半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

物々交換で作られた幻のお酒

2016年10月13日 | 農的体験・生活
頂きました

「おかげさまの酒 大須賀郷」です



私の師匠のおかげさま農場の高柳さんが無農薬で作ったお米を、神崎町のオーガニックの世界では超有名な寺田本家さんに出します。

すると寺田本家さんは、そのお米でお酒を仕込むわけですが、作ったお酒の一部をお米のお礼として高柳さんに返すのです。

そこにはお金を介さず、物々交換の世界があるのです。


食べ物を作り出せていると、衣食住のうち、衣住がある程度足りていれば、日常的にはお金はほとんど出ていかないのです。

農村に昔から暮らしている方は、住は先祖代々継いできているので、150年~300年ぐらいは建て替えません。

衣は、日常的には農作業着ですので、年に数回、ちょっと出かける時の服があれば事足ります。
(私も、この道に入ってからは普段はほとんどが農作業義ですから、普通の服を着るのはたまにあるぐらいです

食は当然作っている。

もちろん、お米は作っていなくても、親戚が作っているからもらえるか、安く譲ってもらえる。

そんな生活をしていると、日常的な「生活費」というのは出ていきません。


今の標準家庭は、子供が生まれると家を買い、そのローンが一番の支払い。
その次は食費。
その次は子供のお稽古なでしょうか?
その次はレジャー費で、その後に衣類かな?

いすれにしろ、収入の多くが生活費に消えますし、その多くは食住に消えます。


ところが、ちょっと前の土地に根付いて生きていた時代だと、日常はお金が出ていかないので、貧乏そうにみえてちょっとしたお金は貯まっています。
そして、家の大改修工事をしたり、車を買い替えたり、大きなお金が必要な時が10年に1回ぐらいあって、そういった時だけ「どばっ」とお金を使う感じです。


また、高柳さんが子供の頃は、大工さんに日当として、米2升が普通だったそうです。

村には油屋さんがあり、家の畑で菜種を育て、それを持っていくと油屋さんは油を搾ってくれる。
その油の例えば2割とか一部を油屋さんは搾り賃としてもらって、菜種を育てていない人に油として売る。
菜種は持ち込んだ人は、一部の油をあげる代わりに、搾り賃は無い、つまり物々交換なわけです。

お米の脱穀やもみすり屋というのもいて、秋の収獲シーズンになると、村々を機械をもってまわって、似たようなことをしていたそうです。

そういったお金を介さない物々交換が主流の時代が、戦後、昭和20年代ぐらいまではまだ日本の農村にはあったそうです。


そういった流れで、高柳さん、先代の寺田さんが意気投合して「米を出すから、それで酒を造ってくれ」というブツブツ交換の話が始まったそうです。

最初は「おかげさまの酒」ということにしようと思ったら、その名前のお酒があったので、高柳さんが住んでいた地域のかつての名称の「大須賀村」つまり、大須賀の郷、ということで「大須賀郷」というお酒の名前にしたそうです。

中身は寺田本家の看板商品の「五人娘」の原酒です。
アルコール度数は19.5度と大変高いのですが、むちゃくちゃ美味しくて、ついつい飲んでしまいます
普通の清酒より、よっぽど飲みやすいんですね~

これが3月ぐらいのお酒を搾るシーズンになると、「しぼったまんま」、つまり、お酒を搾った後、ろ過しない発泡酒のような感じの濁り酒となってきます。

これまた超美味しい

しかもこれは「非売品」ですので、ご縁がある人しか飲めないお酒です。

本物を作っている生産者だけが出来る「物々交換」の世界にあこがれると同時に、そういった方々とご縁があることで、頂けるお酒、たまりません
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