司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

代表取締役の予選 その3

2010年02月26日 | 役員
先例の論点は、①予選に予選を重ねるような条件付決議が許されるか? ②予選が許される合理的期間はどの程度なのか? ということです。

現在では、定時総会で取締役の予選をすることは普通ですが(定時総会終結で任期満了なので、選任決議と同時に就任しません。ですので、これもちょっとした予選ですね。)、そんなに長い期間が空く予選はなさそうです。
しかも、一応取締役の予選決議と就任承諾は終わっている状況なので、今やろうとしていることよりも、条件が成就するのは確実なカンジです。

先例の解説はそれぞれお読みいただくことにしまして、簡潔には、「脱法目的である場合を除き許される。ただし、予選期間は合理的な期間であることが必要で、代表取締役の予選については少なくとも1ヶ月を超えない程度。」とされています。

そして、予選する取締役会の構成メンバーに関しては、それほどたくさんの解説はありません。要約すると、「普通に代表取締役を選定する場合の取締役会と同じ構成メンバーであれば、取締役の改選前であっても状況は同じだから良い。」ということのようです。

じゃあ、「改選後の取締役会構成メンバーと同じ」とは、どういう意味なのでしょうか?
明らかにダメなのは、改選によって新メンバーが登場する場合です。その人はまだ取締役でないため、代表取締役を予選する取締役会では決議に参加できません。

次に、新任取締役は予定していないけれども、退任予定(重任しない)の取締役がいる場合はどうでしょう?
そこまで詳しく解説されている書籍はホトンドないですが、「実務相談株式会社法」では、退任予定の取締役を参加させた代表取締役の予選決議は認められないとされています。退任取締役は、本来代表取締役を選定する取締役では議決権を持たないのだから、そのヒトが加わった決議には瑕疵があるということだそうです。

ナルホドね~。。。
でも、退任取締役が加わっていなければ良いってこと?
それとも、そういう偶然の事情ではなく、メンバー構成がぴったり一致していなきゃいけないのかなぁ?

考え方としては、どちらも成り立つような気がしますので、最終的には法務局の見解に任せることにしました。
それで。。。法務局の方も少し考えていらっしゃいましたが、本件についてはOKをいただけました。

通常は、取締役改選後、代表取締役選定の取締役会を開催しますが、議案がそれだけしかない会社さんもあります。ですから、取締役会を開いたついでに代表取締役を予選したいということにもなるのだと思います。
ですが、このような予選決議をホイホイやるべきではないので、ある意味簡単に出来ないようにケースを限定しているのかなぁ。。。と思いました。
今回の会社さんでも、「予選が無理なら書面決議で取締役会を開きます。」とおっしゃっていましたが、予選しても良い合理的な理由。。。と言われると、ムズカシイです。
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代表取締役の予選 その2

2010年02月25日 | 役員

今日は、「その2」です。 その1はどこ~。。。? 
ココです→代表取締役の予選

完結したつもりだったんですけど、先日、応用編の事案がありましたので、突然つづくことになりました(笑)。
珍しく、クライアントさんにも「ブログの記事にします。。。」 と予告をしてしまいましたので、ご説明も兼ねさせていただきたいと思っております。

先日、取締役改選の株主総会の前の取締役会で、代表取締役を予選したいというオハナシがありました。
ただし、こんなケースです。

現在: 取締役 ABCD 代表取締役 A
任期満了改選後: 取締役ABC 代表取締役 A
     注)代表取締役予選の取締役会では、退任予定のDは欠席。

先日の記事にもオオザッパに書きましたが、改選後の取締役会で代表取締役を予選できるのは、改選前後で取締役が同一の場合に限られる。。。というのが、先例です。
このケースでは、取締役Dが取締役会をタマタマ欠席していたので、出席取締役=改選後の取締役 ということになっていますが、こういう場合でも代表取締役の予選は認められるでしょうか?

