司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

役員の氏名(登記 vs 戸籍) その3

2013年04月30日 | 商業登記

おはようございます♪

あらっ?と思ったら、ゴールデンウィークに突入しておりまして。。。
猫のオモチャをたんまり買い込んでありますんで、遊んで貰って(?^_^;)おります。

では、先週の続きです。

ワタシ共のオシゴトは、常にヒトの氏名と関わっておりますんで、漢字に関してはかなり敏感になっております。
良くある字に関しては、条件反射的に確認する癖がついちゃっているくらいです。
(「でも、この前の外字には気づかなかったんでしょ!?」って突っ込まないでね♪^_^;)

ただし、ワタシのようなオシゴトですと、商業登記がらみがホトンドですから、最近では珍しい字に遭遇することはほぼございません。。。
しかも、取締役会設置会社の取締役や監査役に関しては、公的な証明書(住民票や印鑑証明書)を確認する必要はなく、基本的には議事録に記載されたとおりに登記しますので、実際にはすんごい珍しい字があったとしても分からない。。。ですしね。

ですので、先週の記事に書いたようなコトはモチロン必要な知識ではありますが、実務上はもっと重要なコトがございますよね♪

先日、代表取締役が交代した会社サンのこと。
株主総会で取締役に選任され、直後の取締役会で代表取締役に選定されました。

そのヒト、仮に「高田」さんとしましょう。

株主総会議事録や取締役会議事録は「高田何某」と記載しておりましたが、実際に印鑑証明書を入手してみたら、「田」さんだったワケです。
さぁ大変!
議事録には通用字体の「高田」と書いてあり、押印も済んでいます。

さて、この場合どうすれば良いでしょうか????
「議事録を訂正しなきゃダメですかぁ~!?」(←訂正したくないんだけど。。。)
というのが、良くあるハナシです。

或いは、そもそも通用字体でない字が含まれている、ってことに関係者一同気づいてなくて、ワタシ共に印鑑証明書が届いて発覚した!なんてコトもあります。

さらには、代表取締役の交代に際して、取締役会議事録には出席取締役・監査役の実印を押印しなければならないケースなので、印鑑証明書を入手したところ、すでに登記された(平)取締役の氏名が登記された字とは違ってた。。。というコトが発覚! なんてコトもあります。

。。。。で、こういう場合(登記前に発覚した場合)。。。

まずは、「どの字で登記をするのか」を決めていただきましょう。
今回のケースでは、高田さんは、通用字体で登記することもできるし、戸籍上の字(はしごだか)で登記することもできますから、どちらで登記するのかを判断していただくコトになるワケです。

しかし、会社の担当者としては、役員サンの氏名ですから、勝手に通用字体に引き直す。。。なんて、怒られやしないだろーか?と思うようです。
なので、まず、ご本人が通常どちらの字を使っているのか、という点を確認してもらうのですが、ご本人に聞く以外にも、いくつかの判断材料があります。

例えば、就任承諾書。自署をする際にどちらの字を書いているか。。。これで、通常そのヒトが使っている字が分かります。
例えば、印影。印影が通用字体でしたら(←三文判じゃなくって、ご本人が作ったような印鑑)、ご本人は、普通、通用字体を使っているだろう。。。というコトが分かります。
例えば、名刺。名刺にどちらの字が記載されているかで、ご本人が通常使用される字が分かります。

もちろん、ご本人に確認できる状況であれば、確認するコトも必要でしょうし、ご本人の希望とは別に会社としての方針(←必ず印鑑証明書通りの字で登記する or 必ず通用字体に引き直す)がある場合もあります。

ま、ワタシ個人としては、特に入力の際に「外字」になってしまう字に関しては、通用字体(この前の「麹」みたいな字は除いて)で登記することをお勧めしています。(ちなみに「はしごだか」は外字ではありません(ただし機種依存文字です)。)

順序立てて考えてみると、それなりに説明が難し~な~。。。^_^;
続きはまた明日♪

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役員の氏名(登記 vs 戸籍) その2

2013年04月26日 | 商業登記

おはようございます♪

まずは、お詫び。
昨日の記事に書いた「正字」というのは、「誤字俗字・正字一覧」のうちの「正字等」に掲げられている字のコトを指しております。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000164373.pdf ←P103~

