司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

更正登記イロイロ その4

2010年07月30日 | 商業登記
そもそも、何故そんなことが起こってしまったか、とても気になりますよね(なりませんか。。。?)。
そこで、とりあえずお役所に電話して事情を訊いてみることにいたしました。

わかったような、わからないようなオハナシではありましたが、お答えとしてはこんなカンジです。

住居表示が実施されていない建物の場合、底地の地番が住所になるが、底地が2筆以上の場合は所有者が適宜決めることができる。。。。役所がとやかく言うことではないし、キッチリ決まっているわけでもない。

オオザッパですが、こういうことなのだそうです(真偽のほどは未確認)。
ですから、ワタシが思っていたことは、結果論としては多数を占めてはいるものの、結論が異なるケースもあり得る。。。ということです。

いずれにしても、今回、大家サマは違う住所にしちゃったわけで、こちらの事情なんか考慮してはくれません。

ただ、分割公告は入稿済みだし、契約も締結済みだし、しかも分割会社は上場会社でプレスリリースもしているし、ということもあり、間違ってはいるけれど、直ちに本店の更正登記するのは他に与える影響が大きく、しばらくは放置するしかありませんでした。

本店の住所が違うといっても、底地のもう1筆の地番なのですから、そういう意味では郵便物が届かないというような実質的なリスクはなかったんですけどね(^_^;)
(今考えてみると、直さなくても良かったかな。。。とも思ったりして)

。。。というわけで、その間は、更正登記の準備をしなければなりません。
更正登記がやっかいなのは、添付書類がケースバイケースになることですよね~。

登記の添付書類は、通常、細かく決まっていますけど、「更正を証する書面」は、議事録であったり、上申書であったり、他の書面であったりします。
結局は管轄の登記所の主観ですから、その都度確認しなければいけないんです。
イロイロあるので、詳しくはまた今度にしますが、今回は上申書のみでOKとなりました。
でも、上申書って作文みたいなものですよね。
なんか、起案していて反省文を書いているような気分になりました。

だって、「決議したときは合っていると思っていたケド、大家さんの決めた住所が違っていることが契約時点で発覚したので。。。。ウンヌンカンヌン。。。。」って感じですもん。 場合によっては賃貸借契約書も。。。となりそうでしたが、上申書に経緯をちゃんと書くって約束で、それはナシになりました。

このケースは、ダレが悪いわけでなく、偶然的事情で更正登記をしなければならなくなった、という珍しいケースだろうな。。。と思いますが、どうでしょ?
住所の件も、未だにスッキリしないので、詳しい方がいらっしゃれば是非教えてください!!

。。。来週から8月ですが、もうちょっと続きます。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

更正登記イロイロ その3

2010年07月29日 | 商業登記
数年前のことです。
会社分割の案件がありまして、当初は新設分割を予定していましたが、諸般の事情により、まずは会社を設立してから吸収分割という流れに変更されました。

スキームが変更になったので、設立手続は早急に行わなければならなかったんですが、思わぬところで問題が発覚しました。

どういうことかといいますと、新会社の本店所在場所です。
会社を設立する場合、本店はまだ決まっていないので、仮に親会社のオフィスを使う。。。などということもありますよね。その場合は、設立後にキチンと新会社のオフィスが決まったら、そこを本店として本店移転登記をいたします。(←こういうのがわりと多いです。)

その会社の場合、オフィスは決まってました。
でも、住所が分からなかったんです。
新築ビルでして、大家さんから、「住所が決まるまで、まだ時間がかかりますよ。」と言われたのだそうです(ビル自体は出来あがってました)。

住居表示実施地区の場合、新築建物ではお役所に住所を決めてもらう手続があります。ですので、住所は勝手に決めることはできず、お役所の回答待ちってことになります。。。。が、今回は、幸か不幸か住居表示が実施されていないトコロだったんです。
ビルの底地は2筆に分かれていまして、そういう場合、建物が大きく乗っている方の底地の地番が家屋番号(正確ではありませんが)になり、その建物に住む人の住所になる、というのがワタシの理解でした。(←なんのことやら分からないでしょうか?スミマセン(^_^;))

とにかく時間がなかったので、そういう想定で本店所在場所を決めて会社を設立し、その後、会社分割の手続に入りました。
そして、分割契約の締結が終わり、そろそろ分割公告が掲載されるかな~。。。。という頃、会社の担当者から電話がかかってきました。

「あのぉ~。。。実は、賃貸借契約の締結が終わったんですが、オフィスの住所が違ってたんです。どうしましょ~(;O;)」

どうしましょ?。。。たって、どうしよ。。。
いずれにしても、更正登記をしなければなりませんけど、手続を阻害するわけにもいかなくて、タイミングが重要になってきました。登記の添付書類も気になりません?

