司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

補欠役員の辞任 その1

2010年03月31日 | 役員

つい先日のことです。

ある会社が昨年の定時株主総会で補欠監査役を選任しておりました。そして、今年の定時総会の終結をもって、監査役1名が辞任することになったんだそうです。

補欠役員の選任が出来るようになったのは商法の時代で、その時は相当話題になりましたよね~。コトの始まりはやっぱり監査役だったんですが、監査役だけ認めるわけにもいかずに取締役もOKということになったのは、ワタシ的には驚きでした。

当初はキチンとした法律がなかったため、定款の定めが必要だったし、選任の効力は1年だったし。。。と、シバリが多くて使いにくかったように思います。
そして、ダレの補欠なのかとか、補欠役員が何人かいる場合、欠員が出たらどのヒトから就任するか、というようなことは特に決める必要がなかったため、実際に補欠者が就任する際にトラブルになったりしたようです。

そして、それらの問題を踏まえて現在の会社法の規定に至ったということなんでしょう。定款規定が不要になったのでグンと使い勝手が良くなっておりますが、それでも、解釈が必要になるところが出てきちゃうんですね。

それが、今回のケースです。

監査役Aさんが辞任することになり、補欠監査役の甲さんがめでたく就任するかっ!と思いきや、甲さんも 「ワタシも辞任します(?)」 とおっしゃったため、急遽、株主総会で後任監査役1名の選任をすることになったんだそうです。

補欠監査役が辞任したところで登記する事項はないんですけど、会社としては、補欠監査役が選任されているにも関わらず後任監査役を選任するのですから、補欠監査役が就任しないことを説明することになりますよね。

そこで考えたんですが、それって「辞任」なんでしょうか?

「なんでそんなことを。。。適当でイイジャン (^_^.)」 と思われるかも知れませんが、コレ、上場会社さんのケースなんです。
参考書類とか、適時開示とかありますから、適当はマズイです (^_^;)

ご担当者には、私見をお話しし、場合によっては弁護士さんにもご相談ください、とご説明しました。

実はまだ結論は出ていないんですが、ワタシのアタマの整理も兼ねて、明日に続きます。

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事業年度の変更と会計監査人の任期 その4

2010年03月30日 | その他会社法関連

会計監査人の任期満了時点が判明した後は、再任のための手続がどのようなものであるかを考えなければなりません。

そもそも、通常の場合、会計監査人が重任するのは、オオザッパにいうと、「再任されない事情がある場合」 で、このケースはそれとは違います。
つまり、臨時総会で任期満了した場合は再任されたものとはみなされない、という結論なんです。

ワタシは 「な~んかヘン! <`~´> 」 と思ってマスが、皆さんどうですか?

会計監査人の任期とは直接的に関係しない定款変更によって、しかも偶然的な事情で、選任決議が必要になるのは会社に負担をかけることになりますよね。
だって、もし、定時総会で定款変更していたら自動再任するんですから。。。

また、会計監査人は任期満了後に権利義務状態になりませんから、選任を懈怠したり、就任承諾が遅れたりすれば、本当の意味で欠員になってしまいます。

「会計監査人に関しては、実質的な事情を考慮してイロイロ便宜を図ってるんだから、形式的に自動再任に該当しないケースであれば、原則に戻って選任決議をするのがトーゼン!!」とおっしゃるのも分からなくはないんですけどね。

ただね~、定款変更したから任期満了する、ナンテコトも法律上の規定がないことなんですから、自動再任だって何とかならないかしら。。。って気がするんです。

まぁ~、ムリでしょうかね~。。。
任期満了のことは、法律を守れば任期がなくなってしまうから、特別に、ムリクリ考え出したことなんでしょう。
一方、選任決議の方はやろうと思えば出来なくはないので、ここが決定的にチガイます。

でも、御上も鬼ではありませんね~ (^_^.)
実は、ここでの一番のネックは会計監査人の就任承諾をどうするか。。。ってことだったんです。監査法人に就任承諾書の提出をお願いすると、すご~く時間がかかります。場合によっては数ヶ月。
せっかく選任決議をしたとしても、就任承諾しなければ、それまでの期間は会計監査人が存在しないことになってしまいます。
仕方がないので監査契約でやろう!と思い、バタバタしていたところ、今回は特殊なケースであるため、自動再任はできないものの就任承諾行為は要しない、ということになりました。

先例ではそこまで言及していないケド、実はそういう取扱いにしているのか、それとも、今回に限り特別扱いなのかは不明でございます。
知りたいなぁ~。。。デモ  今度にしよ! (^_^;)

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事業年度の変更と会計監査人の任期 その3

2010年03月29日 | その他会社法関連

へぇ~。。。そんなこともあるんだな~。。。でも、そういえば、何かそんなハナシ聞いたことあるような??
ってことで、これが昨年末の先例でございます ↓↓↓

① 事業年度を変更した後に会計監査人を選任(重任)した場合には、当該会計監査人に当初からその事業年度の終了までを任せていることになるから、変更後の事業年度が選任後1年以内に終了しないときでも当該事業年度に関する定時株主総会の終結の時に退任する。


② 会計監査人を選任(重任)した後に事業年度を変更した場合には、選任時からその事業年度の終了までを任せていないことになるから、変更後の事業年度が選任後1年以内に終了しないときには、当該事業年度の変更の効力が発生した時点で退任する。

こんな先例が出るってことは、実務上はモンダイになっているケースがいくつもあるんでしょうね。

①は、定時総会で事業年度を変更しているケースなどが該当するのだと思います。定款変更は決議と同時に効力発生し、会計監査人は(決議しませんが)定時総会の満了時で重任という順序です。

②は、臨時総会で事業年度の変更(定款変更)を決議した場合でしょう。他のケースも考えられますけど、代表的にはそうなると思います。

今回の案件は、どっちかというと②の方なんですが、選任後1年内に終了する事業年度もあるし、その事業年度にかかる定時株主総会も開催されていますから、ダイレクトに当てはまるものかどうかはチョットだけギモンでした。

結論としては、平成2112月の定時総会後に臨時総会を開催しますので、会計監査人の任期が遡って満了するのはオカシイ!、だから、臨時株主総会で定款変更された時点で会計監査人の任期は満了する、ということになりました。

まぁ、妥当な結論ですよね。
これに関しては全く異論はゴザイマセン。

例えば、取締役の任期を10年から2年に変更した場合、現任取締役の選任から5年が経過していたとしたら、定款変更の効力発生と同時に現任取締役の任期は満了するのであって、3年分遡って任期満了していたなんてことはありません。
こういうケースと同じように、今回も臨時総会で定款変更したときに任期満了するという結論は当然のことだと思います。

他に、機関設計を変更し、監査役設置会社とか、会計監査人設置会社であることをヤメル場合は、その定款変更の効力発生のときに任期が満了することになっていますが(コレは法定の退任事由です)、これと同じように解釈したのかもしれません。

とにかく、これからどうするか、早急に対応しなければいけなくなったんですが、ちょっとしたギモンも沸いてきました。

というワケで、もぅちょっとお付き合いください (^_^;) 

 

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事業年度の変更と会計監査人の任期 その2

2010年03月26日 | その他会社法関連

会社法では、事業年度は原則1年を超えられないこととされていますが、事業年度を変更した場合には、その変更後の事業年度は16ヶ月まで伸長することができることになっています。

当事務所のクライアントさんも事業年度の変更はちょくちょく行われていますが、1年以上の事業年度にしたケースは見たことがありません。
そのため、あまり深く考えたことはなかったんですけど、このようなケースでは、1年任期の取締役等の任期満了時期がモンダイになることがあります。

特に委員会設置会社の取締役や会計監査人については、任期伸長が出来ませんので、場合によっては 「選任後1年以内に終了する事業年度がない!? (ーー;)」ってことも起こりますよね。

