司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

種類株主総会排除の規定の新設に伴う株主の同意 その3

2013年01月31日 | 株主総会

おはようございます♪

アチコチの法務局の方々とやり取りさせていただくようになって(といっても、ほとんどは「○○法務局」(←つまり、その地方の親分!?)ですが)、なんとなぁ~く、それぞれの雰囲気というか、考え方というか、傾向というか。。。が分かってきたように思います。

ま、本来は、結論が異なってはいけないのでしょうけど、ただ、それぞれの考え方は、それなりに理解できるトコロもあり、今のところは、申請人サイドで対処すべきなんだろうと思います。
それに、重要な事柄に関しては、本省(民事局)に照会されるんで、ま、不統一見解に関しては、些細なモンダイなのかも知れません。

。。。というわけで、回答をいただいていない法務局の方とは、ちょっとお電話でもオハナシしましてね。。。

「会社法第322条第4項の適用場面は、種類株式発行後なのでは?だったら、種類を追加する定款変更とともに種類株主総会の決議不要の定めを普通株式に設ける場合、当該規定は適用されないんじゃない?つまり、同意自体要らないんじゃない?」

という点が気になっていらっしゃるご様子でした。

これに関しては、ワタシもそう思いたいのはヤマヤマだし、「同意は要らん!」と仰るのであれば、とても有難いコトです。

。。。が、ヤッパリ必要だろうなぁ~と思うんです。

理由はですね。。。

会社法322条第2項の定めは、そもそも、種類株式発行会社でないと設けることができません。したがって、その定めを設けられるのならば、当然、322条第4項の適用も受けると考えられます。

以前の記事で、コメントをたくさんいただいたのですが、
http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/ddaa20440db5b438c5df6df441b38b74

結局、理論的には、種類株式発行会社になるための定款変更と同時に普通株式に全部取得条項を付すことはできるけれども、その際、会社法第111条第2項の種類株主総会の決議は必須。。。ということになりそうです。

(書いた当時は、どうにもスッキリしなかったのですが、今では何故か霧が晴れたように納得しています。。。^_^;。。。これも、物分りの悪いワタシにご親切に色々と教えてくださる皆様のおかげと感謝しています。この場を借りて、改めて御礼申し上げます m(__)m)

つまり、定款変更決議の際は種類株式発行会社でないとしても、種類株式発行会社であることを前提とした定款変更をするのなら、種類株式発行会社を対象とした規定の適用を受けてしまう。。。ということです。

金子先生にご教示いただいたコトですが、理論的には、定款変更は2段階なのであって、まず、「別の種類の株式を新設する定款変更」をし、その後「既存の種類の株式の内容を変更する」のだけれども、これを同一の定款変更議案で行うと考えるワケです。

もし、「第1号議案 新たな種類の株式を新設する定款変更」「第2号議案 既存の普通株式の内容として会社法第322条第2項の定めを設ける定款変更」というように、定款変更議案を分けたとしたら、第2号議案については、会社法第322条第4項の同意は当然要るでしょう!と考えると思うんです。

だとすれば、1つの議案にまとめたら同意は要らないという結論は採りにくいのではないでしょうか?

会社法第322条第4項は、322条第2項の定款の定めを新設することが当該種類の株主に大きな不利益を与える恐れがあるから、その種類の株主全員の同意を得なさい!という趣旨だと思いますんで、どの段階であれ、定めを設ける際は同意は要る。。。ハズ。。。たぶん。。。(~_~;)

。。。とはいえ、法務局の方が「要らない」とおっしゃるのなら、これ以上疑義を唱えるつもりは毛頭ございません!

