司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

再任とは!? その8

2013年03月29日 | 役員

おはようございます。

先週、関西勤務司法書士サンから、コメントを頂戴しておりまして、3年前にご自身のブログにこのハナシを書かれたということでした。
ワタシも拝読いたしまして、その中で印鑑届書のコトも書かれていましたんで、ついでと言ってはナンですが、印鑑届書の提出についてもふれておこうかな。。。と思った次第です。

あ、その前に、今回のハナシの続き♪

一応、法務局の方には印鑑証明書の添付は要らないというコトで納得していただいたのですけれども、しかし。。。今回はどっちみち印鑑届書は必須なので、印鑑証明書も添付をしなければなりません。

つまり、違いは、「就任承諾書に実印を押してもらう」ことと、添付書類として「印鑑証明書」と書くかどうかダケなんです。
なので、ここまで粘っておきながら、おかしなハナシかも知れませんけれども、今回の代表理事の就任承諾書には個人の実印を押印してもらい添付書類として印鑑証明書を付けることにいたしました。

ま、その当事者である法人だって、ワタシが東京のコトしか知らない司法書士だと分かっていらっしゃるし、「その法務局の通常の取り扱いですから」と説明すれば、特に文句も出ないので、敢えてそこで意地を張る必要性は感じませんでした。
だったら、最初っから言われたとおりにすれば良いのに。。。ってコトとは別なの。。。^_^;

さて、では、印鑑届書のコトに戻ります。

以前も書いていると思いますが、今回のような移行の登記申請の際は、予め印鑑を届出なければなりませんよね~♪
具体的には、登記申請書と一緒に印鑑届書と印鑑を届け出る代表者個人の印鑑証明書を添付いたします。
(印鑑証明書は、登記申請書に添付したものを援用することもできます。)

そして、この印鑑届書(と印鑑証明書)は、移行前の法人の届け出ていた印鑑が変更しない場合でも、代表理事が再任する場合でも必要。つまり、例外はないってコトなんです。
さらに、印鑑カードの引き継ぎもできませんので、印鑑カード交付申請書も必須です。

通常の変更登記の場合でしたら、印鑑届出をしている代表者が再任した場合、印鑑届書を再提出するなんて必要はないのに、ナンデ?
というギモンを持たれる方がいらっしゃるのではないでしょうか?

これは、印鑑届書のシステムが、「印鑑届書+印鑑紙(印鑑ビラ)」だった頃からの取り扱いでして、昔ですと、「組織変更の場合」ですね。

法人格は変わらないのに印鑑の再提出。。。をしなきゃいけません。

現在ですと、今回のような「移行の登記」、特例有限会社の移行の登記、それから、組織変更が該当します。

。。。で、これに共通するのは、「設立登記」ですよね。
法人格は変わらない。。。。ケド、登記記録は新しいものに切り替わります。
そして、新たに登記記録を起こす場合には、予め印鑑を届け出なければならない。。。というコトでしょう。
実務に入ったばかりの頃は、本当に頭が痛かった印鑑届書!
ま、こればっかりは、手続上の要請というコトであって、実質的な確認でははいと思います。

さらに、会社番号は変更されることが無くなりましたけど、印鑑届書の再提出と印鑑カードの再発行に関しては、以前と変わらず必要ですのでね。。。ご注意ください!!

。。。というワケで、本日で終わりです!
来週は4月1日を迎えます。登記申請いたしますっ♪

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再任とは!? その7

2013年03月28日 | 役員

おはようございます。

色々とコメントをいただきまして、ありがとうございましたm(__)m
コメントでお返ししようかと思ったのですが、ちょっと長くなりそうなので、こちらにまとめて書かせていただきますね。

あ、それから、昨日、一昨日の記事ですけれども、コメントを頂戴する前に書き終わっておりました関係で、そのままの掲載となりました。コメントを無視していたワケではございませんので、どうか、ご了承くださいませ。

。。。というわけで、再任のハナシ。

皆様の仰ることも一理あるような気もしています。
確かに整備法の規定も特例民法法人特有の規定ですし、それが、特例有限会社とは違うというコトなのかも知れません。

ただ、個人的な意見ですけれども、整備法第48条第4項は、あくまでも「旧民法下で内部的に定めた代表理事は、新法下での代表理事ではないですよ。。。」したがって、「対外的には理事全員の各自代表ですよ。。。」という意味なのではないでしょうか?

