今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

令和最初のつボイノリオ記念日 ~石川ひとみを金太まちぶせる~

2019年06月20日 | 石川ひとみ

 そういう名前のイベントが6月9日に名古屋のCBCホールで行われたそうです。私は当日は参加しておりませんが、そのつボイノリオ先生のCBCラジオでの「つボイノリオの聞けば聞くほど」でほんの一部だけですが様子が聞けました。なにやら6月9日はつボイノリオ記念日として認定されているそうです。

 今回のゲストは石川ひとみさんでしたが、つボイ先生とはあの「プリンプリン物語」で共演されてますし、さらに同じ愛知県出身ということで当日はトークがたいそう盛り上がったそうな。

 今回の放送では当日のミニライブから1曲だけオンエアされましたが、それが「まちぶせ」ではなく新曲の「わたしの毎日」だったことがファンとしては大感激でした。テレビ番組でこの曲を披露したことはありましたが、スタジオでの歌唱ではなくホールでの歌声が放送に乗るのはかなり貴重な音源ではないでしょうか。フルコーラスオンエアされたのも評価高いですし、間奏で自然に拍手が湧き起こったのを聞いて会場の様子を思い浮かべジーンと来てしまいました。当日会場で聞いた人の評価も良かったようで、用意していたCDはすぐに完売だったとか。今回の放送の音源は永久保存版にします。

 それにしても今回もRadikoプレミアムのお世話になり、「エア追っかけ」が出来ました。便利な世の中になったものです。ふっふっふ。


NHK土曜ドラマ「デジタル・タトゥー」

2019年06月19日 | ドラマレビュー

 NHK土曜の夜9時から放送されていたドラマ。全5話ですが先週で終了しました。最初は「デジタル・タトゥーってなんのこっちゃ?」と思ったのですが、これはインターネット上に書き込まれた誹謗中傷や不名誉な個人情報、過去の失敗などがいつまで経っても消えずにいることを指します。いちいち例は挙げませんが、有名人だと不倫、脱税、薬物での逮捕は言うに及ばず、ちょっとした発言が炎上したことを延々と取り上げられたりと、そういうのは色々ありますよね。

 元は与党の大物代議士の収賄疑惑を追っていた鬼検事が、その捜査の過程で追及した秘書である息子が自殺したことから退職を余儀なくされ、今は弁護士となり国選弁護を担当しているのですが、それが高橋克実。当然「人殺し検事」という「デジタル・タトゥー」があるわけです。

 主役はもう一人いて、投稿動画が原因で命を狙われるようになった人気ユーチューバーが瀬戸康史。自分の命を守って欲しくて高橋克実の元に駆け込みますが、そのITスキルを活かして弁護士の仕事を手伝ううちに様々な事件に巻き込まれていきます。

 これをシリアスにやるとかなり重いドラマになると思うのですが、今回は主役の二人がはまり役。高橋克実がやると暗い話にならず、それでいてアクションも決めるところはキッチリと決め、かなり人情味を感じさせるという魅力的な役柄でした。

 それと人気ユーチューバー「タイガ」を演じた瀬戸康史の方は、こちらは逆にチャライ印象でありながら実は真面目で影がある役をうまく演じてました。最近見たNHKのドラマでは一番面白かったかな? 多分そのうち再放送もあるでしょうから、見てない人はその時に是非どうぞ。一話完結のようでありながら、実は全部繋がってる部分があって、最後は結構凄い話になりますので、まだネタバレは控えておきます。これはお薦めです。


今週の「ひるのいこい」

2019年06月18日 | ラジオ番組の話題

 昭和歌謡ファン注目のNHKラジオ「ひるのいこい」の今週の選曲テーマは「虹」。月曜が高野寛「虹の都へ」、今日は天地真理の「虹をわたって」でした。「虹」でそんなにあったっけ?と思ったのですが、ちょっと考えただけで中村晃子の「虹色の湖」、渡辺みさっちゃんの「虹を見たかい」、浅田美代子「虹の架け橋」などすぐ5曲埋まりますね。

 そういう定番だけじゃなく、貝がらの「虹」などをオンエアしてくれれば見上げたものですが。あとは「レインボー」もOKなら、尾崎亜美さんの「Rainbow Tree」を希望します。さて、残り3日どうなることやら。


