司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

新株予約権の承継 その1

2013年07月31日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

7月最後の日ですが、読み切りにはならないような。。。スミマセン。。。m(__)m

え~。。。今日も新株予約権のハナシでございます。

こちらは、株式移転の案件。
株式移転完全子会社が新株予約権を発行している。。。。というケースです。

実は、ワタシ。。。組織再編の案件は結構多くやらせていただいているような気がするのですが(←他の事務所を知らないんで勝手な想像^_^;)、当事会社が新株予約権を発行している。。。というのは初めてのコトです。
「おもしろそ~ ワクワク♪」 と喜んでいたんですけどね。。。報酬が折り合わなくって、部分的な相談だけ。。。ってコトになってしまいました。

残念です(;O;)。。。が、受託する前提で色々考えましたんで、ご紹介しよう。。。と思っております。

さて、この会社サン。
株式上場を予定されているのだそうで、このたび、株式移転によってホールディングカンパニーを設立する運びとなった模様。
まぁね~。。。新株予約権を発行してるんだから、そういうコトなんでしょう。。。

会社が株式上場の準備に入りますと、証券会社サンやら、信託銀行サンやら、監査法人サンやら。。。色んな方がお手伝いをされるんです。
「新株予約権の発行」というのも、上場準備の一環ですんでね。。。ワタシ共が受託する非上場会社の新株予約権の発行案件も、大体そんな感じです。

そして、新株予約権の発行案件は、多くの場合スポット的に受託するワケですが。。。。コレ、組織再編と同じように、「嫌がる司法書士サンが多い」というコトもあるでしょうし、「通常の登記は自社でやっているケド、さすがにコレは。。。」というようなコトもあるでしょうし、お手伝いをされている皆様が「間違いがあっては困るんで、慣れている司法書士に依頼してよねっ!」と仰る場合もあるみたいです。

組織再編より、ある意味面倒だし、慣れも必要。それに、再編案件よりも数はだいぶ少ないと思いますからね。。。
とにかく、新株予約権の登記っていうのは「発行の登記はできたケド、行使しようとしたら。。。あっ!!」ってコトがあるワケで、これが、新株予約権のこわぁ~いトコロなんです。
以前から何度か書いているような気がしますが、非上場会社サンが発行する新株予約権っていうのは、十中八九ストックオプション目的なんですね。なので、税務のモンダイもあります。さらに、行使する時点では、通常、その会社サンは株式上場しているハズなのですが、発行時にはそこまで考えてなかったよぉ~!。。。ナンテコトもありまして。。。「発行の登記が出来たから終わり」じゃなく、「その新株予約権の行使ができる」ところまでが、新株予約権発行のオシゴトなんです。

しかも、発行の登記後、行使期間が始まるまでには何年かありますからね。。。
忘れた頃にモンダイ発覚。。。という事態になりかねないモノなんです。
そして、その時点では既に上場会社になってしまっていますから、「チョット直そう♪」なんてコトもできません (~_~;)

実際、ワタシ共のクライアントさんでも、同じようなハナシがありましたんでね。。。ホント、ビビりました ^_^;

。。。というワケで、前置きだけになっちゃって。。。スミマセン m(__)m
続きはまた明日~♪

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解散・清算と新株予約権 その2

2013年07月30日 | 商業登記

おはようございます♪

新株予約権を発行している会社って、あまりたくさんないのだろうな。。。と思っておりましたけれども、実のトコロどうなんでしょうね?
上場会社の場合は珍しくないケド、ここ数年で、単なるストックオプション目的じゃない使い方もされているようですよね。

ただ、景気が良くなってきますと、株式上場を計画される会社サンが増えるでしょうから、そうなると、非上場会社でも、新株予約権の新規発行案件がボチボチ出てくるかなぁ~。。。と思います。
新株予約権って、発行する会社は複数回発行することが多いんですケド、初回は結構緊張しますからね~。。。^_^;

。。。というワケで、昨日の続きデス。

既に行使期間が満了している新株予約権。。。
満了の事実は、登記上明らか。。。つまり、その新株予約権は消滅しているコトが明らか。。。なので、敢えて抹消登記をしなくても清算結了登記は受理される。。。という可能性もありそうな気がします。

ただ、ワタシは、「新株予約権の行使期間が満了してるのはハッキリわかるケド、行使期間満了前に新株予約権を行使してる可能性もあるんじゃない。。。?」という気もしました。
だとすれば、行使していないコトをハッキリさせる意味で新株予約権の抹消登記は必要。。。とも考えられませんかねぇ~。。。?