。。。それについては、またあした~ ^m^
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

更正登記イロイロ その2

2010年07月28日 | 商業登記
更正登記のハナシがすらすらと出てくるってことは、ホントは恥ずかしいことなんでしょうね(^_^;)
ぃゃ。。。でも、だれが間違えたか、とか、どうして間違えちゃったか。。。ということもありますんで、一概に「ワタシのせいです(ーー;)」と告白しているわけではないですよ~~。あしからず (ε ̄;)

というわけで、一つ目のケースです。

昨日の記事にも書きましたが、年明けは危険なんです。どうしても年が変わったことが染み付いていなくって、何かの拍子に間違えます。でも、1月は「危険、危険、危険。。。」と思いながらやっているため、ミスは少なく、ちょっと気の抜けてきた2月頃がホントに危険な時期なんです。

ある会社の代表取締役が辞任しまして、登記完了しました。代表取締役といっても社長ではなく、ヒラ(?)の代表取締役でした。必要種類は辞任届だけだし、登記も書類も至極簡単なものだった。。。はずが、「はっ!∑(゜□゜;) 汗汗汗」。

原因日付が去年になってました。
ああいう時って、頭が真っ白、身体が熱くなりません?ま、それ自体は珍しいことではないんですけどね。。。

実は、その代表取締役は就任して1年経たないうちに辞任したものですから、何と!就任日前に辞任したという、とってもおかしな登記になってしまってたんです。
平成21年8月1日に就任して、平成21年7月28日に辞任したというようなことですよ!そんなのあり得ない~(-"-)。

もちろん、間違えたワタシが悪いのですけど、とても不思議だったのは、こういう物理的にあり得ない状況をシステムが警告しないってことです。コンピュータなんだから、一番得意なはずですよね?

ぶっちゃけ、こういう場合、まずは登記所の方を説得(プラス泣き落とし)してみます。たぶん、依頼人は許してくれるでしょうけど、余計な費用もかかることだし、できれば職権更正にしてもらえると助かるので。

ただ、職権更正に関しては、オンライン申請ができるようになってから、とても厳しくなりました。
つまり、オンライン申請の場合、申請内容が誤っていたことは明白なので、職権更正はまず無理なんです。紙で申請している場合は、「最初から訂正された申請書を提出した。。。」ということにしても分からないので、もちろん、場合によるのですけど、直していただけることもあります。

でも、そうすると、申請方法によって、職権更正の取扱いが異なってしまうので不公平になってしまいますよね。。。だから、紙の申請であっても職権更正はしないということになっているようです。

このケースでは、「就任する前に辞任したなんてことはあり得ないんですし、添付書類も間違いなくて、申請書だけが誤っていたんですから、(調査の段階で気付いても良さそうなモノ←という顔で)何とか直してくださいませんか?お願い、お願い、お願いしますっ!!」

というわけで、何とか口説き落とせて、更正登記には至りませんでした。

通常は、申請書を間違えていても、申請前に気付くのですけど、簡単な登記だっただけに気の緩みがあったようです。
それにしても説得作戦は相当大変なので、やりたくありません (>_<)
間違えないのが一番!

。。。で、明日は、チョット特殊なケースです。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

更正登記イロイロ その1

2010年07月27日 | 商業登記

登記が終わって登記事項証明書を確認したら間違っていた。。。ガーン!!!なんてこと、ありませんか? 少なくとも私は、何度か(?)あります。

ワタシの場合、間違えるパターンには規則性がありまして、ヒトの名前(字の間違い)、日付(特に年明けに●●年を間違えます)など、自分自身がそれほど重要視していない部分が多いです。分かっていながら、やっぱり間違える。。。何か良い方法はないものでしょうか(^_^;)

さて、このようにして登記事項を誤って申請し、そのまま登記されてしまった場合は、更正登記を申請しなければなりません。クライアントさんによ~く謝罪して委任状と場合によっては必要書類を交付してもらうことになります。

更正登記には、登記すべき事項の一部が誤っていた場合と、登記すべき事項の一部が漏れていた場合がありまして、前者が錯誤更正、後者を遺漏更正と呼んでおります(と思います。)。そして、一部ではなく全部が間違っていたような場合には、抹消登記を申請することになります。ちなみに、登記すべき事項の効力が発生していないのに登記申請をし、そのまま登記されてしまったような場合は、全部が誤りということで抹消登記をします。

例えば、役員の名前の一字が間違った場合は更正登記、役員の名前の全部(人違い)が間違った場合は抹消登記ですね。

では、取締役の内の一人だけ就任の登記が漏れてしまったような場合は。。。というと、これは更正登記ではありませんで、変更登記になります。登記申請というのは、必ずしも効力が発生している事項の全部を申請しなくてはいけない決まりはないため、一括申請が要求される事項を除いては、個別に登記申請することができるためなんです。

よって、社外取締役の旨が漏れてしまった場合とか、会計監査人の重任の登記を忘れてしまった場合も、後日登記申請するのはあくまでも変更登記ということです。何となく不思議な感じがしませんか?