噂のハリー・ベラフォンテを見ました

2019年06月17日 | TV番組レビュー

 CSのTBSチャンネルで「音楽の巨人たち」というのをやってます。番組サイトによると、「TBSが保有する映像ライブラリーの中から半世紀の時を経て発掘された貴重な洋楽・ジャズの巨匠たちの名演を放送します。」というもの。

 実は、なかにし礼著の「イカロスの流星」という小説に、そのハリー・ベラフォンテの初来日公演収録の様子が出てきます。これは、TBSの名物プロデューサーだったギョロナベこと渡辺正文氏の仕事ぶりを実名で描いた長編小説なのですが、数々の海外アーティストの番組を放送したその第一弾がハリー・ベラフォンテだったと。

 小説によると、収録したVTRをハリー本人からダメだしをされて、また後日の公演を撮り直したのだとか。細かいいきさつは小説を読んで欲しいのですが、今回見て驚いたのはステージもバンドも驚くほどシンプルだったということ。収録は1960年なので映像は白黒なのですが、バンドはガットギター×2とウッドベース、パーカッション。あとは男性コーラスという男祭り状態。おまけに舞台には絵もない花もないという、どっかの居酒屋みたいで(?)、そういうところは別に凝らない時代だったのでしょうかと。

 さすがに私は「ハリーが出てくるだけで興奮のるつぼ」とは行かなかったのですが、あの人の歌の凄いのはわかります。知ってたのは「バナナボート」と「さらばジャマイカ」だけでしたが、あらためて聞くと「さらばジャマイカ」というのはいい曲ですね。前に「みんなのうた」で聞いたような気が…。

 ということで、いいもの見せて貰いました。「TBSはちゃんと映像持ってんじゃないの!」ということで、次はジャズの巨人は別にいいので東京音楽祭の映像を見たいなぁ。


なんと「あかんたれ」が!

2019年06月16日 | ドラマレビュー

 最近週末の楽しみは千葉テレビで平日放送しているドラマ「あかんたれ」を見ることなのですが、なんと先週分は火曜と水曜がお休み。月曜の次が木曜でした。ということは、先週分は3回しか無いわけです。がーん。

 まだ子役段階なので志垣太郎は出てきませんが、この子のイビられ方は半端ありません。どつき漫才のように頭をはたかれたり、水をぶっかけられたり、突き倒されたり、下駄で手を踏まれたり。「おしん」も強烈でしたが、このドラマはさらに上を行きますね。

 ところで、このドラマでは船場の商人言葉を覚えるのには役立ちます。商人の良家の長女は「いとはん」、末娘は「こいさん」だそうです。「こいさんがわてを 初めて法善寺へ連れて行ってくだはったんは…」という「月の法善寺横丁」のセリフがよくわかるようになります。今さらですが…。


5月25日(土)「ミュージック・モア」 ゲスト:尾崎亜美

2019年06月15日 | 尾崎亜美

 先日より話題にしておりました「ミュージック・モア」尾崎亜美さんのゲスト回のレビューです。

 番組は「マイ・ピュア・レディ」のスタジオライブでスタート。今回の演奏は亜美さんと礼さんのベースのみ。「マイ・ピュア・レディ」を歌ったのは番組MCのクリス松村氏のリクエストだったとか。

 その後のスタジオトークでは、まずこの「マイ・ピュア・レディ」の話題から。当時のテレビCMには小林麻美さんが登場したのですが、元々ロングヘアーだった彼女がショートボブになっていたため、あれを尾崎亜美だと思った人が多かったという話が出ました。これは亜美さんもよくネタにしてますが、そう思いこんでコンサートに来た人は幕が上がると「ええっ?」とどよめきが起きて、まだうら若き乙女だった亜美さんとしては結構傷ついたとか。なお、今回初めて知ったのですが、あの小林麻美さんのショートボブはウイッグだったと。てっきりイメチェンのためにバッサリ行っちゃったのかと思ってたのですが。

 クリス氏はこの「マイ・ピュア・レディ」で「なにこれ? こんな曲あるの?」と感銘を受け、後追いでデビューシングルの「冥想」を聞いてまた衝撃を受けたとか。亜美さんによると、まだ18歳の時の歌声だけど逆に大人っぽく歌ってるというコメントあり。

