司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

取締役等の責任免除と社外取締役等の責任限定契約の登記の更正 その3

2015年03月30日 | 商業登記

おはようございます♪

さて、先日のモンダイ、どのなると思います?

まず、(1)の全部まとめて変更登記をする、という方法ですが、これですと、株主総会で定款の修正決議をした日が変更日になりますよね。とすれば、遺漏した事項がその日に新設されたという意味になってしまいますから、適当ではないと思います。

それから、(3)の遺漏による更正登記+誤植部分の定款修正決議に基づく変更登記。
コレねぇ~。。。一見悪くなさそうな気がするのですケド、遺漏の登記をする際に、元の誤った内容を登記したうえで、変更登記。。。というコトになります。。。つまり、更正登記をしているハズなのに、積極的に間違っていると分かっている登記を申請するのです。

そりゃ~おかしいでしょ~っ!!!!<(`^´)>。。。ってコトで、ワタシの中では却下。

そうなると、残るのは、(2)定款修正決議に基づいて全部まとめて正しい登記に更正する方法。
ちょっとギモンに思うのは、間違えていた事実を訂正あるいは修正する決議をした場合、その効力は過去に遡るのか?。。。という点。

修正する内容にもよるのではないかと思うのですケド、少なくとも、明らかな誤植については、定款規定を新設した際の議事録を訂正する代わりに、間違っている事項の訂正をする決議をし、それに基づいて更正登記をしても良いのではないかと思うのです。

それから、定款規定というのは、必ずしも文言通りに登記しなくても良い(事項もある)のですから、意味内容について疑いがないなら、議事録を直さなくても(修正決議もなくても)、上申書等によって更正登記をしても良いのではないかとすら思います。

しかし、やっぱり、複雑ですのでね。。。
Tさん、法務局へ相談に行きました。。。が、惨敗。。。^_^;

回答としては、(3)の更正+変更登記か、(1)一括で変更登記かのいずれか。。。だという。。。。
ぇぇぇぇぇええええ~っ!!!!!あり得ないっ!!
まぁね~。。。こういうハナシは、もともと結論が出ていないわけだから、御上の言いなりになるしかないのかも知れないケド、積極的に間違った登記をしろだとか、中間省略みたいな変更登記をしろだとか。。。ワタシには理解不能。。。


もちろん、一発で更正登記をするっていう選択肢だって、絶対正しいかどうかは分かりませんケドね。。。
一番まっとうだと思うのです。。。

その後、結局、(3)で登記することになりまして、先日やむなく間違った内容の遺漏更正の登記をした。。。というワケです。
個人的には、ぶぅぅぅぅぅ~。。。。。。でございました(-"-)

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取締役等の責任免除と社外取締役等の責任限定契約の登記の更正 その2

2015年03月26日 | 商業登記

おはようございます♪

早速先日の続きです。

新たなモンダイとは何ぞや?
え~。。。そもそも、その定款規定が間違っていた。。。のであります(>_<)

ちょっとした誤植(←これは、一見して誤植と分かるモノです。例えば、「同項」と言いたいのに「同条」と書いちゃった。。。と言う感じ)がありましてね。。。それから、遺漏した規定と登記された規定の文言が全然違う。。。といったコトもございました。

で、現在登記されている文言も、定款と同じ文言ですので、当然のことですが、間違ってマス ^_^;
ですので、既登記の内容を是正し、遺漏した事項を追加し、遺漏した事項の誤りは正しく登記する必要があるわけです。

だけど。。。。どうしよ~。。。???(@_@;)

通常の場合、議事録を訂正し上申書を付けて、まとめて錯誤と遺漏の更正登記をするってコトがほとんどだろう。。。と思うのですよね~。。。
しかし、この会社サンの場合、間違った定款変更案を招集通知にも記載してしまっていますので、議事録の誤植ってワケにはいかない。。。なので、議事録は訂正できません、と仰る。

そうだよね~。。。確かに、そういう風に決議しちゃったんだから、議事録の記載は間違ってません。。。すなわち、訂正するのは誤り。。。ってコトになるんでしょう。

そこで、仕方がありませんから、株主総会で「定款変更決議の修正決議」をしよう♪。。。ということに。。。

ちなみに、ど~してこんなコトになったのか。。。ですケド、定款変更案は会社が作成し、登記申請も会社の担当者の方が行った。。。というコトらしい。
ま、確かに、専門家のオシゴトって感じじゃないですからね。。。ある程度は仕方がないのかも知れません。
会社だって、そういう状況(←ミスっちゃマズイ状況)なのに、どうして自分たちだけでやっちゃうかなぁ~。。。とも思います。
ケドさ。。。法務局は、それで良いのかな???って気がしました。
最近、登記の完了はもの凄く早くなりまして、ワタシ達は大変助かっています。
でも、たぶん、東京は本人申請が多いのも事実なんでしょう。。。それは、申請書を見れば分かるハズなんだから、ちょっと気を付けてあげるコトはできないのでしょうかね???

