司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

特例有限会社の商号変更の登記 その1

2010年01月29日 | 商業登記
会社法の施行によって、「有限会社」は無くなりました。モトモトあった有限会社は、「有限会社●●」という商号だけれども、株式を発行している株式会社になっていることはご存知のとおりです。このような会社は「特例有限会社」と呼ばれています。

特例有限会社も株式会社なので、基本的には何でも普通の株式会社と同じです。ただし、取締役会設置会社になれないなど、機関設計に関しては制約を受けますし、吸収合併の存続会社になれないという規制などもあります。

商法の時代には、最低資本金の規制があって、株式会社は1000万円、有限会社は300万円でした。株式会社より有限会社の数が多かったのは、おそらくこの700万円の隔たりが大きかったんだろうと思うのですが、どうでしょうか?

「特例有限会社」が「普通の株式会社」になるためには、法律上は商号を「有限会社」から「株式会社」に変更するだけです。
ですから、会社法が施行されたら株式会社になる会社がイッパイあるんだろうなぁ~。。。と思っていました。が、蓋を開けてみると、そういう会社はほとんどありません(当事務所では、ですが。)。

最低資本金の制度が出来たときは、最低資本金を満たしていない株式会社が有限会社に組織変更するケースが多いのではないか?と予想されていたらしいですが、結局はそういう会社はあまりありませんでした(ワタシの取り扱った案件では)。株式会社は1000万円に増資し、有限会社は300万円を飛び越えて1000万円に増資して株式会社に組織変更することのほうが多かったと思います。
株式会社になりたかった会社は、このときに既に株式会社になってしまっているから、今回は少なかったのかもしれません。

そのほか商号変更しない理由は、こんなことじゃあないのかな?と思っています。
①決算公告が義務付けられていないこと。
②役員の任期の定めを置く必要がないこと。
③株式会社にするためには費用も手間もかかること。
おまけとして、④変更の必要性を感じていないこと(笑)。

まず①。
会社法施行の前後では、決算公告の懈怠についても何らかの罰則が課されるんじゃないか。。。というウワサも流れていたようです。商法のときだって、過料の制裁はあり得たんですケド、懈怠しているかどうかを調べるシステムがなくて出来ないのが実情みたいです。

決算公告は、ぶっちゃけ、やっていない株式会社の方が圧倒的だと思います。
そもそも、公告する会社としない会社のギャップが非常に大きいんですよね。公告する会社は、定時株主総会の翌日に公告が掲載されるように事前に手配することが多くて、しない会社は無頓着です。

この前などは、新規で再編の案件を依頼された際に、「なんで決算公告しなきゃいけないのよぉぉ!そんなこと知らなかったよっ!!」とお怒りになられたクライアントさんもいらっしゃったくらいです。一応、やらないといけないこと位は知っていて欲しいんですけど、実情はそんな感じで、知らない場合も結構あります。
だったら、それは障害にはならないとも思えますが、「株式会社になっても、どうせ決算公告はしなくてダイジョウブですから♪」とは言えないですしね~。。。

。。。で、次は任期です。また来週読んでくださいね。
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辞任届

2010年01月28日 | 役員
年末年始にかけて、取締役や監査役の辞任の登記(プラス就任の登記)をたくさんご依頼いただきました。
この仕事をしていなければ、辞任をする場合というのは、体調が思わしくないとか、不祥事の責任を取るとか。。。と思うのだろうなぁ~。。って気がします。

もちろん、そういうケースもあるのですけど、実際はご本人が辞めたいというよりは、社内規程による定年に達したとか、親会社の業務命令(人事異動)とかで、要するに他から「辞任しなさい。」って言われて辞任届けを提出することの方が多いようです。
そうそう、例えば会社の従業員が子会社数社の取締役を兼務していた場合、親会社の従業員を辞めて転職するときには、子会社の取締役も辞めるってケースも多いですね。

本人の意思でない場合の辞任届けは、会社が用意します。ワタシ共が雛形をお渡しすることもありますし、会社が作った書式をこちらで予め確認することもあります。いずれにしても、登記が発生することなので、登記の際に困らないように作って、そこにご本人の自署をしてもらいます(記名押印でも良いのですが、後日の紛争のことも考えて出来るだけ自署をお願いしています。ちなみに、自署でしたら認印等の押印はなくても構いません。)。

でも、不祥事とか業務不振の責任を取って辞任される場合には、おそらくドラマのように、自分でこっそり書いた辞任届けを突然提出されるんでしょうから(考えすぎ?)、登記に使用するにはちょっと。。。というものも出てきます。

そもそも、手書きの辞任届けを見せられると、ナマナマしいものを感じてキモチが重くなりますね。「なにかモンダイがあったんだろうな。。。」と思います。ですから、会社さんが積極的にお話しされるトキは別にして、事情をお聴きすることは控えるようにしています。

辞任届けの記載として必要なことは、①辞任すること、②辞任する肩書き(取締役、監査役など)、③辞任の日 です。

具体的なケースで考えてみましょう。
「辞職願 私は今般の不祥事の責任を取って辞職いたします。」
コレ、どうでしょう?

