司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

書面決議の同意書のこと その1

2012年08月31日 | その他会社法関連

おはようございます♪

本日は、ちょっとした、だけど、皆さん勘違いしているかも知れないオハナシでございます。

同業者の皆様には、物足りないと思います。
スミマセンです。

え~。。。先日、取締役会の書面決議の関係書類をチェックしておりました。
内容は、まぁ、一般的なことです。
株主総会の決議事項の承認と株主総会の招集決定。

書面決議は結構増えてきていますけれどもね。。。
でもやっぱり、株主総会の方が圧倒的に多いです。

とは言え、ワタクシもちょっとは成長しておりまして(←自分で言うのもナンですが^^;)、「取締役会の書面決議の議事録=定款添付」は、忘れなくなりました。なんかね。。。もう、議事録案を見せられた時点で「定款、定款、定款。。。」ってアタマに浮かぶんです。そんなにミスったわけではないと思うんですが、「刷り込まれた」感がございます。

ま、もともと、3ヶ月に1回の業務執行報告の取締役会は書面でできないのだし、取締役会は実際に開催するのが原則だし、集まらないと協議できませんから、当然といえば当然のことなのかも知れません。
ですので、取締役会の書面決議は、緊急案件の場合だけ、という会社サンが多いような気がします。

一方、株主総会の方はというと。。。1人株主の会社なんかは、「株主総会は書面で」と決めている会社もあるくらいです。
開催しても株主は1人だし、しかも、代理人がその子会社の代表取締役だったりするわけです。「議長を務めつつ、株主の代理人になるのですが、どうやって議事進行をしたら良いのでしょうか?」なんて質問を受けることもあります。

一人芝居みたいで面白いんですけど、確かに、そういう状況の場合、株主は事前に了承しているので、株主総会の決議は形だけだったりします。ならば、書面決議で十分じゃないか、と考える会社がダンダンと多くなってきているってことかな?と思っております。

ただし、外資系の会社サンの場合は、「取締役会の書面決議」。。。お好きみたいです。
役員の方が外国にいらっしゃる場合、時差の関係もあって、取締役会を開催するのが大変なのでしょうかね?
個人的には、日本の会社のように「次回の定例取締役会に。。。」って、のんびりムードじゃなくって、「どんどんチャッチャとやっちゃおう!」的な考え方のように思えますが、どうなんでしょう?
とにかく、日本の会社と外資系(欧米系)の会社、動き方や考え方が全然違ってて、面白い。

。。。というわけで、外資系の会社は、「緊急」ではなくても、取締役会の書面決議(正式には決議の省略)を良く利用されていて、今回も外資系の会社サンでした。

また書面決議なんだなぁ~。。。と思いながら、チェックをしていたのですが、「あれっ?」何か足りないような。。。


続きはまた来週~♪

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特例有限会社の解散 その2

2012年08月30日 | 商業登記

おはようございます!

特例有限会社と株式会社の違い。。。
いくつかございますけども。。。

登記事項でいうと、「取締役会設置会社の旨」「監査役設置会社の旨」が登記事項でないこと。
取締役会は、実体法上設置できないことになっていますから当然登記事項にはならなくて、「監査役設置会社」であることは定款の記載事項ではありますが、登記事項ではありません。

なんでかな~???
監査役設置会社がどうして登記事項になっていないのか。。。
監査役の登記があれば、監査役設置会社だってことが分かるから?
ん~。。。だったら、株式会社だって同じだろうしな。。。不思議です。

そして、株式譲渡制限に関する規定。
これは、いわゆる整備法の「みなし規定」によって職権登記がされていますが、定款変更することはできません。したがって、変更登記することもできない、というシロモノ。
これもね。。。実質的に意味が同じだったら、変更登記できたって良さそうなモンだ。。。と思うんですけど、ダメなんだそうです。