良さそうな気はするんですけどねぇ~。。。でも「ダイジョウブですっ!!」とも言えなくて、調べてみたり、法務局へ相談に行ったりしました。

とりあえずは、先例(S41.1.20 民甲271号回答)のケースを確認してみました。
日付は適当に設定しています。

平成20年3月30日定時株主総会で取締役ABCを予選(現任取締役ABC)、
同日の取締役会決議で代表取締役Aを予選
(平成20年5月30日取締役全員任期満了 ABC重任、代表取締役A重任)

論点は、①予選に予選を重ねるような条件付決議が許されるか? ②予選が許される合理的期間はどの程度なのか? ということです。

なんか、ちょっと不思議な感じがしました。 ご興味のある方は、「商業登記先例判例百選54 」を読んでみてください。

。。。で、明日はこの先例を踏まえて、今回のケースってどうしよ~ (/_;) につづく。 

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選任と選定

2010年02月24日 | その他会社法関連
ワタシ共がお手伝いする定時総会関連のオシゴトというのは、会社のニーズによって関わり方が違います。
開催スケジュールや議案提出するかどうか、などずいぶん前から準備して、登記とは関係なく書類の作成や内容のチェックを依頼される会社もありますし、出来上がった議事録を持参され、登記申請だけ依頼される会社もあります。

ま、それにしても、議事録については、登記申請が伴えば印鑑を押す前に記載内容を確認することがほとんどだと思います。
(印鑑を押してからでは、万が一誤りがあったときに面倒なので、出来るだけドラフトの段階で見せてくださるよう、お願いしています。)

株主総会後の取締役会議事録も、代表取締役の登記があれば同じです。

ここで。。。
会社法が施行されてもうすぐ4年ですから、ずいぶん浸透したように思えるのですが、未だに「選定 と 選任 って何が違うんですか?」という質問を受けます。
議事録にも「選定」と書くべきところ、「選任」と書いてあるものもたまに見かけます。

ご承知のように、「選定」とは、会社法上の一定の資格を有する者の中から選ぶことをいいます。 代表取締役は取締役という資格を持った者の中から選ばれますから「選定」と呼ぶ、と説明されています。

そうはいっても、議事録に「選定」と書くべきところを「選任」と書いても、登記の際は、ホセイにはならないようです。ご安心を!!
登記原因としては「就任」や「重任」であって、「選任」「選定」は登記されないからかも知れません。

では、「解任」の場合はどうかというと、「選任」に対して「解任」、「選定」に対して「解職」が対応しているようです。
ただ、解任の場合には、登記原因にも影響してきます。
どうなんだろう。。。と思い、記載例を見てみました。すると。。。ありましたっ!!
いやぁ~ここまで書いてあるとは。。。で、代表取締役を解職した場合の登記原因は予想に反して「解職」ではなく、「解任」になるのですって。
実際の案件では、解任だの解職だのって、ほとんどありませんが、法律での言い方と登記原因が違うのは不思議ですよね~。

さらには。。。。辞任の場合はどうなのでしょうか?
私もギモンで、「解任・解職」なら、「辞任・辞職」なのでは?と思っておりました。
でもナゼか、辞任は「辞任」なのだそうで、「辞職」は使わないんですって。

法律を作るヒトは色々コダワリがあるんでしょうケド、統一性があった方がよかったかなぁという気がします。
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社長と代表取締役 その4

2010年02月23日 | 役員
今日は、それぞれの定款規定に基づいて代表取締役と社長の選定決議をする場合の、議案への影響を考えてみたいと思います。
ま、ワタシが実行していることでしかないので、ご参考まで (^_^.)

パターン① 議案は一つ。 議題:代表取締役(社長)選定の件
 ホントは社長(代表取締役)選定の件にするべきなんでしょうけど、登記のことを考えて代表取締役の選定決議にしています。ただ、あくまでも定款上は社長を選ぶ必要があると考えられますから、「社長」の言葉を出すようにしています。

パターン② 議案は一つ。議題:代表取締役選定の件
 こちらは、定款上当然に代表取締役を決めれば社長も決まるので、社長のことは特別言いません。念のため記載するのは当然構いませんが、忘れてもダイジョウブです(笑)。

パターン③ 議案は一つ(又は二つ)。
議題:代表取締役及び社長選定の件(又は議題1:代表取締役選定の件、議題2:役付取締役(又は社長)選定の件)

 どっちでも良いのでしょうけど、代表取締役兼社長だけを選ぶのに、議案を分けると何だか紙面のムダ遣いのような気がするので、まとめて決議しちゃってます。議案内容としては2つの決議事項がありますから、その点誤解のないように「代表取締役と社長をそれぞれ選び、ただ、結果として同一人物だった」という内容の文章にしています。

 社長以外の役付取締役も選ぶ場合は、議案を「代表取締役選定」と「役付取締役選定」の二つに分けています。
 ただ、代表取締役・社長と代表取締役・会長のように、選定されるヒトが同じ場合は、一つの議案にしてますね。
 このへんは好みの問題ですから、会社さんにも確認しながら進めております。