まず、辞職と辞任は違いますし、何を辞めるのか不明だし、いつ辞めるかも不明です。
さすがにコレはダメでしょうね。

辞任の時期は、その意思が会社に到達したときとされています。
通常は、辞任届けの日付(●月●日をもって。。。などと記載されている場合は、その日)が到達時点だということが多いのですが、例えば、辞任届けが郵送されてきたようなケースでは、辞任届けの日付よりも後の日が辞任日になります。
そういう登記をしたことはありませんが、辞任届けの日付と申請書に記載された辞任の日が異なる場合は、会社の上申書等で補完できるだろうと思います。

また、「●月●日開催予定の株主総会の終結をもって辞任します。」のような場合は、辞任届けのほかに株主総会が終結したことを証する株主総会議事録を添付することになります。

多少の不備がある辞任届けでも、手書きのものについては、法務局も大目に見てくれているような気がします(書き直しが難しい事情を考慮して。。。かな?)。
一度きちんと訊いてみたいケド、ヤブヘビになりそうで怖い。。。
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地方の法務局への登記申請 その3

2010年01月27日 | 商業登記
法務局から電話が掛かってくるとロクナコトがありません。なので、いつまで経っても予定外に電話があると、「ドキっ!」とします。

四国の件はずいぶん詳細に打ち合わせをしていましたから、補正になる訳ないと思っていましたが、不思議なトコロで引っかかりました。指摘を受けた箇所は2点あります。

①種類株式発行会社になっただけでは、その時点(定款変更のみ)で発行済各種株式の種類及び数の変更は不要である。

②初めて種類株式発行会社になった場合、原因は「変更」ではなく「設定」である。

①について
今回は、1月1日に株式分割、同日種類株式発行会社になり、1月2日に別の種類の株式を発行するようなケースです。
((発行済株式の数 100株(株式分割後の数)、発行済各種株式の種類及び数 普通株式 100株 平成22年1月1日変更)として申請しました。)
参考文献ですと、定款変更をしただけの段階での発行済株式に関する変更登記については、必要とも不要とも言っていません。何も言わないから不要とも考えられますが、私は、種類株式発行会社=発行済各種株式の種類及び数の登記が必要、と考えています。

発行済株式の総数 100株 と登記されていて、それが種類株式発行会社になっても変更されないなら、普通株式と考えるのが通常だ、と解釈しても良いと思いますが、仮に選解任に関する種類株式ABを定め、従前の普通株式=変更後の種類株式Aとしたら、Bの発行前に何の変更もしなくて良いでしょうか?

設立時であればどちらの株式を発行したかを記載しなければなりませんが、それが設立後の変更であれば結論が異なるという見解は、何だかシックリきません。
何かキチンとした説明があると良いのですがね~。。。
(ちなみに、東京で同様のケースを申請した場合には、申請どおり登記されています。理論的なことまでは突き詰めていませんが。。。)

ただ、これについては反論の根拠が明確ではありませんから、ご指摘どおりに補正することにいたしました。

②について
ワタシが持っている登記記録例には明確に「変更」と書かれています。法務局の方(おそらく登記官だと思います)は、今は「設定」に変わっているんだとおっしゃっていました。
実は以前、東京のある出張所で同じような議論をしたことがありまして。。。何だかお互いの言っていることがズレているような気がして確認したところ、民事局で予め用意した登記記録例の冊子に誤りがあるということが判明したんです。

…で、今回もそのことでは?と思いきや、そのことじゃない!との一点張りです。
仕方がないので、東京法務局へ電話しましたら、やっぱり事前配布の冊子の誤植ということで、先例は変更されていないとのことでした。
遅ればせながら、四国の法務局も、あまりにワタシがしつこいのでキチンと確認してくださったようで、最終的にはホントウのことに気付いてくれ、補正指示は撤回。

ちなみに、なぜこのような誤植が発生したかというと、会社法施行前は「設定」だったために直し漏れてしまったということです。未だにそのことが後を引いている法務局があるということですから、同業者の方、ご注意くださいね♪

ちょっと気になったのですけど、その法務局では、今まできっと全部「設定」で登記してたんですよね?? 御上のおっしゃることにはあまり逆らわない方が良いとは思うのですが。。。場合によりますね。
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地方の法務局への登記申請 その2

