司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

代表取締役の交代と届出印のこと その5

2011年03月31日 | 商業登記

3月も今日で終わりです。
今年の3月はきっと一生忘れられないと思います。

さて、この話題も何とか今日で終わりにしよう!ってことで、続きです。

【登記所に提出している印鑑とは?】
①登記申請の際に提出している印鑑であって、議事録の作成時に提出されていた印鑑ではない。
②登記申請時に改印をした場合、議事録に押印された印鑑は改印前、改印後、いずれでも良い。

↑これこれ!これなんですよぉ。いっつも良く分からない。。。(ーー;)

①はですね~、例えば議事録の作成時点で、その時の届出印を押したのだけれども、登記申請より前に印鑑を改印したようなケースみたいです。登記申請の時点で別の印鑑が届けられていると、議事録に押された印鑑とは異なっているから、届出印にはならないってことですね♪

一方、登記申請と同時に改印された場合には、前でも後でもどっちでも良い。。。(~_~;)

この違いは何なのか。。。というと、(私見ですので、アシカラズ^^;)印鑑の照合の可否ってことだろうと思います。
①は以前の届出印がいつの時点で届出印でなくなったのかが分からない、或いは、登記申請時点では届出がないから印影の照合ができないと思いますが、②は改印前でも後でも、どっちでも照合可能です。ただし、厳密に考えますとね。。。印鑑の届出というモノは、理論的には登記申請に先立って行われるので、何かヘンな気もするわけですが、実質的には登記申請書と一緒に提出するものですから、そこは「同時と考えて良いですよ♪」 ってことにしてくださっているのでしょう。

さて、皆さん覚えていないかも知れませんが、今回のケースに戻ります。

法務局に相談したのは、こういうこと。

******
・3月25日に取締役会を開催し(ACDE)、3月31日付でCさんを代表取締役に選定しました。
・3月31日で代表取締役Aさんは辞任しました。
・Cさんが3月31日に代表取締役に就任した後、4月1日の取締役会(CDEFG)でFさんを代表取締役に選定しました。
・4月1日以降、CさんとFさんの代表取締役の就任登記を一括申請いたします。
・登記申請と同時に、Cさんは従前のAさんの届出印、Fさんは従前のBさんの届出印を届け出ます。
・Cさんの代表取締役選定の議事録には、Aさんが従前の届出印を押印します。
・Fさんの代表取締役選定の議事録には、Cさんが今回の登記申請の際に届け出る印鑑を押印します。
(2つの取締役会議事録に押される印鑑は同一のモノです)

↑この場合、CさんFさんを代表取締役に選定する議事録にはいずれも他の出席取締役および監査役の個人の実印を押印する必要はないでしょうか?

結果⇒貴見のとおり 。。。ただし、法務局により見解が異なることもあるので、留意されたい。。。
*******

最も問題になるのは、Fさんの代表取締役選定の議事録ですね。
この時の登記官の見解(ナイショにできなくてすみません^^;)。Cは4月1日の取締役会の時点で既に代表取締役に就任済みなので、3月31日に代表取締役就任の登記を行い、その際、印鑑届出を行っておくこともできるわけです。そして、後日、Fの就任登記を申請すれば、それってフツ~に問題ない登記申請になります。 それが、たまたま一括申請をすることになっただけなので、結論は同じになるということでした。(4月1日の取締役会の時点でCが代表取締役に就任済みであるかどうかがポイント。もちろん、4月1日に2人同時に代表取締役に選定したとしたら、これはダメです。)

すごく納得したので、なんでナイショなのか不思議なのですが、確かにダイレクトに先例と同じとは言えませんよね。
だって、これから印鑑登録をするのと、印鑑を切り替えるのとが同じっていうのは、違和感がありますよ~。。。届出しているヒトが違うのですからねぇ。
ですから、この結論が一人歩きするのは避けたかったということだろうと思います。

