現在では、定時総会で取締役の予選をすることは普通ですが(定時総会終結で任期満了なので、選任決議と同時に就任しません。ですので、これもちょっとした予選ですね。)、そんなに長い期間が空く予選はなさそうです。
しかも、一応取締役の予選決議と就任承諾は終わっている状況なので、今やろうとしていることよりも、条件が成就するのは確実なカンジです。
先例の解説はそれぞれお読みいただくことにしまして、簡潔には、「脱法目的である場合を除き許される。ただし、予選期間は合理的な期間であることが必要で、代表取締役の予選については少なくとも1ヶ月を超えない程度。」とされています。
そして、予選する取締役会の構成メンバーに関しては、それほどたくさんの解説はありません。要約すると、「普通に代表取締役を選定する場合の取締役会と同じ構成メンバーであれば、取締役の改選前であっても状況は同じだから良い。」ということのようです。
じゃあ、「改選後の取締役会構成メンバーと同じ」とは、どういう意味なのでしょうか?
明らかにダメなのは、改選によって新メンバーが登場する場合です。その人はまだ取締役でないため、代表取締役を予選する取締役会では決議に参加できません。
次に、新任取締役は予定していないけれども、退任予定(重任しない)の取締役がいる場合はどうでしょう?
そこまで詳しく解説されている書籍はホトンドないですが、「実務相談株式会社法」では、退任予定の取締役を参加させた代表取締役の予選決議は認められないとされています。退任取締役は、本来代表取締役を選定する取締役では議決権を持たないのだから、そのヒトが加わった決議には瑕疵があるということだそうです。
ナルホドね~。。。
でも、退任取締役が加わっていなければ良いってこと?
それとも、そういう偶然の事情ではなく、メンバー構成がぴったり一致していなきゃいけないのかなぁ?
考え方としては、どちらも成り立つような気がしますので、最終的には法務局の見解に任せることにしました。
それで。。。法務局の方も少し考えていらっしゃいましたが、本件についてはOKをいただけました。
通常は、取締役改選後、代表取締役選定の取締役会を開催しますが、議案がそれだけしかない会社さんもあります。ですから、取締役会を開いたついでに代表取締役を予選したいということにもなるのだと思います。
ですが、このような予選決議をホイホイやるべきではないので、ある意味簡単に出来ないようにケースを限定しているのかなぁ。。。と思いました。
今回の会社さんでも、「予選が無理なら書面決議で取締役会を開きます。」とおっしゃっていましたが、予選しても良い合理的な理由。。。と言われると、ムズカシイです。