今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

ということで読んでみました

2009年01月22日 | ニュースに一言

 オバマ大統領の就任演説について昨日「全文をじっくり読ませてもらいましょうか」と書いたところ、家族がみんなで「ちゃんと読んだのか?」とわぁわぁ騒ぐので証明のためポイントを書き出してみましょう。

 解説はいろんなニュースで聞きましたし、ポイントについて若干刷り込まれてる部分もあるのですが、自分で見て目に付いた部分を抜き出しました。ちなみに和訳はYOMIURI-ONlINEからの引用です。このたびはお世話になりました。(と、一応お礼。我が家の購読紙は東京新聞ですので…)

まず、
<一部の者の強欲と無責任の結果であるだけでなく、厳しい決断をすることなく、国家を新しい時代に適合させそこなった我々全員の失敗の結果である。>
という部分。

 これはサブプライムローンの破綻とリーマンズブラザーズ証券の倒産などを意味してますでしょうか。それとそこに過剰なマネーゲームで群がった人たちも指してるのでしょう。一部の者の強欲と無責任というと、一生かかっても使い切れないような報酬を得ている自動車会社の役員なんかもそんな感じですが。


<家は失われ、職はなくなり、ビジネスは台無しになった。我々の健康保険制度は金がかかり過ぎる。荒廃している我々の学校はあまりにも多い。>

 米国の健康保険制度というと我が国とは違いすぎるので私もほとんど把握しておりませんが、確かに民間の保険は金がかかり過ぎ、メディケアとかメディケイドも正常に機能していないように聞きます。さらに学校問題にも踏み込んでますが、わざわざここで触れるあたり荒廃の度合いも知れようというもの。


<さらに、我々のエネルギーの消費のしかたが、我々の敵を強化し、我々の惑星を脅かしているという証拠が、日増しに増え続けている。>

 確かに米国のエネルギー消費が半端じゃない話はよく聞きます。東大出身で元ロッテの投手だった小林至氏が「わしズム」に書いてたと記憶してますが、何しろ暑い時期は旅行に行っている間も部屋のエアコンを切らないのだとか。それはあまりにもおかしいと思いエアコンを切って出かけようとすると、マンション管理人が「一部屋だけ切っておくと熱気が溜まって他の部屋の冷房に悪影響を及ぼす」とか言うのですと。アホですね。


<これらの試練は対処されるだろう。>

 ここで一つ救いが入ってます。対処されると言ってますので。


<我々のために、彼らは、劣悪な条件でせっせと働き、西部に移住し、むち打ちに耐えながら、硬い大地を耕した。>

 ちょっと飛びますが、建国以来の歴史に触れた部分。「むち打ちに耐えながら」ということは、これは黒人奴隷のことでしょうか。だとするとさすがオバマ大統領ならではという感じです。


<太陽、風や土壌を利用して自動車を動かし、工場を動かす。新時代の要請に合うよう学校や単科大、大学を変えていく。我々はすべてのことを成し遂げられるし、行っていく。>

 この部分は「ほんまか? 絶対か? 命賭けるか~?」と言いたいですね。そもそもアメリカ人がそんなもんで自動車を動かして満足するのかどうか。でも、相当長い時間がかかるでしょうが「成し遂げられる」というと頼もしい感じはします。


<長い間、我々を疲れさせてきた陳腐な政治議論はもはや通用しない。我々が今日問うべきなのは、政府の大小ではなく、政府が機能するか否かだ。家族が人並みの給与の仕事を見つけたり、負担できる(医療)保険や、立派な退職資金を手に入れることの助けに、政府がなるかどうかだ。>

 これを聞いてスッキリしました。かの田原総一郎氏は朝ナマでパネラーが社会保障の話をするとすぐに「じゃぁあなたは大きな政府がいいんだな!」とか脅迫するようにいうのですが、そういう問題じゃないんですね。「要するに機能するか否か」と聞いてスッキリしました。小さな政府で国の財政が回復したとしても国民が人並みの生活ができないのではなんのためのもの?と思いますし。ただ、大きな政府で役に立たないのは余計にだめですけど。


