司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

定時株主総会終了後の取締役会の招集方法

2009年04月28日 | 株主総会
本日も当ブログにご訪問いただきありがとうございます。

今日は、私の長年の素朴なギモンが解消されたご報告をいたします。
「当然じゃん!」と思われるかも知れませんが・・・でも、このことは書籍などにはほとんど触れられていないので、ギモンに思われている方も少なくないと思うのですが、いかがでしょうか。

株主総会で取締役が改選されると、通常は総会直後に取締役会を開いて代表取締役を選定しますよね。では、その取締役会をどうやって招集するのか???という問題であります。

【取締役会の招集方法】
①招集時期:法律上は開催日の1週間前まで。定款で3日~5日に短縮されていることがほとんど。
②招集方法:特に決められていません。電話等でもOK。
③招集の省略:取締役(及び監査役)全員の同意があればOK。
④招集される人:取締役会開催の時点の取締役(及び業務監査権限のある監査役)。
⑤招集する人:各取締役。定款で「代表取締役」や「取締役社長」が招集すると定められていることがほとんど。

定時株主総会で取締役が改選された場合、取締役全員は一旦任期満了で退任しますから、代表取締役も退任します。ですので、総会終結後から取締役会で代表取締役を決めるまでの間は、代表取締役がいないという事態になるわけです。

すると、①取締役会は誰が招集するの?②いつになったら招集できるの?というギモンが湧いてきませんか?

①取締役会規程なんかで決めている会社さんもあるようですが、あんまり深く考えずに直前の代表取締役が招集しているようですね。まあ、法律上、取締役それぞれが招集できるのですから、問題はなさそうです。

②改選後の取締役がメンバーですので、総会終結後にならないと招集できないと考えていました。この場合、全員の同意で招集手続を省略すれば、問題はありませんよね。ただ、取締役会に欠席する人をどうするのか、ということは素朴なギモンでした。欠席者の同意書をその場で入手するのは物理的に困難ですし。

このギモンを解決しなければならなくなったのは、先日、あるクライアントさんの議事録を拝見したことがきっかけでした。その議事録には「代表取締役が招集した」と記載してあったので、「もしもし、それはダメですよ」とメールしたところ、猛烈な反論をいただいてしまいました。

その会社は、定時総会で取締役を改選しました。(仮に)10名中、2名退任、8名再任され、その後の取締役会には1名欠席という状況です。 「先生!当日になってから欠席役員の同意書をもらうのは不可能ですよ!!。だから当社は改選後の取締役に前もって(定款規定どおりの5日前)招集通知をだしているんです。その時点では代表取締役がいるので、代表取締役が招集して・・・と書いたんです。」とおっしゃるわけです。

私としては、何かはっきりとした根拠をお示ししなければマズイと思い、必死で調べましたところ、見つけました。《取締役会ガイドライン 商事法務》に記述がありました。(会社法施行前の書籍ですが、現在も同様の考え方で良いと思います。)

結論としては、二つの方法があるようです。

①取締役会規程において、定時株主総会後の取締役会には、改選された取締役が出席しなければならない旨を定めておく。新任者にはその規程があることを個別に告知する(告知は選任されることを条件にする。)。

②選任直前の時期に取締役(及び監査役)候補者全員から、選任された場合就任を承諾すること及び株主総会終了後ただちに取締役会を開催することについての同意を得ておく。

上記の方法によれば、一部欠席の方がいても問題なく取締役会が招集できるそうです。ただし、招集手続は省略することになりますね。

というわけで、私のギモンは無事(?)解決です。クライアントさんにも(おそらく)ご納得いただけたと思います。

これだけのことで長~くお付き合いいただき恐縮です。簡潔な文章が書けるよう頑張りますので、これに懲りずにまたいらしてくださいね。
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