ただ、「正字」と言いきってしまうのは、ちょっと無理だったかも知れません。
「正字」とは、誤字俗字でない字という意味のようですが、旧字は正字の俗字と考えられているみたいですから、誤解を招く可能性がありましたね。。。なので、記事は修正しておきます。すみません。

結局、先例の意味が理解できていないので、知ったかぶって嘘を言っても申し訳ないですから、ま、とにかく、最低限必要な一覧表の見方が分かれば良いと思います。

まず、一覧の「正字等」のうち、カッコのない字は通用字体です。
通用字体とは。。。http://www.weblio.jp/content/%E9%80%9A%E7%94%A8%E5%AD%97%E4%BD%93

ま、つまり、普通に使っている字ですね。(常用漢字だけではない。)

そして、何かしらのカッコが付いている字は、カッコの種類によってそれぞれ意味があるのですけれども、とにかく、「正字等」であり、(外字になるかどうかは別にして、)登記することが出来ます。

さらに、例えば「斉」の左は「齊」ですが、「斉」が通用字体、「齊」は「斉」の旧字という関係になっております。

で、司法書士試験のモンダイにも出たことがありますが、「斉」と「斎」はどちらも通用字体です。つまり、別の字というコト。
「斎」の旧字は「齋」です。
ちなみに、「邊」と「邉」の通用字体は「辺」です。

もう一つちなみに、ワタシがこのオシゴトをしていて驚いたのは、「竜」という字。
「龍」と「竜」は同じ字で、「龍」は「竜」の旧字なのだそうです。「滝」も同じで、「瀧」は「滝」の旧字なのだそうです。

それから、東京の方はご存じかも知れませんが、「千代田区麹町」の「麹」という字。
実は、「麹」は通用字体じゃない!
http://www.taishukan.co.jp/kanji/qa01.html#Q0016

通用字体は なんですね。
しかし、通用字体にも関わらず、この字は「外字」になるんです。
不思議ですね~。。。

ついでにもう一つ。
これも東京の方はご存じだと思いますが、「葛飾区」の「葛」の字。

1.←通用字体

2.

という関係になってます。
なので、2の字で申請しても、登記する際には自動的に1の字に引き直されるってコトになっておりました。
http://www.city.katsushika.lg.jp/45/003401.html

。。。というワケで、ローカルなハナシでとりとめが無くなって参りましたけれども、重要なのは、「同一の文字かどうか」です。
同じ文字であれば、互換性(?)がありますのでね。。。

で、これを踏まえて、また来週~♪ 

コメント (3)
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役員の氏名(登記 vs 戸籍) その1

2013年04月25日 | 商業登記

おはようございます♪

そういえば。。。
すっかり忘れておりましたけれども、4月22日で当ブログは4周年を迎えておりました ^_^;
4月は色々あるんで、もっとキリの良い日にしておけばよかった。。。
今さらながら、後悔しています。あ~あ。。。

ただ、始める時は、こんなに長く続くとは思っていませんでしたし、とにかく始めるコトで精一杯。
あの頃は、アタマの中でいっつもネタ探しをしていたような気がします。

。。。とは言え、とりあえずの努力目標 3か月、半年、1年、3年。。。と何とかクリアして参りまして、次は5年なんですかね?
備忘録とグチのはけ口と何の関係もない猫と。。。かなり独りよがりな感じではございますが、段々とお読みいただいている方も増えているようで、本当にうれしい限りです。

コメントをくださる方は皆さん良い方ばっかりだし、教えていただくコトも多くて、助けてもらってばっかりでありますが、コチラからも何かお役に立てていると良いなぁ~。。。と思います。

。。。というワケで、改めまして、おかげさまで4周年を迎えることができました。ありがとうございましたm(__)m
今後ともどうぞよろしくお願いいたしますっ!!!!!