実は、法務局の対応には、ちょっとギモンを感じるトコロがありまして、なんだか今、文句を言いたいキモチでイッパイ!!!
ですが、長くなりそうなので、また今度。

。。。。ってコトで、ハナシをもとに戻しまして。。。^_^;
会社サンが株主総会で定款変更決議の修正決議をするってトコまでは良いと思うのです。

でもね~。。。。そうだとすると、コレは、(1)定款修正決議に基づく変更登記なのか??それとも、(2)修正決議なのだから全体として更正登記なのか??はたまた、(3)「(遺漏部分を追加する)更正登記+(誤植等の定款修正決議に基づく)変更登記」なのか????

あぁ~!!!分からんっ!!
何か、とんでもなく複雑になってまいりました。

皆様はどのようにお考えでしょうか?

次回へ続く~♪

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取締役等の責任免除と社外取締役等の責任限定契約の登記の更正 その1

2015年03月20日 | 商業登記

おはようございます♪

本日は、事務所のTさんが担当している会社サンのオハナシ。。。でございます。
その会社サンは、上場会社ではございませんが、株主サンが数十名の大会社でございます。

先日、なんだったか忘れましたが ^_^; 新規の会社サンから登記のご依頼があったそうで、その書類のチェックを頼まれましてね。。。
まずは、登記事項証明書と定款内容を確認したのです。

。。。???。。。な~んか違和感があるのよね~。。。。あっ!!♪

ま、皆様ご存じのとおり、新規の会社サンの場合は登記内容と定款規定を照合するワケです。
これをしませんと、役員の任期が満了しているのに辞任の登記をしちゃったり。。。と間違いに間違いを重ねるような結果になることもございますんでね。。。もちろん、Tさんも確認したんでしょうケド、疑り深いワタシ。。。「どこか間違ってるんじゃなかろうか?」というキモチでじぃぃ~っと見てみました(#^.^#)

。。。すると、間違い発見っ!!

この会社サン、取締役と監査役と会計監査人について、それぞれ取締役会における責任免除と社外取締役等の責任限定契約の定款の定めがあるのですケド、何故か、取締役についてしか登記されておりませんでした。
実際、この定款規定が登記されていないケースは珍しくないのですケド、部分的に漏れている。。。ってのは、初めてのケースです。

それに、皆様ご存じのとおり、ワタクシ、最近このコトがもの凄く気になっているものですから、ソコについつい目がいってしまう。。。(~_~;)。。。のでしょうね~。

その後、Tさんに「登記が漏れてますよ」というハナシを致しましたトコロ、Tさんが「じゃあ、変更登記ですね♪」と言う。。。

うん??変更登記??
以前の記事でもご紹介しましたが、例えば、責任免除の登記が丸々漏れた。。。という場合は変更登記になるのですが、責任免除の規定の一部が漏れた。。。というコトになりますと、まとめて1つの登記事項ですので、遺漏による更正登記になる。。。と思います。

。。。で、法務局に確認した結果も、更正登記で、ということにはなったのですが、ここで新たな問題が発覚!

続きはまた~♪

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会社法改正に関する備忘録 その2 社外要件の充足と社外役員の就任

2015年03月17日 | 役員

おはようございます♪

本日も、会社法改正のハナシでございます。

このハナシって、もしかして、ワタシが無知なだけで結論が出ているコトなのかも知れません。
毎度恐縮でございますが、おかしな点がありましたら、ご遠慮なくコメントお願いいたしますm(__)m

では始まり~!