さらに、整備法第48条1項では、旧法下で選任された理事は新法下における理事とみなされていますから、移行前の理事は各自代表の状態になっております。

(理事及び監事に関する経過措置)
第四十八条  この法律の施行の際現に旧社団法人(第四十条第一項に規定する社団法人又は民法施行法社団法人をいう。以下この章において同じ。)又は旧財団法人(同項に規定する財団法人又は民法施行法財団法人をいう。以下この章において同じ。)に置かれている理事又は監事は、それぞれ一般社団・財団法人法第六十三条第一項(一般社団・財団法人法第百七十七条において準用する場合を含む。)の規定によって選任された理事又は監事とみなす。
 
これらを総合して考えますと、移行前の理事は各自代表権を有していて、仮に代表理事を定めたとしても、その他の理事の代表権はなくならない。。。つまり、各自代表の状態が強制されているというコト以外は特例有限会社と同じ、と考えられます。
 
それから、就任承諾書のハナシですけれども、理事の任期が継続している場合でも理事会設置法人に移行する以上、理論的には理事会(今回のケースでは定款)において選任された代表理事が就任すれば、従前の理事の代表権が無くなる(株式会社であれば代表取締役は退任する)という整理がされていると思います。
ま、この辺のハナシは理論的にはちょっとハッキリしない部分もあるようですけれども、従前の理事の代表権が一旦無くなり、理事会設置法人の代表理事として選定されるということのようですから、これを再任と考えるのじゃないだろうか。。。と思っています。
 
ま、でも、結局は、「再任」って、具体的にはどんなケースだと考えるか。。。ってコトなんでしょうね。
皆様、違うご意見の方が多いようなので、何だか自信が無くなってきましたけれども。。。もし、ハッキリと記載された文献等がございましたら、教えてくださいませ。
 
あ、ちなみに、たぶんコレは理事会設置法人に移行する場合ではなく、理事の互選で代表理事を選定するケースだと思いますけれども、ご参考までに、民事局のQ&Aの要旨をご紹介しておきます。
 
1.理事ABC(任期は継続)であって、ABCが移行後の代表理事を互選した場合
→代表理事の就任承諾書不要。
2.理事ABC(移行時に任期満了、全員重任)であって、ABCが移行後の代表理事を互選した場合
→代表理事の就任承諾書は必要、商業登記規則第61条2項の印鑑証明書は不要。

。。。というわけで、本日は、コメントのお返事をさせていただきました♪
で、なんと、まだ続く♪^_^;
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再任とは!? その6

2013年03月27日 | 役員

おはようございます♪

ちなみに。。。東京では、このハナシ、どのように取り扱われているかというと、もちろん「再任に該当する」という結論です。
ま、そういうコトもございまして、ワタシも深く考えてみたことはなかったのですけれども、思いがけない出来事でキチンと整理できて良かった♪と思っております。

さて、今回の法務局。。。
ようやく納得してくださいました。

でも、コレには続きがありましてね。。。

実は、ワタシもそのコトは若干気になっていたので、チョットお話ししておこうかと思います。

特例民法法人の移行の登記というのは、基本的な考え方は特例有限会社の株式会社への移行の登記と同じというコトになっています。
したがって、今回のケースに関しても、「再任に該当する」こと自体は見解を改めてくださったワケです。

けれども、特例民法法人と特例有限会社は似ているケド違うトコロもあります。
今回について言うと、特例民法法人の理事の就任登記には、就任承諾書に実印を押印し印鑑証明書を添付する必要がありません。ココは、商業登記規則が準用されていなかったからです。(ちなみに、選任決議を証する書面に添付する印鑑証明書の規定(現行の商業登記規則第61条第4項)の準用はあります。)
一方、特例有限会社の場合は、有限会社法があった当時も、取締役の就任登記の際は就任承諾書には必ず個人の実印を押印し、印鑑証明書を添付しなければなりませんでした。

