司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

印鑑届 その2

2010年11月30日 | 商業登記

昨日の続きというわけでもないのですが、印鑑届に関する些細なことについて。。。。

管轄外の法務局へ本店移転する場合、新本店に対しては改めて印鑑の届出をすることになっております。
ただ、この印鑑届って、他のものとは種類が異なるわけです。

こんなこと当然で、特にご説明するほどのことではないとは思いますが、一般の方のため (^_^;)
通常、印鑑届をする際は届出人個人の実印を押印し、印鑑証明書を添付しますケド、本店移転の場合の印鑑届はこれが不要なんです。

何故かというと、この印鑑届は旧管轄の届出印を新管轄に送付するために作成するためのものなので、実質的な印鑑届でないと考えられるからです。印鑑届というのは、通常、印鑑を新規に届けたり、登録してある印鑑を変更(改印)する場合に行うもので、そんな重要なことをするからには、届出人が「確かにそうします。」といっていることの証明のために、個人の実印を押させるのだと思います。

管轄外への本店移転の登記は、旧本店と新本店それぞれの法務局に対して申請するわけですが、旧本店所在地の管轄法務局へ新本店管轄の申請書もまとめて申請することになっています。これが経由同時申請と言われるモノです。

申請書は旧管轄においてまとめて調査され、新本店の管轄法務局に対して申請書が送付される仕組みです。
そのため、新本店の管轄法務局においては申請書の調査を行わず、いわゆる「記入」と「交合」だけが行われます。
このとき、旧管轄に登録されていた会社の印影は、新管轄においても再登録しなければなりません。その印影を送るために印鑑届書を提出する、ということだと思います。

旧管轄では提出された印影が現在の登録印と同一かどうかを照合したうえで新管轄に送付しますから、その印影について、届出人が間違いないかどうか、などということを証明する必要はなく、単に現在の登録印が押してあれば良し!なんです。

また昔話になりますが、印鑑がコンピュータ化される前は、「印鑑紙」(通称「印鑑ピラ」)なるものがありまして、現在の印鑑届書の上の枠内の部分(印鑑登録事項)が独立した用紙になっていたわけです。
現在のように登記事項が自動的に反映されるようなモノではありませんから、登録事項である商号、本店が変更したような場合には、この変更事項を反映した印鑑紙のみを添付する扱いでした。

管轄外への本店移転も同じですから、今までと同じ印鑑を押印し新本店を記載した印鑑紙だけを添付していたわけです。
要するに、登記手続上、印鑑を送らないといけないのでそのための用紙を提出してくださいってだけの意味ですよね。

ちなみに、複数人の代表取締役が印鑑登録をしている場合、2人目以降のピラの提出を忘れることがありますが、そのまま登記が完了すると印鑑届出は失効してしまうのでご注意くださいね♪
大体は、法務局から電話がかかってきて「Bさんの印鑑届書は出さなくて良いんですかぁ~( ̄ー ̄)ニヤリ 」 と訊かれますケドね。

そして、印鑑事務がコンピュータ化されたわけですが、現在の取扱いはちと異なっているようです。
続きはまた明日。

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印鑑届 その1

2010年11月29日 | 商業登記

本日は、印鑑届についてです。
軽い話題なので、司法書士サンは読まなくて良いかと。。。(^_^;)

代表取締役が複数名いらっしゃる会社サンの場合(最近は多いのですが)、どのヒトが印鑑届をした代表者なのかは、登記事項証明書を見てもさっぱり分かりません。
代表取締役全員が印鑑届をしている会社もあれば(会長と社長と副社長とか。。)、代表取締役3名中2名が印鑑届をしている会社もあれば、1人だけの会社もあるわけです。

登記申請をする場合、委任状には必ず印鑑届出をしている代表取締役から委任を受けなければなりませんし、場合によっては議事録に会社の届出印を押印してもらわないといけないので、どなたが印鑑届をしているか、についての確認は必須です。

そして、複数名の方が印鑑届をしているからと言っても、通常は社長さんが届出印を押印するのが一般ですので、社長は誰か、ということも確認させていただいています。

印鑑は、代表取締役が最低限1つ届け出れば良く、2個目以降は任意です。そして、届けられるのは1人1個で、2人以上が届ける場合には、同一の印鑑を届けることはできません。

