2021年5月21日 9時00分 朝日新聞
参照記事
https://www.asahi.com/articles/ASP5N7397P5KPLZB005.html
豊臣秀吉が400年以上前に造らせた堤防「太閤堤跡」を保存活用して、京都府宇治市が宇治川べりに「お茶と宇治のまち歴史公園」を整備した。太閤堤と宇治茶の歴史や、宇治茶の魅力発信の拠点に活用していく。
太閤堤は文禄元(1592)年に京都・伏見で築城を始めた秀吉が伏見港の水運をより便利にするため、宇治川と淀川に造らせた。江戸中期まで使われていたという。
2007年、宅地整備に先立つ発掘調査で太閤堤の石積みの護岸が見つかり、長さ約400メートルが09年に国の史跡「宇治川太閤堤跡」に指定された。堤跡は埋め戻されている。
市はここを公園として保存整備することを決め、堤跡周辺を買収。総事業費約74億円で約2・5ヘクタールを整備した。場所は京阪宇治駅西側の宇治川右岸。新型コロナウイルスの影響で、開園時期は未定だ。
公園は史跡と交流の二つのゾーンからなる。交流ゾーンの核は、2階建ての交流館「茶づな」。宇治茶の歴史や製茶法を学び、抹茶作りやブレンドなどの体験ができる。
史跡ゾーンでは太閤堤跡の約2メートル上の土地に約90メートル分の遺構を複製し、宇治川の護岸だった安土桃山時代の様子を伝える。太閤堤ができたことで川に砂州ができ、この砂州が江戸末期~明治期には茶園として利用されていた。その景観を再現する茶園(900株)も作った。ここで茶摘みができる。
松村淳子(あつこ)市長は「観光客にも市民にも宇治茶と宇治の歴史を知ってもらう入り口にしたい」と話す。
開園に先立って23日午後3~5時、アートエリアB1(http://artarea-b1.jp/別ウインドウで開きます)で公園の様子を無料配信する。申し込みは不要だ。