いつもなら、「要りませんよね?」と聞くところですが、「要らないって!?ぃや、要るでしょ~!!」なんて、いつもと逆のやり取りをしておりました。
何だか不思議なキモチです ^_^;

ま、どうなることやら。。。

。。。というわけで、今日は月末なんですね。。。
皆様、長い駄文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

また来月も(明日ですケド^_^;)、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

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種類株主総会排除の規定の新設に伴う株主の同意 その2

2013年01月30日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

え~。。。。。っと。。。。。
まずは、お詫び。

今回の同意書の件、お怒りになっている方もいらっしゃるかと思います。
「余計なコト言いやがって、バカァ~ッ!!!」って。。。
ワタシも、きっとそう思ったコトでしょう。。。本人でなければ。。。^_^;

確かに、自分の経験からいっても、今まで「同意書」らしきモノの添付を要求されたことは一度もありませんでした。
ということは、黙っていればきっと、同意書なんて必要なかったのだろうと思うんです。
ただ、前回の記事を書いた時には、そこまで考えていなかったものですからね。。。ぃや。。。浅はかだったと反省しているところです。
申し訳ございません m(__)m

しかし、注意喚起してしまった以上(噂によると、このブログ、法務局の方にもお読みいただいているらしく)、確認せざるを得ない状況。。。でして。。。。。
何とかご理解をいただけましたら。。。(~_~;)

。。。というワケで、昨日の続きです。

3つの法務局のうち、2つからは回答をいただけました。

結論としては、どちらも同じで、

「同意書は必要」「株主総会に普通株主が全員出席し、かつ、議場において全員が種類株主総会を要しない旨の定款変更をすることについて同意した旨が議事録に記載されている場合は、議事録の記載を援用することができる(同意書を別途添付する必要はない)」というコトでした。

ただし、議事録に関しては、「全員出席総会において、単に定款変更議案に賛成した」というだけの記載では足りず、別途、「会社法第322条第4項の同意をした旨」が明確に記載されていることを要する、というコトですので、その点についてはご注意ください。
(実際に行われる場合は、ご自身でご確認くださいね)

この相談をした際、かなり長いこと待たされましてね。。。実に小1時間。
どうやら、奥で(東京法務局は、相談窓口の奥に登記官とか調査官の方々がいらっしゃいます)、検討していただいたご様子です。
勝手な想像ですが、今回のような案件は特にレアケースというワケではないと思いますんで、今までの同様の事案においては(もちろん、ワタシ共の事務所の申請も含め)、同意書の添付は求めていなかったのでは。。。という気がしました。

しかし、正面切って「同意は要りますか?」と聞かれれば、「要りますね」と答えるしかない。(←スミマセン!)
でもねぇ~。。。ぶっちゃけ、全員出席総会で全員が賛成しているんなら、わざわざ別に同意書を添付させるほどのこともないんじゃない?って思われたんじゃないでしょうか?
とはいえ、普通に賛成しただけじゃあ議事録の記載を「同意」に代えるのもどうよ!?ってコトで、今回のような回答になったんじゃないかと思っております。

実は、こちらで誘導しちゃったかもしれませんが、ま、でも、同意書添付よりはマシですもんね。一応、ホッとしました。

で、ご参考までに、議事録の記載については、こんな文言にしようかな。。。と思っております。
「議長は、本議案の賛否を議場に諮ったところ、満場異議なく、本議案は原案通り承認された。さらに、議長は、会社法第322条第2項の定款の定めを設けるにつき、会社法第322条第4項の規定に基づく同意を求めたところ、出席株主全員は当該事項に同意した。」

そして、未だご回答をいただいていない法務局。。。悩んでいらっしゃるご様子です ^_^;

続きはまた明日~♪

コメント (6)
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種類株主総会排除の規定の新設に伴う株主の同意 その1

2013年01月29日 | 株式・新株予約権

おはようございます♪

え~昨年、種類株式に関する記事を書かせていただきましたが、その中で、種類株式を新設すると同時に、普通株式の内容として会社法第322条第1項の種類株主総会の決議を要しない旨を設ける定款変更(会社法第322条第2項)をする場合、第322条第4項の規定によって、普通株主全員の同意が必要。。。のハズだ。。。というようなクダリがあったのですが。。。
→ http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/e347e70d0fd06bb3b232384c77dd943f