これが今回のコトにどう影響するかというと。。。
特例民法法人の代表理事が再任に該当する場合、そのヒトが特例民法法人の理事に就任する際の就任承諾書には実印が押印されていなかったはずです。つまり、法人の代表理事なのに、印鑑証明書付の就任承諾書を提出したことがない。。。というコトになるワケです。

「それはおかしいっ!」ってことで、法務局の方は、「だから、今回のようなケースが再任に当たるとしても、印鑑証明書を添付させるのが相当である」と思う。。。と仰っていました。

ま、それも一理あるかもね。。。。
特例有限会社との違いに関しては、ワタシも考えました。
印鑑証明書を提出したコトがなくても代表理事に就任出来ちゃうのは、実際、チョット問題があるのではないか。。。と。

でもね。。。
もっとおかしなハナシがあるじゃないですか!?

株式会社の機関の変更のハナシです。

取締役会設置会社が取締役会を廃止した場合、それまでの取締役には全員に代表権が付与されます。
それこそ、印鑑証明書を添付することなく、代表取締役に就任(?)できちゃうんです(登記の原因は「代表権付与」です)。

以前から、これは、すごく変だなぁ~。。。と思っているので、今回のケースは、そりゃあ特例有限会社の場合とはチョット違うけど、印鑑証明書を添付させる根拠としては、弱いかな。。。という気がしました。

ま、でも、「就任承諾書に実印を押印し印鑑証明書を添付する」コトに関しては、強制はしない。。。って仰ってました。

。。。というワケで、終わるのか!?と言う感じですケド、もうちょっとだけ続けます^_^;

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再任とは!? その5

2013年03月26日 | 役員

おはようございます♪

これまでの取り扱いや解釈を変更するには、それなりの根拠が必要なんでしょうけれども、この件について、こんなに苦労するとは正直思っていませんでした。

でも、考えてみれば、「再任」の定義がないのですから、新たに創設される「代表理事」という資格だけに着目すれば、元の特例民法法人に「代表理事」の制度がない場合、再任じゃなくって新任と思ってしまうのも、何となく理解はできます。
そして、ワタシも頑固なものですから、「就任承諾書に実印を押印することができないワケじゃない」のに、ちゃんと結論を出さないと気が済まず、法務局の方にも、もしかしたらご迷惑をお掛けしたのかも知れません。

けれども、こういうコトは「白黒ハッキリさせる必要がある!」とワタシは思っています。
「本当は実印じゃなくても良いけど、一応実印を押す」のか、「絶対に実印を押さなければダメ」なのかは、きちんと理解している必要がありますし、ワタシが間違った理解をしているかどうかは、議論をしてみなければ分かりませんしね。。。^_^;

なので、「印鑑証明書を準備しなきゃいけない!」とか、「実印を押してもらうのに時間がかかる!」とか、クライアントさんに「認印で良いデスって言っちゃった手前、カッコ悪い」というようなコトとは別。

そこで、何か「再任」のコトを具体的に説明している文献はないものか。。。と、探してみました。
Q&Aとかも見てみました。

。。。けどね。。。ナカナカ見つかりません。
「再任の場合は印鑑証明書は要らない」というのは、どこにでも書いてあるケド、じゃあ、そもそも「再任に該当するケースって?」とは書いてないんです。

あぁ~。。。。。こうなったのは。。。そういうコトか。。。^_^; と、何だか妙に納得。。。

だったら、特例有限会社の移行のケースなら何か書いてあるのでは。。。と思い探しましたら。。。ありましたっ!