。。。というわけで、この登記は問題なく受理されたのですが、もし、同じようなケースがあったら管轄の法務局と相談してくださいね♪

ワタシ自身は、前よりチョットだけ、この問題が理解できたような気がしました。

同業者の皆様も、いつも印鑑のことでは「ムムム。。。(-"-)」って感じなんじゃないかな~と思うのですが、どうですか?
簡単なことを難しく考えてるだけかしら。。。

ま、明日から新年度!
気持ちを新たに頑張って行きましょう♪

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代表取締役の交代と届出印のこと その4

2011年03月30日 | 商業登記

前置きがヒジョ~に長くなりましたが、ここからが本題でありますっ! ^^;

ワタクシ、個人的には「議事録に届出印が押されていれば」 の「届出印」 というヤツがどうも嫌いです。
ナンデかというと、よく分からないから (←断言!)

そのくせ、もしダメだった場合は、「役員の個人の実印を押せ!全員だぞ!」 となるのですから、何とも恐ろしいのデス。
クライアントさんはきっと怒るでしょうねぇ。。。信用なくなるでしょうねぇ。。。(ワタクシの)株価は大暴落。。。多分、次のオシゴトは来なくなるでしょうねぇ。。。 (コワイコワイ)

たまぁに。。。代表取締役が何回か交代した。。。とか、商号変更があるんだけど、とか、別の会社と印鑑を取り替えたいんだけど、とか、。。。これが代表取締役の選定と絡みますと、どの印鑑を押せば良いのかワケ分かんないのであります^^;

これに関して、商業登記規則はどうなっているかといいますと↓

商業登記規則第61条第4項 代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑

 

ということです。

問題は、ただし書きですよね~。

これについては、いくつか先例もありまして、要約しますと、
【変更前の代表取締役とは】
①前任者に限らず、従前から代表取締役であった者も含まれる
②代表取締役のみを辞任した取締役も含まれる
③(代表)取締役を辞任して監査役に就任した者も含まれる

具体的にいうと、①ABが印鑑届出をしていて、Aの辞任後にBが届出印を押した場合 ②Aが代表取締役のみを辞任後、平取締役として取締役会に出席して届出印を押印した場合 ③Aが取締役を辞任して監査役に就任した後、監査役として取締役会に出席し、届出印を押印した場合 ってことです。

③に関しては、商法時代は取締役会への出席権限がある監査役に限る、と解されておりましたが、現在は出席権限がない監査役でも取締役会に出席すれば議事録への記名押印義務があるため、ここのところは少し結論が異なっているようです。

実務上、②とか③の場合、会社では難色を示す場合も少なくありません。
だって、平取締役や監査役が代表印を押すって、「それは変だよ!」と思いますよね~!?
でも、これが手続上の要請なので、よ~く説明して押印していただいています。

さて、次は「登記所に提出している印鑑」とは何ぞや? ってことですが、また明日=3

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代表取締役の交代と届出印のこと その3

2011年03月29日 | 商業登記

おはようございます!
早速昨日の続きデ~ス♪ 

Cさんを4月1日付で代表取締役に選定することに何の問題があるのか。。。と言いますと。。。
つまりね。。。Cさんを4月1日付で選定する、という期限付決議をする場合と、4月1日に取締役会を開いて代表取締役に選定する場合とでは、取締役会のメンバーが異なるわけです。 しかも、取締役の改選期に関しては、こういうのって予選が許されないですから、考え方としては同じはずですよね。

でも、実務上は、こういう場合は若干緩めに解釈されているようでして、例えば今回のケースでFさんの代表取締役選定がなかったとするならば、この辺の法務局では問題なく登記されています。
(3月中に(従前の取締役の中から)代表取締役を予選して、3月中に取締役を予選して、いずれも4月1日に就任すること。)

結局、この基準というのは明確ではありませんが、一般的に代表取締役を予選することは許容されていて、予選決議があればそれは有効なのですよね。
そして、偶然、取締役も選任されてしまったけど、代表取締役の予選の時点で取締役の就任が判明していたかどうかは定かでないから、いずれも有効と解釈してあげよう! (←善解理論)というようなことなのかな?? って気がしています。