パターン④ パターン3と同じ。


話は変わりますが、巷では「代表取締役社長」という肩書きを良く見かけます。コレって何だと思いますか?
こちらも慣習的な言い方なのでしょう。便宜的に「代表取締役」と「社長」をくっつけた呼び方のようです。ですから、意味はよ~く分かりますが、法律上は「代表取締役社長」という肩書きはありません。

会社の方が作られる議事録には、「代表取締役社長選定の件」と書かれていることがありますが、厳密には正しくありません。法務局も、昔は、「代表取締役の選定決議とは認めません!!ホセイッ!」と言われることがあったので、ワタシ自身は結構気にして直させていただいております。直しているので、今だったら問題ないかどうか分かりません^_^;

ちなみに、議事録の末尾に記名押印する際の肩書きとして「代表取締役社長」とか「専務取締役」とか書かれる会社は結構ありますケド、これはダイジョウブです。(余事記載と考えるみたいです。)

名刺とか契約書などに書くのは一向に構いませんが、代表取締役選定議案だけはご注意くださいね。

ということで、なんだかずいぶん長いワリに中身が充実してなかったかも知れませんが、本日で終了! 
お付き合いいただきありがとうございました m(__)m
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社長と代表取締役 その3

2010年02月22日 | 役員
社長と代表取締役の関係は、会社の担当者の方にもナカナカ分かりにくいようです。ワタシ自身も、オシゴトを始めて間もない頃は、代表取締役=登記=(ワタシにとって)重要、社長=登記なし=会社の任意だから口を挟まない、みたいな感覚でした。

それと、中小企業の場合には、代表取締役イコール社長になるような定款規定が多かったので、それほど気にする必要もなかったのかも知れません。昨日の定款規定だと、①または②です。

パターン①は、「社長1名を選ぶと、そのヒトは自動的に代表取締役でもある」という規定です。日本の中小企業の定款は、このパターンが一番多いような気がします。  なぜか。。。(ワタシの想像です)市販されている「設立セット」のようなものにそう書いてあったからだろうと思います。
じゃあナンデ雛形がそうなっているのか???
社長というのは、普通会社に一人しかいません。そして社長は会社のトップなんだから、当然代表権があるんです。コレが日本の慣習です。
。。。。。それを単に文章化したんでしょうね~。

もう一つ。 決議が一つで済むように(できるだけ簡便に)ということも考えられたと思います。

ただ、形式的にはまず「社長」を選ぶのであって、「代表取締役」を選ぶ決議ではないはずです。つまり、社長を選定する決議をすれば、定款の定めによって代表取締役も選んだことになるから、代表取締役は選ぶ必要がないんです。でも、法務局にその議事録を提出するなら、定款も一緒でないと意味が不明ですよね~。(実際には、代表取締役の選定決議をしてもらってますけども(~_~;))

そこで、ワタシとしてはパターン②の方をおススメしています。
これですと、代表取締役の選定決議をすれば、自動的に社長も決まりますから、登記の問題はありません。
ただし、社長と違って、代表取締役は1人とは限りません。ですから、代表取締役を1人に限る会社以外は、もう少し工夫する必要があります。

パターン③は、代表取締役は1人か複数かは分かりませんが、代表取締役の中から社長を決めるという規定です。この規定を置いた会社が代表取締役を1人しか選ばなかった場合は、その人が自動的に社長になるのでしょうが、基本的には社長の選定決議もするべきなんだろうな。。。と思います。

②と③の折衷案として(というか、ワタシはこっちを採用してます)、代表取締役は一人を想定しているが、複数人選定できるようにしておきたい場合はコチラ↓
「取締役会の決議に代表取締役を選定する。代表取締役は社長とする。ただし、代表取締役が2人以上あるときは、内1名を社長と定める。」

パターン④は、規模の大きな会社のホトンドが採用している規定です。この場合には規定としては代表取締役じゃなくても社長になりえるんですけど、実際はそんな会社はないでしょうね。一見すると矛盾がありそうですが、要するに、規模の大きな会社は、「代表取締役」という法律上の資格と「役付取締役」という会社が任意的に定めた肩書きとをハッキリ分けて規定しているということのようです。

という訳で、これらの規定に基づいて決議をする場合には。。。
実際の議案内容は、また明日。
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