商業登記ハンドブック(第2版)P582
添付書類のトコロなんですけどね。。。
「代表取締役の就任承諾書にかかる印鑑証明書(ただし、特例有限会社の代表取締役(各自代表の場合を含む)が移行後の株式会社の代表取締役となるときは、代表取締役の再任に当たり、印鑑証明の添付を要しない)」(←原文をちょっとハショッテます。)

で、これを読み替えますと。。。

「代表理事の就任承諾書にかかる印鑑証明書(ただし、特例民法法人の代表理事(各自代表の場合を含む)が移行後の一般社団法人の代表理事となるときは、代表理事の再任に当たり、印鑑証明の添付を要しない)」 

つまり、特例民法法人の理事も各自代表ですのでね。。。今回のケースは「代表理事の再任にあたる」。。。という結論になると思います。

。。。というワケで、この記述について法務局に連絡いたしました。

続きはまた明日♪

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再任とは!? その4

2013年03月25日 | 役員

おはようございます♪

3月も最終週に入りました。
今年は桜の咲くのが早くって、武道館で卒業式の方々は良かったですよね~♪
。。。って、東京法務局に行くときに思っております。(通り道なのです)

しかし。。。入学式の頃にはもう散ってるんでしょうから、どっちが良いのか。。。ですケドね^_^;
前にも書いたかもしれませんが、ワタシは桜には困ったことがありません。
今も自宅から数分歩けば桜、桜、桜。。。毎日がお花見で嬉しい季節です。

。。。というワケで、先週の続きです。

法務局の方が「今までそんな取扱いはしたことないし、実印が要らないなんて聞いたことがない」と仰る以上、実務上は、こういうケースが「再任ではない」と考えられている方が多いんだろう。。。と思います。

だけど、ワタシは、どう考えてもこれは「再任」に該当する。。。と思っております。
理由ですけどね。。。

今回のハナシ。。。株式会社の場合の取締役会非設置会社から取締役会設置へ機関設計を変更するケースや、特例有限会社の株式会社(取締役会設置会社)への移行と考え方は同じハズです。

例えば、
【ケース1】株式会社 取締役会非設置→設置
取締役会非設置 取締役 ABC 代表取締役A
→取締役会設置後 取締役 ABC 代表取締役A

【ケース2】特例有限会社 株式会社への移行
有限会社 取締役 AB 代表取締役 A
→株式会社への移行後 取締役ABC 代表取締役 A

【ケース3】特例有限会社の株式会社への移行
有限会社 取締役 AB 
→株式会社への移行後 取締役ABC 代表取締役 A

いかがでしょう?

ケース1は、絶対に「再任」ですよね!?
従前の代表取締役Aが代表取締役に就任しますのでね。。。
ま、実際には重任の登記は省略出来るコトになってて、登記もしないんですけど。。。。^_^;

じゃあ、ケース2は?
これも従前の代表取締役Aが代表取締役に就任する。。。つまりケース1と同じですんで、当然「再任」ですよね!?
この点については異論はなかろうと思います。
ただし、移行の登記ですんで、ケース2とは異なり、登記は必要です。設立登記ですけどね。。。

そして、ケース3です。
これは、今回の特例民法法人の移行のケースと同じです。
従前の取締役A(代表取締役ではない)が代表取締役に就任します。
だったら、このケースが「再任」かどうかが分かれば、今回のハナシは解決。。。するハズ。

ま、ハナシはそんなに複雑ではありませんで、ケース2とケース3は、事例としてはほとんど同じです。
違うのは、「代表取締役」という登記があるかどうか、だけです。
ケース2は、取締役Bに代表権がないから、Aを代表取締役として登記し、ケース3は取締役全員に代表権があるから、「代表取締役」という登記をしていない、(そして、株式会社の場合は、取締役全員に代表権がある場合でも「代表取締役」の登記は必須)という登記法上のルールのモンダイであるはずなんです。

つまり、ケース2もケース3もAサンは代表権のある取締役なので、取締役会設置会社の代表取締役に就任するコトは、当然「再任」に該当するハズ。。。というのが、ワタシの理屈。
だって!ケース2が再任で、ケース3が再任じゃない。。。なんてコトがあるワケがありませんでしょ!?

。。。というワケで、ワタシ自身は「再任」であるコトを確信していたのですが、持論を展開したところで、法務局が「なるほど!」とか言うハズもなく(トホホ。。。)、何らかの根拠を示さないとダメみたいです。。。

さて、どうしましょ!?
続きは、また明日♪

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