女の子がまず憶えないと行けない言葉は「No」ねとFが言っていた。爺さんの私もまずノーと言うようにしなければならないと感じている。四半世紀、売り込みの激しい医薬品のセールスに付き合ってきて、かなりノーと言えるようになったはずだったのだが、介護保険審査、障害者認定審査、レセプト審査、保健所での教育講演などやってくれる人が居なくて困っていますなどと頼まれると、つい「ハイ」と言ってしまってきた。
手帳を見たら十月には同じ日に教育講演と審査委員会が入ってしまっていた。審査委員会の日程が講演を頼まれた時点では分かって居なかったので、保健師さん達が是非糖尿病の講演をお願いしますとやってきた時に、つい「はい」と言ってしまっていたのだ。ダブルブッキングは飛行機ではよくあるらしいが、私も平謝りで審査委員会を欠席せねばなるまい。司会者の私が居なくても、口達者の委員ばかりだから何とかなるだろう。
そういえば、医師会や保険所業務どころか当番当直さえ何一つやっていない強者も居るなあ。ノーも其処まで行くと、世間の評価はさすがに芳しくないようだが、そんなことを気にする御仁ではない。他人のことはさておき、まずノーと言って、強く頼まれたら暫く考えてみましょうと引き取って妻に相談することにしたい。嫌なら断りなさいと後押しをしてくれるだろう。
これからはできるだけそうします。駄目の評判が立てば依頼者も粘らなくなるでしょう。
ちょっとエラそうなことを書いてしまって申し訳ありませんでした。どうしても結論を早く出したいあまり、ダメならダメと早い段階で意思表示いただけたら、次の展開に移れると思ってしまいました。
確かに頼む方もそのあたり(受けてくれそうと言う腹積もり)はないわけではないんでしょうね。
奥様頼り、という部分は、妙に真実をあぶりだしているようで面白いですね(失礼しました)。