<公的資金を管理する者は適切に支出し、悪弊を改め、誰からも見えるように業務を行う。それによって初めて、国民と政府の間に不可欠な信頼を回復できる。>

 これもその通り。日本の消費税増税論議も、支出を適切に正してから行うべきではないかと。


<だが、今回の(経済)危機は、監視がなければ、市場は統制を失い、豊かな者ばかりを優遇する国の繁栄が長続きしないことを我々に気づかせた。>

 こういうまともな事を言ってくれるとホッとします。市場に任せればすべてうまくいくような話をしてた人もいましたしね。小泉さんとか竹中さんとか。


<我々は、責任ある形で、イラクをイラク国民に委ね、苦労しながらもアフガニスタンに平和を築き始めるだろう。古くからの友やかつての敵とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化を食い止めるためたゆまず努力するだろう。>

 アフガニスタンの平和も期待したいところですが、「核の脅威を減らし」というのも「おめーが率先してやるんだろうな?」と思います。それと、京都議定書に参加しなかった国が「地球温暖化を食い止める」というのも「ほんまやな?」と思います。よく覚えておきましょう。


<我々は、キリスト教徒やイスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、それに神を信じない人による国家だ。我々は、あらゆる言語や文化で形作られ、地球上のあらゆる場所から集まっている。>

 素晴らしい。福音派というかキリスト教原理主義の大統領がいた国ですから、キリスト教しか許されないのかと思ってました。こういうのをキッパリ認めたのは当然といえば当然ですが、アメリカは変わったという気がします。


<紛争の種をまいたり、自分たちの社会の問題を西洋のせいにしたりする世界各地の指導者よ、国民は、あなた方が何を築けるかで判断するのであって、何を破壊するかで判断するのではないことを知るべきだ。>

 これは結構ジンと来ます。「何を築けるか」というのが、評価の判断ですよね。当たり前ですけど。もちろん築くのは建築物だけじゃなくて、システムであったり秩序であったり倫理観であったり文化だったりするのでしょうが。


<腐敗や欺き、さらには異議を唱える人を黙らせることで、権力にしがみつく者よ、あなたたちは、歴史の誤った側にいる。握ったこぶしを開くなら、我々は手をさしのべよう。>

 「異議を唱える人を黙らせる」というと言論の自由のない国で、思い浮かぶのは中国とか北朝鮮ということになりますが、中国のメディアは演説のこの部分を黙殺したのだとか。以前朝ナマで中国のエリート学生たちが「言論の自由はなくてよいと思う」と言ってたのを聞いて愕然とした記憶があります。果たして世界は変わるのでしょうか。


<今この瞬間にもはるかかなたの砂漠や遠くの山々をパトロールしている勇敢な米国人たちに、心からの感謝をもって思いをはせる。彼らは、アーリントン(国立墓地)に横たわる亡くなった英雄たちが、時代を超えてささやくように、我々に語りかけてくる。我々は彼らを誇りに思う。>

 イラクやアフガンにいる米兵もこれで少しは報われることでしょう。その活動にまっとうな大義名分があればもっと報われたのでしょうが。日本の総理大臣が就任演説でイラクの自衛隊や靖国神社の英霊たちにこういう事は言いませんよね。お国柄の違いの一言で済ませてよいのかどうか。


<しかし、我々の成功は、誠実や勤勉、勇気、公正、寛容、好奇心、忠誠心、愛国心といった価値観にかかっている。>

 いろいろ出てくる中に「愛国心」がサラっと出てくるのは羨ましい限り。日本だと言葉狩りで騒ぐ人がいるのかも。


 ということで部分部分を抜き出したので細切れですが、全体をじっくり読んでみると結構感動します。アメリカ人がこれまで何をしてきたかは一応置いといて、この演説の通りに進むように期待を持って本日の記事は終わりにします。いや勉強になりました。なんとなく将来に夢も持てたような気もするし。