 そして1stアルバムの「SHADY」(シェイディ)の話。「冥想」のイメージで聞くと、妙にしっとり系の曲が多いのが意外なアルバムですが、「SHADY」というのはユーミンが亜美さんのことを「明るくて面白い」と思ってたのが、「詞を読むとそうでもない。陰の部分が多い」ということでそういうタイトルをつけてくれたそうです。

 このアルバムにはコーラスでハイファイセットが入ってたり、AMII'S Armyという名義で山下達郎さんとか吉田美奈子さんがコーラスをやってますが、亜美さんはそのお二人のクレジットがないことは忘れてました。

 その後亜美さんの他の歌手への提供曲の話になり、南沙織さんの「春の予感」、金井夕子さんの「パステルラヴ」「午前0時のヒロイン」、杏里の「オリビアを聴きながら」などが紹介されました。金井夕子さんがスタ誕出身なのに、都倉俊一先生とか阿久悠先生の作品じゃなく新進気鋭のシンガーソングライターの作品でデビューしたことに驚いたというあたりはクリス氏ならではのコメントです。あとは「午前0時のヒロイン」を取り上げたのもツボですね。彼女はこの曲から急に綺麗になりましたし。

 その後は一気に話題が「HOT BABY」のレコーディングの話になり、デイビッド・フォスターがレコーディング中に盛り上げてくれたとか、本来バラード調の「蒼夜曲 セレナーデ」を「なんてかっこいいロックンロールなんだ」と喜んで、演奏中段々テンポが速くなっていった話など。

 そして、後半はまたスタジオライブでしたが、番組スタッフ総出で「ミュージック・モア合唱団」となり「Smile」を大合唱。

 時間は短かったのですが、クリス氏の亜美さんへの愛が溢れた素敵なトークが聞けて充実した番組でした。

 残念なのは、亜美さんの名前の表記が「Ami Ozaki」となっていたこと。念のために説明しますと、正しくは「Amii Ozaki」と書きます。なぜiが一つ多いかというと、本名の「美鈴」でデビューしたかったのが諸般の事情で「亜美」という芸名となった際、「自分が自分でなくならないように」「identityを強く持ち続けたい」という思いから「I」の文字を加えたそうです。これは10数年前に直接ご本人からお伺いしたので間違いありません。

 あとは、クリス氏が「HOT BABY」を「デイビッド・フォスターがプロデュースして…」と言ってたのですが、あの人はアレンジを担当したのであって、あのアルバムのプロデュースは亜美さん自身と渡辺有三さんです。ま、これはよく間違えられるし、クリス氏が知らないわけはないので言い間違えたのでしょうが。

 ということで番組レビューでした。そういえば、「HOT BABY」は昨年SACDでも発売されたのですが、リマスタリングされてるそうなのでどんな感じなんでしょうか。聞いた感じ違いあるかどうか気になります。もちろんハイスペックでは再生できる機材はないのですが、買ってみるかなぁ…。


スペシャルは普通がいいのですが

2019年06月14日 | ラジオ番組の話題

 ラジオのスペシャルウイーク…、つまり聴取率調査週間のあり方には常々疑問を感じていました。2009年まで放送していたTBSラジオ「ストリーム」という番組は大好きだったのですが、不満だったのはスペシャルウイークにゲストを呼んで番組構成まで変えてしまうこと。

 一方FM NACK5の「ファンキーフライデー」はいつものまま。今週もスペシャルウイークだったのですが、構成は変わらずいつもの通り大笑いさせていただきました。聴取率調査週間だからといって内容や構成まで変えてしまうのは、そもそもの番組の評価には繋がらないので意味がないんじゃないかなぁと。いわば健康診断の1~2週間前だけ禁酒するようなもので、実態がわからないでしょうと。

 TBSラジオは昨年暮れから「脱・聴取率」を掲げてスペシャルウイークを取りやめたとか。その姿勢は評価できるのですが、肝心の番組の方がちょっと…。平日夕方の「荒川強啓デイキャッチ」が終わってニュース・情報番組が無くなってしまいました。

