もう30年くらい前になるかと思いますが、あるテレビ番組でアントニオ猪木の熱烈なファンの日常を紹介してました。ナレーションは真面目な感じで「彼が最も幸せな時は、猪木になりきってトレーニングをするときだ」と紹介し、闘魂ガウンを来てダンベルを挙げる姿が。
そして「アントニオ猪木が納豆とひじきで身体を作ったと聞いて、彼の今日の食事も納豆とひじきだ」と、食事の様子を紹介。さらに「休日には聖地巡礼として猪木ゆかりの地を尋ね歩く」として、猪木が子供の頃過ごした場所を訪問してたり。なお、アントニオ猪木を日系二世と思っている人もいるかもしれませんが、あの人は中学生の頃に家族でブラジルに移住したので出身は神奈川県です。
そのテレビ番組がなんだったか忘れましたが、NHKの若者向けの公開番組だったように思います。聖地巡礼のくだりではスタジオ中大爆笑でしたし。
ただ、そういう人は別に人に迷惑掛けるわけではなく、筋トレやってて身体も丈夫になるし、食生活が納豆とひじき中心であれば健康的だし、聖地巡礼はウォーキングにもなるということで、ああいう人はすごく幸せなのではないかと思いました。
そう考えると、対象がプロレスラーでもアイドルでも役者でもお笑い芸人でもいいですが、何か大好きなものがあると幸せでいられますね。「何はなくともこれがある!」ということで。
なぜ猪木信者の話を思い出したかというと、久しぶりにお笑い芸人の春一番さんの「元気です!!!」という本を読んだので。あの人は猪木の試合のデータとかはどうでもよくて、とにかく猪木が闘ってる姿がかっこよくて好きだったそうです。そういうのも素敵ですよね。もし、好きだった選手が「実は勝率はよくない」とか「生涯通算成績は負け越しだ」とか言われても、その姿が好きであればデータ的なものは関係ないですし。
なお、春一番さんは4年前に亡くなってますが、肝硬変だったので酒の飲み過ぎと言われてて、確かにその影響が大きいのでしょうが、この本を読むとお笑い番組で全身カレー粉まみれになってからひどい皮膚炎になってそれが遷延化し、治療のために免疫抑制剤を長期に服用した話が出てきて、そこもよくなかったのだろうと思います。この本は面白いので興味のある方は是非どうぞ。