モチロン、実質的に新株予約権が行使されていないコトは確認しなければなりませんケドも、それを登記申請時に明らかにする必要があるかどうか、ってコトなのでしょう。

仮に新株予約権が行使されていたとすれば、発行済株式が増えてしまい、残余財産の分配額(1株当たり)も変わってしまいますから。。。
ま、でもね。。。だったら、決算報告書上の発行済株式総数と登記上のソレが齟齬するから分かるだろうし、さすがにそういう状況だったとしたら、変更登記をするだろう。。。とも思います。

で、仮に新株予約権の抹消登記が必要。。。という結論になった場合、その前提として「6か月内の登記」をするかどうか。。。ですが、中間省略登記が認められないという原則的な考え方から言えば、「6か月内の登記」は必要なのでしょうし、抹消登記をするんだから、もはや「6か月内の登記」をするコトに登記の利益はない。。。という考え方も成り立つと思います。

さらに、「新株予約権の行使による変更登記」をしたうえで抹消する場合に限り、「6か月内の登記」が必要。。。というコトもあり得ます。

。。。というように、理論的にはいくつかの選択肢があると思うけど。。。実際、こういうレアケースは書籍には載ってませんのでね。。。管轄の法務局に相談してみるしかないんです。。。^_^;

結果!
清算結了の前提として、新株予約権の期間満了による抹消登記は要しない。。。というコトです。
ただし、行使があった場合の変更登記は当然必要で、その場合は6か月内の登記も要るらしい。

でもね~。。。これは、あくまでも東京のハナシですんで、別の管轄だったら、結論は異なるんじゃないだろうか。。。という気がしています。

「清算結了と株式譲渡承認機関の変更」のような理屈なんでしょうか???
「要らないですよ」というのは、クライアントさんにとっては有難いコトなんでしょうけど。。。これはどうなのかな~???

皆さんはどうお考えでしょうか?

コメント (3)
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解散・清算と新株予約権 その1

2013年07月29日 | 商業登記

おはようございます♪

7月も最終週でありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

あ、そうそう。。。
今年の事務所の夏休みは、8月14日(水)~16日(金)になります。
ワタクシ、個人的にはまだ決めておりませんが、有休休暇がイッパイ残っておりますんで、オシゴトの具合を見つつ、別途お休みをいただこうかな。。。と思っています。
クライアントの皆様には、毎年ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

さて、今日は新株予約権のハナシ。。。でございます。

ここのトコロ、新株予約権を発行している会社サンがいくつかございまして。。。いずれも新規の会社サンなので、発行に際してワタクシは関与してませんケド、「非上場の会社サンでも新株予約権を発行している会社って結構あるのかも!?」と思っております。

。。。というワケで、始まり~♪

だいぶ前のことです。

新株予約権を発行している会社が解散するコトになりました。
これは、ワタシの担当案件ではなかったのですが、(たぶん)新株予約権だったので、担当者がワタシのところに相談に来たのでしょう。

その新株予約権は、おそらく、当時、株式上場を目指して発行したものだったのだと思います。
結局、残念ながら会社は解散することになってしまい、新株予約権が行使されることはありませんでした。

。。。うろ覚えですけれども、確か、その新株予約権は行使期間中だったような。。。
そのため、新株予約権者の方々には、その新株予約権を放棄していただき、新株予約権を抹消したと記憶しています。

ワタシとしては、新株予約権が発行されている場合、その登記を残置したまま清算結了登記はできないだろう、と考えており、当然の結論だろうな。。。と思っておりました。
だって、新株予約権の登記を抹消しなければ、その権利が消滅したかどうか確認できない。。。したがって、解散時はともかく、清算結了の登記の際は新株予約権の抹消登記は必須でしょ~。。。というコト。

ま、その時はそれで良かったのですケドね。。。

今回、またまた、新株予約権を発行している会社が解散するというケースがございました。
ただ、実のトコロ、解散案件のご依頼ではないのですがね。。。^_^;
成り行きで、確認することになった。。。というワケ。

しかし、今回は以前のケースとはちょっと違う。。。。

まず、新株予約権と言っても、会社法施行前に発行された新株予約権でして、いわゆる「6か月内の登記(※)」もされていない状況です。
そして、新株予約権は複数回にわたり発行されているんですが、現在、すべての新株予約権の行使期間は満了しているんです。。。(@_@;)

