今日のひとネタ

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カーステレオといへば

2005年01月28日 | 日記・雑記・ただの戯言
 入社したときに渡された車はダイハツのセダン。カーステレオなんて高級なものはありませんで、あるのはAMラジオのみ。おまけに担当地は岩手県内。月曜の朝に仙台の寮を出発し、4号線と高速を疾走して盛岡まで。朝から聞くのはひたすらAMラジオ。

 普通の若者がNHKラジオ第一放送で満足するわけではなく、主に聞くのはIBC岩手放送なわけですが、これも午前中から昼間まではなんともいえない構成。「日本全国8時です」から始まって「朝の歳時記」「秋山ちえ子の談話室」とかありましたが、あれだけ聞いてたのに番組の内容は一切覚えてません。その後カワトク提供のなんたらかんたらがあって、高島忠夫が出てきたりテレフォン人生相談があったり。

 昼になったらなったで「皆さんこんにちは~。青空うれしで~す!」とか「ホットライ~ン 肴町~」とか。夕方になると「クラウンレコード ラッキープレゼント」なんかがあって、北島三郎とか鳥羽一郎の新曲は世間一般の人より情報が早かったです。その後「小沢昭一的こころ」があって(これは面白かったです。もう芸術の域に達してると思いますが)、夜になると夏はナイターで冬は割と若者向け番組と。(いえ、毎日朝から晩まで絶えずラジオを聞いてたわけじゃないのですが、運転中に断片的に)

 当時新入社員ですから、仕事がうまくいかずに落ち込むことは相当多かったのですが、「え~い!くそ!」とぼやきながら車に乗ってエンジンをかけると、車からは北島三郎の「北の漁場」とか流れてくるわけです。「ああ、こんなときにみさっちゃんの『My Revolution』でも聞こえればどんなに元気が出るだろう」とか思ったもんです。

 その当時は、毎週月~金まで4泊5日の出張で金曜の夜に仙台に帰るわけですが、ラジオでは夏場はずっと野球中継だったりしました。私はというとミュージックを聞きたいわけで、ラジオの野球中継に嫌悪感を持つようになったのはその頃からかも知れません。

 そういう時、頼りになるのは自分の喉で(?)、盛岡から仙台まで2時間歌いながら帰ったことなどしょっちゅう。高速で走る車の中ではいくら大声を出そうと誰にも聞こえないというのは、伊丹十三氏も語ってます。ただし、私の場合は氏のようにオペラを歌うわけではなく、歌詞もメロディーも全部覚えてるというと甲斐バンドが多いのですが、アルバム全曲歌い通したとかいうのもあったかも。

 そういう時代は20年近く前の話なのですが、なんと現在の社用車はFMもカセットも聞けるのはもちろん、最新の社用車はCDも聞けるんですって。「贅沢な!」なんてこたぁいいません。半日車の中で生活してるようなもんですから、精神衛生上音楽を聞けるのはいいことです。

 ちなみに、私の小学生の頃に両親が揃って運転免許を取って中古車を買いました。その当時は8トラと言ってやたらと大きいテープ(今の若い人は知りはれへんやろなぁ)だったのですが、うちの両親は小林旭と西田佐知子のベストばっかり聞いてました。なので、いまだにその辺の曲はよく知ってます。ということは、うちの子供達は大きくなって「うちの親が“尾崎亜美”だの“スペクトラム”ばっかり聞いてて」という話をするんでしょうね。まぁいいですけど。