現在進行中の案件で、早速同じようなケースが出て来ましてね。。。
それも3件。 種類株式が3件も同時並行で進むなんてことは初めてかも知れません。
1件は東京で、他の2件は遠方です(西の方で管轄は異なります)。

でですね。。。
東京の案件は、株主サンが1名だけなんで、まぁ、どうとでもなるのですけれども(それにしても結論は確認しておく必要があります)、遠方の1件は、株主全員の同意書が要るかどうかで、この規定を設けるかどうかを決めるということで、全ての法務局に相談をしてみた。。。というワケです。

ちなみにもう1件は、株式の種類が伴うので、どっちみち合意書・同意書が必要なんです。
なので、今回に関しては、同意書の添付が省略できるか。。。なんてことはモンダイにならないのですケド、でも今後のために聞いてみました。(あ。。。法務局の方、読んでいらっしゃいますかね。。。^_^;)

相談内容としては3つ

1.このケースでは、既存の普通株主全員の同意が必要と思われるが、いかがか?
2.同意が必要な場合、株主全員が出席した株主総会において、当該議案に株主全員が賛成したら、別途「同意書」の添付は不要と思われるがいかがか?
3.2において、議事録の記載をもって株主全員の同意書に代えることができない場合、株主総会の席上、会社法第322条第2項の定款の定めを設けるについて株主全員が同意し、その旨が議事録に記載されていれば、別途「同意書」の添付は不要と思われるがいかがか?

皆様はどのようにお考えでしょうか?

続きはまた明日♪

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特例有限会社の閉鎖事項証明書

2013年01月28日 | いろいろ

おはようございます♪

先週、新たな事実が発覚したので、お知らせしようと思います。
当然、ご存じの方もいらっしゃるでしょうけど、ま、備忘録ってことで。。。^_^;

え~先日、特例有限会社の株式会社への移行の登記(商号変更登記)を申請いたしました。
なんかとっても久しぶりでしたんでね。。。妙にドキドキしました。
やっぱり、登記が効力要件になるモノって、イヤですよね~。。。しかも遠方です。
補正になったとしても、添付書類の原本は手元にないし、だからといって、すぐに行けるようなトコロじゃないしね。。。

で、数日後。
無事、登記が完了し、翌々日に印鑑カードが到着いたしました。ホッ。。。

「じゃあ、登記事項証明書を取得しよう!」と思いましてね。。。
商号変更後の株式会社の履歴事項全部証明書と商号変更前の特例有限会社の閉鎖事項全部証明書をオンライン請求したんです。

その後、手数料をオンライン納付しようと思ったのですケド、「あれっ?金額が違う?」
申請し忘れたのか!?と確認しますと、ぃやぃやあってマス。。。それに、送信する前にも確認したし。。。
で、結局なんだったかというと、有限会社の閉鎖事項証明書が却下されていた。。。のです。

申請情報はオンラインでダウンロードしたし、ダウンロードできたんですから、登記中(ロックの外し忘れとか?)ってこともないハズ。

そこで、法務局にお電話。(←すぐ電話しちゃうんです。。。^_^;)

すると。。。

「会社番号が同じなので、システム上、閉鎖事項証明書の方は却下されてしまうようなんですよね~。」 とのこと。

あ~。。。そっか。。。。そういえば。。。
会社番号が変わらなくなってからは、こういうコト、初めてだったかも知れません。

株式会社と有限会社を同時に請求したから。。。というワケではなく、システムは会社番号で検索し、その会社番号だと株式会社の情報しかヒットしない(特例有限会社は検索に引っかからない、だから、そういう会社は「ない」と判断されてしまい、却下になる)仕組みみたいなんです。

つまり、機械が勝手に却下してしまうから、ヒトの手で何とかするってことはできないのだそうです。

ですからね。。。窓口で普通に請求する場合には(人間が検索するから)特に問題が出ない模様です。

。。。というわけで、教えていただいたのは、「会社番号を入力しない」方法です。
これであれば、システムは会社番号で検索ができないため、商号で検索するしかなく、おそらく大丈夫でしょう。。。とのことでした。
「ただし、同一商号が存在する場合は、上手く行かないかも。。。」と仰ってました。

で、結果、会社番号を未入力にしてオンライン請求したところ。。。。
取れましたっ!!