「ダイタイ、そんなことする会社あるの? 何のメリットがあるの?」 と、何となくギモンに思っていましたが、たまにはそういう会社もあるみたいです。
以前、税理士さんから聞いたハナシでは、税務上の申告期限は1年を超えられないということで、そうだとすると、あまり良いこともなさそうだよな~。。。と思っておりました。

でも、それは株主総会の開催よりも税務申告の方が重要! って会社のことであって、株主総会を開催するのが大変な会社にとっては、総会が1回省けるのは都合が良いことなのかも知れません。
そして、株主総会がタイヘンな会社さんとは、代表的には上場会社であって、上場会社には会計監査人がいるワケで、しかも、取締役の任期が1年の会社も少なくはない。。。だから、任期のモンダイも出てくる。。。ってことなのでしょうか??

なんで、そんなこと(?)をマジメに考え始めたかといいますと、似たようなモンダイに出くわしたからなんです。

この会社さんは、事業年度を変更したのですが、フツウとはちと違っています。6ヶ月の事業年度を1年に変更するんです。
例えばこんな状況です。

変更前事業年度 3月と9月
変更後事業年度 9月(H22.3 臨時総会で定款変更)

会計監査人H21.6 重任
(選任後1年内に終了する事業年度のうち最終のものにかかる定時株主総会=H21.12

事業年度は変更したものの、会計監査人の選任後1年内の事業年度は存在します。
さて、会計監査人の任期はどうなるんでしょう?(→来週へ続く) 

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事業年度の変更と会計監査人の任期 その1

2010年03月25日 | その他会社法関連

会社法になりまして、さまざまな機関設計が出来るようになりました。 コレに伴って、会社の機関が登記事項とされましたし、会計監査人や会計参与人についても登記事項に加えられています。

特に会計監査人に関しては、大会社の場合、旧法でも設置義務があったにもかかわらず、突然登記事項になってしまって、今でも色々混乱しているようです。

会計監査人が他の機関と異なるのは、①非公開会社であっても任期の伸長が認められないこと、②選任決議がなくても再任すること、③任期途中で辞任した場合も権利義務規定の適用がないこと、④補欠規定の適用がないこと、などイロイロあります。

①非公開会社の場合、取締役、監査役、会計参与の任期は、定款の規定によって、10年まで伸長することができますよね。 でも、会計監査人は任期を伸長することも、短縮することも認められていません。

②会計監査人の最も困ったところでして、決議がなければ自動的に再任されてしまうんです。 ところが、登記は毎年やらないといけないので、会社さんが登記申請を失念することも非常に多いんです。 実は、ワタシも忘れっぽいので、会社さんには 「とにかく、何でもいいから毎年登記をする! って思ってください」とお願いしているくらいです。

③取締役等が任期途中で辞任し、法定(又は定款に定める最低の)員数に不足する場合は、後任者が就任するまで「なお役員としての権利義務を有する」ってヤツです。会計監査人は会社の「役員」ではないため、この権利義務規定の適用をうけません。
そのため、取締役が辞任しても権利義務状態が解消されないと登記はできないのですが、会計監査人は後任者が選任されなくても「辞任」や「任期満了」による退任の登記をすることができます。
会計監査人を新たに設置した場合には、「会計監査人設置会社」である旨と「会計監査人の氏名又は名称」は一緒に登記申請しなければなりませんが、後任者が就任しないで辞任等の登記をしますと、「会計監査人設置会社」の登記はあるものの、会計監査人はいない、という不思議な状況に陥ります。

④一時期大変話題になりましたよね。
会計監査人が任期途中で辞任等により退任した場合に備えて、予め補欠の会計監査人を選任することはできないんです。
そこで、会計監査人の欠員が出た場合、株主総会の開催が困難なときは、「一時会計監査人」を監査役(又は監査役会)が選任することになっています。
アノ事件があって実務が大混乱したせいか、たまに会計監査人を2人(2法人?)置いている会社もあるようです。

。。。前置きがとても長くなっておりますが。。。
つづきはまた明日。

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