さらには、役員の登記です。

ここは旧有限会社から変わっていないので、現在の株式会社の登記事項とは異なっております。

【株式会社の場合】
・取締役-氏名
・監査役-氏名
・代表取締役-住所・氏名
(会社を代表する取締役は、全員「代表取締役」として登記されます。つまり、代表取締役は必ず登記されるってことです。)

【特例有限会社の場合】
・取締役-住所・氏名
・監査役-住所・氏名
・代表取締役-氏名
(会社を代表しない取締役(←平取締役)がいない場合は、「代表取締役」の登記はしません(登記できません)。)

具体的には、取締役ABが各自代表だった場合、こうなります。

株式会社: 取締役A、取締役B、代表取締役(住所)A、代表取締役(住所)B
特例有限会社: 取締役(住所)A、取締役(住所)B

取締役Aだけ代表権がある場合はこうなります。

株式会社: 取締役A、取締役B、代表取締役(住所)A
特例有限会社: 取締役(住所)A、取締役(住所)B、代表取締役A

これ、結構面倒ですよね~。。。
登記事項が違うことによって、登記内容も違ったりします。
「代表取締役の氏名抹消」とか。。。嫌いです^^;
どうしてこうなっているのか。。。たぶん、システムの変更やら、法務局の手間の問題なんでしょう。
特例有限会社の役員の登記事項は、本来、株式会社と同じにすべきでしょうが、そうなると、現在の登記事項をいじらなければなりません。それは大変すぎるし、そもそも、数は減っていくのだから(これから設立することはできないので)、そのままでいいんじゃない?ってことだと思います。

さて、ギモンに思ったのは、清算人の登記事項です。
清算人は1人になることがほとんどですが、株式会社の場合は、取締役会非設置会社のように「清算人A、代表清算人A」と登記されます。

。。。じゃ~もしかして。。。特例有限会社の清算人の登記事項って、特例有限会社の取締役と同じなのか????

ちょっと焦りました^^;
記載例通達とかには載ってませんし、会社法施行時の通達にも書いてません。
仕方がないので、久しぶりに整備法を調べてみると。。。「あったぁ~!」

(登記に関する特則)
第四十三条  特例有限会社の登記については、会社法第九百十一条第三項第十三号中「氏名」とあるのは「氏名及び住所」と、同項第十四号中「氏名及び住所」とあるのは「氏名(特例有限会社を代表しない取締役がある場合に限る。)」と、同項第十七号中「その旨及び監査役の氏名」とあるのは「監査役の氏名及び住所」とする。
 特例有限会社の清算人の登記については、会社法第九百二十八条第一項第一号中「氏名」とあるのは「氏名及び住所」と、同項第二号中「氏名及び住所」とあるのは「氏名(特例有限会社を代表しない清算人がある場合に限る。)」とする。

やっぱり、特例有限会社の清算人(清算人1人の場合)の登記は、「清算人の氏名・住所」で、代表清算人の登記はなし、ってことです。

登記申請前に気が付いて良かったケド、委任状とか印鑑届書とかは修正して(代表清算人⇒清算人)、差換えてもらうことにいたしました。
ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんっ!!

もしかして、会社法施行の頃は知っていたかも知れませんケド。。。全然考えていなかった。。。
これって常識ですかね。。。??
清算人の登記を取締役等の登記と一緒にする必要はないんじゃない!?
「迷惑~っ!!ぶぅぶぅ~。。。」 自分の無知を棚に上げて誰かに文句を言いたい気持ちでした ^^;

コメント (12)
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特例有限会社の解散 その1

2012年08月29日 | 商業登記

おはようございます♪

8月もあとわずか。。。
まだまだ暑いですけどね~。
あっという間です。イヤダイヤダ。。。

今年は設立案件が途切れない、というオハナシをいたしましたが、実は解散・清算案件もそれなりにございました。
設立案件は、「始まった!」と思ったら、すぐに終わる。。。という感じですが(ハナシが来てから実際に動き出すまでは結構時間がかかることもあるのですけど、作業を開始するとあっという間に終わっちゃいます。)、解散・清算案件は、普通でも2ヶ月以上はかかりますんで、終わるまでが長い。