さて、こういうのって、どうすれば良いと思いますか?
法務局によって取扱いが異なる気がしますが。。。。

続きはまた明日♪

※)消却事由の定めがある会社法施行前に発行された新株予約権は、「取得条項付新株予約権」とみなすこととされています(経過措置政令第13条第1項)。そして、取得条項付新株予約権とみなされた新株予約権については、会社法施行日から6か月以内(会社法施行日後最初に変更登記を申請するのがそれよりも前である場合はその時まで)に取得事由等の変更登記をしなければならないとされています(H18.3.31民商782号 通達)。

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監査報告の備置義務 その2

2013年07月26日 | いろいろ

おはようございます♪

先週、2日間のお休みをいただきましたが、実は、富士山に行っておりました。
行っただけじゃなく、登ったんですケドね。。。^_^;

「世界文化遺産」に登録されたのは想定外でございましたが。。。^_^;
(どんだけ混むのかなぁ~。。。どん臭いワタシは周りのヒトに迷惑か!?とか、マイカー規制だいじょぶ!?トイレ並ぶの!?とか。。。登ることだけじゃなく、イロイロな困難が予想され、ハラハラドキドキだった。。。という意味です。)

ずいぶん前から、登頂した方々にオハナシを伺ってみたり、グッズをそろえたり、山登りの練習をしたり。。。と準備をしていましてね~。。。やっと実現しました。

結果。。。
お蔭様で何とか頂上にたどり着き、何とか下山できました。
当日は、夜中に自宅を出て朝5時半頃に5合目に到着。頂上に着いたのは、お昼12時半頃。5合目に戻ったのが夕方5時半頃。
恐れていた高山病のモンダイはなくって、平日の中途半端な時間だったからか(結構山小屋1泊のヒトが多いみたいですね。)、登山者は少なく、登山中の渋滞もなく。。。

高いトコロは酸素が薄いせいか、すぐに息切れ。。。ヘトヘト。。。5分歩いて5分休憩~^_^;。。。(←酸素のせいじゃなく、単に自分が疲れてただけかも知れません)、頂上はちょ~寒くって。。。ちょっと普通では味わえない感覚。(ちなみに、ヘトヘトすぎて、お鉢めぐりはパス!)
で、翌日は休養日だったわけですが、疲れ。。。というより、筋肉痛。。。 ^_^;

そうそう、登山者は少なかったと言いましたが、団体さんがいましてね。。。
それ、防衛大学校の皆様。200人くらいはいたのでは。。。と思います。
最初は、「あんなに大勢のワカモノと一緒なんて、ヤダなぁ。。。」という気がしたんですけどね~。。。
何だかとっても礼儀正しくて、かえって元気をいただきました。登るときも常に他の登山者に気を遣ってくださって、挨拶もキチンとできるキモチの良いみなさんでした。

。。。というワケで、決して楽ではありませんでしたが、良い経験をさせていただきました。
雲の上から見る景色は、とても素敵でしたよ~♪

。。。では、前置きが長くなりましたが昨日の続きです。

たまに備置書類に関するお問い合わせをいただくのですが。。。
実は、ちゃんと覚えていないんで、その都度確認をする。。。という状況。

そんな感じですんで、「監査役個人の監査報告は備置しなくって良いんですか?」と聞かれても、ハッキリしたコトは分かりません。
ただ、直感としては、取締役会で承認を受け、株主総会に提出する監査報告は「監査役会の監査報告」のみなので、備置書類としても同様なのではないか。。。と思ったんです。

ま、でも、確認は必要ですのでね。。。
その辺の本を調べてみました。

すると。。。。あ!。。。。株主総会ハンドブック(商事法務)P491、524では、「各監査役の監査報告も備置の対象になるとの見解もある。。。」との記述がございました。

せっかく作成したんだから、備置すれば良いような気がしますけれども、どうもうまく理解できないんです。(←会社の方が不思議がっていて、ワタシが説明できないだけ)

まず、監査役会設置会社の各監査役が監査報告を作成しなければならない。。。というのは、会社法になってからのルールですよね。
会社法施行前は、各監査役の監査報告の作成義務はなく、監査役会の監査報告のみ作成が義務付けられておりました。

じゃあ、監査役会の監査報告と各監査役の監査報告はどう違うのか。。。
個人的には、書面決議の場合の議事録と同意書のような関係かな?。。。って気がしています。

つまり、監査役会の監査報告は各監査役の監査報告の「まとめ」。
監査役会の監査報告は、監査役がその内容を審議しなければならないようなんで、単純に書面決議の議事録と同じではありませんがね。。。

「各監査役の監査報告が備置対象だ」というのは、監査役会の監査報告はあくまでも「まとめ」なのであって、「まとめの元」も開示した方が良いだろう。。。って考え方なんでしょうかね~?