代表取締役が複数名いらっしゃる会社の場合、1個にするか複数個にするかは、会社によって考え方が異なるように思いますが、ワタシ個人としては、できれば複数個届け出る方が便利だろうな。。。と思っております。

例えば、社長さんが代表取締役選定の取締役会に欠席すると、議事録には届出印が押印できませんので、出席取締役、監査役全員の個人の実印を押印し、印鑑証明書も取得していただくことになってしまいます。
まぁ~ね、そういうことを考え始めると切りがないかも知れませんが、実際、そういう状況に陥りそうになった会社が慌てて事前に副社長の印鑑を届け出る。。。というケースは、少なくはないんです。

ただ、印鑑を作る費用とか、印鑑の管理の問題とかもありますし。。。。結局は1個だけ印鑑届をする会社が多いように思います。

先日のこと、事務所のSさんが担当している遠方の会社の登記申請をしたところ、補正になりました。
何か、というと、印鑑相違です。
印鑑相違というと、普通は届出印じゃない印鑑が押印されているわけですが、今回は、何と!Sさんの知らぬ間に代表取締役AからBへ印鑑届出が変更されていたと言うのです。

これにはビックリ!
そこまでは確認できませんよね~。。。

クライアントの皆様!
些細なことでも、何か法務局でお手続された場合は、どうか、それ、教えてくださいね

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オンライン申請の謎

2010年11月26日 | 商業登記

たいそうなお題になっておりますが、ほんと~に素朴なギモンです。

ある法人の登記申請を受託しました。
先日、たま~に受託する不動産登記をオンライン申請することになり、もう大変な思いをしましたが(事務所に専用ソフトがないため、不動産登記のオンライン申請は申請書を作るのに一苦労するのです。)、商業登記はいいですね~~♪

至極簡単な申請書ではありましたが、オンライン申請しようとして、ちょっとした間違いに気が付きました。
その時点では、もう、電子署名した後だったので仕方なく申請を中断して、作成支援ソフトで訂正したんです。

そして、訂正したファイルで再度オンライン申請システムに入ったものの、何故か、「電子署名は付与済みです」となっていて、電子署名のボタンがグレーアウトして選べませんでした。
でも、申請書を表示させると、訂正した箇所はきちんと反映されています。

「じゃあ、このまま申請しても良さそうだな。。。」と思い、最後の方まで進んだら、エラーになってしまいました。
電子署名したファイルが改ざんされた形跡があるというエラーです。

そりゃそうですよ。訂正したんですからねぇ。。。
でも、電子署名のやり直しはさせてくれないし、どうしろって言うの!?

ちょっと諦められなくて、何度かチョットずつ操作の順番などを変えて申請してみたのですが、やっぱり電子署名は受け付けてくれず、エラーになってしまいます。

結局、どうしても上手くゆかず、仕方がないのでファイルを(作成支援ソフトの再利用で)コピーしたら、問題なく申請できました。

申請書の間違いに申請直前に気が付くケースでも、そんな状況に陥ったことありませんでした。
そこで、なんでかな~。。。と考えたところ、登録免許税がかからないからかな。。。?と思い当たりました。

通常、電子署名したファイルを訂正しますと、登録免許税のボタンを再度押下することになります。
すると、「電子署名済みファイルです。この操作をすると電子署名が無効になりますから、電子署名をしなおしてください。」みたいな(はっきり憶えてないのですが、そういう意味のことば(^_^;))メッセージが出ていたような気がします。

ところが、今回は法人の登記で非課税です。登録免許税の納付がないと、そのボタンが押せないため、電子署名をやり直すことができないのではないかしら。。。?と思いました。

なんだか不思議~。。。じゃないですか?(^_^;)

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登記申請の委任者

2010年11月25日 | 商業登記

実は、ちょっとだけ昨日の続きでして、補正になった事項のもう1個のオハナシでございます(^_^;)

有限会社が株式会社になるのは、商号変更の登記の時ですよね。
。。。ということは、登記申請の委任の時点では、委任者は有限会社です。

委任状等の書式は、過去の同じような内容の案件のファイルを修正して使いますが、それには、「株式会社○○」という商号が記載してありました。 そのためワタシ、「なにこれぇ~?、有限会社にしなくっちゃ♪」と思い、委任者を修正したのです。