******

え~。。。それでは、本日の話題。
昨日までの続きみたいなハナシですが、「外字」というククリとはちょっと違うような気がしますので、お題を変えてみました。 

役員の氏名の「字」についてです。(日本人の場合)

以前も書いていたようですが、http://www.soumu.go.jp/main_content/000164373.pdf
もうちょっと詳しめに。。。(実は忘れていたんだけど。。。^_^;)

そんなに難しいハナシではないと思うのですが、書籍等では記述がないコトも多いんですよね♪
なので、「良く分からない~っ!」という場合もあるでしょう。
じゃあ、アンタはどこで習ったの???と言われると。。。良く分かりません。。。^_^;
ま、でも、この扱いで長年オシゴトをしておりますんで、合ってると思います。。。たぶん。。。
お疑いの方は、法務局へお問い合わせくださいまし。。。

では、まず、登記できる字についてです。

1. (外字でなく)普通に登記できる字は、JIS第一水準、JIS第二水準及びJIS非漢字(JIS X 0208)に該当する文字です。
2. 1以外の字は外字で登記することになります。
3. 外字でも、登記できる字とできない字があります。康煕字典に載っている字は登記できるというコトです。
4. 誤字・俗字であっても登記できる字もあります。

具体的なハナシを致しますね。

は「高」の旧字俗字(←訂正しました。)で、正字等ですが、登記する場合は外字になります。

「邊」や「邊」は「辺」の旧字です。
どちらも正字等であり、登記する際は外字ではありません。

「廣」は「広」の旧字です。
どちらも正字等であり、登記する際は外字ではありません。
ただし、この字に関しては、戸籍上は、

 が断然多いんですよね。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000164373.pdf ←P108

で、この字。。。の俗字なんですが、外字にはなりますけれども、登記することは出来るんです。

こういう具合に、旧字だから絶対登記できるとか、俗字は登記できないとか。。。キチンと整理されているワケでもないような気がします。
良く出てくる字は聞くまでもありませんが、珍しい字に関しては具体的に問い合わせをするようにした方が良いみたいデス。

それと、ちょっとズレますが、ついでなので。。。記号。
例えば、丸付き数字は外字なんですね。
ですので、法務局からは「なるべく使わないで♪」と言われています。
定款上は、目的などに丸付き数字が使われていることが多いですし、新株予約権とか、種類株式なんかでも出てきます。
が、ココは、できれば「カッコ」などに引き直して登記して欲しい。。。というコトです。

もちろん、協力事項ですし、外字での登記は可能なので、絶対そうしなきゃダメというワケではございませんケド、クライアントの皆様には、ご説明したうえで引き直すようにしています。

以上を踏まえまして。。。また明日♪

※ 正字等: 誤字俗字・正字等一覧の「正字等」を指します。 

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商号と外字 その7

2013年04月24日 | 商業登記

おはようございます♪

チョットだけ昨日の続きから。。。

しばらくの間、「外字」のハナシをしておりましたが、実は、この時期、もう1件同じような案件がございました。
コチラは外字ではないんですけどね。。。というか、本来は商号のウチの1文字が外字であるハズなのに正字で登録されている。。。というケース。

ま、コレもワタクシ全く気付いていなかったのですけれどもね。。。^_^;
外字が含まれていた商号と同じように、よぉ~っく見ないと分からない程度の違いでした。

「本当はA’BC(←外字)っていう商号ナンですケド、なぜか登記はA(←正字)BCになってるんです。ただ、会社としては通常A'BCの表記を使っていまして。。。」 とのコト。そして、その会社サンもかなり昔に設立されております。

で、コチラも確認してみましたら、やっぱり、「A'」は「A」の旧字でした。
こっちは移記ミスの可能性が高いだろうな。。。と思います。ただし、コンピュータ移記のときではないそうです。
会社サンは「A'BC」の商号にすごくこだわっているケド、「更正登記はなぁ~。。。(-"-)」って、あんまり乗り気でないご様子。