なので、数としては多くないけど、手続中の案件が何かしらある、という状況です。
現在も清算手続中の会社が1社ありますし、この前やっと清算結了した会社は、解散から結了まで10ヶ月ほどかかりました。

で、もう1件。
今年の初め頃に受託した解散案件もありまして。。。この間、やっと動き始めました。
実は、忘れてたんで、「あ~そうでした、そうでした、失礼しました_(_^_)_」って気持ち。

当初のご相談はですね。。。
「特例有限会社の手続は何か特別なことがありますか?」というようなオハナシだったと思います。
特例有限会社って「有限会社」と名乗っている「株式会社」なんですけど、確かに、株式会社と全く同じではないトコロもあり、当事者としては、何かあるのではないか?とご心配だったのだろうと思います。

そういえば、ワタシ自身も、会社法施行後に有限会社の解散案件を受託したのは初めてかも知れません。
ただ、解散に関しての特殊な問題はないはず。。。「スケジュールや手続は株式会社と同じですよ。」とお答えしたと記憶しています。

そして、現在。
解散の日が大体決まりましたので、必要書類の準備を始めました。

そういえば、この間も解散案件の「相談」に来られた会社サンがありましたが(手続は会社の方で行うそうで、疑問点だけを解消したかったらしい。。。^^;)、考えてみれば、会社法施行前と全く同じってワケには行かないし、しょっちゅう解散案件に携わるってこともないでしょうから、やっぱり、皆さん、心配なんだろうな。。。と思います。

さて、それで。。。
いつものように、前置きが長くなりましたが^^;、そろそろ申請書の準備をしようと思いましてね。。。。
作成しようとして「んんっ??もしかして?」。。。何かイヤな感じ。。。

続きはまた明日♪

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公開会社の有利発行の添付書類 その3

2012年08月28日 | 商業登記

おはようございます(^^)

今日は突然本題に入ります。
登記の添付書類のことです。

「有利発行のために株主総会の特別決議を要する場合の取締役会議事録は添付を要しない(取締役会の議事録が添付されていれば足りる)。」という先例(S30.6.25民甲1333号)がありましてね。。。これ、今も有効らしいのですよね(商業登記ハンドブックP289)。

以前からずっと気になっていたのはこのこと。

旧商法下では、新株発行の決議機関(募集事項の決定決議機関)は常に取締役会で、株主総会は有利発行決議だけをすれば良かったわけです。
取締役会議事録からは有利発行かどうか分からないし、決議を経ていなくても新株発行の無効原因にならないから要らない、という理由だったようです。

しかし、現在では、「公開会社の有利発行」であれば、決議機関が変わります。
有利発行だからこそ決議機関が株主総会になるのですから、有利発行決議と募集事項の委任の決議は、株主総会で一つの議案として決議するのが普通。でも、株主総会議事録は要らないってことでしょうか?

でもなぁ~。。。決議機関が株主総会なのだから、募集事項の決定を取締役会に委任していたとしても、株主総会議事録が要らないってことにはならないはずですよね!?

この関係って、どう考えたら良いんでしょうか?不思議なんですよぉ~!!

そうは言っても、「公開会社の有利発行なんてほとんどないじゃん!だったら、実務上はどうでも良いんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
でも、あるんです!普通に!

。。。それが、募集新株予約権の発行。(これで、初めのハナシと繋がります^^;)
取締役会に委任できる事項は少ないのですケド、手続的には募集株式と同じです。

つまり、公開会社が新株予約権(ストックオプション)の発行を有利発行として決議する場合は、募集株式の発行と同じように、株主総会議事録が要るとか要らないとかって議論が当てはまるってことなんです。

旧商法下では、ストックオプション目的の新株予約権は一律に有利発行と整理されていましたので(今は有利発行とは限りません)、株主総会の決議が必要とされていましたが、この先例によって、株主総会議事録は添付書類になりませんでした。当然、ワタシも添付していませんでした。

