今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です
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いや~、今月は1年で最も忙しい月でしたが、一段落してホッと一息しています。ということで、久々に食べ物そのもののお話です。
私は有機農業をやっている農家さんとおつきあいを始めて10年以上経ちますので、無農薬は当たり前ですし、食卓には野菜たっぷりですし、買うのはちゃんとした調味料や魚・お肉・お菓子ぐらいになっています。そういったものが「当たり前」になると、そうでないものが「おかしい」というのが普通にわかります。こども達もしかりです。
例えば化学調味料を使った料理のほとんどは美味しくないから食べませんし、買ってきた総菜なども大体が手作りより美味しくない。コンビニ弁当はそもそも野菜が足りないので食べる気も起きません。TVのグルメ番組で肉料理ばかり出ているのを見ると「よくまあそんなに食べられるよね。病気になるよ」と可哀想に思います。高1の長男も以前、霜降り牛肉を食べた時「うぇっ、こんなの食えないよ」という反応でした。野菜中心で味噌、ラッキョウ、梅干し、沢庵は手作り。そういう食事が当たり前になると市販のほとんどのものが「おかしなものだね」という事が当たり前の感覚になります。
私は2009年までは東京でバリバリ働いているビジネスマンで、外食とコンビニ弁当が基本でした。そして最後の5年間は食品産業の仕事に関わったことで、「売っているものでまともな食べ物はほとんど無いんだ!」と知ってしまったのですが、「そんなことを言ったら食べるものが無くなっちゃうじゃないか」と思い、退職するまでそれまでと同じ食生活を続けていたんですね。
しかし今は「ちゃんとした食べ物がある生活」が当たり前です。コンビニや外食の食べ物は、食品加工技術によって生み出された化学合成された調味料や使ったもので、そもそもが美味しくないのですが、私の師の遺した言葉で言えば「食べ物のお化け」です。一方で、「生きていたものを食べなさい」という言葉もあります。つまり、自然界にあったもの、生き物を食べるのが自然なんだよ、ということですね。料理とは生き物をどう調理しておいしく食べるか、という事だったと思うのですが、今は出来合いの食べ物のようで実体は化学物質の塊の「食品のお化け」の方が多いのが現代です。食が命を作っていると思うのであれば、是非、「お化け」では無く、さっきまで元気だった「生きもの」、その中でも薬に頼らず「健康に育った命」を食べたいものですね。