 おかげで平日の15時半以降は文化放送を聞いてるのですが、今週はそこのゲストが宮台真司、小西克哉という元デイキャッチのコメンテーター。話を聞いてるとやはりキレもあって面白かったり。

 スペシャルウイーク無しにしたのは良いとして、聞く気の起こらない番組を作ってしまったTBSラジオについては、「仁義なき戦い」の菅原文太のように「わしら、どこで道を間違うたんかのぉ」とつぶやきたい気分です。いや、もしかして面白いと思ってないのは私だけかも知れないのですが…。


石川ひとみ「Inside/Outside」の参加ミュージシャンについて その3(完)

2019年06月13日 | 石川ひとみ

 昨日の続きですが、画像は歌詞カードのクレジットの一部。久々に取り出して眺めたところ、思わず「字が小さすぎて読めない!」と怒ってしまいました。しかも薄いパープルに白抜きの文字。おまけにすべてローマ字表記。これを漢字に直すのが一番大変だったという…。

 ということで、あらためて一覧です。

E.guitar:芳野藤丸、水谷公生、松原正樹
A.guitar:吉川忠英、笛吹利明
keyboards:大谷和夫、佐藤準、羽田健太郎、田代真紀子、渋井博
bass:長岡道夫、岡沢茂、高水健司、金田一昌吾
drums:菊池丈夫、森谷順、島村英二、山木秀夫
percussion:斉藤ノブ、穴井忠臣、石井コータロー
Tp:数原グループ、荒木敏男
A.sax:Jake
T.sax:谷口和典、村岡建、三森一郎
B.sax:砂原俊三
Tb:三田治美、平内保夫、岡田澄雄、井口秀夫
Cl:MASAAKI SAKANO(この方だけ漢字がわからず…)
flute:旭孝、衛藤幸雄
harp:山川恵子
strings:加藤グループ、多グループ
chorus:MINTS、FREEZER


 今回はリズム隊以外のところですが、まずTpが「数原グループ」となっています。こういう表記なら、通常は数原晋さんを含むホーンセクションを指すと思うので、この書き方はどうなのでしょうと。下に名前が出てくるSaxとかTbの方も実際は数原グループとして演奏してるのかもしれませんね。

 一方もう一人のTpの荒木さんは、私は渡辺みさっちゃんのライブビデオでよく見ました。彼女の西武スタジアムのライブにはほとんど参加してたそうですし、サザンオールスターズのサポートでも知られ、桑田さんがメンバー紹介で「日本一のトランペッター」と紹介してたのも見たことあります。大柄でちょびひげのトランペッターというと記憶されてる方も多いかも。最近はどうされてるのだろうと思ったら、体調を崩されて地元に戻ってマイペースで活動されているという記事を見かけました。

 サックスでは村岡建さんのお名前がありますが、姿はあまり見なくとも音はよく聞いてます。「太陽にほえろ」「傷だらけの天使」「ルパン三世」「名探偵コナン」「横須賀ストーリー」から「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」まで。多分調べれば相当出てくるのではないでしょうか。歌謡曲でのサックスプレイヤーとしては、この人と同じくこのアルバムに参加しているJake H.Concepcionさんが最強でしょう。

 このアルバムではA.saxがJakeさん、T.saxが谷口和典さん、村岡建さん、三森一郎さん、B.saxが砂原俊三となってますが、聞いてみるとこのアルバムでサックスソロがあるのは「思いがけない序章」のみ。そしてあのソロはソプラノではないかと思ったり。というとクレジットが無いことになるので、もしかしたら村岡建さんが吹いてるのでしょうか。Jakeさんがソプラノも吹くのかどうかは知らないのですが。

 トロンボーンではいろいろな人のお名前がありますが、調べてみたら井口秀夫さんというのはゴダイゴホーンズにいたそうです。ということは、「ビューティフルネーム」などの時にテレビで見かけてたかも。元々高橋達也と東京ユニオンにもいらしたそうですが、一昨年亡くなったとか。Jakeさんも一昨年亡くなってますし、ここに名前のある松原正樹さん、大谷和夫さん、羽田健太郎さん、菊池丈夫さんなど、超一流ミュージシャンだった方が既に亡くなってるのは残念です。アレンジ担当の渡辺茂樹さんもそうですし。

 ところで、このアルバムでホーンセクションが入ってるのは私が聞いた限り、気まぐれフィーリング、Blue Dancing、一枚の写真の3曲かと思います。そのBlue Dancingなどは、「パピプペパピプペ パパヤ」のあとの「パッ!」という一吹きが2回入ってるだけのような。これだけのメンバー揃えて凄く豪華というかなんというか。あ、「私はかもめ」はSaxも入ってるかな?


