今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

思い出のステーションホテル

2000年11月14日 | 日記・雑記・ただの戯言
 日本全国で、駅の無い市というのは2つあるそうです。ラジオで聞きました。それを聞いて思い出した話を一つ。青森県某市に出張した時の事。宿泊するところを探そうと調べると、市内に「ビジネスホテル」という範疇では2軒あり。かたや、「ステーションホテル」で、もう一方は「グリーンホテル」。自慢するわけではありませんが、私の方向感覚は最低です。そのため、その日も車で出かけたのですが「グリーンホテルよりは、ステーションホテルの方が探しやすいはず。何しろ駅前だから。」と思い、その日の泊まりはステーションホテルにしました。が、某市に近づくにつれて、疑問が浮かんできました。「○○○市に、駅なんてあったっけ?」

 果たしてありました。○○○観光電鉄の駅です。決してJRの駅ではありません。ほんの小さい私鉄です。当然駅前通りなんてものもありません。が、駅の近くの線路沿いに目的のホテルはすぐに見つかりました。時刻は既に午後7時半。暗闇の中にボヤ~っと浮かぶ建物の地下が駐車場でした。その駐車場に入ると、なんか知らんがうっすらと水が溜まっている。この辺で、だんだんといやな予感が…。

 そして、玄関へ行くと、そこにはスリッパが並べてありました。「ここってホテルだよね?旅館じゃないよね?」と思ったのですが、そのロビーにフロントが無い! よく見ると、パチンコの景品交換所のような窓がありました。そこを開けると屏風があり、その向こうには、ちゃぶ台でメシを食ってるじいさんの姿が…。不安は最高潮に達しましたが、私と目が合ったじいさんは、「お~い、母さん。お客さん!」と叫びました。なんの事は無い、ホテルと名のついた旅館なのでした。しかし、最低なのはまだあって、部屋にはソファーがあるのですが、テーブルはちゃぶ台。「さて、日報でも書くか」と思ったら、高さが合わなくて、ほとんど立位体前屈状態。また、部屋にはベッドがありましたが、その脇になぜか雑誌が山ほど並べてありました。「さては、宿泊客へのサービス用のエッチな雑誌か?」と思い、一冊手に取ってみようと思ったが取れない。つまり、ベッドの真中辺りがひび割れてるらしく、雑誌を積んで支えてあったんです。テレビも室内アンテナだし、トイレは共同だし、って事で寝るだけ寝て翌朝はさっさとチェックアウトしてきました。

 その数ヶ月後、仕事先の女性(多分30代)から「ここに来る時はどこに泊まってるんですか?」と聞かれたので、上記の体験を伝えて「とんだ目に合いましたよ~」というと、「あ~、あそこは泊まるところじゃなくて、する所なんですってよ。」と言われ、唖然として固まってしまいました。そのやりとりを隣で聞いてた人が、「なんで、『今度僕としましょう』って言わないんだよ!」と言ったのですが、咄嗟にそんな事は言えません。私だって、仕事中は臨戦態勢じゃないんだから。ケダモノじゃあるまいし。ところで、あのホテルはまだあるのでしょうか? ちなみに、もう一軒のグリーンホテルもほとんど最低のホテルでした。(今日は、長い割には面白くなかったですね。ちなみに、駅の無い市は東京に一つ、茨城に一つだそうです。)






※この記事は、当時@niftyのホームページサービス「@homepage」上で開設した「太陽別館・午前零時の旋律/今日のひとネタ」に掲載した記事をgooブログに転載したものです。記事を書いた当時はまだgooブログサービスが存在していませんでしたが、「@homepage」が廃止となったため、過去の記事の保存の目的で行ったものです。その辺の事情はご了承いただいた上でご覧いただければ幸いです。