すると、補正になりました

今まで何を考えながらオシゴトをしていたのか、自分のことながら全く分からないのですが、過去のケースでは、全て「株式会社」から委任状を出してもらっていたようなんです。

。。。で、ナンデ補正かってコトなんですが、委任状に記載される委任者は、登記申請書に記載される申請人の表示と同一でないといけないから、なんです。 例えば本人申請するときは、申請人は当然株式会社になりますよね~。なぜかというと、株式会社の設立登記の申請だからです。

ただ、これって、別の角度から考えると矛盾することですよねぇ。。。
だって、登記されるまでは株式会社ではなくて有限会社なのだから、委任する時点で株式会社ではありえないわけです。

そこで、他のケースに当てはめて考えてみました。

最初は設立のケースです。
設立も登記が効力要件になっておりますので、多分最も似ています。
確かに設立登記の委任状は、会社が存在していないのに「○○会社」の代表者から委任されますね。
そして、これは個人的に気付いたことなのですが、設立登記申請の委任者は、「設立時代表取締役」ではなく「代表取締役」としています。
実はず~っと前から、「これはオカシイ!でも、法務省の記載例に代表取締役って書いてあるからマネしとこ♪」くらいに思っていたんです。が、これも設立時代表取締役では間違い、ってことです。

合併はどうでしょう?
合併の消滅会社は委任状を出しませんし、解散登記申請の申請人は存続会社になります。これは、実体と同じになっていますね。

逆に、効力が発生しているにも関わらず、古い内容を記載するものもあります。
例えば、合併に伴って管轄外に本店移転するようなケースです。
こういうときは合併登記との一括申請ができない取扱いとされているので、委任状にも申請書にも旧本店を記載することになります(この取扱いは法務局によって若干異なるようですが。。。)。添付書類から本店移転していることが判明したとしても、登記手続上、便宜許されるということですよね。

最後に会社分割と同時に分割会社が合併によって消滅するようなケースです。
委任できるのは効力発生日以降になりますが、効力発生日には分割会社は消滅している。。。ってこと、たまにありますよね。
そういう場合(これも多少取り扱いは違うかもしれませんが)、消滅しているはずの分割会社から会社分割による変更登記の委任がされるんです。

結局、実体法上の状況とは異なっていても、登記手続上の要請で例外的な扱いをするということですよね。

設立以外のケースは理解していたはずなのに、応用力がなかったようです。ショック!
些細なことであっても、ギモンなことは理屈を付けて解明しないとダメだ。。。。。。。。il||li _||○ il||li ということがよ~くわかりました。

コメント

解散の年月日 その2

2010年11月24日 | 商業登記

皆さん、どうですか?
ワタシは思いのほかヒートアップしてしまったんですが、ひどいハナシじゃありません?

色々考えてみたのですが、そもそも、原因年月日は書かないのが正解だ、と思います。
もちろん、最終的には登記されるのですから、書いた方が親切。。。っていうことだったら分かりますが。。。

で、何故書かないのが正解だと思うか。。。ということですが、これは、一件目の申請が登記が効力要件になるモノだからなんです。
今ですと、新設合併の場合の消滅会社の解散登記が同じようなモノですが、会社法施行前は、吸収合併も登記が効力要件でしたので、消滅会社の解散登記申請書も同様でしたよね。

それで、新設合併による解散登記申請書はどうなっているかというと、↓
http://www.moj.go.jp/content/000011604.pdf

新設合併の場合の「登記すべき事項」をご覧ください!
「解散年月日は設立登記申請日となるので、記載は不要」って書いてあります。

そりゃあそうです。だって、昔からずっとそうだったんですから。
ですから、今回だって記載例を変更した意味が分からないんです。

でも、補正を免れるためには、もうちょっと理論的に攻めないとダメそうですよね。。。。
そうそう、条文はどうなっているのでしょうか?