 あとは「Cl」とあるのでクラリネットも入ってるのでしょうが、そういう曲あったかなぁと思ったら、「私はかもめ」ですね。fluteは「思いがけない序章」で印象的ですが、あとは「愛のたずねびと」と「私はかもめ」にも入ってますでしょうか。当方木管楽器には極めて知識が乏しく…。

 harpは「心のハープが鳴り響く」なんて歌詞がある割りには「思いがけない序章」には入ってなくて、「シャイニング・スカイ」だけのような気が。

 stringsはどの曲に入ってるかと思ってあらためて聞いてみたら、全10曲のすべてに入ってました。もちろんどちらがどちらのグループかなんて私はわかりません。前にも話題にしたのですが、私は「多グループ」を「タ・グループ」だと思ってて、単に人数が多いのでこのようにざくっと書いてたのかと思ってました。が、「多」と書いて「おおの」と読むそうで人名です。多忠昭さんが主宰するストリングスグループのこと。「多」と書いて「おおの」と読むのは宮内庁楽部関係の名門のお家柄という話を某記事で見ました。(確証はありません)

 この記事を書くにあたりこの3日ほどヘビーローテでこのアルバムを聞いたのですが、何度聞いても飽きない素晴らしいアルバムです。飽きないと言うよりは聞けば聞くほど味わい深いというか。

 今回聞いてるうちに、一番楽しいと思ったのはなんといっても「Blue Dancing」。耳がちぎれそうなボリュームでヘッドフォンで聞いてると、リズムギターがチャンネルの左右に入ってるのに気づきました。リードギターも所々ツインになってますし、ギターだけで最低4本入ってますね。なんとゴージャスな。

 ということで、石川ひとみさんのアルバムでミュージシャンのクレジットがあるのはこのアルバムだけなのですが、多分他のアルバムも同様の顔ぶれなのでしょう。当時の日本のアイドルポップスの演奏がいかに高水準だったかがうかがえます。そういうアルバムが現在入手できないというのは悲しむべき事態です。なんとかして下さい>ポニーキャニオンさん!


石川ひとみ「Inside/Outside」の参加ミュージシャンについて その2

2019年06月12日 | 石川ひとみ

 昨日の続きです。「アレンジャーは自分で弾くのか?」という疑問に関して、興味深いインタビューを見つけました。ギタリストの芳野藤丸氏の自伝「芳野藤丸自伝」(そのまんまや…)で、藤丸師匠と水谷公生先生の対談がありました。

 そこで聞き手の方が西城秀樹さんの曲について、「例えば秀樹さんの『ヤングマン』の次のシングルだった『ホップ・ステップ・ジャンプ』は水谷さん作曲で、佐藤準さんとの共同編曲になっています。こういう場合は水谷さんが弾かれているわけですよね?」と言ってて、それについては特に反論がなかったので、水谷さんのアレンジの場合は水谷さんが弾くものと判断します。(根拠が貧弱ですいません…)

 ということで、このアルバムの4曲目「気まぐれフィーリング」(作詞:武衛尚子、作曲・編曲:水谷公生)のギターは水谷先生だと判断しましょう。あの間奏は相当ロックしてますし。さらに「シャイニング・スカイ」のギターも水谷先生なのでしょう。こちらはロックではないですが。