会社番号を統一したのは良いけれど、こんなトコロに影響が出ているんですね~。。。
ぃや、ワタシもね。。。株式会社なのに「02」なんだなぁ~。。。変なの。。。って思いながら登記申請したんですよね。

皆様もご注意くださいましっ!^_^;

オマケ: 管轄外への本店移転の場合、「旧管轄の登記記録が閉鎖され、会社番号は変わらず」 というのは今回のと同じですけれども、こちらは、特に問題なく閉鎖事項証明書が取得できております(もちろん、オンラインで)。管轄が違うからなのでしょうかねぇ~。。。

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外国会社の事業の廃止 その6

2013年01月25日 | 渉外関係

おはようございます♪

え~。。。すんごいレアケースなので、即答はないかなぁ~。。。なんて思いつつ、行ってまいりました。東京法務局。

聞きたかったことは、昨日のギモン点のほかにもう一つありまして。。。
通常、外国会社の登記の際は、会社の準拠法に基づいて、本国での手続きがあったことの証明書類の添付が必要ですよね。
具体的には、「本国官憲の認証にかかる書面」つまり、登記の対象となる事象について記載した宣誓供述書を添付するのが一般的だと思います。

これに関しては、例えば、アメリカの会社の代表者がイギリスに住んでいるから、イギリスのアメリカ領事館で認証を受けるのはダメ!とか(つまり、アメリカの会社だったら、「アメリカの公証役場」か「日本の領事館」どちらかの認証にかかる宣誓供述書じゃないとだめよ♪ ってことのようです。)注意すべきコトもいくつかありますが、宣誓供述書を取得する手続きって、面倒、かつ、時間がかかる(ついでに手数料もすごく高い国もあります。)、かつ、宣誓供述の権限を持った方が忙しくて行けないなどの理由により、なかなか大変なモノなんです。

しかし、考えてみたら、今回のコトは、まぁ~もちろん、「日本における事業を廃止する」というコトに関しては、本国で決定したんでしょうが、それ以外については、すべて、日本国内の手続きです。
事業の廃止に関しても、管轄官庁に対して、本国の意思決定を証する書面を添付(日本における代表者の宣誓供述書じゃダメなんだそうです。)したうえで認可申請を行うらしい。。。

だったら、今回の登記申請に際しては、本国関係の書面は必要ないのではないか?というのも重要なポイントでした。

で、結果。。。。

予想に反して、すぐにお答えいただきました。
ただし。。。これに関しては、とりあえず、東京見解だそうです。ご注意を!

ワタシが色々思ったことは、ことごとく却下されまして。。。^_^;
すべて先例通りの取り扱いをされるのだそうです。
つまり、「年月日 営業所廃止」と「清算人の住所・氏名」が登記されるってコト。
清算人が一人の場合は、代表清算人は登記されない。。。つまり、特例有限会社の清算人と同様の登記事項です。

そして、原則として、添付書類も先例通り。
特に問題がない限り、本国官憲の認証のある証明書類の添付は(原則として)不要ということでした。
(認可書の内容によっては、宣誓供述書によって補完しなければならないケースもあり得るそうです。)

日本における代表者の登記が朱抹されるという点に関しても、先例と同様ですって。

。。。で、ワタクシの感想なんですけどね。。。。
こ~んなレアケースで、先例変更するのは大変なんで、ちょっと変だな。。。と思ってはいるケド、そのまんま運用しようかね。。。^_^;
という感じなんじゃないかと思いました。

あくまでも感想ですんで、ホントのトコロは分かりませんが。。。
まぁ~とにかく、ワタシとしては、ナカナカ苦労した興味深い一件(まだ登記してませんが)ではございましたが。。。とりあえず、無事結論が出て一安心。

またまた、年明け早々、勉強させていただきました。
ありがとうございました m(__)m

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