このハナシ(先例が生きてるってコト)は会社法施行直後は知りませんでね。。。
旧商法下とは手続が異なる(=募集事項の決定機関が株主総会になった)のだから、当然、株主総会議事録は要る!って思っていたんです。
その後、「商法の時代と同じ扱い」と知りましたが、「どういう意味なんだろ~???」と思いつつ、株主総会議事録は添付しています。

あくまでも「有利発行の株主総会議事録は要らない」と言っているだけで、「募集株式発行の株主総会議事録は要るんだよ」という意味なのかも知れませんが、有利発行の事実が分からないと、決議機関が決まりませんしね。。。
しかも、株主総会で募集事項の決定の委任をしたとして、委任された取締役会議事録に株主総会で委任された事実を記載せず、募集事項の全部を決議していたとしたら、株主総会議事録って添付しなくても分からないってことになりますよね~。。。

法務局って、添付書類が足りないと補正になりますが、余計な書類を添付しても何も仰らないのでね。。。
ずっとずぅ~っと気になりながら、株主総会議事録を添付し続けております^^;

もう、実質的に意味のない先例なんじゃない?(或いは、何かしらの補足が必要)って思うのですが、殊更にハンドブックに書いてあるのはどういうコトなんでしょうね?
皆様どのようにお考えでしょうか??

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公開会社の有利発行の添付書類 その2

2012年08月27日 | 商業登記

おはようございます。

くどいようですが、募集株式や募集新株予約権の発行に関する条文。。。読み解くのに相当苦労いたしました。
なので、間違ってはいないと思うんですけど、一応確認。

(公開会社における募集事項の決定の特則)
第二百一条  第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。
(以下省略)
 
 
(募集事項の決定)
第百九十九条  株式会社は、その発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
 募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数。以下この節において同じ。)
 募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下この節において同じ。)又はその算定方法
 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
 募集株式と引換えにする金銭の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間
 株式を発行するときは、増加する資本金及び資本準備金に関する事項
 前項各号に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
 第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
(以下省略)

いかがでしょう?


募集事項は。。。

原則として株主総会の決議で定める⇒けど、公開会社の場合は、取締役会(ただし、有利発行の場合を除く)
つまり、公開会社であっても、有利発行の場合、募集事項は原則どおり株主総会の決議で決めてくださいよ!と言ってますよね?

しかしながら、公開会社が有利発行をする場合、募集事項の全部を株主総会で決めるってことはほとんどなくって、こうしますね。

1.株主総会において、募集事項の決定の委任決議+有利発行決議
2.株主総会の委任に基づき、取締役会において、募集事項の決定決議
3.募集事項の通知
4.募集株式の申込み
5.取締役会において、募集株式の割当決議
6.募集株式の割当通知
7.募集株式の払込み
8.払込期日の到来(=効力発生)

公開会社が有利発行する場合、募集事項の決定は株主総会決議、つまり、非公開会社と同じなのですが、非公開会社は、株主総会で取締役会に対して募集事項の委任決議をすることは、あまりありません。
何故かというと、株主総会が簡単に開催できるからであり、取締役会に委任すると、取締役会の決議が1回増えてしまい面倒だからだと思います。

もちろんね。。。非公開会社でも、そういう事情が当てはまらない会社サンや、そもそも、時期を異にして複数回の発行を予定している会社サンだったら、採用されるワケですが、とりあえず今回だけって場合については、取締役会への委任などということはいたしません。

しかし、公開会社(かつ上場会社)の場合は、株主総会は滅多なことでは開催できませんので、定時株主総会で決議するってことになるのが一般的です。
ところが、その時点では、募集事項が決まっていない(あるいは、決まっていても変更の可能性がある)ということもありますし、もしかして、別の募集株式を発行するかも知れないし。。。ってことで、とにかく、どんなことでも、株主総会では必要最低限しか決めたくないのですよね。

前置きが長くなりまして、スミマセン^^;
明日は本題に入れる。。。。と思います。

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