がセミナーをされまして、上場会社の失敗事例を色々と紹介してくださいました。
大変興味深かったです。でも、あの事例を見つけるのは、かなり苦労されたと思います。(ありがとうございました_(_^_)_)

出席された方は当然ご存知でしょうけど、「簡易合併ができないのにやろうとして失敗した(合併中断)」ってケースもありましたよね。
いや~。。。ああいうのは恐ろしいです。やっぱり、情報収集は大切ですね。
つまり、何が言いたいかというと、簡易合併できるかどうかは、ワタシ達司法書士も判断を迫られるってことなんです。明日はわが身ですよ!
でも、「怖いから簡易合併はヤメテね♪」とも言えないしねぇ。。。

で、本題に戻りますが、子会社が債務超過であっても、抱き合わせ損が生じる場合でも、簡易合併できる場合があるんです!!
それが、「連結配当規制適用会社(ジャジャ~ン!!)です。」

そういう存在があまり理解できていなかったワタシは、上場会社なら、みんなそういうもの(連結配当適用会社)なんだろう。。。くらいに思っていました。が、先日、ちょっとした相談があって調べましたら、何と!そういう会社は非常に少ないということが分かりました。

どんどん話しが進んでしまいましたので、少し戻りますね。

連結配当規制適用会社になりますと、分配可能額の算定が連結計算書類ベースになるのだそうです。つまり、子会社が赤字だった場合、子会社の赤字をも反映したものが連結計算書類なわけですが、分配可能額は連結ベースの方が安ければ連結、高ければ単体で決まるのだそうです。つまり、親会社がいくら業績が良くても、赤字だらけの子会社ばっかりだったら、分配可能額が少なくなり、一方、子会社の業績がとても良かった場合でも、そういう時は子会社の黒字分は分配可能額に反映されない、という制度なのです。

例えば、連結計算書類による分配可能額 1000万円、単体計算書類による分配可能額 5000万円 の場合は、上限1000万円、
連結計算書類による分配可能額 5000万円、単体計算書類による分配可能額 1000万円 の場合は上限1000万円になります。 

こういう会社の場合、債務超過の子会社を吸収合併したとしても、結局のところ分配可能額は今までと変わらないということで、株主総会の承認を得なくても構いませんよ♪ という例外規定が置かれています。もちろん、連結対象の子会社を合併する場合ですよ。

だったらナンデ? みんな適用会社になればいいのに。。。と思いますが、株主さんにとっては、配当額が安く抑えられてしまうことですから、結局は適用会社になる会社が少ない、ということみたいです。

では、また明日。

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簡易合併できますか? その2

2011年01月28日 | その他会社法関連

本日もどうぞよろしくデス(^_^.)

さて、今日はチョビット昨日の補足です。
無対価合併の場合、対価がないのですから5分の1の要件を満たすことを証明する必要はないのではないか?
と個人的には思っておりまして。。。以前はそうだったし。。。

でも、無対価でも証明書は必要みたいなんです。
証明書には、合併時点の存続会社の純資産額を記載するわけなんですが、そもそも合併時点の額なんて分かるわけないでしょ!?
。。。と思いつつ、気の小さい私は、「出来るだけ誤差が少なくなるように金額を記載してくださいね♪」とお願いし、証明書を提出しています。

証明書を提出させるのは、以前は簡易合併の要件が存続会社の株式の割合だったのに、現在では純資産ベースに変わってしまったからだと思われます。
それにしても、意味が分からん。。。やっぱ、要らないでしょ~!!(-"-)

。。。というわけで、やっと昨日の続き ^^;

5分の1要件を満たしたとしても、簡易合併出来ない場合があります。それは、
(1)合併対価が存続会社の譲渡制限付株式である場合
(2)合併差損が生じる場合 とされています。
(反対株主が多かった場合、ってのもありますが、割愛します(^_^;))

ナンデ株主総会の承認を得なければならないか。。。
(1)通常の募集株式の発行においては、株主総会の承認を要するのだから、合併の場合であっても例外的な扱いは認められない。
(2)合併して損するのだから、キチンと株主さんに了承してもらわないといけない。

ということのようです。

上場会社の場合には、モチロン、(1)は関係ないわけで、もっぱら(2)が問題になってまいります。

合併差損が生じる場合というのは、具体的に言うと、①消滅会社が債務超過の場合、②合併対価の額が消滅会社から承継する純資産額を超える場合、③抱き合わせ損が発生する場合とされています。
いずれの場合も、合併前より合併後の方が存続会社の純資産額が減少しますよね。

そして、このうち良く話題になるのが③なんです。
例えば、100%親会社である存続会社が消滅会社株式を取得するために要した費用が1000万円で、消滅会社の純資産額が900万円しかないとすると、消滅会社は債務超過ではありませんが、存続会社から見ると100万円の損が出ます。これが抱き合わせ損というモノです。

