半世紀以上前のことだが小説家が、確か吉行淳之介だったと思う、選挙なんか行っても意味ない私一人が行かなくても何も変わりはしないと言っていた。若い私はそうは思わなかったし塵も積もれば山となるのだが、すべての小説家がそうかどうかは知らないが知らぬ他人の意見などには耳を貸さなそうな人だ。
まあ小説家の考えとは別種の心境と思うが、政治不信というよりは政治無関心政治諦観がこの国を覆い始めている。全く支持されていない政治家が極めて重要な政治案件を国民の意見を無視して自分勝手に決めてゆくのを止めることができない。政治は別世界で動いてゆくものだという感覚は恐ロシア感覚のように観測している。これが新しい戦前としたら本当に恐ロシア化だ。