商業登記法 第七十一条  
解散の登記において登記すべき事項は、解散の旨並びにその事由及び年月日とする。
↑へぇ~。。。って感じですが、これなんです。
登記すべき事項については、普通解散も合併による解散も商号変更による解散も、登記すべき事項の根拠は同じってことデス。

それなのに、新設合併の場合は書かない(吸収合併の場合は書く)、商号変更の場合は書く(でも、郵送申請の場合は書かなくて良い)、という統一性のない取扱いはいかがなものかと思います。
確かに、条文上は解散年月日も登記すべき事項なのだから、書きなさいと言われれば書くしかないのかも知れませんが、どうも納得がいきません。
以前の考え方ですと、前件の登記が効力要件になっている場合、①解散登記の原因年月日は申請書に記載されずとも必ず登記申請日になるから、ということと、②申請時点ではその日は書けないはず(前件の登記が同時に申請されるから)、っていうのが理由で記載しない取扱いになっていたのではないかと思います。
ちなみに、新設分割の場合の登記すべき事項はコレです↓
第八十四条  吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社(以下「吸収分割承継会社」という。)がする吸収分割による変更の登記又は新設分割による設立の登記においては、分割をした旨並びに吸収分割をする会社(以下「吸収分割会社」という。)又は新設分割をする会社(以下「新設分割会社」という。)の商号及び本店をも登記しなければならない。
 吸収分割会社又は新設分割会社がする吸収分割又は新設分割による変更の登記においては、分割をした旨並びに吸収分割承継会社又は新設分割により設立する会社(以下「新設分割設立会社」という。)の商号及び本店をも登記しなければならない。
会社分割の場合の分割会社の変更登記では、規定上、吸収分割も新設分割も変更年月日が登記すべき事項になっていません
ですが、記載例(書式精義)では、新設分割の場合は年月日は記載せず、吸収分割の場合は記載するとされています。
も~。。。良く分からなくなって来ました。

結局は実務上の取扱いが大きいんだな。。。ってことが分かりましたが、今回については、やっぱり、法務省のせいで振り回されたわけですから、ブツブツブツブツブツブツ。。。。。。言い続けましたら、補正はなしってことになりました。
ただ、クレーマーみたいなヒトだと思われて、印象は最悪だったでしょうねぇ~・・・( ̄▽ ̄;)
頭が冷えたら、やりすぎだったかも。。。と、ちょっぴり反省しました。
いずれにしても、解散の年月日は条文上は登記すべき事項とされているので、次回からはきちんと申請書に記載することにします
オマケ!!
その1の記事に対してコメントをいただきました。
ナルホド。。。商業登記法83条2項には、「(中略)登記をしたときは、遅滞なく、その登記の日を同項の登記の申請書に記載し、これを吸収合併消滅会社又は新設合併消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所に送付しなければならない。 」とあります。
ちなみに会社分割の場合は、88条2項に同様の規定があります。

この規定は、消滅会社の本店所在地が管轄外である場合の申請書の送付に関するモノなんですが、消滅会社や分割会社が管轄外である場合、解散登記の申請書には解散や分割の年月日が記載されていないことが前提になっていて、だから、送付先の法務局へ申請書の記載事項である登記申請の日(=新設型再編の効力発生日)を追記してください、という趣旨なんだろうと思います。
そして、ハンドブックでは登記が効力要件でない吸収合併や吸収分割については、そもそも登記の日を記載する意味はないのだけれども(登記申請日は登記事項とは関係ないので)、旧法上からの取扱いを統一するためにそのままにしてあります。。。というような解説がされています。
一方、特例有限会社の商号変更の登記については、そもそも他管轄に申請書を送るってことはあり得ませんから、この類の規定はモチロンございません。
実は、この点についても法務局とはハナシをしたのですが、この規定自体は申請書に年月日を記載するかどうかとは直接的に関係していない、というのがワタシの意見です。(法務局の方は、この規定があるから組織再編とは違うんだ。。。とおっしゃってました。)
ただ、従前の取扱いについては変更しないように。。。ということなんでしょう。そして、商号変更は新しい手続なので、厳密に法律の規定に従って申請して欲しいということなのかなぁ? と思いました。
。。。というわけで、22日のコメントも読んでみてくださいね。
コメントをいただくと、新たな気付きもあり、勘違いの発見もあり、大変参考になります。
ありがとうございました_(_^_)_
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