債務超過状態は、存続会社が追加出資(募集株式の発行)すれば解消することが出来ますが、抱き合わせ損を消すことは出来ません。
例えば、親会社(存続会社A)の子会社株式の帳簿価格が1000万円、子会社(消滅会社B)の純資産額が-1000万円だった場合、Bが合併前に増資してAが1000万円を出資すれば、Bは債務超過でなくなります。
でも、Aの帳簿価額は2000万円(当初の1000万円+追加出資1000万円)、Bの純資産額は0円なので、結局のところ抱き合わせ損の額は変わりません。

このケースでは、子会社への出資金=親会社の帳簿価額ですが、もともと買収した会社を合併する場合などは、親会社の帳簿価額が多額である場合も多いので、必ずしも資本金+資本準備金=親会社のB株式の帳簿価額とはなりません。
ですので、子会社株式の帳簿価額は、必ず確認した方が良いですよ♪
実際、会社の方が良く分かっていなかった。。。なんてこともありました。

さて、こういう会社が簡易合併をすることが出来るのでしょうか?
やっと本題に入りそうになりましたが、来週へ続く~。。。。。

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簡易合併できますか? その1

2011年01月27日 | その他会社法関連

おはようございます!

最近、簡易合併したいのですが大丈夫でしょうか?という合併案件が多いです。

簡易合併をすると、何が簡易か、というと、株主総会の決議が要らないってことだけですよね♪
ですから、株主総会が簡単に開催できる会社サンの場合には、事実上、簡易合併が可能だとしても、普通どおりに株主総会を開催して合併承認していただくことをおススメしています。

簡易合併の要件に該当する場合は、株主総会の決議をしちゃダメッ! というような話題もありましたが、登記実務では問題ないとされております。
では、ナンデ簡易合併をおススメしないのか? ということですが、簡易合併の要件を満たすことを証明しないといけなくて、それが面倒だからです。もちろん、簡易分割も同じです。
単純にいうと、簡易合併は相手(消滅会社)の規模が小さいのだから、わざわざ株主総会を開催するほどのことはない。。。という考え方に基づくものだと思いますが、その基準は合併対価の額が存続会社の純資産額の5分の1以下であること、とされています。

しかし、その純資産がいくらなのか、厳密に計算するのは面倒でしょ?
でも、法務局に提出するのですから、ワタシから「あ、それは適当で良いですから♪」とは言えないじゃないですかぁ?
ですから、もちろん、そういうこと(簡易の要件に該当するんだったら簡易手続によるべきだっ!!という考え方)にあまりこだわらず、かつ、株主総会が簡単に開催できる(もちろん、書面決議でもOK)会社でしたら、簡易合併にしない方が手続上は簡便なのではないかと思っております。

ただし、世の中には「どんなことがあっても、株主総会はゼッタイ、ゼ~ッタイ、開きたくないの!」という会社がありまして、それ、上場会社サンなのです。ゼッタイに株主総会を開きたくない理由は、株主さんにあまり注目されずに、ササッとやってしまいたいという気持ちもあるのでしょうけど、日程的に株主総会の承認が必要になるんだったら、この日までに間に合わない、というご事情もあります。

(子会社を合併するために臨時総会は開きません。定時総会を待ちますと、時間的に間に合いません。
しかも、合併の時期は期首が多いので、定時総会決議をするとなれば、1年くらい前から準備しないと間に合わないのです。 )

上場会社の合併というのは、大体が親子とか兄弟会社なような気がします。
新聞に載るようなデッカイ合併は、もちろんありますケド、相対的にはチョットだけだと思います。

となれば、上場会社が当事者になる合併ですと、ほぼ相手は子会社で、合併対価をイッパイ交付することはないですから、5分の1の基準はほとんどのケースで満たすことになると思うんです。
(というか、完全親子の場合は合併対価を発行できないので、5分の1というのも気にしなくて良いくらいのもの。)

ところが、簡易合併をするためには、別の障害があるんです。
そんなに勿体ぶるほどのこともないですが、文字数オーバーのため(?)明日へつづく。

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基準日株主の議決権行使 その3

2011年01月26日 | 株主総会

早速昨日の続きです~♪

取得条項付株式の取得の対価として交付された普通株式に議決権を与えることができるのでしょうか?
「え?だって、新株発行だから良いんでしょ?」と思いますよね?
でも、話はそう単純でもないような気がしています。

確かに普通株式に議決権を与えることはできそうな気がしますが、普通株式50株とA種類株式50株は並存できない株式ですよね!?
普通株式に議決権を与えるのなら、A種類株式の議決権(議決権がある場合ですけど)は奪う結果になってしまいます。
実際、今回のケースでは、株主は1人だし、A種類株式には議決権はないし、どういう結論であっても株主の権利を害することはあり得ないので、何でも良いってことなんです。

けれども、すこしケースが異なっていて、株主が別人だったとしたら、A種類株式に議決権があったとしたら???
と考え込んでしまったワケです(^_^;)( →ヒマな人?)