 ちなみにこの藤丸師匠の本は凄く面白いので、師匠のファン以外にも昭和歌謡とかスタジオミュージシャンに興味がある人は読んでみねばなりません。

 それでは、続いてエレキギター以外の、まずはリズム隊を見てみましょう。

 A.guitarは吉川忠英さんと笛吹利明さんですが、これもアコギ界の4番バッターばかり。さすがにどちらがどの曲を弾いてるとかはわかりません。吉川忠英さんなぞは、どんだけあちこちのレコーディングに参加してるのやら。物凄い数のレコードで音が聞けますが、あのイントロの出だしが印象的な「岬めぐり」もそうです。(本人談をテレビで聞きました。) あとは中島みゆきさんの「わかれうた」とか。

 keyboardsは、大谷和夫さん、佐藤準さん、羽田健太郎さん、田代真紀子さん、渋井博さん。もうこれだけ揃うとどの曲をどなたが弾いてるかはまったく不明。羽田健太郎さんは70年代半ばからスタジオミュージシャンとして活躍されてましたが、売れ始めた頃には「なんでもすぐ弾けるし指もメチャメチャ動く」と言われてたちまち引っ張りだこになったそうな。このアルバムでもピアノが印象的な曲がありますよね。ただしどれがどれかはわかりません。「さよならGood-bye」とか「シャイニング・スカイ」とかそうかなぁとか勝手に思ったり。

 bassは長岡道夫さん、岡沢茂さん、高水健司さん、金田一昌吾さん。これもスタジオミュージシャンの世界では4番バッターという扱いでしょう。金田一昌吾さんという方は私は知らなかったのですが、大瀧詠一さんのアルバムとか、あとはピンクレディーのレコーディングもこの人が多かったとか。

 drumsは菊池丈夫さん、森谷順さん、島村英二さん、山木秀夫さん。私は菊池丈夫さんのことは知らなかったのですが、もう15年位前に亡くなってるんですね。いろいろなレコーディングに参加して有名な方だったようです。森谷順さんはどこかで名前を見たと思ったら、風のレコーディングはほとんどこの人だとか。音はよく聞いてたわけですね。「海風」とかかっこいいし。

 島村英二さんは「ラストショウ」が最初かと思ったら、その前に吉川忠英氏とバンドやってたりしたんですね。ちょっと前は吉田拓郎さんのライブをテレビで見かけるといつもこの人がドラムでした。今もそうなのかな?

 山木さんはSHOGUNもそうだしマライヤもやってたしいろいろなところで聞きますが、生では尾崎亜美さんのバンドで一度だけ見たことあります。私はドラムの音を聞いて誰がどういう感じというのはわからないのですが、「Blue Dancing」はそうかなぁかとか勝手に思ってます。完全に憶測ですが、聞く人が聞けばわかるのでしょう。

 ということで、明日はリズム隊以外の話です。


石川ひとみ「Inside/Outside」の参加ミュージシャンについて その1

2019年06月11日 | 石川ひとみ

 「Inside/Outside」というのは、石川ひとみさんの4枚目のオリジナルアルバムで1980年10月の発売。翌年は「まちぶせ」がヒットして紅白歌合戦にも出場しましたが、これはその前年でシングル曲としては「秋が燃える」が収録されています。(この曲はご存じない方が多いでしょうが…)

 まずはこのアルバムの収録曲ですが、曲目と作者は以下の通り。実にいろんな人が曲を書いてます。

1.思いがけない序章(作詞:武衛尚子、作曲:芳野藤丸、編曲:大村雅朗)
2.私はかもめ(作詞:たかたかし、作曲:佐瀬寿一、編曲:渡辺茂樹)
3.さよならGood-bye(作詞:たかたかし、作曲:井上鑑、編曲:渡辺茂樹)
4.気まぐれフィーリング(作詞:武衛尚子、作曲・編曲:水谷公生)
5.Blue Dancing(作詞:島エリナ、作曲:Paul Fantasia、編曲:渡辺茂樹)
6.シャイニング スカイ(作詞:竜真知子、作曲:水谷公生、編曲:船山基紀)
7.秋が燃える(作詞:岡田冨美子、作曲:佐瀬寿一、編曲:渡辺茂樹)
8.愛のたずねびと(作詞:竜真知子、作曲・編曲:後藤次利)
9.一枚の写真(作詞・作曲:鹿島豪也、編曲:渡辺茂樹)
10.海のようなやさしさで…(作詞:武衛尚子、作曲:和泉常寛、編曲:渡辺茂樹)


 そして、このアルバムは石川ひとみさんのオリジナルアルバムの中で唯一参加ミュージシャンのクレジットがあります。曲ごとにはわからないのですが、それを並べてみましょう。(注:原文はすべてローマ字なのですがわかりやすいように漢字にしています。)