社外取締役の要件の変更時期はいつなのか?。。。ってトコロから。。。

1.施行時に社外取締役を置いている会社は、施行後最初に到来する事業年度に関する定時株主総会の終結後に改正後の社外取締役の要件に変わります。

具体的に言うと、3月決算の会社の場合には、平成27年5月1日(=施行日)後、最初に到来する事業年度である平成28年3月31日に関する定時株主総会までは、社外要件は従前どおりになります。

ですので、今年の6月の定時株主総会の時点では、会社法は改正されますケドも社外取締役・社外監査役の要件は変わらない。。。ってコトになります。もし、今年の定時株主総会で社外取締役を新たに選任する場合には、改正前の社外要件によるワケです。

2.一方、施行時に社外取締役を置いていない会社の場合は経過措置がございませんので、その会社が今年の定時株主総会で社外取締役を選任する場合については、改正後の社外要件を充足しなければならない。。。ということになります。


↑ 一応まとめますと、3月決算の会社の場合、改正時に社外取締役がいる会社は来年の定時株主総会から、改正時に社外取締役がいない会社は、改正後ただちに、改正法の適用を受ける(=改正後の社外役員の要件になる)。。。というコトになります。

え。。。と。。。
分からないのはここから先なんですケドも。。。(>_<)

例えばですね。。。現在任期中の取締役が、社外要件の変更によって社外要件を満たすことになるとしましょう。

具体的には。。。

平成26年6月の定時株主総会で取締役A就任(任期は2年、旧要件では社外取締役の要件を満たさず、社外取締役として選任されておりません。。。で、会社法施行時には社外役員がいない会社だとします。)
⇒平成27年5月1日に社外要件が変更されたことにより、Aは社外要件充足

↑ こういう場合って、平成27年5月1日以降は、Aさんは自動的に社外取締役になっちゃうのでしょ~か???

現行会社法では、要件を満たすだけでは社外役員にはならなくって、会社は株主サンに対して、「社外取締役として選任します」と言いなさい!。。。ということだと思います。つまり、会社としては、「要件は満たすけど、社外役員として選任しない」という選択が出来たワケです。
だとすれば、現在任期中のヒトっていうのは、当然のことながら、選任時点においては社外役員として選任されているワケはない(←選任時点では、社外役員の要件を満たしていなかったから)ってコトになるハズだよねぇぇ~????

なのに、任期途中で社外役員の要件を充足したら、その時点から自動的に社外役員になってしまう。。。というコトがあるのだろ~か???。。。というのが、ギモンなのでございます。

ワタシとしては、そういうヒトがいたとすると、会社として、何等かのアクションをしなければならないんじゃないか。。。??
或いは、一旦辞任するとかして、改めて新要件の下で選任し直さなければいけないんじゃないか???。。。と思っておりました。

登記記録例などを見ますと、社外要件の変更に伴い社外要件を満たした役員は、当然に社外役員に切り替わる。。。って前提のような気がするんですけどね。。。どうなんでしょ??

大変気持ちが悪いので、ご存じの方、どうか教えてくださいませm(__)m

ではまた~♪

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会社法改正に関する備忘録 その1 社外役員の過去要件

2015年03月12日 | その他会社法関連

おはようございます♪

え~。。。改正会社法の施行日も段々と近づいてまいりまして、クライアントさんからのご質問も増えてきました。

ぃや~。。。思うのですがね。。。
ホントにワタシ、ぐうたらな性格なモノで、お尻に火がつかないと真剣に考えられない。。。という、困った性格の持ち主でございまして。。。でも、有難いコトに、お尻に火が付く状況がいつもソコにある。。。という状況なのですよね~。

まず、クライアントの皆様。
まぁぁ~お勉強熱心な方ばかり。
「えぇぇぇ~。。。ナンデそんなに詳しいんですかっ!?」。。。と、ビックリしてしまいます。
そりゃあ、会社の運営に直結するのですから、熱心になるのも当たり前なのでしょうケド、こちらはタジタジ。。。。(~_~;)

それから、研修会などですよね。
会社法の施行時もそうだったんですケドも、講師の依頼やら、執筆の依頼やら。。。があるワケでして。。。
ヒトに教えるのに、間違えちゃマズイッ!!!。。。なので、こりゃもう必死!!!