ただし、そう考えた場合、各監査役の監査報告ってモノは、取締役会や株主総会に提出義務がないのに、突然、備置されるのか?って思いませんか?

。。。。う~ん。。。。

同じようなコトですが。。。監査役会議事録だって、作成が義務付けられ、保存義務もあるけど、そもそも誰が保存するモノなのか?「代表取締役とかに渡すもんなんだろうか?」というようなコトだって、実はちょっとギモンではあるんです。
監査役会議事録は基本的には公開しないモノだけど。。。^_^;

結局、理論的には良く分かりませんでしたが、各監査役の監査報告は取締役会や株主総会への提出は要らないけれども、任意に特定取締役等に提出されて、他の書類と一緒に備置される。。。のだろうな。。。というコトにしちゃいました(~_~;)
備置しない。。。という会社もあるのでしょうケド、今回の会社サンは「備置します」と仰ってました。

監査役のコト。。。イマイチ謎。。。 (-"-)

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監査報告の備置義務 その1

2013年07月25日 | いろいろ

おはようございます♪

本日は、「監査報告つながり」です^_^;

昨日までとは別の会社サンなのですが、こちらは、監査役会設置会社でございます。

今や、監査役会設置会社は結構少なくなりましたけれども。。。
やっぱり、「コンプライアンス」ってヤツでしょうか?非上場の監査役会設置会社もあるんです。

前にも記事にしましたが、監査役会を設置していると、「監査役会」という会議体が必要になりますし、「社外監査役半数以上」という要件もございます。監査役会って、書面決議ができないし、常勤監査役も必須。。。なんかいいコトあるんだろうか?と思うのは、ワタシだけでしょうか?

必須じゃないのに、わざわざ厳しい要件を課す。。。というのは、結構立派なコトだよなぁ~。。。偉いっ!
ただ。。。今回の会社サンは、監査役会を設置しなければいけない事情があったようです。
あと、株式上場を目論んでいる会社サンの場合も、まだ設置義務はないケド、あらかじめ設置しておいたりするみたい。。。

ところで、次回の会社法改正では、「社外監査役の要件が変わる」ようですが、監査役会設置会社サンは大丈夫でしょうかね?
。。。というのも、ウチのクライアントさんの場合、監査役って親会社のヒトが多くってですね。。。そういうヒトは現在の要件だと「社外監査役」に該当していますが、今度の改正では、親会社のヒトは「社外監査役には該当しない」ってコトになるようでして。。。。
今でさえ、監査役を探してくるのはナカナカ難しいようなのに、監査役会設置会社サンは社外監査役の「なり手」を探せるのだろうか。。。なんて、ちょっと心配しています。

機会があるとお伺いしているのですけれども、改正のハナシをご存じない方もいらっしゃるようですし、知っていてもまだ危機感はお持ちではないような気がしています。
ま、いざとなれば、監査役会は廃止できる会社が多いんで、会社法の改正に合わせて定款変更することになるのかも知れません。

さて、それはそうと、今回のハナシ。

先日、計算書類等の備置期間の記事を書きましたけれども、今度は備置書類の内容についてなんです。

監査役会設置会社の監査報告というのは、「監査役個人の監査報告」と「監査役会の監査報告」がございます。
「監査役会の監査報告」というのは、つまり、「監査役個人の監査報告のまとめ」みたいなモンだろうと思うのですが、監査役会設置会社が株主総会に提供する監査報告は、「監査役会の監査報告」のみとなっています。

だったら、「監査役個人の監査報告」って、作成は義務付けられているモノの、その後どうするのでしょう?
う~ん。。。良く分からない。。。のです。
特定取締役に報告する必要もないようだしね。。。監査役会が保管しておくのでしょうか?

そんなコト、今まで考えてもみなかったのですが、今回ご質問がございましてね。。。
。。。謎なのです。。。(~_~;)

続きはまた明日♪ 

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