E.guitar:芳野藤丸、水谷公生、松原正樹
A.guitar:吉川忠英、笛吹利明
keyboards:大谷和夫、佐藤準、羽田健太郎、田代真紀子、渋井博
bass:長岡道夫、岡沢茂、高水健司、金田一昌吾
drums:菊池丈夫、森谷順、島村英二、山木秀夫
percussion:斉藤ノブ、穴井忠臣、石井コータロー
Tp:数原グループ、荒木敏男
A.sax:Jake
T.sax:谷口和典、村岡建、三森一郎
B.sax:砂原俊三
Tb:三田治美、平内保夫、岡田澄雄、井口秀夫
Cl:MASAAKI SAKANO(この方だけ漢字がわからず…)
flute:旭孝、衛藤幸雄
harp:山川恵子
strings:加藤グループ、多グループ
chorus:MINTS、FREEZER

 日本のスタジオミュージシャンに詳しい人は、これを見るだけでクラクラッと来てしまうほど豪華なメンバーなのではないでしょうか。そもそもアレンジャーが大村雅朗さん、渡辺茂樹さん、船山基紀さん、後藤次利さんなので、それぞれが指名したミュージシャンなのでしょうが。

 ギターなんぞは「こんな四番バッターばっかり集めてどうするの?」と思うほど。当時の歌謡界は、この方々と矢島賢さんがほとんどという感じではあります。ただし藤丸師匠は当時SHOGUNで活動中でしたので、もしかしたら自身の作曲の「思いがけない序章」しか弾いてないかも。とはいえ、この曲は大村雅朗先生のアレンジなので、この人の曲は松原正樹さんが多いようなイメージもあるのでその辺わかりません。

 藤丸師匠については、この年の新人の岩崎良美さんにはデビュー曲の「赤と黒」をはじめ何曲も提供してたし、彼女の1stアルバムもSHOGUNが何曲も演奏を担当してます。このアルバムでもSHOGUNの大谷和夫さん、ミッチー長岡さんが参加されてますから、そのメンバーで何曲かやってるのかもしれません。

 ちなみに藤丸師匠は物凄い数のレコーディングに参加されてますが、一般で有名なのは「いちご白書をもう一度」、「木綿のハンカチーフ」(シングルバージョン?)、「ひとり咲き」、「ヒゲのテーマ」、「天城越え」などなど。(ほんの一部ですが)

 水谷公生先生は2曲作曲してその片方でアレンジされてますから、「気まぐれフィーリング」の間奏のギターソロはそうなのかも。しかし、「愛のたずねびと」を作編曲してる後藤次利氏はベース弾いておらず、渡辺茂樹さんもこのアルバムではキーボード弾いてないので、アレンジしたから自分が弾くとも限らないと。逆に「Blue Dancing」のギンギンに歪んだギターは水谷先生かと思ったり。う~む。

 なお、水谷公生さんも数え切れないほどのレコーディングに参加されてるそうで、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」、ちあきなおみの「喝采」などレコード大賞受賞曲でも弾いてて(まぁこれらは特にギターは目立ちませんが)、印象に残るのはキャンディーズの「春一番」。誰でも知ってるソロではないかと。キャンディーズの曲はこの人多いようですね。「年下の男の子」とか。

 そしてもう一人が松原正樹先生。実際ソロはほとんどこの人ではないかと思うのですが、松原先生は変幻自在なのでどれもそのように思うし、どれも違うかもと思ったりでその辺はわかりません。「一枚の写真」のソロは多分そうではないかと。さらに「海のようなやさしさで…」もそうだと私は信じてます。あれは石川ひとみ曲のギターソロでは私は最も好きで、穏やかな海が一瞬荒れたけどまた静かになって波が引いていくような間奏は鳥肌が立つほど。その中心となるギターソロは音色といいフレーズといい、最後に消え入るところのディレイかリバーブの感じまで絶妙です。このアルバムはBOXセット以外ではCD化されておらず現在入手できないのですが、この曲は昨年発売された40周年記念ベストアルバムに収録されています。ギター弾く人には是非聞いて欲しい曲ですね。

 と、あれこれ書いてますが、ギターの話だけで長くなりましたので今日はこの辺で。明日に続きます。