法改正のたびにこういう状況ですので、誰かが裏で糸を引いてるんじゃあるまいか。。。??(-_-;)
と思ったりしておりますが、そんなこんなで、何とかついて行けているような気がします(←あくまでも、個人の感想ですので、客観的にはどうなのか不明)。
皆様方に感謝 m(__)m

。。。というワケで、連載ってコトでもありませんが、備忘録として気付いた点を書き留めておこうっ!と思っております。
皆様のご意見も頂戴できると嬉しいデス。

では、前置きが長くなりましたが、始まり~♪

本日は、社外取締役・社外監査役の要件について。

改正後は社外役員の要件が大幅に変わるコトになってますよね。。。その中で、個人的に最も分かり難かったのが、「過去要件」のハナシです。

つまり、現在は、過去にその会社の代表取締役だったヒトは、一生社外取締役の要件を満たすことはない。。。のですが、改正後は社外取締役の就任前10年間、代表取締役等でなければ、社外取締役の要件を満たす。。。ってコトに変わります。
代表取締役を辞めて10年以上が経っていれば、社外取締役の要件を満たすわけです。

ここまでは良く分かりますよね。

ただしっ!
代表取締役を辞めた後、その会社の取締役(←業務執行しない相談役など)や監査役に就任するようなケースは結構多くって、そういうヒトは会社との関係が継続してるんだから、もうちょっと厳しくしないといかんっ!!。。。的な発想があるらしく、就任の前10年のいずれかの時(過去10年のうちどこかの時点で)にその会社の(業務を執行しない)取締役や監査役だったことがあるヒトに関しては、その取締役や監査役に就任する前の10年間、業務執行取締役等でなかったことも必要。。。とされています。(会社法第2条第15号ロ、16号ロ)

むむむむむむ。。。。。なにそれ???? (@_@;) 分からん。。。ま、ワタシには関係ないかなぁ~。。。などと思っていましたケド、クライアントさんからのご質問もあり。。。で、まじめに解説を読んでみました。

。。。でですね。

社外取締役に就任しようとしているAさんは、現在、監査役でありまして、昔、代表取締役だったご経験がある。。。というのを例にとりましょう♪
当然のことながら、現行法では社外取締役の要件には該当しません。

平成27年6月26日 (監査役は退任して)取締役に就任
平成23年6月●●日 監査役に重任
平成19年6月●●日 監査役に重任
平成15年6月20日 監査役に就任
平成13年6月20日 取締役に重任
平成11年6月20日 取締役に重任
平成9年6月20日 取締役に重任
平成7年6月20日 取締役に重任
平成5年6月19日 取締役に重任(代表取締役は退任)
(それ以前は代表取締役)

↑↑↑ さて、改正法が施行されると、Aさんは社外取締役の要件を満たすことになるのでしょうか???

まず、社外取締役に就任する10年前というのは、平成17年6月26日です。
つまり、平成17年6月26日から平成27年6月25日までの10年間、Aさんはずーっと監査役でしたから、さらに、その就任の前10年間代表取締役等でなかったことが必要。。。になります。

問題は、「その就任の前」というトコロ。
「就任」というのは、最初に非業務執行取締役になった平成5年なのか、それとも、10年前である平成17年6月26日にかかる監査役の任期の始期である平成15年6月20日なのか???。。。というハナシ。(意味分かりますかね?^_^;)

前者だとしたら、代表取締役を退任後、ずぅ~っと非業務執行取締役等であるヒトは、この過去要件によって(非業務執行取締役等も退任して10年間のブランクがないと)「社外要件」を満たすことはできない。。。ってコトになりますよね?

一方、後者の場合、今回のケースですと平成15年6月20日の前10年間(=平成5年6月20日~平成15年6月19日)、代表取締役等でなければ要件を満たすってコトになるワケです。したがって、Aさんは社外取締役になれる。。。というコトです。

過去要件に関しては、セミナーとか書籍でも解説されているのですケド、今回のケースみたなモノは省かれてまして。。。^_^;
どうなんだろ~???。。。と思っていましたが、「一問一答平成26年改正会社法(商事法務)」P102の注において、就任の考え方として、「任期が更新されるごとに「就任」しているモノと捉えて、要件の充足性を判断することになります。」との記述がありました。

なるほどぉ~。。。ということは、Aさんは平成15年の監査役就任前10年間、業務執行取締役ではなかったので、社外取締役の要件を満たすってコトになりますね♪

実際、この解釈によって、社外要件を満たす場合っていうのは珍しくないみたいデス。。。
まぁ、ちょっと長いですケドね~。。。(代表取締役等を退任してから、社外役員の要件を満たすまでの期間は、最大で24年ってことかな?)

社外要件がどうなのか。。。ってコトは、オシゴト上、大変重要ですんでね。。。
一つギモンが解消されて、良かったデス\(^o^)/

ではまた~♪ 

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