同じような時期に同じようなハナシが出てくるものです。。。相変わらず ^_^;。。。
しかし、この会社は合併で解散しちゃうような事情もないですし、やっぱり商号は会社の顔ですからねぇ~。。。
それに、漢字ですからね。。。今までの「インターナシナル」」vs「インターナシナル」のようなモノとは意味合いが違う気がして、個人的には更正登記をお勧めしたいデス♪

さて、では、ハナシは少し変わりまして、ヒトの名前について。
ご存じない方のために一応ご説明しておこうと思います。たぶん、書いたことないと思うんですケド。。。重複してたらスミマセン。

取締役や監査役などの役員の氏名に関しては、戸籍上の字が「誤字・俗字・旧字」等である場合、そのまま登記しても良い(登記できない字もあります。)し、正字又は通用字体に引き直して登記しても良いこととされています。

例えば、「辺」という字。
戸籍上の字は「邉」や「邊」であることがかなり多いデス。
そして、「邉」や「邊」は正字ですけれども、それぞれの「誤字・俗字」がいくつもあります。
例えば「しんにょう」が二点じゃなくて一点になってたり。。。という具合。

で、よくあるんですが、例えば「高橋太郎」という取締役を選任した議事録がありました。
でも、実はそのヒトの戸籍上の字は「」だった。。。というケース。

同業者の皆様には面白くないハナシかも知れませんが、クライアントの皆様からはとってもご質問の多いモンダイなので、ひととおりご説明しておこうかと思います。

また明日♪

 

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商号と外字 その6

2013年04月23日 | 商業登記

おはようございます。

なんだかど~でも良いような気もしますが。。。ははは。。。^_^;
一応続きです♪

「東京都○○区○○1-2-3」 としますと、ハイフン「-」が外字になっているワケです。
しかも、何だか線が上の方に寄っているような気がするんですよね~。。。

で、コレ、どうして外字なのか。。。一応聞いてみましたけれども、ま、そもそも、管轄外の本店移転をしてきたので、現在の管轄で記入をしたワケではございませんから、事情はご存じないようでした。。。
ま、もしかして、外字を使うコトに決まっているのかも知れませんけれども、なんとなく突っ込むと怒られそうな気がしたんで。。。
(例えば、「オタクが代理人だったら、ちゃんと登記すれば良かったでしょ~!」とか。。。)

とにかく、「ダウンロードした商号と本店をそのまま使えばいいよね!?」と思いまして、「コピペ」をして申請書を作ってみました。

存続会社の本店が出てくる箇所は、「存続会社の申請書の最初(見出し)と最後(申請人)」「消滅会社の申請書の登記すべき事項と申請人」です。

とりあえず作り終えまして、プレビューで確認したら、「????」
う~んと。。。

存続会社はの申請書はハイフンが表示されているんですが、消滅会社の方は外字部分に「×」が出ています。
コレ、プレビューでは表示できないだけで、本当は合っているコトもあるのですが、良いのかどうか分からないんですよね~。。。

そこで、何かキモチが悪いので、別件の商号の外字は、外字ファイルを別途貼り付けたんですが。。。。
「ハイフン」って、どの外字が使われているのか分からない。。。。

「-」「―」「ー」「一」のような感じでしょうかね~?
同じ横棒ですけれども、ちょっと違う。
わざわざ外字を使うなら、同じ外字にしなければ意味がないと思いますよね?
だけど、どの外字が登録されているのかが分からないので、外字ファイルを選択することができません。
そもそも、普通のハイフンじゃダメな理由も分からないのですし。。。^_^;

。。。というワケで、仕方がないので「消滅会社の申請書のうち、存続会社の本店のハイフンは「外字じゃないハイフン」を使って良いでしょうか?」と伺ってみますと、「大丈夫じゃない?」と仰るもので、消滅会社の方は普通のハイフンにしました。

「これに何の意味が????」と思いながら、申請書を作成しまして、登記申請しまして、補正もなくアッサリと登記が完了いたしました。

出来上がりの証明書を見ますと、横棒の感じがやっぱりちょっと違いましたね~。。。
普通のハイフンはとっても短いです。

しかし。。。謎です。なぜに外字なのかしら???

コメント (2)
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