まぁ、こんな事例はそもそも滅多にないはずなので、机上の空論みたいなモンかも知れませんケド、ちょっと面白くないですか?

。。。というわけで、普通株式とA種類株式の株主さんは既存の普通株主さんとは別人、A種類株式は議決権を有する、と設定しますね。
まず、発行された普通株式と取得されたA種類株式は表裏一体の関係ですから、普通株式に議決権を与えるのなら、A種類株式の議決権はなく、A種類株式に議決権を与えなければならないのなら、普通株式に議決権を与えることはできない、ということになりますかね?

ここで問題になるのは、「当該株式の基準日株主の権利を害することができない(会社法124条4項但書)」ってやつだろうと思います。

これは、「既存株主の権利」ではなく「当該株式の基準日株主の権利」なので、例えば第三者割当によって発行された株式に議決権を与えたら、既存株主の権利を害するのでは。。。? というようなことは問題にならないそうです(「株主総会の準備事務と議事運営(森・濱田松本法律事務所 編)」P465)

え~っ!? 。。。ってことは、発行された株式には当該株主の基準日株主は存在しないので、普通株式に議決権を与えて、A種類株式にも議決権を行使させることができるの?

いやいや、それはやっぱしオカシイですよね~。この場合は、「当該株式」っていうのはA種類株式って考えないと。。。

そして、一応、そういう前提とすると、基準日株主の権利として普通株式の方が有利ならば普通株式に議決権を与えることができ、そうでなければ、A種類株式に議決権を行使させる。。。ということになるのだろうかなぁ~。。。??

ま、根拠もなくそんな事を考えておりました。

で、結局、議事録は普通株式を増やしてA種類株式を削除しました。
(株主さんはいずれにしても一人なので、実質は同じで、形式をどうするかってだけのこと♪)
A種類株式にはモトモト議決権はなかったので、普通株式の方に議決権を持たせるとすると、既存株主さんの議決権割合が減少しますが、これに関しては募集株式の発行と同様に考えると、問題ない、というのが上記の考え方だと思います。
そして、A種類株主さんにとっても議決権があった方が良いので、会社の判断によって旧A種株主さんに新たに発行した普通株式に対して議決権を与えることができる、と考えるのが妥当なのだろうと思います。

さらに、もう1つギモンはありました。
基準日は、配当についても定められていますが、こっちはどうするんだろ?ってことです。
A種類株式に議決権を与える場合は、配当優先とか(があった場合)はどう考えるのでしょうね?
こっちは、株主総会の当日現在、定款規定が削除されているので、優先配当は当然できない、という結論になるのかなぁ~? という気がしています。
ただし、配当基準日に関しては、議決権基準日のように会社の判断で基準日後の株主さんに対して配当することは許されていないので、もし、株主さんが別人だったとしたらどうなるのかな。。。? 普通株式と同様に配当するのかな。。。?
こちらは解決していません。 

う~ん。。。やっぱり種類株式は難しい。。。色々あるものですね(^_^;)

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基準日株主の議決権行使 その2

2011年01月25日 | 株主総会

昨日の続きでございます。

議事録案には、議決権について次のように記載されていました。

発行済株式総数  100株
 普通株式 50株
 A種類株式 50株

議決権の総数 50個
議決権を有する株主総数 1名
出席株主の数 1名
この議決権数 50個

↑コレ、確かに基準日現在の議決権ではありますが、総会当日時点では、普通株式100株、議決権総数100個、種類株式はなし、となっております。

そこで(?)、まずは、基準日が設けられている場合の株主総会の議決権について、おさらいしてみましょう!!

基準日がある場合には、基準日現在の株主さんに議決権があるわけです。これが原則。
商法の時代には、基準日後の株主に対しては、一切議決権を認めない。。。との扱いだったのですけど、さらにその前は、増資新株の株主さんについては例外的に議決権が与えられておりました。
会社の都合で新株を発行したんだから、その株主さんに議決権を与えないのはオカシイ。。。ということだったんでしょう。

でも、商法改正で一切の例外を認めないという扱いに変わってしまった結果、実務界では不満が多かったようで、会社法では例外が非常に広く認められておりまして、基準日後の株主に対しても会社の判断で議決権を行使させることができる、とされています。
ただし、基準日株主の権利を害することが出来ません。

例えば、基準日後に株式譲渡(1株)があった場合などは、新株主に議決権を与えてしまうと、旧株主は議決権を行使できなくなりますから、基準日株主の権利を害することになる、と考えられているようです。
一方、新株を発行したとか、自己株式を交付した場合などは、新株主に議決権を与えても良いケースです。

会社が基準日後に自己株式を取得し、それを消却してしまったような場合(株主総会当日には株式がない場合)でも、旧株主さんは議決権を行使することができます。

これを今回のケースに当てはめて考えてみますと。。。
①基準日後の株式50株に対して議決権を与えることができるか?
②A種類株式の対応をどうするか?

ということになりますでしょうか?
続きはまた明日。

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