ずいぶん前のことなのですが、取締役の改選期を迎えた会社の変更登記を申請した時のこと。代表取締役の重任登記が漏れてしまっていたんです。担当者も申請書のチェックをしたワタシも全く気付かず、登記が完了して、登記事項証明書を確認して初めて「あ。。。。。あ゛~っ!!!」となったわけです。

取締役会議事録も添付していたし、登記の目的も添付書類も間違えていなかったんですけど、登記すべき事項のみ、代表取締役の重任が漏れていました。
登記所の方でも気付いても良さそうなものですが、職権更正できるのは「もっぱら登記所のミスである場合」、つまり申請人には過失がなく、全て登記所が間違えた場合だけなので、仕方なく変更登記をした。。。というケースもありました。

これも単純ながら珍しいケースなのでは?と思いますが(ゴメンナサイッ _(_^_)_)、他にもいくつか珍しそうなモノがありますので、ご紹介しますね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

印鑑カードの保管場所

2010年07月26日 | いろいろ

面白いオハナシを訊いてまいりました。うわさ話です。(うわさ好きのオバチャンか!?)

皆様は印鑑カードをどのように保管されていらっしゃいますでしょうか?
今はすっかり印鑑カードなるものが普及しましたが、数年前までは考えられないことだったんですよぉ。

印鑑証明書を取得する場合には、必ず印鑑カードが必要ですよね。その前は。。。というと、印鑑証明書の交付請求書に会社の届出印を押して法務局に提出する方法で印鑑証明書を取得しておりました。

印鑑証明書の取得方法には2種類ありまして、直接方式と間接方式と呼ばれていました。直接方式は、印鑑証明書になる用紙を証明通数分(プラス請求書用に1通)提出し、その用紙に直接法務局が認証するというモノ、間接方式は、証明書1通を提出し、証明部分を法務局がコピーしてそこに認証するというモノでした。(得意の昔話なので、ご興味の無い方は読み飛ばしてクダサイ(^_^;))

直接方式か間接方式かは法務局によって異なっていまして(理由は不明)、司法書士手帳を確認しながら(そういう情報も書かれているベンリな手帳♪)、請求書を使い分けておりました。

会社から「印鑑証明書を取ってくださ~い」という依頼があると、わざわざ印鑑を押してもらうために会社に伺わなければいけませんでしたが、場合によっては予備の印鑑証明請求書をお預かりしている会社もありましたね。

それが、印鑑カードに切り替わることになり、これからはどうするべきか。。。。と考えたわけです。

つまり~。。。個人の印鑑カードを他人が預かることはほとんどないですから、会社のカードも同じかしら??だったら、事務所で印鑑証明書を預かることもなくなるのかな??預かるとしたら紛失のリスクもあるよね~。。。ってことです。

フタを開けてみますと、それは要らぬ心配だったようでして、印鑑カードを預かることは普通のことになっています。ただ、会社によっては「やっぱりカードを預けるのはヤダッ!」とおっしゃいます。
会社の印鑑証明書というのは、頻繁に取得しなければならないため、そこまで考えてはいられないのかも知れませんが、確かに、カードさえあれば印鑑証明書は取り放題なので、多少の危険は伴うものだと思います。

さて、遅くなりましたが本題デス。

先日、ひょんなことから、設立登記のご依頼を受けた会社さんがありまして(通常は、別の司法書士さんに依頼されています。)、一連の手続が終わったので印鑑カードをご返却すると、そのカードをマジマジと見ながら、「あの~。。。うちの会社(設立した会社の関連会社)のカードって、司法書士さんがお持ちなんでしょうかねぇ??」という質問。「はぁ??少なくともウチの事務所ではカードをずっとお預かりすることはないですケドね、その司法書士サンが印鑑証明書を取ってくださるのでしたら、預けてあるってことだと思いますよ。。。」

会社の印鑑カードを見たことがない(気がする。。。)とおっしゃるし、印鑑証明書は普通に取れているということなので、カードは司法書士事務所に預けてあるということで間違いなさそうでした。

確かに、会社の方が印鑑証明書を直接取りにいくことが無ければ、カードの受け渡しのリスクと手間を考えると預けっぱなしにした方がベンリではあるのだろうと思います。ですケド、ワタシ自身はかなりビックリしました。

もしかして、これって普通のことなのでしょうか?
実は、その事務所は都内では(たぶん)超有名はトコロなので、「だから特殊なんでしょ?」と思いたいんですケドね(^_^.)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする