半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

NHKスペシャル-戦後70年 日本の象徴

2015年08月02日 | 自分の時間
以前も書きましたが、今年のテレビで私の中の一番のヒットは「NHKスペシャルー戦後70年 ニッポンの象徴」だな~、とつくづく思います。

毎月録画していますが、7月分の録画を見てみて、改めてそう思いました。

7月は、政治をテーマにしているのですが、戦後の政敵同士である吉田茂(親米家)と岸信介(日本の真の独立には占領下で作られた憲法を日本人の手によって作り変えないといけないという信念を持っていた安部さんの祖父)が手を組んだ流れが、とてもわかりやすかったです。

吉田茂は、他の本でも読んだことがあるのですが、「親愛なるマッカーサー元帥」という手紙を書くほどで、マッカーサーに対して完全重複、「あなたがいないと日本は立ち行かない」という文章を送っているほどの人です。

番組では「まあ、お金のかかる防衛はアメリカにやってもらって、我々は経済復興に注力するんです」みたいなことを笑いながら言っていましたが、マッカーサーからすれば「民主主義のレベルは日本はまだ12歳」といったほどで、従順な飼い犬という思いを持っていたことでしょう。

番組のアンケートでも、「戦後といえば思いつく人物は?」というアンケートに、吉田茂が確か1位とかになっていました。

私のような1970年代だとそういった答えにはならないのでしょうが、戦後を生きてきた人達からみれば、吉田茂はそれほど大きなインパクトを与えたのだと思います。

一方で、岸信介は、戦前は推進派で満州などにも行ったし、統制経済も主導した1人で、戦後はGHQから、いわゆる「A級戦犯」の1人とされ、3年間、巣鴨の牢獄にいたわけです。

その後、解放されて地元の山口に戻ったわけですが、占領下に与えられた日本国憲法は、所詮、占領する側が占領される側向けに書いたもので、これでは真の独立にならない、という声を上げ、政界に復活するわけです。

憲法などより、経済優先、アメリカについていって、復興に注力していこうという吉田茂。
一方、真の独立はこのままではならない、という危機感や周りからの後押しもあって政界に復活した岸信介。

そして、岸信介は総理大臣になった後、「憲法改正」を行うために、まずは安保改定に尽力するわけです。
吉田茂が結んだ日米安保条約では、日本本土が占領化から独立しても、アメリカ軍は日本に基地をおいて自由に活動が出来るが、日本を守る義務は無かったそうです。

それを改善するものではあったのですが、当時のアメリカとのそもそもの安保条約の不平等性、米軍基地での法治権の問題、また警察の取り締まり力を強化する法律などに対する反対などから、次第に反米、反政府運動が強まり、強行採決をするものの、支持率は急落。

その後、吉田茂と岸信介が手を握り、佐藤栄作の声がかかった「池田勇人(所得倍増計画を打ち出した人)」などへと続いていくわけです。

戦後70年というのが節目であるというのはもちろんですが、それにより1年かけて特集を組み続ける番組制作側の熱意が感じられるし、内容も非常にわかりやすい。

この番組のおかげで象徴天皇制、日米安保、55年体制、自衛隊問題、バブル崩壊、などなど、戦後の近代史への理解が少しずつ深まっています。

中高生ぐらいは社会の時間とかに是非視聴してもらえばいいのに、とも思いました。

「NHKのHP」にも色々書いてありますよ。

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