半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

春の農村

2021年04月14日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です。

 ここ最近、本来の春らしいというのでしょうか、適度な晴れでたまに春雨、といったようにパッとはしないもののモヤモヤしたような天気が続いています。3月が異常な暖かさでどの野菜もぐんぐん生育し、今週は新玉ネギが入りましたが、こんな早い時期に玉ネギを出荷出来るのは過去初めてです。一方で、4月に入り気温が下がり、日によっては風が冷たいので、気温に比べて肌寒い日もあり、農家のみなさんからも「昨日は寒かったな~」と言った会話が聞こえてきます。

 そんな春ですが、今年は適度な湿気があります。春というとここ数年は「春の砂嵐」が起きるのが通例でした。雨が降らず畑がパサパサに乾燥するのですが、特に野菜を植え付けるために一斉に畑を耕すのでより乾燥しやすく、春風と重なって土埃が舞い5m先が見えないほどになる日があるほど。それが今年はほとんど無いので「今年は適度に湿っていていいいな」という声も。そういう意味ではここ数年続いてた「春の干ばつ」が無いので本来の春っぽいのでしょう。

 そして春は夏の野菜のために畑の準備を行う時期です。スナップエンドウのネットを張り、出てきた草を刈り、元肥を撒いてマルチを張り、これから出てくる夏野菜の種や苗を植える畝を準備します。そんな感じで今の時期は頑張る時期なのですが、ふと息をつくと自然に癒やされる時期でもあります。お日様はまぶしく、空や風が気持ち良いです。ウグイスはさえずりは美しいですし、キジのつがいが隣の畑から顔を出します。特に今年のキジは過去に無い程でっぷり太って大きく、「昔の人だったらキジ鍋にしたら美味そうだな、と言って狩りをしたんだろうな」と思うほどです(笑)

 キジと言えば良く聞く話が「キジは絶対逃げないという話です。キジは今の時期に草むらに巣を作り卵を産みます。そうすると敵が来ても絶対親鳥は逃げないのです。農家さんから聞く話としては「人参の近くにこんもり何かがあって、良く見たらキジの巣なんだよ。あいつら逃げないからそこは残して収穫したんだけど、畑の真ん中だから後片付けが出来なくてな。できたら畑の隅にして欲しかったな(笑)」とか「草刈りをしていたら、あっ、って、やっちゃったんだよ。見えなかったからなんだけど悪い事したな。草刈り機が近づいてきても逃げないんだよな、あいつらは。まあ、ある意味、偉いよな。何があっても逃げずに命をかけて子どもを守るから、今の人間よりはよっぽど親をしているよな」とか。この話を聞く度に、今の人間は偉そうにしているけど、鳥獣からも学ぶ事が多々あるよな~と思います。

 実際、私の畑のとなりは菜種油用の菜の花畑になっているのですが、そこにはキジのつがいが巣を作っているようで、かならずそこにいます。雄は見張りをしているようで、時には10m先まで近づけることもあります。自分がおとりになって巣に外敵を近づけさせないのでしょう。この前はカラスが菜の花畑の隅に降りたってガーガー鳴き、仲間を呼び寄せていました。恐らくこういったカラスなんかも卵を狙っているので、こういった外敵を追い払うのも命がけなんだろうな~と。

 そして田んぼでは早い人は田植えが始まりました。カエルの合唱も始まっています。日が長く伸び、仕事も沢山合って何かとせわしない季節ですが、それでも生命の躍動を感じられる春は気持ち良いものです。

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