特例有限会社も株式会社なので、基本的には何でも普通の株式会社と同じです。ただし、取締役会設置会社になれないなど、機関設計に関しては制約を受けますし、吸収合併の存続会社になれないという規制などもあります。
商法の時代には、最低資本金の規制があって、株式会社は1000万円、有限会社は300万円でした。株式会社より有限会社の数が多かったのは、おそらくこの700万円の隔たりが大きかったんだろうと思うのですが、どうでしょうか?
「特例有限会社」が「普通の株式会社」になるためには、法律上は商号を「有限会社」から「株式会社」に変更するだけです。
ですから、会社法が施行されたら株式会社になる会社がイッパイあるんだろうなぁ~。。。と思っていました。が、蓋を開けてみると、そういう会社はほとんどありません(当事務所では、ですが。)。
最低資本金の制度が出来たときは、最低資本金を満たしていない株式会社が有限会社に組織変更するケースが多いのではないか?と予想されていたらしいですが、結局はそういう会社はあまりありませんでした(ワタシの取り扱った案件では)。株式会社は1000万円に増資し、有限会社は300万円を飛び越えて1000万円に増資して株式会社に組織変更することのほうが多かったと思います。
株式会社になりたかった会社は、このときに既に株式会社になってしまっているから、今回は少なかったのかもしれません。
そのほか商号変更しない理由は、こんなことじゃあないのかな?と思っています。
①決算公告が義務付けられていないこと。
②役員の任期の定めを置く必要がないこと。
③株式会社にするためには費用も手間もかかること。
おまけとして、④変更の必要性を感じていないこと(笑)。
まず①。
会社法施行の前後では、決算公告の懈怠についても何らかの罰則が課されるんじゃないか。。。というウワサも流れていたようです。商法のときだって、過料の制裁はあり得たんですケド、懈怠しているかどうかを調べるシステムがなくて出来ないのが実情みたいです。
決算公告は、ぶっちゃけ、やっていない株式会社の方が圧倒的だと思います。
そもそも、公告する会社としない会社のギャップが非常に大きいんですよね。公告する会社は、定時株主総会の翌日に公告が掲載されるように事前に手配することが多くて、しない会社は無頓着です。
この前などは、新規で再編の案件を依頼された際に、「なんで決算公告しなきゃいけないのよぉぉ!そんなこと知らなかったよっ!!」とお怒りになられたクライアントさんもいらっしゃったくらいです。一応、やらないといけないこと位は知っていて欲しいんですけど、実情はそんな感じで、知らない場合も結構あります。
だったら、それは障害にはならないとも思えますが、「株式会社になっても、どうせ決算公告はしなくてダイジョウブですから♪」とは言えないですしね~。。。
。。。で、次は任期です。また来週読んでくださいね。