2010年01月26日 | 商業登記
クライアントさんが九州の法務局に書類を提出し、連絡をくださいました。
「原本は持って帰れませんし、受領証はもらえませんでした。」と言うのです。

この日、私は事務所にいなかったので、Mさんが対応してくれました。Mさんが法務局に電話で確認したところによると、その法務局(その県は全部でしょうか?)では、登記完了まで原本を預かる取扱いなのだそうです。
東京では、商業登記の場合、提出時に原本を持ち帰れるので、同じかと思っていました。迂闊でした。結局、完了の際にもう一度書類を取りに行かなければならなくなり、申し訳ないことをしました。

そして受領証のこと。
そもそも、直接こちらから書類を送らなかったのは、書類を郵送すると、結構な確率で登記完了してから受領証が郵送されてくることが多いからなんです。受領証というモノは、登記手続中に必要になるのに、登記が終わってからもらっても意味ありません。
すぐに受領証を受け取りたいからこそ、会社の方に法務局へ行ってもらったのに、受領証が出ないとはどういうことでしょうか??

実は、クライアントさんが受領証の意味を良く分かっていなかったようでして、いわゆる書類の受取書のようなものだと勘違いしていたらしいんです。法務局としては「そんなものはないっ!!」の一点張り(そりゃあそうだ。。。)だったらしく、結局、書類の写しに「預かりました。」と書いてもらったということです。
会社の方も頑張りましたよね~。法務局もある意味親切ですが、もうちょっと気を利かせてくれても良いかな。。と思いました。

最後は四国です。
四国の会社の登記を申請するのは、生まれて初めてだったような気がします。
まだ支店登記を毎回しなければいけない頃、四国が本店の会社さんから東京の支店登記だけを頼まれたことがありますが、それ位かな。。。

登記の内容は種類株式の設定、その他もろもろでした。
委任状に委任事項をギュウギュウに書いたくらい、あれもこれも申請したので、どうにも不安な案件でした。(それでも登録免許税は3万円)
種類株式の内容はバリエーションが多いので、定款変更前に法務局に確認しましたし、他にも添付書類のこととか、手続の順番とか、何度も電話をFAXを繰り返しました。そして、やっと登記申請できたので、何の心配もなく完了するのを待っていたところ。。。

補正です。補正!!!
補正の内容はたいしたことではないのですが、ご紹介したいこともあるので、もう少しお付き合いくださいね。
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地方の法務局への登記申請 その1

2010年01月25日 | 商業登記

最近、立て続けに、東北、四国、九州の会社の登記を申請しました。

オンライン申請が普及したおかげで現地に出向く必要がなくなりました。ですから、登記申請をするのはとても楽です。オンラインになる前は支店登記以外は郵送での申請が認められておらず、直接法務局へ行くか、近くの司法書士さんに復代理をお願いしなければいけませんでした。

直接申請に行く場合だと、もし補正になったらまた行かなくちゃいけないので、胃が痛くなったりしてましたね。今はオンラインや郵送で補正することができますから、そういう点ではホントに楽になりました。

ただ、嫌なこともありまして。。。
法務局によってやり方が違うことなんです。
先例とか質疑応答が出ているものは、全国統一的に運用されていますが、ちょっとした解釈には違いがあります。例えば東京法務局の見解は、関東ではそれなりの威力があっても、他の地域(関西など)では参考程度にしかなりません。
というわけで、あちこちに確認しながら登記申請にこぎ着けました。目新しいことでもないのでしょうが、ご紹介したいと思います。

東北には設立登記を申請しました。
超特急で手続していましたから、払い込みのタイミングをどうしようかな~。。。と考えたんです。

東京では、原則は定款作成の日以降の払込みですが、それ以前であっても発起人の決議等によって割当てを受けていれば払込みが出来ます。(添付書類として発起人決議書等を添付します。) で、あまり好ましくないですが、最悪のケースを考えて東北の法務局にその件を訊いてみましたところ、「ウチではそういうのは認めてませんっ!」と剣もホロロでした。

商業登記ハンドブックにも、それはOKと書かれているのですけどね~。喧嘩するほどのことではないので、引き下がりました。

九州は合併登記でした。これにはちょっとした笑い話がありまして。。。
クライアントさんが受領証が欲しいとおっしゃるので、登記申請はオンラインで行い、添付書類はクライアントさんに郵送して、直接提出していただくことにしたんです。
原本還付の仕方と、受領証の取り方の説明書きを付けて、郵送しました。

さて、きちんと提出できたでしょうか? つづきはまた明日。 

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