一方、取締役が予選された後(株主総会決議後)、就任前に、従前のメンバーで取締役会を開いて代表取締役を予選するのはどうかな。。。と思いますが、こういうケースもありました。

定時総会で取締役が改選されたのですが、そのうちの一人の就任承諾が後日になってしまったのです。
これは、他社の役員との兼任の関係があって、そちらを退任してからこっちに就任するという順番だったそうです。
そうなると、総会直後の取締役会にはその方は出席できないわけですが(まだ取締役じゃないからね^^;)、それはそれでOKでした。

個人的にはですね~、新代表取締役が就任する日以降に取締役の交代があることは事前に分かっていることがほとんどで、代表取締役の予選をしたいがために(新任取締役を取締役会に加えると、取締役会の開催日程が限られてしまって、調整が難しいから、という理由デス)、新任取締役を取締役会に出席しなくて良いようにするのですから、あまり褒められたことでないな。。。と思っています。

しかも、代表取締役の予選をする取締役会で、臨時株主総会の招集決定も同時にすることが多いのですから、新任者の就任日(と同日かそれ以降)に代表取締役が予選されることが明々白々な状況なのです。
オハナシの筋として、「代表取締役を予選しちゃったんだけど、後日、偶然に取締役を増員することになってしまった。。。」 というのなら、仕方がないのかな。。。と思いますが、こういうのは滅多にない。

ですが、会社には会社の優先したい事情もあるし、別にこれで新任取締役が文句を言うようなコトもないので、不本意ながら、こういう決議をすることもあります。

さて、ハナシを戻しますね。
昨日の会社サンの場合は、Cさんを代表取締役に予選すると同じような問題が出てきてしまいます。
でも、予選しておいた方が都合が良さそう。。。と思いましてね、4月1日でなく、3月31日付で予選してもらうことにしました。

だけどね~。。。そもそもFさんの問題が解決しないとダメなのよ。。。ってことで、4月1日の取締役会議事録の方も役員さんの実印を押さなくて良い方法を考えまして、それを相談したのがずーっと前の記事のハナシなワケです。

長かったですねぇ~^^;

。。。というわけで、もうチョット続きますけど。。。また明日♪

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代表取締役の交代と届出印のこと その2

2011年03月28日 | 商業登記

おはようございます!
3月も今日を含めてあと4日を残すのみ。。。(やばっ。。。(゜▽゜;)(;゜▽゜)
やっぱ、年度末モードですね♪
何とか乗り切れるよう、頑張りますっ=3

というわけで、昨日の続きです。
年度末(3月)とか、年末(12月)というのは、人事異動の時期のようですよね~。
ワタクシ、こういう業界におりますので自分のこととしては捉えられないのですけれども(人事異動ってないからね^^;)、クライアントの皆様が、こぞって役員変更だの、臨時総会だの。。。とおっしゃるものですから、さすがに分かってきました。

昨日の会社さんの場合も、そういう時期に移動をすることになったわけですが、私が気になったのは印鑑証明書のことです。

これも会社の常識、という部類に入るのではないかと思いますケド、役員さんがこういう時期に交替する場合、つまり、臨時総会を開催するってコトですが、ほとんどの場合、切りの良い年度末の日などで辞任、年度初めの日に新任者が就任、というようにしたいとおっしゃる。

定時総会の日に交代する場合には、定時総会の終結をもって辞任し、その直後に開催される取締役会は新メンバーで! というのがどうやら一般的なのですね。

ただし、お辞めになる方が代表取締役で印鑑届出をされていらっしゃいますと、その方は取締役会に出席できませんから、新代表取締役を選定した議事録には、出席取締役及び出席監査役全員の個人の実印を押印し、印鑑証明書を添付する、という扱いになるわけです。(←しつこい?^^;)

