半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

NHKスペシャル:時間が止まった私 えん罪が奪った7352日

2018年02月13日 | 自分の時間
今、99.9という嵐の松潤がやっているドラマがあります。

以前やっていたのを見たことがあるのですが、奥様に聞いたら第2シリーズとのこと。

ドラマとしても面白いです

で、このドラマのタイトルでもあるのですが、日本は逮捕されたら99.9%「有罪判決」が出るそうなのです。

ただ、これは世界的にはとても異常な数字だそうで、「日本の警察は優秀」と言われることがあるそうですが、逆に言えば、一度捕まったら、犯人でもなくても犯人されてしまう、いわゆる「冤罪(えんざい)」が起きてしまうそうです。

つまり、日本は世界一の冤罪国家、だそうなんですね。

まあ、アメリカみたいにお金や権力が動いている国は、起訴されても半分ぐらいが無罪で釈放されるそうです。

それも行き過ぎている気もしますが、とにかく、捕まったら最後、やっていなくてもやっている、というふうになってしまうそうです。

特にチカンは女性が「この人が痴漢した」と言われたら、問答無用で逮捕され有罪になっていたそうで、一時期、若い女性がお金目当てで嘘をついて「許してあげるからお金頂戴」という詐欺まがいのことが起きていた、という話もありました。

やっていない、ということで裁判で戦うにも、社会的には「悪」ですから、会社を解雇され、収入が無い中、10年戦い続けてチカンの無罪をようやく勝ち取った、でもその時にはボロボロになっていた、という人も実際にいるそうです。

そんなこと、聞いたことも関心も持ったことが無かったのですが、昨年のNHKスペシャルの録画をみたら、これはものすごい問題だな、と認識を改めました。


どういう話かというと、実話として、昔、自分の娘を放火して殺人し、1,500万の生命保険をだましとったとして捕まった女性がいました。

週刊誌にも「最低の母」みたいなことを書かれ、世の中からバッシングを受け、無罪を主張したものの、無期懲役で牢屋に入れられていた女性です。

そして、20年経ち、当時31歳だった彼女は今は51歳になり、長い長い時間を戦い続けて、現場の実証実験で「供述や検察の調査通りで殺人を犯すのは不可能」ということが証明されたため、ようやく20年目にして「無罪」となり、釈放されたのです。

ドラマの99.9の松潤がやっているような、「本当に検察の言う通りで殺人が出来るのか?実証実験をやってみましょう」なんていうことをやる弁護士は日本にはいないのでしょうね。

だって、20年目の無罪の決め手が「実証実験」だったのですから、捕まった時に無罪を訴えても、その時は実証実験はしなかったのでしょうね。


その女性は、慰謝料でマンションを買って、そこで1人暮らしを始めました。
しかし、20年間、塀の中にいたので、世の中はがらりと変わり、スマフォがあり、買い物の仕方、社会の仕組み、IT化、そして「5年、10年、15年前の事件や芸能や社会的な話」に全くついていけず、他人と交わることが出来なくなってしまいました。

だから仕事は人と関わらない早朝のチラシのポスティング。

服は30代の頃の嗜好と同じで、自分が50代になったからといって、気持ちは30代の頃で止まっているので、50代にあった服になんかどうしてもできない。

また、もともと潔癖症だったのが、さらにエスカレートしてしまって、人も信じられなくなったことも関係しているのか、例えば、人が座った椅子は必ず除菌ペーパーで拭かないと座れないようになってしまいました。

8歳だった息子が、29歳になっていて、「自分の中では小さな8歳だった息子が、突然大人になっていて。かわいいままの姿しかイメージが無いので、どうしても受け入れられない」と、息子にも自分の家の住所を教えず、なんとなくのつきあいになってしまいました。

当時60代だった両親は80歳を過ぎ、塀を出たら介護が待っていました。
しかもそのお父さんは、当時「社会に恥ずべきことをしたんだから、素直に謝って刑を受けなさい」と責めたのです。

だから、自分を信じてくれなかった親に対し、わだかまりがあるまま、それでも介護をしなくてはならない、という葛藤があります。

また、そもそもの有罪の決め手として「自白書」があるのですが、それは実は、内縁の夫と当時小学校6年生の娘の間に関係があった、、、といった事を刑事がそそのかし、「自分はやっていない」と言い続けていたその女性は、その言葉に頭が真っ白になってしまい、そのタイミングで「この通り自白書を書いて」と、言われるがままに書いてしまったそうです。

そのあと、「あれは書かされたことで、私はやっていない」と訴えても、裁判で「有罪」にされてしまったのです。


だから、塀から出てきてやっていることは、人と交わらず、あの時に殺されてしまった自分の娘の仏壇を毎日拝み、月命日には必ず供養をすること。

そんな生活を送っている彼女は「タイムスリップしてしまったみたいで、世界から取り残されてしまった感じ。時たま、刑務所に帰りたくなる」という思いも沸くそうです。


20年間、無罪なのに刑務所に入れられること。

愛する娘が殺されたのに、その犯人が自分だと責められ、親も信じてくれず、まさかの裏話を聞かされ自白書を書かされ、有罪にされ、牢屋に入れられるなんて、もう、どうにも理解できないほどの地獄です。

それでも20年間戦い続けてくれた仲間か弁護士がいたのでしょう。

20年戦い続けた日々、そしてようやく出てきたのに、逆に戻りたくなるような社会からの阻害性。


どうにもなんとも言えないことですよね。


こういったことが日本ではたくさん起きているそうです。

有罪大国ニッポン、冤罪大国ニッポン、大きな問題ですよ。

もし、自分がそんな目にあったとしたら。。。

少なくとも自分の信じている人が何かあったら、警察や検察の調査などではなく、自分の目を信じて、信じ続けた方が良いですよね。
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