「それはそれで仕方ない。。。」という潔い会社サンもあれば、「いやいや、それは大変だから、印鑑証明書が要らないようにできるなら、そっちが良いデス!」という会社サンもあります。
そして、今回は後者だったわけです。

昨日のケースですと、一般的には、①3月31日までに株主総会を開催し、FGさんを4月1日付で選任する、②4月1日に(Fが取締役に就任してから)取締役会を開催してCFさんを代表取締役に選定する、となるのです。

でも、それだと②の取締役会にはABさんは出席できませんから、実印+印鑑証明書のモンダイが出てしまいます。

そこで、決議の日と辞任・就任日の関係を整理してみました。

①3月20日 B辞任
②3月31日 A辞任
③4月1日 FG取締役就任
④4月1日 CF代表取締役就任

③の取締役の選任のためには、4月1日までに株主総会を開催する必要がありますよね。
そして、④の代表取締役選定に関しては、Cさんは既に取締役なので、4月1日より前に取締役会を開いて期限付(予選)で代表取締役に選定しておくこともできます。Fさんは4月1日に取締役に就任しますから、予選はできず、4月1日に取締役会で選定する必要があります。

Cさんを代表取締役に予選する取締役会では、Aさんは当然出席権限がありますから、代表印(届出印)を議事録に押印することができ、他の役員さんの実印の押印は要らなくなりますよね♪
これで1つ解決か。。。と思いましたが、Cさんを予選することに関しては、若干の問題が残されています。

それは~。。。また明日!!

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代表取締役の交代と届出印のこと その1

2011年03月25日 | 商業登記

ずいぶん前の記事で、「このエピソードはまた日を改めてご紹介しますね♪♪」 みたいなことを言っていたのですが、すっかり忘れていたことに気付き、「あらあら大変!」ってことで、本日の話題になりました。
その記事はコチラ↓

http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/efed115195b8ad9c3980ca30774cd8e7

「登記官独立の原則」というモノがございますし、法務局もそういうことをおっしゃっているワケですから、一応、そのつもりでお読みくださいね(^^;)

相談したのは、こういうケースでした。

甲社の取締役は、 ABCDE5名、代表取締役 AB2名 で、取締役会設置デス。
色々と悲しいご事情がありまして、ABさんは取締役を辞任することになりました。
後任取締役はFGさんで、後任代表取締役はCFさんです。Cさんは代表取締役副社長、Fさんは代表取締役社長です。

順番は次のとおりです。(日付は適当に決めています。)

①3月20日 B辞任
②3月31日 A辞任
③4月1日 FG取締役就任
④4月1日 CF代表取締役就任

代表取締役ABさんはいずれも会社の印鑑を届出ておりました。

ある日、Aさんが突然来所され、「実は社長を辞めることになりました。」 と、衝撃的な発言!
Aさんとは、社長に就任される前からの長いお付き合いでしたので、ホント~にぴっくりしました。
こういう場合、辞任の理由を伺うことは滅多にないのですが、懇意にしていただいていたからか、「実はね~。。。カクカクシカジカ。。。ふぅ~。。。」と事情を語られ、私もなんと言って良いのか分かりませんでした。

つまり、偶発的な事故があり、経営陣が責任を取る形になったのだ、ということなのです。
誰が悪かったのか良く分かりませんが、厳しいな。。。と思いました。

そして、Aさんは最後のひと仕事ということで、「キチンと役員の交代をしないとね。。。」と、寂しげに語られました。(エ~ン 
泣いていても仕方がないので、役員交代の日程案を伺ってみると、上記①~④のようになるとのことでした。

ここで、1つのモンダイは、選任・選定決議をいつ行うのか、ということで、2つ目のモンダイは、取締役会議事録に出席取締役全員の印鑑証明書を添付しなければならないか、ってことですね♪

社長サンが交代する場合のオハナシは過去の記事も読んでみてくださいね~ 
コレ↓

http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/e7c717d80eff9a8315056b45838ab773 

。。。というわけで~また来週♪

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